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2017年5月21日 (日)

25周年企画第1弾

Title:ウルフルズTribute~Best of Girl Friends~

今年デビュー25周年を迎えたウルフルズ。25周年という記念の年の今年、ニューアルバムのリリースや野外ライブの開催など様々な企画が用意されているようですが、その第1弾的企画になるのが本作。様々なミュージシャンが参加して彼らの曲をカバーするトリビュートアルバムです。

〇周年企画にトリビュートアルバムをリリースする試み、ここ最近では珍しくない・・・どころかむしろ「ありがち」な企画。ただそんな中で本作がユニークなのはタイトルにもある通り、すべて女性ミュージシャンによるカバーになっている点。ウルフルズの歌を女性シンガーがどのようにカバーするのか、ある意味とても興味深い企画でもありました。

その結果として非常にユニークなカバーが多く収録された聴きどころの多いアルバムになっていました。特にウルフルズの曲をそのままカバーすると女性ボーカルだと違和感があるからでしょうか、原曲を大きくいじった自由度の高いカバーが多かったのが特徴的。1曲目Superfly「ヤング ソウル ダイナマイト」こそ、Superflyもウルフルズと同様、ファンク色強い曲も演るだけに原曲に比較的近い雰囲気でのカバーになっていましたが、続くチャットモンチー「かわいいひと」は軽快なチンドン風の鐘が鳴り響くかわいらしいアレンジのポップチューンになっていますし、UAの「歌」も静かで空間を生かしたアレンジに彼女の歌を前に押し出した楽曲になっており、完全にUAの曲に仕上がっています。

ハンバートハンバートの「SUN SUN SUN '95」もレトロポップ調の軽快で楽しいポップナンバーになっていますし、原曲だとパワフルなボーカルが前に出ていたふくろうずによる「バンザイ~好きでよかった~」もシンプルなポップにまとまっています。

久しぶりにその名前を聞いた松崎ナオ「暴れだす」も特徴的なそのボーカルが耳を惹きます。リズムが微妙にラテン風なのもユニークなところ。BONNIE PINKの「僕の人生の今は何章目だろう」もレゲエ風なアレンジがちょっと意表をつかれますが、完全にBONNIE PINKの曲になっているのも面白い感じ。そしてラストを飾るのはおなじみ「ガッツだぜ!!」を木村カエラがエレクトロパンク調にカバーしています。

全12曲を12組のミュージシャンが12通りの解釈でカバーしており、そのいずれも自らの曲としてしっかりと取り込んでいます。基本的にこの手のトリビュートは名カバーがあっても一方ではずれも少なくないのですが、このアルバムに関しては基本はずれはありませんでした。

また一方で楽曲がこれだけ自由度の高いカバーに耐えられるのもやはりひとえにウルフルズの原曲がしっかりとしたメロディーラインを持った曲ばかりだからなのでしょう。またよくよく考えるとウルフルズの楽曲は、トータス松本の力強いボーカルとファンキーでソウルなサウンドから男っぽいというイメージはありつつ、歌詞についてはマッチョっぽさは薄く、そういう意味でも女性シンガーのカバーでもしっくりくる内容だったのかもしれません。

ウルフルズの楽曲を違う側面からスポットを当て、あらなた魅力を引っ張り出してきたアルバム。ウルフルズが好きならもちろん、個々のミュージシャンのファンでも満足できるトリビュートアルバムに仕上がっていました。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Babe./阿部真央

前作「おっぱじめ」からちょうど2年ぶりとなる新作。この2年の間に出産、離婚を経た彼女。今回の新作では特に母であることを意識した曲を収録しています。それが「母である為に」「この時を幸せと呼ぼう」で、どちらも子供への惜しみない愛情を歌った歌になっています。この2曲も大きなインパクトがあるのですが、アルバム全体としてはロック色の強いアルバムに。以前の彼女の曲といえば、いろいろなジャンルに手を出しすぎてバラバラになっていた印象が強いのですが、前作あたりから楽曲にまとまりが出てきたような感じがします。いい意味でアルバムに安定感が出てきた作品。「母」となった彼女が今後どのような曲を聴かせてくれるのか、非常に楽しみです。

評価:★★★★

阿部真央 過去の作品
ポっぷ
シングルコレクション19-24
おっぱじめ

Superfly 10th Anniversary Greatest Hits “LOVE, PEACE & FIRE”/Superfly

タイトル通り、デビュー10周年を記念してリリースされたSuperflyのベスト盤。もっともベスト盤は4年前にリリースされたばかりで、かつその後リリースされたオリジナルアルバムが1枚のみという状況なので、感想としては前のベスト盤とほぼ一緒(^^;;洋楽的な部分と歌謡曲的な部分のバランスが絶妙で垢抜けた部分といい意味でベタな部分が同居しているポップスがとても心地よいアルバムです。内容的には5つですが、あまりにもベスト盤のスパンが短いということで。

評価:★★★★

Superfly 過去の作品
Superfly
Box Emotions
Wildflower&Cover Songs:Complete Best 'TRACK3'
Mind Travel
Force
Superfly BEST
WHITE
黒い雫 & Coupling Songs:`Side B`

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