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2017年6月

2017年6月23日 (金)

豪華ゲストが話題

Title:Humanz
Musician:GORILLAZ

なんと6年ぶり!GORILLAZの待望のニューアルバムがリリースされました。GORILLAZは2D、ヌードル、マードック・ニカルス、ラッセル・ボブスからなる4人組のバンドで・・・といってももちろんご承知の通り、彼らは全員、漫画のキャラクター。ご存じ、blurのデーモン・アルバーンと漫画家のジェイミー・ヒューレットによって作成されたバーチャルバンド。最初はblurの余技的な一時的プロジェクトと思われていたのですが、デビュー作が全世界で700万枚という大ヒットを記録。いまや、下手したらアメリカではblurより人気があるんじゃないか、と思われるほどの「バンド」になりました。

一時期、デーモン・アルバーンとジェイミー・ヒューレットの仲が決裂。GORILLAZの行方も心配されていました。が、その後2人の仲は修復。無事、久々となるニューアルバムがリリースされました。で、その久々となる最新作ですが、まずゲストがすごいことになっています。

一番の驚きはあのノエル・ギャラガーが参加していることでしょう。blurとoasisといえばかつては犬猿の仲として有名だった間柄。特にノエルとデーモンといえば、ノエルがデーモンに対して「エイズにかかって死ねばいい」というとんでもない暴言を吐き話題となりました。その後、両者の和解は日本でも大きな話題となったためご承知置きかと思いますがGORILLAZの最新作では「We Got The Power」でなんと共演が実現。大きな話題となっています。

さらにblurのギタリストであるグラハム・コクソンもギターとして参加。グラハムとの仲が悪化し、blurの活動が縮小していく中、GORILLAZの活動が盛んになっていった、という印象もあるため、グラハムがGORILLAZに参加するということは、これまた隔日の感があります。

他にも様々なミュージシャンたちがゲストとして参加しているのですが、現在、新進気鋭のミュージシャンとして大きな話題となっている人たちの参加が目立ちます。たとえば「Ascension」で参加しているヴィンス・ステイプルズはLAで活動中の将来が期待される若手ラッパー。テンポよいHIP HOPチューンとなっています。「Saturnz Barz」も話題のレゲエミュージシャン、ポップカーンが参加。横ノリのレゲエチューンを哀愁感まじえて聴かせるナンバーになっています。また「Hallelujah Money」で伸びやかなジャズ風のボーカルを聴かせるのは天才シンガーとして話題となったイギリスのベンジャミン・クレメンティン。まさに今話題のミュージシャンたちがズラリと参加しています。

一方ではGORILLAZへのゲスト参加ではおなじみのDE LA SOULは本作も参加。さらに「Let Me Out」ではゴスペルシンガーの重鎮、メイヴィス・ステイプルズが参加。若手のみならずベテラン勢にもしっかりと気を配っており、幅広い音楽性が楽しめる内容となっています。今回の作品はアメリカをテーマとした作品ということでアメリカの音楽を幅広く取り入れて、アメリカという世界を浮かび上がらせようとしているのでしょうか。

また今回のアルバム、もうひとつの特徴としてはエレクトロサウンドを取り入れた曲が多かったという点。特にいままでのGORILLAZになかった四つ打ちの作品もあり、「Strobelite」のような軽快なディスコ風のナンバーも収録されています。これも今の音楽シーンを反映させたようなサウンドになっているように感じます。

今回のアルバムではそんなエレクトロサウンドを取り入れ、豪華なゲストでいままで以上にバリエーション富んだ作風になっているだけにバンド色は薄くなっています。今回のアルバムではデーモンは「トランプ後のアメリカ」を描いているそうです。それだけにかなりメッセージ性の強い曲も収録されていますが、ただそれ以上にGORILLAZでいろいろな音楽をとにかく好き勝手にやってみたい、デーモンのミュージシャンとしての好奇心をまず強く感じます。それだけに最新の音楽に触れることが出来るバリエーションある楽曲は、少々統一感ない部分もあるものの純粋に楽しく聴くことが出来ました。GORILLAZだからこそ出来た、GORILLAZらしい1枚です。

で、今回本作、国内盤を購入して聴いたのですが、これに関して大きな不満が。国内盤は全世界でのリリースから1か月遅れのリリースとなったのですが、それにもかかわらず対訳がついていません。特に本作はメッセージ性の強い作品なだけに対訳が必須のはず。対訳はつけないでほしいという要望があったのでしょうか。こんな雑な仕事をしていると、国内のレコード会社はどんどんそっぽをむかれかねないと思うのですが。本作に興味を持ったら輸入盤で十分。国内盤は不要です。

評価:★★★★★

GORILLAZ 過去の作品
D-Sides
Plastic Beach
THE FALL
The Singles Collection 2001-2011


ほかに聴いたアルバム

A Kind Revolution/Paul Weller

イギリスギターロック界の大ボス、ポール・ウェラーの2年ぶりとなる新作。前作はロック色が強くなったアルバムでしたが本作はソウル、ブルース、AORとブラックミュージックの色合いが強いアルバムに。ただ一方、いつもの彼らしい骨太のロックも聴かせてくれ、ベテランとしての安定感を感じます。もちろん、安定感だけではなく現役感も十分感じられるアルバム。まだまだ彼の活躍は続きそうです。

評価:★★★★

Paul Weller 過去の作品
22 DREAMS
Wake Up The Nation
Sonik Kicks

The Best of...So Far/THE KOOKS

2008年にアルバム「Konk」が全英チャート1位を獲得し大きな話題となったロックバンドによる初のベスト盤。基本的に非常にシンプルなギターロックというイメージで、リズミカルな楽曲が多く、良くも悪くもいかにもイギリスのギターロックバンドといった印象を受けます。目新しい感じはしませんが、素直なギターサウンドを楽しめるバンドです。

評価:★★★★

THE KOOKS 過去の作品
Konk
Junk of the Heart

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2017年6月22日 (木)

1位2位に男性SSW勢が

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週は話題となったアニメ関連のアルバムが1位2位に並びました。

まず1位は秦基博「All Time Best ハタモトヒロ」。デビュー10周年を記念してリリースされた初のオールタイムベスト。まあ最近、「ALL TIME BEST」と名乗りながら「何度目のベスト盤だよ?」というミュージシャンも少なくありませんが、彼の場合、弾き語りによるベストやシングル曲などをあえてはずした自己選曲による企画盤的ベストはリリースしていましたが、「通常の」ベスト盤はこれがはじめて。また1位獲得もシングルアルバム通じて初の快挙となりました。ただ初動売上4万2千枚は直近のオリジナルアルバム「青の光景」(2位)から横バイ。固定ファン層以外からの売上獲得があまりない点が気にかかります。

2位は最近話題の男性シンガーソングライター岡崎体育「XXL」が獲得。2枚目のアルバムにして初のベスト3ヒットを記録。初動売上1万3千枚も前作「BASIN TECHNO」の6千枚(9位)から倍増以上という勢いを示す結果となっています。

男性シンガーソングライター勢といえば今週もう1作、注目作がベスト10入りしています。それが8位初登場の村上佳佑「まもりたい」。クリス・ハートの武道館ライブでのオープニングアクトをつとめたり、「NIVEAブランド」のCMソングに起用されたりと徐々に注目を集めてきたシンガーソングライター。本作がデビュー作となりますが、初動売上5千枚で見事ベスト10ヒットとなりました。

3位は韓国の男性アイドルグループSeventeen「AI 1:4th Mini Album」が先週の24位からランクアップ。3週ぶりにベスト10返り咲きの上、前回ベスト10入りした時の9位を上回る結果となっています。これは今回、7月にサイン会が決定し、そのサイン会参加のために今週が対象となる週にCDを購入する必要があるため一気に売上を伸ばしたものと思われます。こういうファンに同じCDを2度買いさせるようなプロモーション手段は最低だと思いますけどね。

続いて4位以下の初登場盤です。まず4位にEXILEの事務所LDH所属のHIP HOPグループDOBERMAN INFINITY「#PLAY」がランクイン。パーティーチューンに特化したこれからの夏向けのミニアルバムです。初動売上8千枚は直近のオリジナルアルバム「TERMINAL」の1万6千枚(7い)からダウン。

5位には韓国の男性アイドルグループB1A4「4」がランクイン。タイトル通り、日本では4枚目となるアルバムです。初動売上8千枚は前作「3」の1万1千枚(4位)からダウン。

7位には女性声優沼倉愛美「My LIVE」が入ってきました。シングルは2枚リリースしていますが、これがアルバムではデビュー作となります。初動売上は5千枚とCD不況の現在でもちょっと寂しい数値となりましたがベスト10入りはこれがはじめてとなりました。

最後10位にはChe'Nelle「Destiny」がランクイン。デビュー10周年を迎えた彼女の2年4ヶ月ぶりとなる新作。ただし初動売上4千枚は前作「シェネル・ワールド」の1万5千枚(6位)から3分の1以下という厳しい結果となっています。

今週のアルバムチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2017年6月21日 (水)

久々に非アイドル系が1位

今週のHot 100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

アイドル系の1位獲得が続いていたHot100ですが、今週は久しぶりに非アイドル系が1位獲得となりました。

1位初登場はB'z「声明」。UCC「BLACK無糖」CMソング。ソロでの活動が続いていたB'zですが、約2年ぶりの新譜となりました。B'zとしては比較的軽めのポップス色の強いナンバーになっています。CD売上・ダウンロード・ストリーミング数(以下「実売数」)、PCによるCD読取数で1位獲得。一方、ラジオオンエア数では30位と低迷。確かにあまりFMラジオ受けしなさそうな感じなのですが・・・彼らも固定ファン層が支持層のメインということなのでしょう。オリコンでは初動売上12万1千枚で1位獲得。前作「RED」の15万7千枚(1位)よりダウンしています。

2位は男性アイドルグループDa-iCE「トニカクHEY」が初登場で獲得。今風のEDM風ポップで、目新しさはほとんどありません・・・。実売数2位、Twitterつぶやき数6位を記録した一方、ラジオオンエア数93位、PCによるCD読取数92位とかなり低迷した結果となっています。オリコンでも初動売上3万5千枚で2位初登場。前作「恋ごころ」の2万9千枚(3位)よりアップしています。

3位はAKB48「願いごとの持ち腐れ」がワンランクダウンでベスト3をキープしています。

続いて4位以下の初登場曲なのですが、今週はベスト10初登場は1曲のみ。9位にハロプロ系女性アイドルグループこぶしファクトリー「シャララ!やれるはずさ」が初登場でランクイン。映画「JKニンジャガールズ」主題歌。実売数は5位でしたが、ラジオオンエア数73位、PCによるCD読取数62位、Twitterつぶやき数46位が足を引っ張る形でこの順位となりました。オリコンでは初動2万2千枚で4位初登場。前作「サンバ!こぶしジャネイロ」の3万3千枚(3位)よりダウンしています。

さて初登場が少な目だった一方、上位にはロングヒット曲が目立ちました。まず4位には韓国の女性アイドルグループTWICE「SIGNAL」が先週の11位からランクアップ。2週ぶりのベスト10返り咲きとなりました。実売数は33位なのですが、You Tube再生回数1位、Twitterつぶやき数2位を記録し、ネット先行人気で上位にランクインしています。

また他にはChe'nelle「Destiny」が先週の6位から5位にランクアップ。今週、アルバムをリリースしていますのでその影響もありそう。さらに星野源「恋」は先週の8位から10位にランクダウンしたものの今週もベスト10をキープ。You Tube再生回数3位、Twitterつぶやき数9位と根強い人気を見せ、今週はさらにラジオオンエア数が41位から11位にランクアップ。まだまだロングヒットは続きそうです。一方、ロングヒット気味だったBeverly「I need your love」は今週11位にランクダウン。残念ながらベスト10入りは3週で終わりました。

今週のHot100は以上。明日はアルバムチャート。

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2017年6月20日 (火)

ゆるふわラップ

Title:Mars Ice House
Musician:ゆるふわギャング

 

ゆるふわギャング。名前だけでかなりインパクトある彼らは最近、おそらく日本のHIP HOPシーンの中でもっとも絶賛されているミュージシャンではないでしょうか。Ryugo IshidaとSophieeという2人とラッパーにディレクターAUTOMATICを加えた3人によるユニット。Ryugo IshidaとSophieeはそれぞれソロのラッパーとして活動していたそうですが、その音楽性に共通するところがあり一緒に音楽活動を開始。自らのラップのスタイルに「ゆるふわ」という名前をつけ、ゆるふわギャングという名前で活動を開始しました。

ちなみに先日紹介した本「ラップは何を映しているのか」の中でも評論家大和田俊之氏がゆるふわギャングについて大絶賛するコメントをあげています。この中でも彼らの音楽的な影響についても言及。彼らはアメリカで今大人気のラッパー、リル・ヨッティの影響を強く受けており、また彼はアメリカで最も注目されているトラップというジャンルの代表的なラッパーだそうです。

彼らのラップはどこか気だるさを感じる力が抜けたラップでサウンドを含めて酩酊感があるのが特徴的。日本のHIP HOPの中でもかなり独特なスタイルを感じるのですが、これを「ゆるふわ」と名付けるあたりに彼らの上手さを感じます。このまったりとした雰囲気のラップが非常に個性的で耳に残ります。またトラップの特徴でもある非常にゆっくりなBPMというのは彼らのラップでも特徴となっており、また楽曲のまったりさ、酩酊感を醸し出すにはちょうどよいリズムとなっています。

