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2017年5月12日 (金)

兄弟バンド、復活

Title:Damage&Joy
Musician:The Jesus And Mary Chain

イギリスのロックバンドで「兄弟」といえば、おそらく今は誰もがまずoasisのノエル・ギャラガー、リアム・ギャラガーのギャラガー兄弟を思い浮かぶでしょう。ただ、そのギャラガー兄弟より先にイギリスのロック界を席巻した兄弟がもう一組いました。それがThe Jesus And Mary Chainのジム・リード、ウィリアム・リード兄弟。所属レーベルもoasisと同じクリエイション。最後は兄弟喧嘩をしてバンド解散、という流れもoasisと一緒です。

彼らが1984年にリリースしたデビューシングル「Upside Down」は強烈なフィードバックノイズが流れる暴力的なサウンドが耳をつんざくナンバー。このシングルが他のバンドにも大きな影響を与え、その後のシューゲイザーの走りとも言われています。凶暴的なフィードバックノイズを流しながらもメロディーはキュートともいえるポップスさを出している点も後のシューゲイザー系と同様。その影響力は海を渡り、シューゲイザー系ではありませんがかのPixiesも彼らの楽曲「Head On」をカバーしています。イギリス、アメリカのオルタナ系のロックバンドに多大な影響を与えたバンドです。

そんな彼らが兄弟喧嘩の末に解散したのが1998年。しかしその後兄弟の仲は回復したようで、2007年には再結成を果たしました。ただその後もライブ活動などは続けるものの新作リリースはなく約10年。今年ようやく待望となる約19年ぶりとなるニューアルバムがリリースされました。

今回のアルバムタイトル「DAMEGE&JOY」。意味は「他人の不幸を喜ぶ」という意味だそうで、ネットスラングでいえば「メシウマ」(笑)。こういう皮肉的なタイトルをつけるのも彼ららしい感じです。

そんな19年、待ちに待った(・・・といっても19年前のアルバムはリアルタイムで聴いていないのですが(^^;;)新作は、最初はギターアンプのつまみをまわしてスイッチをオンにするような音からスタート。否応なしに期待が高まる粋な出だしに。その後は待ちに待ったといった感じでノイジーなギターサウンドが登場。さらには彼ららしいポップなメロディーが流れ、これぞジザメリといった感じの「AMPUTATION」からスタートします。

アルバムはほどよく心地よいフィードバックノイズに「キュート」ともとれるメロディアスでポップな楽曲が並んでいます。「ALL THINGS PASS」も疾走感あるポップなメロが非常に心地よいナンバーですし、続く「ALWAYS SAD」「SONG FOR A SECRET」はゲストに女性ボーカリストのベルナデット・デニングが参加。楽曲の爽快さ、キュートさがさらに強調されています。

その後もへヴィーなギターサウンドでガレージ色を増した「FACING UP TO THE FACTS」やシンセを入れてちょっとサイケ風になった「SIMIAN SPLIT」といった曲もありますが基本的にはポップなメロディーにノイジーなギターというジザメリというバンドを象徴するような楽曲が並びます。

「THE TWO OF US」「PRESIDICI(ET CHAPAQUIDITCH)」「BLACK AND BLUES」などバンドサウンド以上にポップなメロディーラインが耳を惹くような曲も並んでおりリード兄弟のメロディーメイカーとしての才を感じますし、ちょっとけだるさもあるメロディーがノイジーなギターサウンドにもピッタリ。決して目新しいことをやっている訳でもないのですが、最初から最後まで全くだれることなく楽しめることが出来るアルバムでした。

19年ぶりの復帰作としてはファンにとってもうれしさを感じる、いい意味で安心して聴ける傑作アルバムだったと思います。さあリード兄弟が仲直りしてアルバムを出した今、次はギャラガー兄弟の仲直りか??(笑)

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

÷/Ed Sheeran

日本でも大きな話題となったイギリスのシンガーソングライターによる最新作。おそらく今、世界的に最も勢いのあるシンガーのひとりだと思います。ラップを入れたりトライバルなサウンドを入れたり、かと思えばトラッド風なギターがあったりAORなナンバーがあったりと多種多様なサウンドを取り入れ、かつそんな楽曲を貫くポップでメロディアスなメロディーラインが魅力的。いい意味で器用さを感じるミュージシャンで、良質なポップソングはいかにも売れそうだなぁ・・・といった感じ。話題性の高さも納得の最新作です。

評価:★★★★

Ed Sheeran 過去の作品
+

Elektrac/Shobaleader One

SQUAREPUSHER率いる謎の覆面バンドによるデビューアルバム。エレクトロサウンドをベースにしつつ、SQUAREPUSHERらしい複雑なリズムを奏でるドラムをはじめとしたバンドサウンドも聴かせます。ファンクやAOR、ジャズなどの要素も加えつつ、技巧的なプレイもふくめてフュージョン色が強いのも特徴的。いかにもSQUAREPUSHERがはじめそうなバンドというイメージを強く感じました。そういう意味ではSQUAREPUSHERのファンなら素直に楽しめるかも。

評価:★★★★

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