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2017年6月12日 (月)

ギターロック路線回帰

Title:FOR CRYING OUT LOUD
Musician:KASABIAN

イギリスを代表するギターロックバンドKASABIANの3年ぶりとなるニューアルバム。デビューアルバムでいきなりのセルフタイトルだった「KASABIAN」が全英4位を獲得。その後、2ndアルバム「Empire」以降、前作全英1位を獲得。本作も当然のように1位を獲得しており圧倒的な人気を見せつけています。ちなみにアメリカでは最高位がデビューアルバムでの94位だったようで、典型的なイギリス国内人気主導型のバンドといった感じです。

基本的にKASABIANといえば比較的シンプルなサウンドで「歌」を聴かせるバンドといったイメージが強く、ど派手なインパクトはないものの妙に耳に残るメロディーラインが大きな魅力のバンドというイメージがありました。ただ前作「48:13」ではエレクトロサウンドを多く取り入れており、結果としてちょっとチグハグな印象を受けてしまうアルバムになっていました。

そんな前作に関して本作は原点復帰、ギターロック路線回帰となった作品でした。アルバムの1曲目を飾る「Ⅲ Ray」はいきなりリズミカルでダンサナブルなサウンドからスタートするもののサビではダイナミックなギターサウンドが入ってきて非常に心地よさを感じるナンバー。続く「You're In Love With a Psycho」も軽快なリズムのギターロックナンバーですが、ポップなメロディーラインが耳を惹く心地よいナンバーになっています。

続く「Twentyfourseven」はガレージ風のノイジーなギターがたまらないロックなナンバー。さらに中盤、「Wasted」「Comeback Kid」「The Party Never Ends」は哀愁感のあるメロディーが心地よいメロディアスなナンバーに。この憂いを帯びてどこか影を感じる楽曲がいかにもイギリスらしさを感じると同時に日本人の心にも響きそうなナンバーになっています。

後半の「Are You Looking for Action?」は打ち込みのダンスチューンとなっていますが中途半端に挑戦的なエレクトロナンバーが並んだ前作と比べてポップでほどよいインパクトを与えてくれるナンバーとして後半のインパクトとなっています。その後もアコギでしんみり聴かせる「All Through the Night」や横ノリの「Sixteen Blocks」などバリエーションあるナンバーを展開しつつも、最後はメロディアスでパンキッシュなギターロック「Bless This Acid House」とこのアルバムの主軸であるギターロック路線に戻り、ラストの「Put Your Life On It」はミディアムテンポのメロディアスなナンバーなのですが、ライブではサビで大合唱が起こりそうな楽曲で締めくくり。このアルバムの構成も実に見事な作品になっていました。

オルタナ系ギターロックが好きなら是非ともチェックしてほしい傑作。難しいこと抜きにポップなメロディーとギターロックのダイナミックさを楽しめる良質なポップスアルバムになっていました。個人的にはKASABIANの中でも最高傑作のような印象も。さすがイギリスを代表する国民的バンド、その実力は伊達じゃありませんでした。

評価:★★★★★

KASABIAN 過去の作品
West Ryder Pauper Lunatic Asylum
VELOCIRAPTOR!
48:13


ほかに聴いたアルバム

Strength of a Woman/Mary J.Blige

「クイーン・オブ・ヒップホップ・ソウル」という呼び名で知られるソウルシンガーの約2年半ぶりの新作。いかにも女王様然としたジャケット写真もインパクト十分なのですが、最新作では彼女らしいソウルフルで力強いボーカルを聴かせてくれる一方、トラックに関しては今風のエレクトロサウンドになっており、王道ソウルの彼女のボーカルとのバランスが実におもしろい作品になっていました。前作は安定感ある作品だった一方、いまひとつ目新しさがなかったように感じたのですが、本作ではきちんと2017年という時代を反映された傑作に仕上がっていました。

評価:★★★★★

Mary J.Blige 過去の作品
STRONGER WITH EACH TEAR
My Life II...the Journey Continues (Act 1)

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