また彼らのもうひとつ大きな魅力は、北関東の郊外に住むヤンキー的な若者の生活スタイルを等身大に描いているという点でしょう。「ギャング」という名前の通り、「不良」である彼らですが、ギャングスターラップのような「不良自慢」みたいな感じではありません。Ryugo IshidaとSophieeは音楽的なパートナーであるのと同時に実生活でも恋人同士ということですが、そんな2人だからこそ描けるような2人のパーソナルな世界を描いています。

そんな彼らのラップに登場するアイテムもある意味いかにも北関東のヤンキー的。例えば「Go! Outside」ではプリウスなんていうアイテムが登場していますし、「Dippin' Shake」はあきらかにマクドナルドに対する賛美。最近は「マイルドヤンキー」なる言葉も登場していますが、いかにも東京郊外の若者文化のような雰囲気を醸し出しているのが彼らのラップのリアリティーを生み出しています。

正直、彼らのラップの世界観には必ずしも共感できない部分はありますし、また個人的にも言葉をはっきりと発音するスタイルのラップが好みなので、酩酊感あって日本語がわかりにくい彼らのラップのスタイルはあまり好みではないのですが、それにあらがえないような妙なインパクトと魅力を彼らが持っているのは間違いありません。まだまだ一部で評判になっているようなミュージシャンですが、さらに広く話題になっていきそうな予感のある彼ら。これからの活動も楽しみです。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

ミカヅキの航海/さユり

デビューアルバムである本作がいきなりチャート3位を記録した女性シンガーソングライター。「酸欠少女さユり」をキャッチコピーとしてアニメキャラも導入して「2.5次元パラレルシンガーソングライター」を名乗ったりして微妙に痛さを感じるのですが、確かに楽曲的にはオーソドックスなガールズロックで、よくありがちな感じ。孤独な心境を歌ったりして歌詞的にはそれなりにインパクトあるフレーズもあるのですが、確かにこういう「痛い」キャラ設定しないと売れないだろうなぁ、と感じてしまいます。「酸欠少女」だとか「2.5次元」だとかの設定が、いつの日か「忘れたい過去」になってからが彼女の勝負なんだろうなぁ。

評価:★★★

3/tricot

女性3人組ギターロックバンドのフルアルバムとしては2年2ヶ月ぶりとなる新譜。変拍子を取り入れた複雑なリズムにダイナミックなバンドサウンドをのせて、かつメロディーに関してはポップにまとめあげているという実に個性的でおもしろいバンド。ただ前作「A.N.D.」でも感じたのですがメロディーラインはいまひとつインパクト不足で印象に残らないのは残念。一方エモ志向のバンドサウンドに関しては前作に比べてグッと迫力が増したように感じました。

評価:★★★★

tricot 過去の作品
A.N.D.

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2017年6月19日 (月)

女性として、母親として

今年、デビュー15周年を迎える女性レゲエシンガーMINMI。そんな彼女が15周年を記念してAll Time Bestを2枚同時にリリースしてきました。

Title:ALL TIME BEST:ADAM
Musician:MINMI

まずこちらは「ALL TIME BEST:ADAM」。デビューシングルでいきなりの大ヒットを記録した「The Perfect Vision」をはじめ「シャナナ☆」などのヒット曲も収録されています。

さてこのベスト盤を聴いて強く感じたのがMINMIが自ら女性であること、母親であることを強く意識して楽曲作りをしている、ということでした。典型的なのは「#ヤッチャイタイ」でしょう。軽快なソカ路線のパーティーチューンである本作は女性視点のエロ歌詞というスタイル。エロい歌詞の曲はポップスシーンにいろいろとありますが基本的に男性目線。それをあえて女性目線で描くあたりに、エロは男性の専有物ではないという主張を感じます。

またそんな歌詞を書きつつ一方では子供に対する母親の愛情を感じる曲も目立ちます。子供の誕生を歌った「キセキ」は子供の視点から描いており、この視点がなかなかユニーク。「ピンク帽子の"ドレミファソ"」も子供向けの数え歌に仕上がっています。ちなみにこの曲、子供の保育園の卒園式のためにつくられたとか。MINMIの母親としての暖かいまなざしを感じます。

楽曲的にもレゲエやソカを中心にラップ、エレクトロ、ポップスなど多彩な要素を取り込んでおり、バラエティー富んだ内容になっており最後まで飽きさせません。なによりMINMIの人間性が垣間見れるベスト盤になっており、とても素敵な1枚でした。

評価:★★★★★

Title:ALL TIME BEST:EVE
Musician:MINMI

そして同時にリリースされたもう1枚のALL TIME BEST。こちらにはファン投票の上位に選ばれた「隠れた名曲」や、「The Perfect Vision」を再録した15th anniversary versionが収録されています。

こちらもレゲエやソカを中心にエレクトロサウンドを取り入れたりポップ色が強い楽曲が並んでいたりとバラエティー豊か。ラテン調の強いナンバーやノイジーなギターサウンドを取り入れてロック色も感じる曲もあります。

まあただこちらは一般的なイメージからしてジャパレゲの人たちってこんな感じだろうなぁ、といった感じの描写が多いイメージ。要するに「オラオラ系の人たち」ってイメージですね。SHINGO★西成と組んだ「スマホ」だとか、元旦那の所属していた湘南乃風と組んだ「さくら~永遠~」だとか、良くも悪くも「まあ、そういう感じだよね」と思ってしまいそうな曲が並んでいます。

そういう意味では「ADAM」と比べるとMINMIというミュージシャンの魅力があまり出ていないような・・・個人的にはMINMIをあまり聴いたことない、という方には「ADAM」がお勧めかな。もちろんこちらも十分楽しめるとは思うのですが。

評価:★★★★

MINMI 過去のアルバム
THE LOVE SONG COLLECTION 2006-2007
MINMI BEST 2002-2008
Mother
I LOVE


ほかに聞いたアルバム

GET WILD 30th Anniversary Collection - avex Edition/TM NETWORK

Getwild

今年4月、アルバム全曲が「GET WILD」といういろいろな意味でとんでもないアルバム「GET WILD SONG MAFIA」がリリースされ話題となったTM NETWORK。その後、配信限定でリリースされたのが本作。こちらも全曲「GET WILD」で、avexが版権を持っている楽曲を並べた作品だそうです。最初、「GET WILD SONG MAFIA」の配信用ダイジェスト版かな?と思ったのですが、なんとこのアルバムのみに収録されるバージョンもあるとか。まだあるのか、「GET WILD」!?という訳で「SONG MAFIA」に続いて本作も聴いてみました。

基本的にはTM NETWORKがavexにうつった2012年からの曲なので極最近のバージョンばかり。ただ、それでもこれだけバージョンがあるんだ・・・と思ってしまいますが。最近のバージョンなだけに全体的にはトランス色が強いアレンジに。ちなみに小室哲哉ソロ曲も入っているのですが、こちらも「GET WILD」のオリジナルではなく「GET WILD '89」。「SONG MAFIA」での感想でも書いたんだけど、やはり小室哲哉本人は「'89」のアレンジが理想形なんだなぁ。

個人的にはやはり石野卓球アレンジの「SONG MAFIA」収録曲とは別バージョン「Takkyu Ishino Latino Remix」がよかったな。「SONG MAFIA」を聴いた方、もうちょっと「GET WILD」におつきあいしてはいかが?

評価:★★★★

TM NETWORK 過去の作品
SPEEDWAY
TM NETWORK THE SINGLES 1
TM NETWORK THE SINGLES 2
TM NETWORK ORIGINAL SINGLES 1984-1999
DRESS2
QUIT30
GET WILD SONG MAFIA

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2017年6月18日 (日)

清竜人と5人のワイフたち

Title:WIFE
Musician:清竜人25

天才シンガーソングライターとしてデビューしつつも、ここ最近は奇抜なパフォーマンスや楽曲が話題にのぼることが多い清竜人。その奇抜さの最たるものがこれでしょう。アイドルグループ結成。それも建付けとして清竜人とその妻たちというアイドルとしては禁じ手とも言える設定ながらも昨今のアイドルブームにのって、幸か不幸か清竜人ソロよりも売れるという結果となりました。

正直、彼のこの行動に関してはかなり訝しげに見ていました。単なるアイドルブームにのっかかった売らんかな的な行動と。しかし今年、まだ人気が上り調子の中、突然の解散発表。さらには「TOWN」なるライブの参加者全員がメンバーという、これまた奇抜なプロジェクトがスタートし大きな話題になりました。ここに至って私も彼が清竜人25が「売れる」ためのプロジェクトではなく、純粋に彼がこういうことをやりたいだけだったんだな、と気づき、遅ればせながら彼らのラストアルバムを聴いてみました。

聴く前は典型的なアイドルポップスというイメージであまり期待はしていなかったのですが・・・これが予想外におもしろいアルバムでした。まず最初持っていた印象と最も異なるのが、清竜人が歌いまくるという点。てっきり彼はAKB48の秋元康みたいなプロデューサーとして君臨しているのかと思いきや、むしろメインボーカル。5人の清夫人が前に出て歌う曲も少なくありませんが、曲によっては女の子たちがバックボーカルになっているような曲も少なくありませんでした。

そして楽曲が清竜人の天才シンガーソングライターとしての才を十分に発揮したポップソングが並んでいた点も大きなプラス。基本的にファンキーなリズムを取り入れたポップソングやアルバム「MUSIC」で聴かせたようなミュージカル風な楽曲がメイン。いわゆる典型的なアイドルポップ然としたような曲はあまりなく、そういう意味でも非常に聴きやすい楽曲になっていたと思います。

もっともマイナスに感じた点も何点か。まず女の子の声が流行のアニメ声の子がいるのが大きなマイナス。なんかこの手のアニメ声って、完全に様式化されているうえに単純に男に媚びているだけって感じがして全く「かわいい」とは感じません。個人的にはアイドルシーン全体の中での大きな問題点と思っています。

もうひとつはこちらも最近の傾向か、音が詰め込みすぎなきらいがあるという点。メロディーや楽曲構成に関しては無理な奇抜さはなかったのですが、音としてはすべてプラスに積み重ねていくスタイルで最後の方はちょっとお腹いっぱいになってしまいました。

そんなマイナス点も目立ったのですが、このグループ、音楽的な側面とは別におもしろさを感じたのはアイドルの本来持っているはずの魅力であるフィクション性を強調しているという点です。なぜか日本の音楽シーンではフィクション性よりノンフィクション性を妙に有難がる傾向にあって、AKB48で以前「ガチ」がよく用いられていました。ただアイドルってある種のフィクション性が重要であって、それがロックやHIP HOPとは異なるアイドルの大きな魅力のはず。そんなアイドルのノンフィクション性が重視される中、清竜人とその5人の妻たちというフィクション性を前に押し出してくる彼らの活動は非常にユニークに感じました。

もっともなによりもこれだけ人気を確保していながらあっさりと解散してしまう潔さも大きなプラス。このアイドル活動と次のTOWNの活動は180度音楽性が異なりそうですし、彼は本当にやりたいことをやりたいようにやっているんでしょうね。これからも清竜人の活動からは目が離せなさそうです。

評価:★★★★

清竜人 過去の作品
WORLD
MUSIC
WORK
BEST


ほかに聴いたアルバム

fantasia/LAMP IN TERREN

これがメジャーでは3枚目となる1年9ヶ月ぶりの新譜。典型的な下北系のギターロックバンド。ポップなメロディーラインにはそれなりにインパクトもあるし楽曲としては決して悪くはありません。決して悪くはないのですが・・・これは以前の作品から共通するのですが・・・まるっきりバンプ・・・。正直言って、LAMP IN TERRENの個性がかなり薄いのはキツイし、「涙星群の夜」みたいに出だしのギターがまるっきりバンプで歌詞もバンプっぽい世界観というのはもうちょっとどうにかした方がいいと思うのですが。

評価:★★★

LAMP IN TERREN 過去の作品
silver lining
LIFE PROBE

HEROES/NAMBA69

最近はHi-STANDARDとしても活動している難波章浩率いるパンクバンドの約1年半ぶりとなる新作は前作に続きミニアルバム。ストレートなパンクチューンの連続。楽曲的にはちょっとへヴィネスさが強いかな?ハイスタとしても活動しつつ、NAMBA69でも積極的に活動を続けるあたりに勢いを感じます。ただ次はハイスタの新譜が聴きたいかも(?)。

評価:★★★★

NAMBA69 過去の作品
21st CENTURY DREAMS
LET IT ROCK

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2017年6月17日 (土)

音楽性に「厚み」が

Title:thickness
Musician:中田裕二

椿屋四重奏を解散させ、その後ソロとしてコンスタントに活動を続ける中田裕二。椿屋時代も哀愁ただよう歌謡曲テイストのメロディーに強いインパクトがあったのですが、その傾向はソロになってからさらに強くなっています。「SONG COMPOSITE」のような歌謡曲のカバーアルバムを挟みつつ、ミュージシャンとしてしっかりとした軸を感じる活動を続けているようです。

さらに彼がユニークなのは歌謡曲テイストのメロディーラインを書きつつ、洋楽のテイストも感じられること。たとえば前作「LIBERTY」ではファンキーな楽曲もあり、アルバムの中のインパクトとなっていました。この歌謡曲志向という方向性と洋楽テイストという方向性がほどよくミックスされているのですが、今回のアルバムに関してはそんな中田裕二の進んでいる方向性でのひとつの完成形のように感じました。

