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2017年4月 7日 (金)

新機軸?

Title:NEW
Musician:THE BAWDIES

これまで比較的コンスタントにアルバムをリリースしてきた彼らとしてはちょっと間が空いてしまった約2年3カ月ぶりとなるニューアルバム。途中、ライブ盤のリリースなどもあったのですが・・・一時期に比べて人気面で若干勢いが落ち着いた彼らだけに、ここで一息といった感じもあったのでしょうか。

基本的に60年代70年代あたりのソウル、ブルースへのルーツ志向が強いバンドで、昔ながらのロックンロールバンドを目指している彼ら。それだけにいままでの楽曲に関してもシンプルなロックンロールサウンドを勢いで押している感じの楽曲が多く、良くも悪くも「大いなるマンネリ」気味だったのは否めません。そんな中での新機軸の模索、ただしあくまでも原点は忘れず、というのが彼らの課題。前々作「1-2-3」は原点回帰をはかりつつ、その次の「Boys!」は新たな一歩を模索したようなアルバムになっていました。

今回のアルバムに関してはタイプ的には新たな模索という要素が強かったでしょうか。本作、いままでのアルバムに増してポップという要素が強かったように感じました。

特に中盤、「RAINY DAY」以降、ポップな曲が並んでいます。「POPULAR GIRL」は60年代のレトロポップ風のキュートなポップナンバー。クラスの中で人気者の女の子に恋するかわいらしいテーマの作品で、初回版特典のDVDに入っているTHE BAWDIES主演の短編映画「NEW」の中でも効果的に用いられています。「MAKE IT SNOW」もモータウンビートが軽快なノーザンソウル風なナンバー。こちらも聴いていて楽しくなる彼ららしいポップチューンになっています。

またそんなポップなナンバーが並ぶ中、「HELLO」はかなりへヴィーなギターリフがさく裂するロックなナンバー。軽く金切り声のシャウトも聴かせ、THE BAWDIES流のメタルを志向したのかも?一方、同じくロッキンなナンバーながらも「HOT NIGHT,MOON LIGHT」はへヴィーなベースラインが流れる中、JBを意識したようなシャウトを聴かせるファンキーなナンバー。こちらはTHE BAWDIESらしいナンバーになっています。

そんな新機軸を模索しつつ、基本的にアルバム全体としてはいつものTHE BAWDIESらしいルーツ志向のご機嫌なロックンロールのアルバムに仕上がっていました。まあ新機軸を模索といっても完全に目新しいといった感じではなく、ルーツロック志向という特徴が強い彼らにとって完全に新たな方向性に踏み出すのは非常に難しいというジレンマを抱えているのかもしれませんが・・・。とりあえず本作は彼ららしい陽気で楽しいロックンロールナンバーが楽しめた作品でした。

評価:★★★★★

THE BAWDIES 過去の作品
THIS IS MY STORY
THERE'S NO TURNING BACK
LIVE THE LIFE I LOVE
1-2-3
GOING BACK HOME
Boys!
「Boys!」TOUR 2014-2015 –FINAL- at 日本武道館


ほかに聴いたアルバム

ぼなぺてぃっ!!!/The Mirraz

完全にEDM路線にシフトしたThe Mirrazの最新アルバム。ただある意味彼ららしい、典型的なロックバンドらしい反骨精神あるアイロニカルな歌詞は健在で、「世の中クソ!」なんかはタイトルからしてそのまんまといった感じの歌詞。またEDM路線も特に目新しさはないのですが、ある意味完全に振り切ってしまった感じが彼らの個性になっているようにも思います。ただちょっと残念だったのはエレクトロサウンドが前面に出てしまった結果、もともと情報量過多で聴き取りにくかった彼らの歌詞が余計聴き取りにくくなってしまった点。せっかく歌詞が売りのバンドなだけに、ここらへんの扱いはもうちょっと丁寧にしてほしかった感も。

評価:★★★★

The Mirraz 過去の作品
We are the fuck'n World
言いたいことはなくなった
選ばれてここに来たんじゃなく、選んでここに来たんだ
夏を好きになるための6の法則
OPPOTUNITY
しるぶぷれっ!!!
BEST!BEST!BEST!
そして、愛してるE.P.

Newpoesy/TAMTAM

約2年ぶりとなるダブバンドTAMTAMのニューアルバム。前作「Strange Tomorrow」はダブとポップを見事に融合させた傑作でした。それに比べて本作は、打ち込みを多く取り入れた楽曲がメインとなりダブの要素は薄め。ポップなメロディーは相変わらずでそういう意味での聴きやすさはあったのですが、バンドとして一皮むけた感のあった前作と比べるといささか物足りなさが残ってしまうアルバム。悪いアルバムではないと思うのですが・・・。

評価:★★★★

TAMTAM 過去の作品
For Bored Dancers

Strange Tomorrow

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アルバムレビュー(邦楽)2017年」カテゴリの記事

コメント

いっそのことミイラズは歌詞をシンプルにした方がいいのかも・・・

投稿: ひかりびっと | 2017年4月 8日 (土) 16時47分

>ひかりびっとさん
こういうタイプのEDMナンバーなら歌詞はシンプルの方がいいかもしれませんね。

投稿: ゆういち | 2017年4月 8日 (土) 23時25分

BAWDIES最近は「大いなるマンネリ」ですね。
十分満足なかっこよさなんですが。
メジャーデビュー初期あたりだったと思うのですが
自分たちの力が足りないから日本語詞が書けないと
言っていたのでそろそろ彼らの日本語詞の曲も聞いてみたいところです。

ところで画面をスクロールしてTAMTAMの名前が
見えたところで「友達でいいから」のTAMTAMが
アルバム出したのかと思ってしまいました(笑)

投稿: Toshi | 2017年4月12日 (水) 00時46分

>Toshiさん
そう、THE BAWDIES、そろそろ日本語詞も聴いてみたいんですよね。やってくれないかなぁ。
TAMTAM!いや、個人的にも実は「友達でいいから」のTAMTAMをいつも思い出してしまいます。なにげに好きだったんですけどね、こちらもTAMTAM。

投稿: ゆういち | 2017年4月13日 (木) 00時37分

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