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2017年5月20日 (土)

デビュー5年目で早くもベスト

Title:5th Anniversary Best
Musician:家入レオ

タイトル通りデビュー5周年を記念してリリースされる女性シンガーソングライター初のベストアルバム。デビューからわずか5年、アルバムも4枚のみでベスト盤リリースというのは昔ならばかなり早いペースという印象を受けるのですが・・・ただここ最近、ともすれば「10周年」でベスト盤を出した後、「15周年」「20周年」でのベスト盤をリリースしてくるようなミュージシャンが少なくない中、5年目のベスト盤というのは妥当なのかもしれません。

直近のオリジナルアルバム「WE」でよりその傾向が強くなったのですが、家入レオの楽曲のイメージといえばもろ90年代のガールズポップ路線。「ガールズポップ」というと最近ではアイドルの楽曲を指して使われることも多いようですが、ここで言うガールズポップというのは90年代のアイドル冬の時代と呼ばれた頃、女性シンガーを実力派として売り出しつつもアイドル的な要素を織り込んで売り出したようなミュージシャンたちのこと。個人的にも高校生の頃、結構好んで聴いていたジャンルなのですが、彼女はその中でも特にポップスロック寄りのシンガーに似たようなものを感じます。具体的に言えば久宝留理子、久松史奈、田村直美、永井真理子、近藤名奈・・・彼女からイメージされるシンガーは次々と出てきます。

彼女はメロディーのインパクト、特にサビのインパクトが非常に強く、その点は良くも悪くも「売れ線」といった印象も強く受けます。「Bless You」など「愛なんていつも残酷で もう祈る価値ないよ」というこれでもかというほどのインパクトを持った歌詞からスタート。デビューシングルとなった「サブリナ」もサビ先でインパクトあるフレーズからスタートしますが、彼女の楽曲は売れるポップスのお手本と言ってしまっても過言でないインパクトを持っています。

90年代のガールズポップ路線といえばその傾向をもっとも強く感じたのは「Shine」。特にサビに入る直前からサビへの入りに関しては高校時代によく聴いていたポップスを思い出す、どこかノスタルジックな雰囲気すら感じてしまいます。90年代風といえば「Hello To The World」にもそんな懐かしい空気を感じます。多保孝一が楽曲を提供しているこの曲はちょっと70年代ロックの匂いも感じてSuperflyっぽい雰囲気もあったりするのですが。

90年代ポップ色の強いインパクト重視の楽曲は目新しさはないのですがアラフォー世代にとってはある種の懐かしさを感じるポップスの連続だと思います。ただ彼女の楽曲でちょっと気になるのは、彼女は「シンガーソングライター」という肩書がついているのですが、ほとんどの曲は単独作曲ではなく西尾芳彦や多保孝一との共作であるという点。なんとなくのイメージ論なのですが、彼女が中心となっているというよりも、彼女が口ずさんだ1フレーズ程度のメロディーラインを他の作家陣がむりやり引き延ばして楽曲にしているように思います。今後も作家陣に恵まれればいいのですが、この手のシンガーは一度売れなくなると作家陣に恵まれなくなり、一気に落ちていくというケースが多いだけに気になるところ・・・。まだ22歳の彼女、まだまだ成長していく余地のあるシンガーだと思うので、今後の活躍も気になるのですが。

評価:★★★★

家入レオ 過去の作品
LEO
a boy
20
WE

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