今回のアルバム、「thickness」=厚みというタイトルとなっていますが、それは音楽性の厚みを意味しているのだとか。実際、「femme fatale」ではワウワウギターを入れてソウル風のサウンドを聴かせてくれますし、続く「静かなる三日月」はカントリー、「Deeper」ではジャジーなトランペットも顔をのぞかせますし、ラストの「THE OPERATION」はファンキーなディスコチューンとなっています。

また個人的に一番インパクトが大きかったのが「愛に気づけよ」。モータウンっぽい雰囲気の楽曲なのですが、イメージ的には70年代のニューミュージック系のミュージシャンが歌謡曲の歌手に提供したような楽曲。歌謡曲らしい泥臭さと洋楽らしいバタくささが同居している、日本のポップスならではの楽曲に仕上がっています。

サウンド面では、本人もインタビューで述べているのですが、「厚み」というタイトルとは裏腹に比較的シンプルなサウンドがメイン。どんどん音が増えていってしまっている日本の音楽シーンの中であえて音をそぎ落としたそうです。歌謡曲というと今に限らず、音は足し算で積み重ねられていくケースが少なくありません。メロディー的には歌謡曲を目指しつつ、音作りの方向性は逆というのが非常にユニーク。中田裕二らしさを感じることができます。

全体的にメロディーラインはムーディーさを感じる歌謡曲という感じで統一させつ、様々なジャンルを取り込み音楽性に「厚み」を増した本作。上にも書いた通り、中田裕二のひとつの到達点のように感じました。ソロ作の中では文句なしの最高傑作。さらに一皮むけた彼。これからの活躍も楽しみです。

評価:★★★★★

中田裕二 過去の作品
ecole de romantisme
SONG COMPOSITE
BACK TO MELLOW
LIBERTY


ほかに聴いたアルバム

Fabula Fibula/BIGMAMA

前作がHYとのコラボアルバムだったので純粋なオリジナルアルバムとしては2年ぶりとなる新作。ピアノやストリングスを多用して仰々しいというのが彼らのイメージでしたが、今回はギターロックなバンドサウンドを前面に押し出したためサウンド的には引き締まった印象を強く持ちました。またそのためメロディーのポップスさとロックバンドとしての側面が比較的ほどよくバランスしたアルバムになっていたと思います。ただそうなると、彼らのサウンドの特徴なのでこういう指摘をしてしまうのは心苦しいのですが、ストリングスの音色が浮いてしまっていて、楽曲の中で「邪魔」とすら感じてしまう曲も。ここらへん、サウンドのバランスは難しいところなのですが、ストリングスを入れてしまった彼らのさらなる課題ということで・・・。

評価:★★★★

BIGMAMA 過去の作品
Dowsing For The Future
君がまたブラウスのボタンを留めるまで
君想う、故に我在り
Synchronicity(HY+BIGMAMA)

ガガガSPオールタイムベスト~勘違いで20年!~/ガガガSP

結成20周年を記念してリリースされたオールタイムベスト。ただレンタル限定とはいえ3年前にベスト盤をリリースしたばかりなので、感想としてはその時とは大きく変わりありません。勢いあるパンクロックながらもメロディーは意外とフォーキーなのが魅力的。情けない男性の素直な心境をストレートに歌詞とした内容も強く惹かれます。楽曲にしろ歌詞にしろ一本調子な部分があるのが気になりますが、やはり聴いていてグッとくるものがある名曲が並んでいました。

評価:★★★★★

ガガガSP 過去の作品
くだまき男の飽き足らん生活
自信満々良曲集

ガガガを聴いたらサヨウナラ
ミッドナイト in ジャパン

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2017年6月16日 (金)

非同期の音楽

Title:async
Musician:坂本龍一

2014年、癌であることを公表。音楽活動を休止し多くのファンが心配した坂本龍一。しかしその後の経過は順調のようで、このたび8年ぶりとなるニューアルバムがリリースされました。「async」というタイトルは「asynchronization」=「非同期」の略で、自然の本能として同期が行われる中、あえて非同期的な音楽をつくったそうです。

ここでいう非同期的な音楽というのは音が奏でるハーモニーやメロディーをあえて拒否し、音をそれぞれ独立させて自由に鳴らす、という試みでしょうか。「andata」などは坂本龍一らしい美しいメロディーラインのピアノを聴かせてくれるのですが、続く「disintergration」では和音やメロディーを拒否するピアノの音の羅列が続くナンバー。タイトルチューンである「async」はストリングスの音がダイナミックに鳴り響くなのですが、どの音も交わるのを拒否しています。

他にも「walker」は森の音と、そこに歩く足音を録音して使用しています。基本的に同期される自然の音の中で、森の中の足音は、踏みしめる場所によって鳴る音が予測できません。そこで生じる音の非同期に魅力を感じたのでしょうか。他の曲に関しても美しいメロディーの鳴る曲も多いのですが、そんな曲でもバックにはメロディーとは全く関係ない音が鳴り響いており、違和感を覚えるような曲が並んでいます。

そんな実験的な音楽だからこそ、正直言って聴いていて楽しくなったりするような雰囲気はありません。また万人向けではないかもしれません。ただ「非同期の音」という不思議な世界を味わえる(「楽しめる」とは言いません)アルバムになっていました。

思えばここ最近の音楽シーンは、この「同期」という点がかなり強調されているように思います。例えば音楽をバックに素人が踊ってみた動画を動画サイトにアップさせることを前提としたような音楽。アイドルソングも基本的にファンに「同期」させることを目的としていますし、それこそすっかり夏の定番となった「夏フェス」も昨今では各自が自由に盛り上がるというよりも全員一緒に盛り上がるようなパンクロックバンドが主流となっています。

別に教授自体がこのアルバムでそんなシーンに対して積極的にアンチを唱えているわけではないでしょう。ただ、そんな「同期」することを強制させることが多くなってしまった昨今の音楽シーンの中で、あえてこのようなアルバムをリリースするあたり、坂本龍一らしさを感じて非常におもしろく思いました。万人向けのアルバムではないかもしれませんが、非常におもしろい試みを感じた1枚でした。

評価:★★★★★

Title:Year Book 1980-1984
Musician:坂本龍一

で、そんなアルバムと同時にリリースされたのが本作。坂本龍一の過去の作品をまとめたアーカイヴシリーズの第3弾。今回はタイトル通り、1980年から84年に収録された貴重な音源を収録されています。

この時期の坂本龍一といえば1983年に映画「戦場のメリークリスマス」に出演。彼の代表曲として知られる「Merry Christmas Mr.Lawrence」が発表された頃。ちなみに本作にも同作のライブ盤が収録されています。

そんな表舞台での活躍の反面、アルバム全体としては非常にアングラ的な作風に仕上がっています。例えば「Syosetsu」などは劇団員が好き勝手にセリフを発して、そのセリフを収録したような前衛芸術的な作品。ほかの曲も終始、美しいメロディーを奏でるのを拒否するかのような不条理的な調べが流れる曲が多く、どこかダークで怪しげな雰囲気はまさに「アングラ」といった感じを受けました。

80年代のアングラということもあり今聴くと時代を感じてしまうような曲も少なくありません。ただ一方で曲のスタイルとして音と音があえて同期しないような楽曲が多く、それこそ「非同期」な音楽性も感じます。まさに最新アルバムにも通じるような音楽性も感じられ、この時代から坂本龍一の興味はある意味一貫していたのかもしれません。

時代を感じる貴重な音源が多いのでファン必聴の作品。最新作同様、万人受けといった作品ではないのですが、坂本龍一の歩みを知るためには重要なアルバムといえるでしょう。

評価:★★★★

坂本龍一 過去の作品
out of noise
UTAU(大貫妙子&坂本龍一)
flumina(fennesz+sakamoto)
playing the piano usa 2010/korea 2011-ustream viewers selection-
THREE
Playing The Orchestra 2013
Year Book 2005-2014
The Best of 'Playing the Orchestra 2014'
Year Book 1971-1979


ほかに聴いたアルバム

UNDERWORLD/VAMPS

L'Arc~en~Cielのhydeと、Oblivion DustのK.A.ZによるユニットVAMPSの約2年半ぶりのニューアルバム。疾走感あるノイジーなギターサウンドに打ち込みも入り、hydeが歌い上げる耽美的なボーカルがのるいつものスタイル。メタルやインダストリアル色は若干薄くなったようにも思うのですが、基本的にはいつものVAMPSといった感じで良くも悪くも目新しさはありません。ダイナミックなバンドサウンドは楽しむことが出来るのですが。

評価:★★★★

VAMPS 過去の作品
VAMPS
BEAST
SEX BLOOD ROCK N'ROLL
Bloodsuckers

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2017年6月15日 (木)

話題のアニメ関連アルバムが1位2位

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週は話題となったアニメ関連のアルバムが1位2位に並びました。

今週1位は「TVアニメ『けものフレンズ』ドラマ&キャラクターソングアルバム『Japari Cafe』」が獲得。その独特の世界観も話題を呼んだテレビ東京系アニメ「けものフレンズ」のキャラクターソングとドラマを収録した同作が1位を獲得しました。さらに2位には同作のサントラ盤 「TVアニメ『けものフレンズ』オリジナルサウンドトラック」が獲得。オリコンによるとアニメ関連でアルバム1位2位同時獲得は史上初だそうです。

【オリコン】『けもフレ』キャラソン&サントラ盤、アニメ初の1・2位独占

ちなみに1位は初動2万7千枚、2位は初動2万4千枚を記録しています。

続く3位初登場はTUBE「sunny day」。6曲入りの身にアルバムとなりますが、彼らがミニアルバムをリリースするのは1993年の「Say Hello」以来24年振りだそうです。初動売上1万7千枚。直近作はベスト盤「Best of TUBEst ~All Time Best~」でこちらの初動5万⑤千枚(2位)よりダウン。直近のオリジナルアルバム「Your TUBE + My TUBE」の3万枚(4位)よりもダウンしています。

続いて4位以下での初登場です。まず5位に松田聖子「Diary」がランクイン。約1年ぶりのオリジナルアルバムとなります。初動売上は1万枚。直近作はSEIKO MATSUDA名義でリリースされたジャズアルバム「SEIKO JAZZ」で同作からは初動売上は横バイ(6位)。直近のオリジナルアルバム「Shining Star」の1万2千枚(5位)からは若干のダウンとなっています。

6位初登場は「THE FAR EDGE OF FATE: FINAL FANTASY XIV ORIGINAL SOUNDTRACK」。タイトル通り、人気ゲーム「FINAL FANTASY XIV」のサントラです。同作では通算5作目となるサントラ盤だそうです。初動売上は8千枚。FFのサントラ盤としては前作Heavensward: FINAL FANTASY XIV Original Soundtrack」の1万枚(9位)よりダウン。

7位には「NHK『おかあさんといっしょ』メモリアルアルバムPlus やくそくハーイ! 」が初登場でランクイン。今年3月、9年にわたってNHK「おかあさんといっしょ」のうたのおにいさんをつとめてきた横山だいすけおにいさんが卒業しましたが、それを記念してリリースされたメモリアルアルバム。いや、以前なら「『おかあさんといっしょ』のアルバムがベスト10入りなんて・・・誰が買ってるんだ?」と思ったのですが、子供が出来た今では「うん、そりゃ「おかいつ」世代の子供がいる親ならみんな買うでしょ」と思っちゃいます(笑)。初動売上8千枚。「おかいつ」関連では直近作「おかあさんといっしょ 最新ベスト『あおうよ!』」の2千枚(18位)より大きくアップしています。

最後8位にはMONDO GROSSO「何度でも新しく生まれる」がランクイン。大沢伸一によるソロプロジェクト。オリジナルアルバムとしては2003年の「NEXT WAVE」より14年ぶりとなるアルバム。それにも関わらずベスト10入りを記録するあたり、根強い人気を感じます。初動売上は6千枚。オリジナルとしての前作「NEXT WAVE」の3万枚(10位)よりは大きくダウン。まあ、この14年のCDをめぐる環境の変化を考えれば仕方ない結果でしょう。

今週のアルバムチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に。

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2017年6月14日 (水)

今週はジャニーズ系

今週のHot 100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

ここ最近、アイドル系の1位獲得が続いていますが今週はジャニーズ系。Kis-My-Ft2「PICK IT UP」が1位獲得です。フジテレビ系ドラマ「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」テーマ・ソング。ちょっとK-POPっぽさも感じるエレクトロポップになっています。CD販売・ダウンロード・ストリーミング数(以下「実売数」)、PCによるCD読取数及びTwitterつぶやき数で1位獲得と強さを見せましたが、ラジオオンエア数は39位にとどまっています。オリコンでは初動17万4千枚で1位獲得。前作「INTER」の20万5千枚(1位)よりダウン。

2位は先週1位AKB48「願いごとの持ち腐れ」がワンランクダウン。3位は俳優菅田将暉「見たこともない景色」がCDリリースにあわせて先週の25位からランクアップ。4月10日付チャート以来10週ぶりにベスト10返り咲きとなりました。ちなみにオリコンでも2万6千枚で5位に初登場でランクインしています。

