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2017年5月30日 (火)

突然の解散劇

Title:LOVE
Musician:WHITE ASH

このサイトを見ればわかる通り、個人的にいろいろなミュージシャンを片っ端から聴いていくタイプですし、シングルチャートも一通りチェックしてアイドル系やらアニソンやらも一応はチェックしていますし、そういう意味でこんなことを思うケースはあまり多くないのですが・・・もっと早く聴いておけばよかった・・・White Ashに関しては、今となって以前からチェックしていなかったことを後悔しています。

本作を持ってバンド解散となったWhite Ashのはじめてで最後となる2枚組のベストアルバム。彼らをはじめて知ったのはオリジナルアルバムで直近作の「SPADE3」。あくまでもイメージ的に最近よくありがちなJ-POP的でルーツレスなギターロックバンドを想像していたのですが、ノイジーなギターサウンドを聴かせる洋楽テイストも強いオルタナ系のロックサウンドをカッコよく聴かせるバンドと知り、一気にはまってしまいました。

今回のベスト盤についてもまさに「SPADE3」で感じたイメージを裏付けるような洋楽テイストの強いへヴィーなバンドサウンドをしっかり聴かせるカッコいいオルタナ系ギターロックの作品が並んでいました。ガレージ風な疾走感あるサウンドを聴かせる「Thunderous」、スピード感あるメロディーにエッジの利いたギターサウンドがカッコいい「Number Ninety Nine」、ミディアムテンポで聴かせる幻想的なギターサウンドがシューゲイザー系からの影響を感じる「Aurora」、ファンキーなサウンドをリズミカルに聴かせる「New Wave Surf Rider」など、それなりにバラエティーを持ったサウンドを聴かせつつ、バンドサウンドでグイグイと攻めてくるような楽曲が多く展開されていきます。

ただその一方、楽曲の構成としては抑えたAメロBメロからわかりやすいフレーズのサビに入っていくという、意外とJ-POP的な楽曲も多く、またメロディーラインもポップでわかりやすいフレーズの曲が少なくありません。中には「Xmas Present For My Sweetheart」みたいな楽曲のテーマの選び方を含めてJ-POP的な楽曲も含まれています。この洋楽的なサウンドと意外とJ-POP的なメロディーラインのバランスも彼らの大きな魅力でしょう。

もっとも彼らが所属している事務所はサザンや福山雅治などが所属していることでも知られる業界大手のアミューズで、このJ-POP的な構成の楽曲は売れるために求められたものかもしれません。実際彼らはアニメ「モンスターストライク」とのタイアップなどタイアップ曲に恵まれていたのもアミューズ所属だからこそ。今回の解散劇に関しては、そんな事務所との軋轢や、その中で生じたメンバーとの不和が要因ということで噂されています。

実際、各種のタイアップの割には売上はいまひとつ伸び悩みましたし、彼らみたいな洋楽テイストが強いバンドは、スタイル的にはパンクバンド的な装いをしながらも中身はベタベタなルーツレスのJ-POPという最近の売れ筋ロックバンドがメインの音楽シーンの中ではなかなか売れるのは難しいのかもしれません。同じく洋楽テイストが強いながらも大ブレイクしているONE OK ROCK(同じアミューズ所属・・・)のような、ある種のわかりやすさもありません。

とはいえ彼らみたいな本格志向のロックバンドは、売り方さえもうちょっと工夫すればもっと売れたと思うんですけどね・・・。また本作はそんなに「売れる」ことに主眼を置くべきバンドではなかったのかもしれません。そういう意味で今回のベスト盤を聴いて、これで彼らが最後というのは非常に残念に感じましたし、またもっと早くから聴いておけばよかったと強く後悔しました。いいバンドだと思うのですが・・・これからはメンバーそれぞれのソロでの活躍に期待したいところです。

評価:★★★★★

WHITE ASH 過去の作品
SPADE3
Quest


ほかに聴いたアルバム

PARADISE/KEYTALK

人気上昇中のギターロックバンドの新作。「ギターロック」というよりは前半はツインボーカルによるむしろアイドルポップみたいな軽快でダンサナブルなポップソングが続きます。後半、ロック寄りの作品もあるものの、全体的にはアイドルソング、それも一昔前のようなダンスポップが続き、ポップでライブ受けはするかもしれませんが、正直言って聴いていてかなりつらい・・・つーか、簡単に表現するために「アイドルポップ」という書き方をしているけど、アイドルだってもっとおもしろい曲を歌っているよねぇ。

評価:★★

KEYTALK 過去の作品
HOT!

80:06/80KIDZ

80KIDZが以前からリリースしていたダンストラックシリーズ「80(ハチ・マル)」が3年ぶりに再開。1月にリリースされた3曲入りの「80:05」を皮切りに4か月連続リリースとなりました。今回、「80:06」は4曲入りでミニアルバム扱いだったためここでも紹介。ミニマルなダンスチューン「Etape02」、ちょっと歪んだピアノの音色がユニークな「IFDB」、お祭り的なビートで楽しげな「Loup」、近未来的なエレクトロビートの「Bougie」と4曲四様でクラブユースのダンスビートが楽しめます。ちなみにこのシリーズをまとめた「80:XX-05060708」も先日リリースされたようなので、他の「80」シリーズの曲についてはそちらのアルバムで。

評価:★★★★★

80kidz 過去の作品
THIS IS MY SHIT
THIS IS MY WORKS
WEEKEND WARRIOR
TURBO TOWN
80:XX-01020304
FACE
Gone EP
5

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