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2017年6月 5日 (月)

懐かしさがあふれだす、かも。

昭和歌謡曲のうち「レア・グルーヴ」ともいえる楽曲を「ヤバ歌謡」として選曲し、DJとしてプレイすることで注目を集めているDJフクタケ。いままで彼が選曲した楽曲のDJミックス盤を何度か紹介してきましたが、今回紹介するアルバムもそれに連なる作品。彼が監修・選曲し昭和時代の玩具やキャラクターなどにまつわる楽曲を集めたコンピレーションアルバム。テーマ別に3種類にまとめられリリースされました。

この手の販促的な意味合いが強いキャラクターソングやキッズソングはあくまでも肝心のおもちゃのおまけ的につくられることが多いため、なんらかのきっかけでよほど注目されない限り、後世に歌い継がれるということはなかなかありません。そういう意味でも実に貴重価値のあるコンピレーション。さらに今回、DJフクタケが選曲した曲はそんな楽曲の中でも知る人ぞ知る的な希少価値のある曲が多く、初CD化もすくなくありません。そのためこれらの曲をリアルタイムで聴いていそうな世代にとっても、知っている曲はあまり多くないかもしれません。

ただ、これらの曲に出会うような幼稚園や小学校の頃は、一度レコードなどで買ってもらった曲は繰り返し繰り返し何度も聴いた想い出、みなさんにもあるのではないでしょうか。それだけに知る人ぞ知る的な曲ではある一方、子供の頃、ここに収録されている曲に出会ったことのある方にとっては当時の思い出があふれだしてくる懐かしくてたまらないコンピレーションアルバムになりそうです。

Title:トイキャラポップ・コレクション VOL.1 <ヒーロー&ヒット編>

まずVOL.1はヒーロー&ヒット編。いわゆるヒーロー玩具や、ダッコちゃん人形やミニ四駆、フラフープなどといった玩具自体は大ヒットを記録したおもちゃにまつわる曲を収録しています。

こうやって並べてみると強く感じるのですが、やはり販促的にもわかりやすい楽曲をつくってきているからかその時代時代の流行にそのまま沿ったような王道的な曲が並んでいます。「変身サイボーグ1号」はまさに王道ともいえるヒーロー物の主題歌路線ですし、いまや声優として大御所的な位置にいる日高のり子のアイドル時代の楽曲「潮風のサーキット」はまさにこれぞ80年代というアイドル歌謡曲。「世界を廻るフラフープ」は1958年に突如起こったフラフープブームに乗った曲なのですが、こちらもまさに昭和歌謡曲な楽曲になっています。

個人的に唯一知っていて、なおかつ非常に懐かしく感じたのが「太郎鯉」。小学校の頃よくみていたアニメのCMで良く流れていたなぁ~!CM自体もすっかり忘れていたのですが、久々にこの曲を聴いて、懐かしさがこみあげてきました。

ちなみに音楽的におもしろかったのが「FUNKYダッコNo.1」。これダッコちゃん人形のブームの時にリリースされたわけではなく、1975年の復刻版が発売された時にリリースされたそうですが、かの近田春夫率いるハルヲフォンによるナンバー。ファンキーでグルーヴィーなディスコチューンは今聴いてもかなりカッコいいダンスチューンになっています。

またユニークさでいえば「ミニ四ファイター組立てうた」。タイトル通りのミニ四駆にまつわる楽曲。タイトル通りミニ四駆に関するノベルティーソングなのですが、歌詞の内容からしてミニ四駆ブームを思い出して懐かしく感じる方も少なくないかも。いかにもこの手のキッズソングらしい内容となっています。

ちなみに下記評価は純粋に楽曲を広くお勧めできるか、という観点での評価。正直、癖の強い選曲で、万人には薦めづらいかも。ただ企画の内容的には文句なしの5つです。

評価:★★★★

Title:トイキャラポップ・コレクション VOL.2 <ファンシー&カワイイ編>

VOL.2は主に女の子向けの玩具に関するキャラクターソングを集めた楽曲。特にサンリオ・レコードの楽曲を多く収録したことが話題になっているよう。サンリオ・レコードとか70年代後半から80年にかけてかのサンリオが作成したキャラクターソング。サンリオの直営店などのみでの販売だったそうで、今となっては希少価値がありそうな一方、リアルタイムでレコードを買って、家で何度も聴いていたという女の子も少なくなかったかも。そういう方にとっては懐かしくて涙が出てくるような楽曲も収録されている、かも。

楽曲的には歌謡曲からアイドルポップ、カントリー、シティポップ風な曲などバリエーションが多く、またバタ臭い曲も少なくないため今聴いても意外と楽しめそうなポップソングが多く収録されています。サンリオキャラの曲は今聴いてもキャラクターイメージから大きくは逸脱しないような曲が多く、ここらへんサンリオのキャラクターイメージの作り込み方の見事さを感じます。

異色作として耳を惹くのがリカちゃん人形のキャラクターソング「ママ遠くへ行かないで」。ママが遠くに行ってしまうという夢を見るという歌詞なのですが、非常に不穏な空気を感じる悲しい曲調で、なぜこんな曲がつくられたのか?と思ってしまいます。逆に非常におもしろかったのがラストを飾るまさごろの「ベーッ!」。可愛らしいエレクトロポップなナンバーで、ニューウェーヴ風な曲調がとてもユニークな曲に仕上がっています。

純粋に楽曲的な意味で言えば個人的に3作の中で一番楽しめたかな。今聴いても十分楽しめる可愛らしいポップソングが並んでいました。

評価:★★★★★

Title:トイキャラポップ・コレクション VOL.3 <ビデオゲーム編>

最後はテレビゲームにまつわる曲を集めたコンピレーション。「テレビゲーム」という言い方ではなく「ビデオゲーム」という言い方をするあたりに拘りを感じます。

このコンピレーションはやはりビデオゲームにまつわる楽曲だからでしょうか、エレクトロサウンドがほどこされた楽曲がほとんど。特に、エレクトロアレンジの80年代風のアイドルソングがズラリと並んでいます。リリースされたころはやはりこういう音に時代の先駆性を感じたんでしょうが、今聴くと、若干陳腐な感じになってしまっているのは否めません。楽曲的にも似たような曲が多く、正直言うと、純粋に楽曲的な部分だけで言うと最後の方は若干飽きが来てしまいました。

ただそれでも「ディスコ・スペース・インベーダー 」はファンキーなディスコチューンにインベーダーゲームの効果音を取り入れたナンバーで今でも楽しめるレア・グルーヴな楽曲に仕上がっています。高橋名人の「スターソルジャーのテーマ」なんかはやはり非常に懐かしさを感じます。

評価:★★★★

そんな訳でレア曲いっぱい、ユニークなノベルティーソングいっぱいでお腹いっぱいになるコンピレーションアルバム。企画としての目の付け所もいいですし、それでアルバム3枚分も曲を集めてしまうところもさすがです。非常に楽しめたコンピ盤でした。

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