続いて4位以下の初登場曲ですが、今週初登場は1曲のみ。10位にスターダストプロモーションの男性アイドルグループDISH// 「I'm FISH//」が初登場でランクイン。テレビ東京系ドラマ「釣りバカ日誌 Season2 新米社員 浜崎伝助」主題歌。実売数は8位だったものの、ラジオオンエア数35位、PCによるCD読取数46位、Twitterつぶやき数51位と足を引っ張る形となりこの位置に。ちなみにオリコンでは初動2万7千枚で4位にランクイン。前作「HIGH-VOLTAGE DANCER」の3万8千枚(2位)よりダウン。

他には先週10位にランクインした平井堅「ノンフィクション」がCDリリースにあわせて5位にランクアップ。実売数4位の他、ラジオオンエア数では見事1位を獲得しています。一方、PCによるCD読取数は26位でしたが、これはダウンロードでの販売がメインである影響でしょう。オリコンでは初動1万枚で10位にランクイン。前作「僕の心をつくってよ」(7位)から横バイとなっています。

他のロングヒット組はまずChe'nelle「Destiny」が今週も6位。これで4週連続同順位をキープしています。またBeverly「I need your love」は先週の10位から9位にワンランクアップとなっています。

そして今週、なんと星野源「恋」がランクアップ。先週の14位から8位にランクアップし、見事ベスト10に返り咲き。5月29日付チャート以来、3週ぶりのベスト10ヒットとなりました。実売数は41位までダウンしましたが、Twitterつぶやき数では8位をキープ。さらにYou Tube再生回数ではいまだに2位を獲得しているなど根強い人気を続けており、まだまだロングヒットが続いています。

今週のHot100は以上。明日はアルバムチャート。

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2017年6月13日 (火)

世間のバッシングに反しての大傑作

Title:達磨林檎
Musician:ゲスの極み乙女。

最近、悪い意味で「国民的バンド」になってしまったゲスの極み乙女。 ご存じのとおり、ボーカル川谷絵音のベッキーとの不倫騒動とほのかりんとの飲酒騒動によって昨年12月のZepp Tokyo公演を最後に活動を自粛。昨年リリース予定だった本作も発売延期になっていました。

しかしそれからわずか5ヶ月強で活動を再開。延期となった本作もリリースになりました。個人的に川谷絵音へのバッシングはあきらかに過剰反応だと思っていたものの、そんな中でもわずか5ヶ月での復帰はさすがに空気を読まなさすぎじゃない?と疑問に思っていました。

ただ、このアルバムを聴いて大きく考えが変わりました。確かにこんなアルバムをつくっておいて、5ヶ月も音楽活動を休止するのはもったいなさすぎる。間違いなくゲスの極み乙女。の最高傑作ともいえる内容。川谷絵音はあれだけバッシングを受けている中で、むしろミュージシャンとしては脂にのって勢いを増しているようです。これだけミュージシャンとして脂ののっている中、確かに活動休止5ヶ月というのは非常にもったいなく感じました。

前作「両成敗」でもメロディーラインにインパクトが増して勢いを感じたのですが、今回もこのメロディーセンスの良さが切れまくっています。ラグタイム風のピアノからさわやかにはじまる「シアワセ林檎」もインパクトあるサビがまず聴かせる楽曲なのですが、特に印象が深かったのが歌謡曲テイストが強くメロディアスなポップチューン。「勝手な青春劇」「Dancer in the Dancer」など、ムーディーな雰囲気を感じるメロが哀愁感たっぷり。歌詞も歌謡曲的な憂いを感じて強い印象に残ります。

ちょっとジャジーな色合いのあるピアノの音色もとても心地よい感じ。特に今回は以前の作品に比べても黒さが増したような印象を受けます。「DARUMASAN」もサビの部分ではシティポップ的な爽快感がありますし、ラストの「ゲストーリー」もファンキーなサウンドの中で爽快なポップソングが印象に残ります。

また「某東京」のようにポエトリーリーディング調で文学的な表現で綴る内省的な歌詞も印象に残ります。今回、このポエトリーリーディングやドラムスほな・いこかとのツインボーカルも効果的に使われているのも特徴的。「いけないダンスダンスダンス」などはその典型例。8分40秒に及ぶこの楽曲はリズミカルなテンポとピアノの軽快なフレーズが相まって中盤の核となっています。

情報量が詰め込み気味だった昔の楽曲と比べて、サウンドの取捨選択を行いグッと聴きやすさが増した感じ。なによりも哀愁感あるメロディアスなメロディーを前に押し出した楽曲も増え、川谷絵音の別バンドindigo la Endからの影響も感じます。最初にも書いた通り、川谷絵音の勢いを感じさせる傑作。いろいろと外野はまだ文句を言いそうですが・・・このままゲスもindigoも積極的な活動をやはり続けてほしいなぁ。

評価:★★★★★

ゲスの極み乙女。 過去の作品
踊れないなら、ゲスになってしまえよ
みんなノーマル
魅力がすごいよ
両成敗


ほかに聴いたアルバム

大正義/ポルカドットスティングレイ

最近話題の女性1人+男性3人組のギターロックバンド。いままでアルバムはEP盤を1枚リリースしたのみでミニアルバムとしてはこれがはじめての作品となるのですが、なんとオリコンチャートでは初登場7位を記録。いきなりのベスト10ヒットとなりました。

そんな彼女たちの楽曲は一言で言ってしまうと「椎名林檎経由でNUMBER GIRLに影響を受けたようなサウンド」。へヴィーなギターサウンドがカッコいいのですが、ボーカルの歌い方はいかにも椎名林檎的というか最近よくありがちな感じで、もう一歩個性が欲しい感じ。ただまだまだこれから伸びそうな予感のするバンドでこれからの活動に要注目であることは間違いないでしょう。

評価:★★★★

ULTRA HARD/ラッパ我リヤ

しばらく活動休止しており、これが8年ぶりとなるラッパ我リヤのニューアルバム。ラッパ我リヤといえば2000年にリリースしたDragon Ashのシングル「Deep Impact」への客演で広く知られましたが、今回のアルバムにはDragon Ashのkjこと降谷建志が参加したことでも話題となっています。

ラッパ我リヤといえば以前のアルバムはへヴィーなトラックに俺様節全開なリリックが正直言ってちょっと暑苦しかったのですが、今回のアルバム、そんな俺様節はあるものの打ち込みを取り入れたトラックはリズミカルで軽く、全体的にポップで聴きやすくなっています。kjが参加して話題の「My Way」にしてもkjはラップではなく哀愁感たっぷりの歌を披露。大人になったなぁ、という感傷に浸ってしまいました(笑)。

正直以前のへヴィーなスタイルは少々一本調子でおもしろくないと感じていただけにあまり期待していなかったのですが、へヴィネスさとポップさのバランスがちょうどよい聴きやすいアルバムに仕上がっていました。彼らも大人になったな、そう感じた1枚でした。

評価:★★★★★

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2017年6月12日 (月)

ギターロック路線回帰

Title:FOR CRYING OUT LOUD
Musician:KASABIAN

イギリスを代表するギターロックバンドKASABIANの3年ぶりとなるニューアルバム。デビューアルバムでいきなりのセルフタイトルだった「KASABIAN」が全英4位を獲得。その後、2ndアルバム「Empire」以降、前作全英1位を獲得。本作も当然のように1位を獲得しており圧倒的な人気を見せつけています。ちなみにアメリカでは最高位がデビューアルバムでの94位だったようで、典型的なイギリス国内人気主導型のバンドといった感じです。

基本的にKASABIANといえば比較的シンプルなサウンドで「歌」を聴かせるバンドといったイメージが強く、ど派手なインパクトはないものの妙に耳に残るメロディーラインが大きな魅力のバンドというイメージがありました。ただ前作「48:13」ではエレクトロサウンドを多く取り入れており、結果としてちょっとチグハグな印象を受けてしまうアルバムになっていました。

そんな前作に関して本作は原点復帰、ギターロック路線回帰となった作品でした。アルバムの1曲目を飾る「Ⅲ Ray」はいきなりリズミカルでダンサナブルなサウンドからスタートするもののサビではダイナミックなギターサウンドが入ってきて非常に心地よさを感じるナンバー。続く「You're In Love With a Psycho」も軽快なリズムのギターロックナンバーですが、ポップなメロディーラインが耳を惹く心地よいナンバーになっています。

続く「Twentyfourseven」はガレージ風のノイジーなギターがたまらないロックなナンバー。さらに中盤、「Wasted」「Comeback Kid」「The Party Never Ends」は哀愁感のあるメロディーが心地よいメロディアスなナンバーに。この憂いを帯びてどこか影を感じる楽曲がいかにもイギリスらしさを感じると同時に日本人の心にも響きそうなナンバーになっています。

後半の「Are You Looking for Action?」は打ち込みのダンスチューンとなっていますが中途半端に挑戦的なエレクトロナンバーが並んだ前作と比べてポップでほどよいインパクトを与えてくれるナンバーとして後半のインパクトとなっています。その後もアコギでしんみり聴かせる「All Through the Night」や横ノリの「Sixteen Blocks」などバリエーションあるナンバーを展開しつつも、最後はメロディアスでパンキッシュなギターロック「Bless This Acid House」とこのアルバムの主軸であるギターロック路線に戻り、ラストの「Put Your Life On It」はミディアムテンポのメロディアスなナンバーなのですが、ライブではサビで大合唱が起こりそうな楽曲で締めくくり。このアルバムの構成も実に見事な作品になっていました。

オルタナ系ギターロックが好きなら是非ともチェックしてほしい傑作。難しいこと抜きにポップなメロディーとギターロックのダイナミックさを楽しめる良質なポップスアルバムになっていました。個人的にはKASABIANの中でも最高傑作のような印象も。さすがイギリスを代表する国民的バンド、その実力は伊達じゃありませんでした。

評価:★★★★★

KASABIAN 過去の作品
West Ryder Pauper Lunatic Asylum
VELOCIRAPTOR!
48:13


ほかに聴いたアルバム

Strength of a Woman/Mary J.Blige

「クイーン・オブ・ヒップホップ・ソウル」という呼び名で知られるソウルシンガーの約2年半ぶりの新作。いかにも女王様然としたジャケット写真もインパクト十分なのですが、最新作では彼女らしいソウルフルで力強いボーカルを聴かせてくれる一方、トラックに関しては今風のエレクトロサウンドになっており、王道ソウルの彼女のボーカルとのバランスが実におもしろい作品になっていました。前作は安定感ある作品だった一方、いまひとつ目新しさがなかったように感じたのですが、本作ではきちんと2017年という時代を反映された傑作に仕上がっていました。

評価:★★★★★

Mary J.Blige 過去の作品
STRONGER WITH EACH TEAR
My Life II...the Journey Continues (Act 1)

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2017年6月11日 (日)

シューゲイザー四天王による22年ぶりの新譜

Title:Slowdive
Musician:Slowdive

90年代前半、イギリスで一世を風靡したシューゲイザーサウンド。いまなおシューゲイザー系のフォロワー的なバンドが数多くあらわれたり、今年はThe Jesus And Mary Chainが久々となるアルバムをリリースし話題になったりと、今なお音楽シーンには多大なる影響を与えています。その中でシューゲイザーの四天王といわれるのがSlowdive(四天王という言い方からして、明らかに日本だけで用いられている言い方でしょうが・・・)。1995年に3rdアルバム「Pygmalion」をリリースした後に解散したのですが、2014年に再結成。そして今年、22年ぶりとなるニューアルバムをリリースしました。

この手の再結成というと、良くも悪くも回顧的に走るケースがほとんど。実際、The Jesus And Mary Chainのニューアルバムもいいアルバムではあったもののどこか回顧趣味的な部分も否めませんでした。このアルバムも正直言えば、昔ながらという部分も少なからずありました。ただ、そんな回顧的な部分がほとんど気にならなくなるほどの傑作アルバムに仕上がっていたと思います。

とにかく全編通して美しいのが薄く幕がかかったように音楽をつづみこむギターのホワイトノイズの音色。非常に空間を生かしたようなサウンドで、その薄い幕の向こうに見えるのは雄大な宇宙空間。音像の広がりを感じる世界観が繰り広げられていました。

ここに加わるレイチェル・ゴスウェルとニール・ハルステッドのツインボーカルが美しいこと美しいこと。特に「Don't Know Why」「Everyone Knows」ではレイチェルのウイスパー気味のボーカルが幻想的にギターのホワイトノイズと絡み合い、ドリーミーな世界を作り出しており、思わずうっとり聴き入ってしまいそう。

また「Slomo」「Star Roving」など、ギターノイズの美しい音の世界の向こう側に流れているのはポピュラリティーのしっかりあるいい意味でわかりやすさのあるメロディーライン。まあもともとシューゲイザー系といえば凶暴的なギターノイズの向こうにポップでキュートなメロディーラインが鳴っているというのがひとつの特徴なのでしょうが、その傾向をしっかりとこのアルバムでも感じることができます。

そんな美しいギターノイズにコーティングされつつも一方では「Sugar for the Pill」では80年代のAOR調の楽曲に仕上げていたり、「Go Get It」ではよりノイズを強調したダイナーな作品になっていたり、ラストを飾る「Falling Ashes」では最初、ミニマルなピアノの音色からスタートし、ツインボーカルの「歌」を聴かせるようになっていたりバリエーションは豊富。もともとSlowdiveもアルバム毎に作風を変えてくるバンドでしたが、このアルバムはそんな彼らの幅広い音楽性も感じることができました。

最初から最後まで聴いていてほれぼれとするような幻想的で非常に美しいアルバムでした。22年ぶりの新譜ながらもそのインターバルをまったく感じさせない傑作。個人的には今年のベスト盤候補の1枚。これからはコンスタントに活動を続けてくれるのでしょうか。次の作品も楽しみです。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Be Myself/Sheryl Crow

日本ではあまり人気の出ることの少ないカントリー&ウエスタンのポップソングを奏でながらも、日本でも人気の女性シンガーSheryl Crowの新作。ただ楽曲自体は古き良きアメリカ音楽を奏でつつ、ロック寄りの曲も多く、なによりもポップでメロディアスに仕上げているあたり、日本人にとっても親しみやすく仕上がっています。ただ今回のアルバム、目新しいことはなくよくも悪くも無難な出来に。いい言い方をすると安定感あるポップアルバムに仕上がっていました。

評価:★★★★

Sheryl Crow 過去の作品
HITS&RARITIED
Detours

AFRICA REKK/Youssou N'Dour

おそらくアフリカの音楽シーンの中で最も知名度の高いミュージシャンのひとり、セネガル出身のユッスー・ンドゥール。ちなみに日本でも90年代半ばにホンダ・ステップワゴンのCMソングとして「オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ」のカバーを歌っていたので30代後半以降の世代なら間違いなく彼の歌声を一度は聴いたことあるものと思われます。

そんな彼は2011年頃より政治活動に専念するため音楽活動を休止してきましたが、このたび久々となるニューアルバムをリリースし話題となりました。楽曲はトライバルなパーカッションや西アフリカの音楽によく聴かれるようなカリブ、ラテン系の音楽の影響の強いサウンドが魅力的。ただ一方でメロディーラインは哀愁感漂うポップなものとなっておりいい意味で聴きやすいアルバムになっています。なんでも全世界でのリリースを当初から視野に入れたアルバムで、あえて聴きやすい内容に仕上げているとか。意図的なセルアウトという言い方もできるかもしれませんが、ただしっかりセネガルの音楽の魅力を伝えた内容になっており、アフリカ音楽になじみない方でもいい意味で聴きやすいアルバムになっていました。

評価:★★★★★

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2017年6月10日 (土)

ラップが映す「今」

今回は最近読んだ音楽関係の本の紹介。以前、ここでも紹介した「文科系のためのヒップホップ入門」の著者として知られる大和田俊之、音楽評論家磯部涼、そして批評家としての活動のほか、ラッパーとしても活動している吉田雅史の3名による共著「ラップは何を映しているのか-『日本語ラップ』から『トランプ後の世界』まで」。もともとラップミュージックというのは社会性を大きく反映したリリックの作品が多く、アメリカのラップは和訳がついていても何を語りたいのか、その背景を詳しく知らないと理解しがたい曲が少なくありません。そんな中でタイトル通り、ラップという音楽が何を語っているのか、また何を語ってきたのかを取り上げた同書は、そのテーマ性からして非常に興味深く、今回、手にとってみました。

本は全部で3部構成、3人による鼎談の形をとった構成となっています。第一章は「ラップはいまを映しているか」という表題でブラック・ライブズ・マター(BLM)(2012年にフロリダで黒人男性のトレイヴォン・マーティンが射殺され翌年容疑者が無罪になった事件に端を発し、全米に拡大した社会運動)やトランプ大統領の当選劇などといった現在の社会問題に対してラッパーたちがどのようなスタンスをとってきたか、ということを語っています。

全3章の中でダントツでおもしろかったのがこの第一章。日本にいると情報としては入ってきているものの、概括的にはなかなか捉えずらいアメリカのHIP HOPシーンが語られており、興味深いものがありました。特に、日本ではともすれば黒人層が一枚岩のように感じてしまうのですが、BLMでも大統領選でもラッパーによってスタンスに差が生じており、そんなに単純な話ではないということは興味深く感じました。またおもしろかったのが、以前、フジロックにSEALDsのメンバーが参加することになった際、「音楽に政治を持ち込むな」という言説が起こりましたが、アメリカでも同様に、音楽へ政治を持ち込むことが最近では嫌がられる傾向にあることは興味深く感じました。トランプ大統領選挙でも昨今の日本でもそうですが、極端に右か左かの言説が目立ち、自分とは意見を異なる層に対する必要以上のバッシングが目立つ中、自分とは異なる意見は聴きたくない、と感じる人が増えているのでしょうか。

そして第二章は「USラップが映してきたもの」、第三章は「日本にラップが根づくまで」と題してそれぞれアメリカと日本のラップミュージック史を概括的に語っています。ただ正直言うとこの2章についてはちょっとわかりづらく感じました。ラップミュージックに詳しい3人による鼎談だからでしょうか、全体的に大前提となる基本的な情報が割愛されており、ラップミュージック史の中でのいくつかのテーマを抽出して語っている形式のため、ある程度ラップミュージックの歴史に詳しくないと、ちょっとわかりにくさを感じるかもしれません。

また全体的に3人それぞれが自らの史観を主張するというよりはシーンをザッと紹介するような形式のため若干議論が上滑りしちゃっているようにも感じました。ラップミュージックの現状としては理解できても、その現状がどのような意味を持つのか、またどのようなスタンスをとるのが望ましいラップミュージックの姿なのか、いまひとつわかりにくかったように感じます。

あとちょっと気になる部分がありました。それはp178からp180でRhymesterの最近の曲に対する批判。「The Choice Is Yours」を「民主主義というシステムの歌としか聴こえない」と批判していたり、メッセージにはっきりとしたスタンスをのせていないという点で「悪い意味で価値相対主義」と語って、「アフター・トランプの世界で再生すると、なおさらぬるい曲」と批判しています。ただ、トランプ大統領後の話でいえば、上にも書きましたが左右どちらも極端な言説と反対派に対する過激なバッシングが目立ち、それがまったく効果をあげていないという現実があります。そういう中でTwitterでもよく見かける、左右どちらかのスタンスを支持することを強制し、それを避ける人をバッシングする傾向(正直、これはどちらかというと左側に多いように感じます)をこの意見から感じ、うんざりしてしまいました。

また、ここのページでもRhymesterの「The Choice Is Yours」を「Choise Is Yours」と書いたり、p199で歌謡ラップとして批判しているGReeeeNを「GreeN」と書いたり、ここらへんの固有名詞に対する雑な扱いに関してもマイナスポイント。これは著者本人たちではなく、出版社の毎日新聞出版の失態かもしれませんが・・・。

第二章、第三章についてもおもしろく興味深い指摘がたくさんあり、紹介されるラップに関しては聴いてみたいと思わせる曲も多かったのですが、一方で気の合った3人による鼎談というスタイルからなのか、若干内輪的な部分を感じてしまう部分も否定できませんでした。これに関してはちょっと残念な感じがします。そういう意味では非常に惜しさを感じる1冊でした。ただ第一章については今のシーンを概括的に手っ取り早く知るにはとてもよくまとまっていると思います。この第一章だけでも読む価値ありの1冊でした。

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2017年6月 9日 (金)

ポップス職人のソロ3部作

昨年12月、脳腫瘍のため惜しまれつつこの世を去ったシンガーソングライター黒沢健一。わずか48歳という若すぎるその最期に、多くの音楽ファンが強いショックを受けました。今年に入りポニーキャニオン時代に残したソロ3部作がUHQCDで再発。さらには未発表曲やシングルのカップリング曲などのアルバム未収録曲をボーナストラックとして収録されました。この3部作、2枚目の「B」以外は以前聴いたことあったのですが、豪華なボーナストラックが収録されるということもあって再度聴きなおしてみました。

Title:first
Musician:黒沢健一

まずこちらが1998年にリリースされたソロデビュー作。L⇔R活動休止直後にリリースされたオリジナルアルバムとなります。ボーナストラックは今回再発された3作のうち最大の7曲も収録。さらには未発表曲の「What is this song?」も収録されました。

L⇔R活動休止直後にリリースされたアルバムということで全体的には非常にポップス色が強いアルバムになっており、かつ洋楽テイストも強くバタ臭さを感じるアルバムになっています。3枚のアルバムの中では一番「L⇔Rっぽさ」が残るアルバムと言っていいかもしれません。

ただ一方、やはりL⇔Rを活動休止させた直後にリリースされたアルバムだからでしょうか、アルバム全体にどこか迷いのような要素も感じました。彼らしいポップスセンスは光るもののアルバム全体の方向性はどこかチグハグ。ポップな楽曲についてもどこか吹っ切れなさも感じます。

もっともそんな中でも「LOVE LOVE」「WONDERING」などはポップス職人黒沢健一のメロディーセンスが光るキュンと来る傑作メロディーが楽しめますし、要所要所に彼の才能を感じさせる楽曲が並んでいます。L⇔R全盛期と比べると物足りなさも感じてしまいますが、それでも彼の魅力は十分に発揮されたアルバムと言えるでしょう。

ちなみに未発表曲「What is this song?」はストリングス入れて爽やかなポップチューン。確かに若干インパクト的には物足りないものの彼らしいポップスセンスはこの曲でも十分感じます。他に収録されたシングルのカップリング曲は洋楽のカバーが多く、彼のルーツを感じることが出来るポップチューンが並んでいます。さらに最後に収録されている「STAGE FRIGHT」はソロデビューシングル「WONDERING」のカップリング。こちらも軽快なリズムが魅力的。軽い雰囲気の曲なのでいかにもカップリングといった感じなのですが、気軽に楽しめる軽快なポップチューンになっています。

評価:★★★★

Title:B
Musician:黒沢健一

今回リリースされた3枚のアルバムのうちリアルタイムで聴き逃していた唯一のアルバム。なぜ聴き逃したのか、記憶にありませんが・・・「first」から2年半を経た2001年にリリースされた作品です。

このアルバム、大きな特徴となっているのがポップな方向性だった前作からうってかわって全編ロックなアルバムとなっている点。「スピードを上げてく」はダイナミックなロックサウンドが前に出ていますし、続く「トーキング・ブルース」はタイトル通りのブルースロック調の作品に。「遠くまで」もノイジーなバンドサウンドが前に出ていますし、「What You Want」もへヴィーなバンドサウンドが前に出た作品となっています。

ただロック寄りという統一感を持ったことにより前作「first」で感じたソロとしての方向性の迷いはほとんど感じなくなりました。もちろん、彼らしいキュートでポップなメロは相変わらず。シングル曲未収録のためアルバム全体のインパクトとしてはちょっと薄い感じもするのですが、統一感ある内容なだけにそのインパクト不足があまり気にならなくなっています。

ちなみにボーナストラックとしては1999年にリリースされたシングルなのですがアルバム未収録となっていた「This Song」とカップリングの「Free Bird」を収録。確かに本作のコンセプトからはちょっとずれたような内容になっていて未収録となった理由もわかるような感じ。「This Song」はミディアムテンポなちょっと地味なナンバーながらも一度聴いたら忘れられないような胸がキュンとなるメロディーが魅力的な黒沢健一節本領発揮の名曲。「Free Bird」はホーンセッション入ってソウル風のアップテンポナンバー。こちらはメロディー的には物足りなさもあるのですが・・・ちょっと他とは毛色の異なるポップチューンを楽しむことが出来ました。

評価:★★★★★

Title:NEW VOICES
Musician:黒沢健一

で、こちらが前作からほぼ1年のインターバルで2002年にリリースされたソロ3作目。方向性的には2作目でみせたロック寄りのサウンドをある程度残しつつ、1枚目のポップス路線に回帰した作品と言えるでしょう。ポニーキャニオン時代の集大成ともいえるアルバムとも言えるかもしれません。

その結果、3作のうちもっとも黒沢健一の魅力が発揮された傑作だったと思います。「CHEWING GUM」はノイジーなギターサウンドが鳴る中、彼らしいキュートなメロがインパクトを持った作品ですし、続く「ALL I WANT IS YOU」も彼らしいメロが強いインパクトを持ったピアノロックなナンバー。

この3作、セールス的には「first」がオリコン最高位34位だったのに対して、「B」が68位、「NEW VOICES」が65位と奮いませんでした。ただ、アルバムの内容的には右肩上がりだったようにも感じます。L⇔Rの楽曲は、正直大ヒットした「KNOCKIN'ON YOUR DOOR」以降、いまひとつ迷走気味だったように感じ、その結果として活動休止にもつながった印象もあるのですが、ただソロになってその迷いが徐々に解消し、黒沢健一本来の魅力が出てきたように感じます。

なお本作のボーナストラックは「Rock'n Roll」「Round Wound」のライブ音源。シングル「PALE ALE」のカップリング曲とちょっと寂しい感じ。もうちょっと未発表音源とかなかったのかなぁ、とは思うのですが、それは贅沢な願いなんでしょうね・・・。

評価:★★★★★

そんな訳で楽曲の出来としては徐々にあがっていっており、さらにここのサイトでも紹介した2009年にリリースしたアルバム「Focus」は全盛期を彷彿とさせるような傑作アルバムでした。それだけにポップス職人としてその才の翳りはほとんどなかったのですが・・・それだけにあまりに早すぎる逝去は日本のポップスシーンの大きな損失であることは間違いないでしょう。あらためて残念に感じてしまいました。

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2017年6月 8日 (木)

女性アイドル勢が上位に並ぶ

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

アルバムチャートではちょっと珍しく女性アイドル勢が上位に並びました。

まず1位初登場は私立恵比寿中学「エビクラシー」。スターダストプロモーション所属でももいろクローバーZの姉妹グループである彼女たち。1位獲得はシングルアルバム通じて初となります。初動売上は4万7千枚。直近作はベスト盤「『中卒』~エビ中のイケイケベスト~」と「『中辛』~エビ中のワクワクベスト~」が2枚同時リリース。初動売上はそれぞれ1万枚(11位及び12位)でこちらよりはアップ。オリジナルアルバムとしての前作「穴空」の4万2千枚(2位)よりアップしています。

2位は先週1位の乃木坂46「生まれてから初めて見た夢」が先週からワンランクダウンでこの位置をキープ。AKB系とスターダスト系が並ぶチャートとなりました。

3位にはDragon Ash「MAJESTIC」がランクイン。前作「THE FACES」から3年4ヶ月ぶり、久々のリリースとなりました。初動売上2万1千枚は前作(3位)から横バイ。CD市場が縮小状態でDragon Ash自体も大きなヒットもないのですが、アルバム売上は健闘しています。

続いて4位以下の初登場盤です。まず4位に氷川きよし「新・演歌名曲コレクション5-男の絶唱-」が入ってきました。オリジナル曲とカバー曲を織り交ぜた氷川きよしのシリーズの第5弾。初動売上1万9千枚は前作「新・演歌名曲コレクション4-きよしの日本全国 歌の渡り鳥-」の2万5千枚(3位)よりダウン。

7位にはFlowBack「VERSUS」がランクイン。男性5人組のダンスユニット。シングルではオリコンチャートでベスト10入りを記録していますが、アルバムは本作がデビュー作。初動売上9千枚で見事ベスト10入りです。

8位初登場はBeverly「AWESOME」。先週のHot100でも紹介しましたが、本作に収録されている「I need your love」がフジテレビ系ドラマ「CRISIS 公安機動捜査隊特捜班」主題歌に起用されヒットを記録している彼女。アメリカ出身で日本に出稼ぎにしているシンガーだそうです。本作がデビューアルバム。初動売上9千枚で、こちらもデビュー作ながらいきなりのベスト10ヒットとなりました。

初登場ラストは9位安全地帯「ALL TIME BEST」。デビュー35周年を迎えた安全地帯の2枚組となるベスト盤。ちなみにソロデビュー30周年を迎えた安全地帯のボーカル玉置浩二のベスト盤「ALL TIME BEST」も同時リリースされていますが、こちらは惜しくも11位にとどまっています。ちなみに本作は初動売上8千枚を記録。前作「安全地帯 XIV~The Saltmoderate Show~」の3千枚(38位)より大幅アップ。安全地帯のアルバムでのベスト10入りは2011年にリリースされた「安全地帯XII」以来となります。

今週のアルバムチャートは以上。チャート評はまた来週に!

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2017年6月 7日 (水)

また例の「投票券」が・・・

今週のHot 100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週はここ最近、おなじみとなっているAKB48総選挙の投票券付CDが1位獲得です。

今週1位はAKB48「願いごとの持ち腐れ」が獲得。CD売上・ダウンロード・ストリーミング数(以下「実売数」)で1位獲得。ラジオオンエア数、PCによるCD読取数3位、Twitterつぶやき数6位といずれも上位を記録しています。オリコンでは初動売上130万5千枚で1位を獲得。前作「シュートサイン」の102万5千枚(1位)からアップ。ただし昨年の同時期にリリースされた「投票券付」CDの「翼はいらない」の144万枚(1位)からダウンしています。

2位には安室奈美恵「Just You and I」が先週の85位からCDリリースにあわせてランクアップし、ベスト10入りです。彼女としては珍しくミディアムテンポの歌い上げるゴスペル風のシングル曲。日テレ系ドラマ「母になる」主題歌。実売数2位、ラジオオンエア数4位、PCによるCD売上数8位を記録。オリコンでは初動売上2万3千枚で6位にとどまっていますがダウンロードでの売上が大きな割合を占めている模様。彼女に限らずドラマ主題歌系はCDよりもダウンロードでの売上が先行する傾向にあるようです。オリコン初動は前作「Dear Diary」の4万4千枚(3位)よりダウン。

3位はLittle Glee Monster「だから、ひとりじゃない」が初登場でランクイン。日テレ系アニメ「僕のヒーローアカデミア」エンディング・テーマ。実売数4位、ラジオオンエア数6位、Twitterつぶやき数9位といずれも上位にランクイン。ただしPCによるCD読取数が19位と若干低順位となっています。オリコンでは初動2万8千枚で3位初登場。前作「はじまりのうた」の8千枚(17位)からアップしていますが、これは前作が1万枚限定生産だった影響。前々作「私らしく生きてみたい」の初動2万3千枚(6位)からもアップしています。

続いて4位以下の初登場曲です。まず4位に双葉杏(五十嵐裕美),諸星きらり(松嵜麗)「あんきら!?狂騒曲」がランクイン。ゲーム「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」からのキャラクターソング。典型的なアニメ声の電波系ソングなのでファンじゃないと聴くのが厳しい曲・・・。実売数3位、PCによるCD読取数2位の他、Twitterつぶやき数95位、その他は圏外というのが極端に固定ファン頼みのキャラソンっぽい傾向。オリコンでは同作を収録した「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS STARLIGHT MASTER 11 あんきら!?狂騒曲」が初動売上4万8千枚で2位初登場。同シリーズの前作多田李衣菜(青木瑠璃子),木村夏樹(安野希世乃)「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS STARLIGHT MASTER 10 Jet to the Future」の3万9千枚(2位)よりアップしています。

5位には神様、僕は気づいてしまった「CQCQ」が先週の22位からCD発売にあわせてベスト10にランクイン。実売数、ラジオオンエア数7位、Twitterつぶやき数17位、You Tube再生回数10位、ただPCによるCD読取数が32位となっており、実売数の中のダウンロードに占める割合が大きい模様。TBS系ドラマ「あなたのことはそれほど」主題歌。この奇妙なミュージシャン名で、顔を完全に隠してのデビューということで話題となっているロックバンド。ただボーカルについては動画サイトニコニコ動画での活動で話題のまふまふではないか、ということも噂されています。またメッセージ性強い楽曲や顔を隠してのデビューというあたりでamazarashiに似ているということも話題になっています。確かに「雰囲気」としてはamazarashiっぽいですが、中性的なハイトーンボイスと、ちょっとチープさを感じる軽いサウンドはamazarashiよりも俗っぽさ、売れ線狙いを感じてしまいます・・・。オリコンでは初動8千枚で10位初登場。

8位にはAZALEA「GALAXY HidE and SeeK」が初登場でランクイン。アニメキャラによるアイドルプロジェクト「ラブライブ!サンシャイン!!」登場キャラクターによるユニット。実売数9位、PCによるCD読取数4位、Twitterつぶやき数15位を記録。オリコンでは初動売上2万7千枚で4位にランクイン。前作「トリコリコPLEASE!!」の2万4円舞(7位)よりアップ。

最後10位には平井堅「ノンフィクション」が先週の13位からランクアップしベスト10入り。TBS系ドラマ「小さな巨人」主題歌。6月7日リリースですが、先行配信でのベスト10入りとなります。実売数11位、ラジオオンエア数20位、Twitterつぶやき数41位、You Tube再生回数27位という結果ですが、他に強力盤がいかなった影響が見事ベスト10入りしています。

さて、他のロングヒット組ですが、Che'nelle「Destiny」が今週も6位。これで3週連続同順位をキープしています。また先週10位だったBeverly「I need your love」が先週の10位から6位にランクアップ。アルバムリリースの影響もありそうですが、ロングヒットの兆しを見せています。

一方、ロングヒットの傾向があった西野カナ「パッ」は先週の9位から15位にランクダウン。残念ながらベスト10は4週のみのランクインで、ロングヒットとはなりませんでした。

今週のHot100は以上。明日はアルバムチャート!

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2017年6月 6日 (火)

日本人ならば知っておきたい東ティモールの事実

映画「カンタ・ティモール」上映会+エゴ・レモス来日ライブ

会場 喫茶モノコト 日時 2017年5月26日(金)19:00~

先日、「カンタ!ティモール」という映画の上映会に足を運んできました。この映画、21世紀最初の独立国、東ティモールのドキュメンタリー映画。普通の映画館でのロードショーなどの形態ではなく、ミニシアターや有志が主催する各地の上映会で上映され続けられています。もともと私がこの映画のことを知ったのは私が大ファンのバンド、ソウル・フラワー・ユニオンが同作のラストに流れる「星降る島~オーマルシーラ・オーウルシーラ」を歌っており、また中川敬が監修を手掛けていたため。以前から気になってはいたのですが、ちょうど足を運びやすいタイミング、日時で上映会が行われると知り、足を運んできました。

場所は名古屋では有名な書店、ちくさ正文館の2階にある喫茶モノコトという小さなカフェ。参加していたのは50名強くらいでしょうか。一般的な知名度は決して高くなく、かつ大々的な宣伝も行っていない割りにはにぎわっているな、という印象を受けました。

さて肝心の映画の感想ですが、まず一言で言えば非常に深い衝撃を受けました。

東ティモールについて言えば、21世紀最初の独立国であるこということの他、独立運動が行われたこと、その中でインドネシアとの激しい衝突が起こったこと、程度のことしか知りませんでした。またこの映画についても東ティモールの独立運動を追ったということは知っていたのですが、どちらかというと東ティモールの今を紹介した音楽ドキュメンタリーという認識で見に行きました。

しかしこの映画で描かれていたのは東ティモールの独立運動をめぐる壮絶なドキュメンタリーでした。同作の監督、広田奈津子氏が現地にて様々な証言を得ているのですが、無差別な殺戮、レイプ、インドネシア軍による残忍な行為。インドネシア軍による一方的な殺戮行為の後、生き残った人たちを「陸軍病院」と呼ばれる施設に連れていき、毒薬を注射され無意味に殺されていったという証言。ティモール人を根絶やしにするために女性に危険な避妊薬をむりやり投与されたという話・・・生き残った人たちの証言だけでも辛くなるような事実が次々と語られています。さらには東ティモール独立運動を取材したジャーナリストたちによる貴重な映像や写真も流されます。この写真や映像は思わず目をそむけたくなるような残酷な写真なども紹介されているのですが、それだけに強いショックを受けました。

ただそんな描写が続く中でこの映画が素晴らしいと思うのは、そんな独立運動に関する衝撃的な証言、映像の合間合間に東ティモールの子供たちの笑顔が流される点でした。おそらく壮絶な独立運動を直接は知らないであろう子供たちの無垢な笑顔はまだ独立まもない若きこの国の未来を感じさせます。今回の映画ではこの子供たちの笑顔がとても印象的に流され、東ティモールという国の希望を感じさせる構成になっていました。

またこの映画では東ティモール独立運動と日本との関わりについても紹介されています。日本はインドネシアで採掘される石油利権を守るため、残酷な独立運動についてヨーロッパ諸外国から強い批判を受ける中、一貫してインドネシアを支持し、資金供与をしていたという酷い事実が紹介されます。さらにこれによって私たち日本人が安価な石油を入手でき恩恵を受けていたという事実を紹介し、この独立運動が私たちにとっても無関係でないという事実を突きつけていました。

さらにこの映画は東ティモール独立運動について日本にも知らせたいという強い意思を感じるとともに、ティモール人を通じて「生きる」という意味を考えたかったのではないか、この日の映画の後に行われた広田監督の挨拶からもそんなことを感じましたし、映画の中からもそのようなことを感じました。

映画の中では独立運動と共に素朴なアニミズム信仰に寄り添って生きているティモール人たちの生きざまも紹介されています。特に印象的だったのは先祖代々農家をやっているというお父さんのインタビューで「田んぼが一つあれば一生飢えることはない」というお話。自然に寄り添い生きていく彼らの生き様に、(すごーーく陳腐な表現で申し訳ないのですが)日本人がなくなった何かを感じたように思いました。

この映画の後には監督の広田美津子氏の挨拶もありました。映画からの想像からするとちょっと意外な、小柄でかわいらしい方だったのはちょっとビックリ。上にも書いた生きるということに対するメッセージが印象に残りました。

そしてその後に登場したのが、エゴ・レモスという映画の中でも登場した東ティモールを代表するミュージシャンによる来日ライブ。彼がアコースティックギター一本持って登場。映画でも助監督をつとめた小向サダムがパーカッションで参加してのアコースティックなステージとなりました。

最初は「ティモールの平和」という楽曲。しんみりと伸びやかな歌声で聴かせてくれる、フォーキーな雰囲気の作品。続く曲も(「証人」というタイトルらしいです)同じくフォーキーでしんみり聴かせる曲になっていました。

しんみりと聴かせる曲が続いたかと思えば、続く曲は軽快でウキウキしてくるポップなナンバー。この曲は東ティモールでは「ABC」のアルファベットにのせてアルファベットを覚えるために歌われる曲として有名な曲とのこと。会場の雰囲気も徐々に盛り上がってきます。さらには「IT'S RIGHT TO BE FREE」という曲ではタイトル通り、自由であることを訴える力強い楽曲を聴かせてくれました。

さらにその後は「みんなで踊ろう」という曲では観客全員が立ち上がり、みんなで手をつないで会場一体となって踊りました。もちろん私も(笑)。ダンスは東ティモールでよく踊られる歌にあわせてみんなでステップを踏むだけの簡単な踊りなのですが、この曲とアンコール含めて2曲、会場全体で盛り上がりました。

そしてアンコールラストはソウルフルなボーカルで力強い歌声を聴かせるパワフルなナンバー。会場全体で彼の歌声に聴き入ります。ライブは全6曲(確か)、40分程度の短いステージでしたが、彼の楽曲はシンプルで素朴なポップスがメイン。その力強い歌声と共に非常に心に残るステージを見せてくれ、満足度の高いライブを体験することが出来ました。

スタートが19時過ぎで終了が22時半という長丁場のイベントでしたが、映画、ライブともども、メッセージや歌が私の心に強く刻まれた貴重な経験をすることが出来ました。映画は今なお全国いろいろな場所で公開されているようなので機会があれば是非。お勧めです。

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2017年6月 5日 (月)

懐かしさがあふれだす、かも。

昭和歌謡曲のうち「レア・グルーヴ」ともいえる楽曲を「ヤバ歌謡」として選曲し、DJとしてプレイすることで注目を集めているDJフクタケ。いままで彼が選曲した楽曲のDJミックス盤を何度か紹介してきましたが、今回紹介するアルバムもそれに連なる作品。彼が監修・選曲し昭和時代の玩具やキャラクターなどにまつわる楽曲を集めたコンピレーションアルバム。テーマ別に3種類にまとめられリリースされました。

この手の販促的な意味合いが強いキャラクターソングやキッズソングはあくまでも肝心のおもちゃのおまけ的につくられることが多いため、なんらかのきっかけでよほど注目されない限り、後世に歌い継がれるということはなかなかありません。そういう意味でも実に貴重価値のあるコンピレーション。さらに今回、DJフクタケが選曲した曲はそんな楽曲の中でも知る人ぞ知る的な希少価値のある曲が多く、初CD化もすくなくありません。そのためこれらの曲をリアルタイムで聴いていそうな世代にとっても、知っている曲はあまり多くないかもしれません。

ただ、これらの曲に出会うような幼稚園や小学校の頃は、一度レコードなどで買ってもらった曲は繰り返し繰り返し何度も聴いた想い出、みなさんにもあるのではないでしょうか。それだけに知る人ぞ知る的な曲ではある一方、子供の頃、ここに収録されている曲に出会ったことのある方にとっては当時の思い出があふれだしてくる懐かしくてたまらないコンピレーションアルバムになりそうです。

Title:トイキャラポップ・コレクション VOL.1 <ヒーロー&ヒット編>

まずVOL.1はヒーロー&ヒット編。いわゆるヒーロー玩具や、ダッコちゃん人形やミニ四駆、フラフープなどといった玩具自体は大ヒットを記録したおもちゃにまつわる曲を収録しています。

こうやって並べてみると強く感じるのですが、やはり販促的にもわかりやすい楽曲をつくってきているからかその時代時代の流行にそのまま沿ったような王道的な曲が並んでいます。「変身サイボーグ1号」はまさに王道ともいえるヒーロー物の主題歌路線ですし、いまや声優として大御所的な位置にいる日高のり子のアイドル時代の楽曲「潮風のサーキット」はまさにこれぞ80年代というアイドル歌謡曲。「世界を廻るフラフープ」は1958年に突如起こったフラフープブームに乗った曲なのですが、こちらもまさに昭和歌謡曲な楽曲になっています。

個人的に唯一知っていて、なおかつ非常に懐かしく感じたのが「太郎鯉」。小学校の頃よくみていたアニメのCMで良く流れていたなぁ~!CM自体もすっかり忘れていたのですが、久々にこの曲を聴いて、懐かしさがこみあげてきました。

ちなみに音楽的におもしろかったのが「FUNKYダッコNo.1」。これダッコちゃん人形のブームの時にリリースされたわけではなく、1975年の復刻版が発売された時にリリースされたそうですが、かの近田春夫率いるハルヲフォンによるナンバー。ファンキーでグルーヴィーなディスコチューンは今聴いてもかなりカッコいいダンスチューンになっています。

またユニークさでいえば「ミニ四ファイター組立てうた」。タイトル通りのミニ四駆にまつわる楽曲。タイトル通りミニ四駆に関するノベルティーソングなのですが、歌詞の内容からしてミニ四駆ブームを思い出して懐かしく感じる方も少なくないかも。いかにもこの手のキッズソングらしい内容となっています。

ちなみに下記評価は純粋に楽曲を広くお勧めできるか、という観点での評価。正直、癖の強い選曲で、万人には薦めづらいかも。ただ企画の内容的には文句なしの5つです。

評価:★★★★

Title:トイキャラポップ・コレクション VOL.2 <ファンシー&カワイイ編>

VOL.2は主に女の子向けの玩具に関するキャラクターソングを集めた楽曲。特にサンリオ・レコードの楽曲を多く収録したことが話題になっているよう。サンリオ・レコードとか70年代後半から80年にかけてかのサンリオが作成したキャラクターソング。サンリオの直営店などのみでの販売だったそうで、今となっては希少価値がありそうな一方、リアルタイムでレコードを買って、家で何度も聴いていたという女の子も少なくなかったかも。そういう方にとっては懐かしくて涙が出てくるような楽曲も収録されている、かも。

楽曲的には歌謡曲からアイドルポップ、カントリー、シティポップ風な曲などバリエーションが多く、またバタ臭い曲も少なくないため今聴いても意外と楽しめそうなポップソングが多く収録されています。サンリオキャラの曲は今聴いてもキャラクターイメージから大きくは逸脱しないような曲が多く、ここらへんサンリオのキャラクターイメージの作り込み方の見事さを感じます。

異色作として耳を惹くのがリカちゃん人形のキャラクターソング「ママ遠くへ行かないで」。ママが遠くに行ってしまうという夢を見るという歌詞なのですが、非常に不穏な空気を感じる悲しい曲調で、なぜこんな曲がつくられたのか?と思ってしまいます。逆に非常におもしろかったのがラストを飾るまさごろの「ベーッ!」。可愛らしいエレクトロポップなナンバーで、ニューウェーヴ風な曲調がとてもユニークな曲に仕上がっています。

純粋に楽曲的な意味で言えば個人的に3作の中で一番楽しめたかな。今聴いても十分楽しめる可愛らしいポップソングが並んでいました。

評価:★★★★★

Title:トイキャラポップ・コレクション VOL.3 <ビデオゲーム編>

最後はテレビゲームにまつわる曲を集めたコンピレーション。「テレビゲーム」という言い方ではなく「ビデオゲーム」という言い方をするあたりに拘りを感じます。

このコンピレーションはやはりビデオゲームにまつわる楽曲だからでしょうか、エレクトロサウンドがほどこされた楽曲がほとんど。特に、エレクトロアレンジの80年代風のアイドルソングがズラリと並んでいます。リリースされたころはやはりこういう音に時代の先駆性を感じたんでしょうが、今聴くと、若干陳腐な感じになってしまっているのは否めません。楽曲的にも似たような曲が多く、正直言うと、純粋に楽曲的な部分だけで言うと最後の方は若干飽きが来てしまいました。

ただそれでも「ディスコ・スペース・インベーダー 」はファンキーなディスコチューンにインベーダーゲームの効果音を取り入れたナンバーで今でも楽しめるレア・グルーヴな楽曲に仕上がっています。高橋名人の「スターソルジャーのテーマ」なんかはやはり非常に懐かしさを感じます。

評価:★★★★

そんな訳でレア曲いっぱい、ユニークなノベルティーソングいっぱいでお腹いっぱいになるコンピレーションアルバム。企画としての目の付け所もいいですし、それでアルバム3枚分も曲を集めてしまうところもさすがです。非常に楽しめたコンピ盤でした。

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2017年6月 4日 (日)

一度見たら忘れられないジャケット

Title:L'etoile Thoracique(邦題 あばら骨の星)
Musician:Klo Pelgag

今回紹介するアルバムはとにかくこのジャケット写真に強烈なインパクトがあります。一度見たら忘れられないのではないでしょうか。さらに邦題が「あばら骨の星」ってなんじゃそりゃ?って感じもします。とにかく奇抜なアルバムという印象を受けるのではないでしょうか。

本作はカナダ東部ケベック州出身の女性シンガーソングライター。今回、このアルバムを聴いたのは、8月に富山で行われるワールドミュージックの音楽フェスティバル、「SUKIYAKI MEETS THE WORLD」への出演が決まったから。同イベントは何度か足を運んだのですが、家庭的な事情からここ数年、足を運べていません。ただ毎年ワールドミュージックの分野で素晴らしいミュージシャンを招集するイベントなだけに、今回参加が決まった彼女のアルバムを聴いてみました。で、調べてみたら最新作が本作。このインパクトありすぎなジャケット写真を知っていたので、「ああ、あのアルバムか」と思い聴いてみました。

ただこのインパクトあるジャケット写真に反して楽曲の方は非常に美しい彼女のクリアボイスからスタートします。ピアノをバックにコーラスを入れつつスタートする楽曲は幻想的ですらある美しさを感じさせるポップソング。ちょっと切なさを感じつつ、フランス語での歌詞で歌われる歌は日本語、あるいは英語の歌に慣れている私たちにとっては不思議な感覚を持ちつつも、その美しい歌声に酔いしれるポップなナンバーになっています。

その後も彼女の美しい歌声で歌われるメロディアスなポップチューンを聴かせる曲が並んでいます。ハイトーンボイスを上手くつかいこなし聴かせる彼女の歌は、どこか哀愁感あって切なさを感じさせます。「Le sexe des etoiles」はムーディーなストリングスとアコギをバックに胸をかきむしられるような切ないメロディーの歌を聴かせてくれますし、「Les animaux」もアコギのアルペジオをバックに郷愁感あるフォーキーなメロディーが特徴的なナンバー。そのほかもピアノやアコースティックギターで美しい調べを奏でながらもシンプルで美しいメロディーラインの歌を聴かせてくれる楽曲が並んでいます。

ただファンタジックな雰囲気を醸しつつどこか奇妙な雰囲気を見せるジャケット写真同様、楽曲にもどこか奇妙な歪みみたいなものがあるのが大きな特徴となっています。例えば1曲目「Samedi soir a la violence」は最初は陽気になっていたストリングスやホーンセッションが終盤には不気味な雰囲気を醸し出してきますし、メロディーが美しい「Au musee Grevin」も終始、不協和音のようなピアノの音色が響いており、不思議な雰囲気を作り出しています。さらにラストの「Apparition de la Sainte-Etoile thoracique」に至ってはワンコードの和音がひたすら続くという構成になっており、彼女の奏でる音楽の世界の不思議な部分が強調されるような楽曲になっています。

アルバムに終始感じられるファンタジックながらもどこか歪みを感じる世界観が魅力的。この妙な歪みのような部分が聴いていて癖になり、単純なポップシンガーという側面からは一線を画しているように感じます。基本的にはポップス、ロックに連なるようなミュージシャンなのでワールドミュージック的な要素は薄いのですが、フランス語で歌われる歌詞も私たちにとっては普段聴くポップスとはまた異なる雰囲気を与えてくれます。聴いていて最初は美しい彼女の歌声にはまり、そして徐々にその独特の音世界にはまってしまうような傑作。これ、ライブではどんな雰囲気のステージを見せてくれるんでしょうか?見てみたいなぁ~。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

ニマイメ/Scott&Rivers

親日家として知られるWEEZERのリバース・クオモとALLiSTERのスコット・マーフィーのユニットがリリースする「J-POPのアルバム」第2弾。本作ではMONGOL800のキヨサク、RIP SLYMEのPESさらにはmiwaがゲストとして参加し、よりJ-POPなアルバム作りを目指した作品となっています。

前作「スコットとリバース」では彼らの書く美メロがさく裂した、J-POPと洋楽が見事融合した名作に仕上がりましたが、今回の作品についてはちょっと中途半端。確かに今回も彼ららしいポップでキュートなメロディーの曲が連続しているのですが、あまりにJ-POP的なものを意識しすぎたのか、美メロを惜しげもなく聴かせてくれた前作と比べると、どこかせせこましくなってしまった部分を感じます。前作に続きWEEZERやALLiSTERのファンにとっても楽しめるアルバムだとは思うのですが・・・大傑作だった前作と比べると若干物足りなさを感じてしまったアルバムでした。

評価:★★★★

Scott&Rivers 過去の作品
スコットとリバース

Risk to Exist/Maximo Park

デビュー当初はあのテクノの名門レーベルWARP初のギターロックバンドとして話題となった彼ら。いつの間にかレーベルを移籍し、6枚目となる本作。日本ではさほど大きく取り上げられなくなったもののイギリスでは前作もベスト10入りを記録するなど、なにげに根強い人気を保っています。

そんな彼らの3年2ヶ月ぶりとなる新作。シンセを入れた軽快なギターロックが特徴的。サウンドもメロディーも非常にシンプルでかつリズミカル。いい意味で聴きやすいアルバムになっています。確かに目新しさはない部分、日本で大きく取り上げにくいのかもしれませんが、逆にこれは売れそうといった印象も。UKギターロック好きには素直に楽しめそうなアルバムです。

評価:★★★★

Maximo Park 過去の作品
Our Earthly Pleasures
Quicken The Heart

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2017年6月 3日 (土)

シンプルなサウンドで美しく聴かせる

Title:Pleasure
Musician:Feist

2007年にリリースした「The Reminder」ではグラミー賞4部門にノミネート。続いてリリースされた「Metals」も高い評価を受け大きな話題となったカナダ出身の女性シンガーソングライターFeist。その彼女が前作から6年ぶりにリリースしたニューアルバムが実に素晴らしい傑作に仕上がっていました。

アルバムはどの曲も基本的に音数を絞ったようなシンプルなサウンドに力強い彼女のボーカルがのるようなスタイル。1曲目でありタイトルチューンである「Pleasure」も最初、静かなギターが鳴る中、彼女の歌声で楽曲がスタートします。ただ間奏で鳴り響くエッジの利いたノイジーなギターサウンドが大きなインパクトに。さらにバックに流れるストリングスの音色も楽曲に美しい印象を与えています。

続く「I Wish I Didn't Miss You」も基本的にアコースティックギターのみのナンバーですし、3曲目「Get Not High,Get Not Low」もアコギでブルージーに聴かせるシンプルながらも静かな楽曲が印象的なナンバーになっています。

前作「Metals」もフォーキーなサウンドに彼女の美しい歌声を聴かせるようなスタイルが特徴的だったのですが本作でもそれは同様。特に中盤「A Man Is Not His Song」では彼女のハイトーンで美しいボーカルを前に押し出したような楽曲になっており、その傾向が強調されています。また楽曲の録音状況も少々音質が悪く、荒々しさを残したような録音になっているのですが、その録音状況の荒々しさによってボーカルのリアリティーが増しているようにも感じました。

一方、「Pleasure」の間奏で聴かせるギターサウンドもそうなのですが、所々にへヴィーでダイナミックなギターサウンドが入ることによって大きなインパクトとなっています。例えば「Lost Dreams」も彼女の美しい歌声を聴かせるようなナンバーなのですが、そこにノイジーなギターサウンドを入れてきており、このギターノイズが彼女の美しい歌声を浮き出させるような構図に。「Century」などは力強いドラミングにへヴィーなギターサウンドといったバンドサウンドを前面に押し出したロックなナンバー。でもこの曲でもなお彼女のボーカルはへヴィーなサウンドの中で主張をしています。

今回のアルバムでは内省的な歌詞がテーマとなっているようですが、そんな曲を歌う彼女のどこか悲しげなボーカルとメロディーラインも大きなインパクトに。ただどの曲も基本的にわかりやすくポップなメロディーラインが流れており、シンプルにメロディーと歌詞で勝負している曲であるがゆえに非常に聴きやすいアルバムになっていました。

前作「Metals」も非常に素晴らしい傑作アルバムでしたが本作はそれに勝るとも劣らない傑作アルバムだったと思います。個人的には年間ベスト候補ともいえるほどはまりました。力強くも美しい彼女のボーカルに強く惹かれる1枚です。

評価:★★★★★

Feist 過去の作品
Metals


ほかに聴いたアルバム

Tribute to Ndiouga Dieng(邦題:ンジュガ・ジェンに捧ぐ)/Orchestra Baobab

アフリカ・セネガルの代表的なミュージシャンでアフリカ音楽の中でもレジェンド的なミュージシャンであるオーケストラ・バオバブ。1987年に一度解散したものの2001年に復活。本作は2007年にリリースしたアルバム以来、10年ぶりとなる新作となりました。本作は昨年亡くなったメンバーのンジュガ・ジェンに対して捧げられたアルバム。ラテン色の強い作風に哀愁感あふれるメロは以前からの彼らの大きな特徴。今回はやはり亡くなったメンバーに対して捧げられたアルバムということでより哀愁感が強くなっているように感じます。ただ一方で爽快さを感じるナンバーも目立ち、単に悲しむばかりではなくしっかり前を向いているようにも感じられるアルバムでした。

評価:★★★★★

Orchestra Baobab 過去の作品
LA BELLE EPOQUE VOLUME2(ラ・ベル・エポック 第2集)

Memories...Do Not Open/The Chainsmokers

シングル「Closer」が大ヒットを記録して一躍注目を集めたアメリカのEDMのDJによるデゥオ。EDMといってもリズミカルなダンスチューンはあまりなく、基本的にはゆっくりポップに聴かせるエレクトロポップがメイン。ポップなメロディーは万人受けしそうで、確かに売れそうなユニットだな、という印象を受けます。ただこれといった特色も少ないためにこの人気がどこまで持続できるのか、ちょっと気になるところ。

評価:★★★★

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2017年6月 2日 (金)

時代がNONAに追いついた?

Title:POP'N SOUL 20~The Very Best of NONA REEVES
Musician:NONA REEVES

最近、80年代的なメロウなソウルチューンをよく耳にするようになりました。一昔前は「時代遅れ」的な扱いとなっていた80年代サウンドがいつの間にか回りまわって「新しい」という感覚でとらえられるようになりました。そんな潮流になったのがいつ頃からなのかは詳しくはわからないのですが、ひとつの大きなきっかけとなったのが2013年にリリースされたDaft Punkのアルバム「Random Access Memories」に80年代を代表するプロデューサー、ナイル・ロジャースが参加したことだと思われます。

NONA REEVESといえば、デビュー作以来一貫して80年代的な影響が色濃いディスコポップチューンを奏でてきました。特にボーカルでNONA REEVESのメインライターをつとめる西寺郷太の80年代洋楽ポップスに対する造詣の深さは、マイケル・ジャクソンに関する著作などのヒットにより広く知られるようになりました。むしろ失礼ながら今やNONA REEVESのボーカリストというより80年代洋楽ポップの評論家としての方が知られているほどかもしれません。

ただ1997年にワーナーミュージックからメジャーデビューした彼らですが、残念ながらお世辞にもヒットしたとはいえず、様々なレコード会社への移籍を経て、2011年からインディーズに戻り活動を続けていました。ところがこの80年代再評価の流れがあってか、それとも西寺郷太の評論家的な活動が功を奏したのか見事にメジャー復帰。それも古巣のワーナーミュージックへの返り咲きとなりました。

今回のベスト盤はそんな彼らのメジャー復帰を記念してリリースされたベストアルバム。そのため本作は彼らのインディーズ時代(2011年~2016年)にかけての楽曲は収録されずメジャー時代の楽曲が収録されたベスト盤となっています。そこで一貫して流れているのは彼ららしいファンキーなディスコチューン。ストレートに80年代ポップの影響を受けた楽曲は、今聴くとむしろ一周回って新しさを感じさせます。最初に書いた通り、ここ最近80年代的な音の再評価が進んでいますが、まさに時代がNONA REEVESに追いついたといってもいいかもしれません。

さらに本作、過去の代表曲に加えて新曲が1曲収録されているのですが、この曲がまたかなりの傑作に仕上がっています。その新曲「O-V-E-R-H-E-A-T」はある意味ベタともいえる80年代のディスコポップなのですが、西寺郷太の80年代ポップスに対する知識を総動員しつつ、さらには深い敬意を感じる楽曲。リズムの強度といいメロディーのインパクトといい、むしろ2000年代のメジャー時代の楽曲よりも進化しており、インディーズ時代の彼らの成長ぶりを感じさせます。

また最後に収録されている「ENJOYEE! (YOUR LIFETIME) 2017」は2002年にリリースされたシングル曲の再録なのですが、こちらもアレンジを微妙に今風にアップデート。さらになによりも西寺郷太のボーカルにはある種の自信を感じさせます。それは彼らがデビュー以来ずっと信じて追い続けてきた80年代ポップスの評価がようやく高まってきているということから来る自信なのかもしれません。

ちなみに6月にはインディーズ時代の楽曲をまとめたベスト盤もリリースされるようでこちらも楽しみな作品。NONA REEVESというバンドの魅力を非常に強く伝えてくれているベスト盤でした。

評価:★★★★★

NONA REEVES 過去の作品
GO
Choice
ChoiceII
BLACKBERRY JAM


ほかに聴いたアルバム

なぜ小西康陽のドラマBGMは テレビのバラエティ番組で よく使われるのか。/小西康陽

まるで最近流行りの新書本によくありがちなタイトルにジャケット写真もどこぞの新書本の装丁そのままというユニークな小西康陽の新作。タイトル通り、過去にテレビドラマの劇伴音楽として使用された曲をまとめたサントラ的なアルバム。クラシックをクラブ音楽風に大胆にアレンジしたり、「スポーツ行進曲」をいろいろなアレンジでリミックスしたりとユニークな作品が並んでいます。サントラ盤は単なるBGMで退屈になってしまうケースが多い中、このアルバムに関しては1曲1曲が個性的に出来上がっており、ドラマを見ていなくても楽しめるアルバムになっていました。なぜバラエティ番組でよく使われるのかはわかりませんでしたが、でもおそらく多くのテレビ関係者から彼の曲が支持されているというのは納得できる1枚でした。

評価:★★★★

小西康陽(PIZZICATO ONE) 過去の作品
ATTRACTIONS! KONISHI YASUHARU Remixes 1996-2010
11のとても悲しい歌(PIZZICATO ONE)
わたくしの二十世紀(PIZZICATO ONE)

メテオ/馬喰町バンド

馬喰町バンドの6枚目となるアルバム。日本の民謡やわらべ唄を楽曲に取り入れた独特の音楽性が話題となっていますが、その一方で例えば本作では「なかうちくるまえくっとさけるまでゆけゆけ」ではトリップ感あるサウンドを聴かせたり、「Wajaja」ではグルーヴィーなドラムを聴かせたりとおもしろさを感じます。ただ全体的に似たような節回しの曲が多く、若干もったいない感じもしてしまいました。

評価:★★★★

馬喰町バンド 過去の作品
あねこみあほい

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2017年6月 1日 (木)

AKB系vsK-POP

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

まず1位はAKB系が獲得。

今週1位は乃木坂46「生まれてから初めて見た夢」が獲得しました。彼女たちにとって3作目のアルバムで3作連続1位獲得。初動売上34万2千枚は前作「それぞれの椅子」の27万4千枚(1位)からアップしています。

2位は韓流の男性アイドルグループEXO-CBX「GIRLS」がランクインです。人気アイドルグループEXOのメンバー3人による派生ユニット。これが日本でのデビュー盤。EXOはアルバムでの国内盤リリースはありませんので、本体に先駆けてのアルバムでの日本デビューとなりました。初動売上5万5千枚。韓国からの輸入盤としてリリースされていた前作「Hey mama!」の7千枚(14位)から大きくアップしています。

続いては2作同時ランクイン。女性向けの「イケメン役者育成ゲーム」「A3!」のサントラ盤「A3! First SUMMER EP」が3位に、「A3! First SPRING EP」が5位にそれぞれランクインしています。初動売上はそれぞれ3万枚と2万8千枚。「A3!」がらみのアルバムではキャラクターソングA3ders!「MANKAI☆開花宣言」がベスト10入りを記録しています。同作の初動売上1万4千枚(5位)からはアップしています。

以下、4位からの初登場盤です。まず4位にアニソンを中心に活動している女性シンガーLiSA「LiTTLE DEViL PARADE」がランクインしています。初動売上2万8千枚は前作「LUCKY Hi FiVE!」の1万9千枚(4位)よりアップ。前作はミニアルバムだった影響で売上が落ちていましたが、フルアルバムとしての前作「Launcher」の2万5千枚(3位)からもアップしています。

6位初登場はこちらも韓国の男性アイドルグループINFINITE「AIR」。初動売上は2万1千枚。直近作はベスト盤「BEST OF INFINITE」で、こちらの初動1万1千枚(3位)からは大幅アップ。オリジナルとしての前作「For You」の2万2千枚(3位)からは若干のダウンとなりました。

7位初登場は話題のアルバムです。The Beatles「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」。1967年にリリースされたThe Beatlesを代表する、どころか世界のロック、ポピュラーミュージックを代表するような名盤中の名盤。ここ最近、毎年1作、The Beatlesがらみの作品がリリースされていますが今年は同作リリースから50周年ということでリリースした50周年記念盤。同作を現在の技術で新たにリミックスして生まれ変わらせた作品となっています。初動売上2万枚。金曜日リリースながらしっかりベスト10入りしてくるあたり、The Beatles人気の根強さを感じます。The Beatlesがらみでは昨年リリースされた「LIVE AT THE HOLLYWOOD BOWL」が初動売上2万枚(3位)でしたのでそこからは横バイという結果になっています。

9位にはもう一組韓流男性アイドルグループ。Seventeen「AI 1:4th Mini Album」がランクイン。韓国リリースの輸入盤でのランクインとなります。初動売上は1万6千枚。前作「Going Seventeen」の1万7千枚(4位)から若干のダウンとなります。

最後10位には鬼龍院翔「オニカバー90's」がランクインしています。ゴールデンボンバーの鬼龍院翔によるカバーアルバムで、90年代のJ-POPをカバーしたカバーアルバム。「それが大事」からスタートし「夏の日の1993」「愛は勝つ」と、アラフォー世代にとっては感涙必至の90年代J-POPのヒット曲がズラリと並んでいます。ただ・・・ちょっと気になるにはジャケット写真。この写真って、完全に90年代じゃなくて80年代だよなぁ。

わざとやっているのか、「90年代」を完全に誤解しているのかちょっと意図がわからない部分があるのですが・・・リアルタイムに90年代を経験していた世代としてはちょっと・・・ではなくかなり気になってしまいました。

今週のアルバムチャートは以上。チャート評はまた来週に!

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