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2017年4月 1日 (土)

コラボから久保田利伸を知る

Title:THE BADDEST~Collaboration~
Musician:久保田利伸

2016年にメジャーデビュー30周年を迎えた久保田利伸。日本においてブラックミュージックをポピュラーミュージックにむすびつけた第一人者において高い人気を誇り、多くのミュージシャンたちのリスペクトも集める彼。そんな彼だからこそ様々なミュージシャンとのコラボレーションも実現している訳ですが、そんなコラボレーション楽曲を集めた企画盤が本作。デビュー30周年記念企画の第2弾だそうです。

久保田利伸のコラボ作といえばよくよく考えると彼最大のヒット曲である「LA・LA・LA LOVE SONG」からしてナオミ・キャンベルとのコラボ作。他にも邦楽勢ではMISIAやAI、EXILE ATSUSHIといった面々からちょっと異色なところでは小泉今日子とのコラボ作があったり、洋楽勢ではTHE ROOTSやMusiq Soulchild、George Clintonなど層々たる面々とのコラボも並んでいます。

そんな彼のコラボ作を通して聴いてまず感じたのは、思ったより久保田利伸という独特のカラーが薄いのではないかという点でした。確かにこれが久保田利伸の曲だ、というのは彼の声を聴けばわかります。彼のよく通るその歌声は、その声色も含めて強い個性を持っています。

ただ一方、楽曲自体のスタイルとしては、これが久保田利伸だ、という色はあまり強いようには感じませんでした。むしろコラボレーションに関してはコラボしている相手の色に寄り添っているようなイメージさえ受けました。例えばGeorge ClintonやWilliam "Bootsy" CollinsらのP-Funk勢が参加した「MIXED NUTS」はまさにロッキンでファンキーなナンバーに仕上がっていますし、JUJUとコラボした「Is it over?」では哀愁感あるメロでむしろJUJUっぽいナンバーになっています。

もっともこの「相手の色に寄り添う」というスタイルだからこそ数多くのミュージシャンとのコラボを実現できたのでしょう。またギターを中心としたバンドサウンドというスタイルが50年近く続いている、ある意味「保守的」な部分があるロックに比べるとブラックミュージックというジャンルは時代時代によってそのスタイルを柔軟に変えてきた分野。久保田利伸がひとつのスタイルを貫きすぎず時代時代に応じて柔軟にそのスタイルを変えてきたからこそ、30年という長きにわたりトップミュージシャンの座を維持できたのでしょう。

コラボというスタイルを通じて久保田利伸というミュージシャンの特徴を強く感じられた今回のアルバム。企画盤という位置づけですが、彼のベスト盤のタイトルとしておなじみの「BADDEST」という名前を冠しているだけに間違いなく本作もまた「ベスト盤」のひとつだと思います。ファンならずとも久保田利伸というミュージシャンに興味を持っている方、必聴の作品です。

評価:★★★★★

久保田利伸 過去の作品
Timeless Fly
Gold Skool
THE BADDEST~Hit Parade~
L.O.K.


ほかに聴いたアルバム

STAND!!/フジファブリック

フジファブリックの新作は1曲目「FREEDOM」いきなりエレクトロサウンドでスペーシーにスタートしてリスナーを驚かせます。続く「SUPER!!」もギターロックの楽曲ながらもスペーシーな雰囲気で1曲から続く感じ。そのほか幻想的な雰囲気のサビが印象的な「have a good time」、サイケな「the light」など挑戦的な楽曲も多かった今回のアルバム。ただ一方アルバムでメインとなるのはやはり彼ららしいシンプルなギターロック。そういう意味ではファンにとっても安心して聴けるアルバムだったと思います。

そういう挑戦的な楽曲が実を結んでいたかといわれる微妙な部分もあってアルバム全体のインパクトは薄めなのですが・・・次の作品へのあらたなる成長を期待できると言えるかもしれません。今回のアルバムが次回作へどう結びついていくのか楽しみにも感じます。

評価:★★★★

フジファブリック 過去の作品
TEENAGER
CHRONICLE
MUSIC
SINGLES 2004-2009

STAR
VOYAGER
LIFE
BOYS
GIRLS

LIFE/山崎まさよし

一時期に比べると少々人気が停滞気味な最近の山崎まさよし。最新アルバムは良くも悪くもいつもの彼らしい作品といった感じ。暖かみのあるアコースティックなサウンドに優しいメロディーラインという彼の魅力を存分に感じつつ、楽曲によってはダイナミックにバンドサウンドを取り入れる楽曲もあったりと、バリエーションもあり彼の魅力をしっかり伝えているアルバムに。ただ一方、歌詞にしろメロディーにしろ流し聴きしていても昔のようにハッとさせられるようなインパクトは不足しているように感じます。そこらへんが一時期のように大ヒットが出てこない要因かも。

評価:★★★★

山崎まさよし 過去の作品
COVER ALL-YO!
COVER ALL-HO!

IN MY HOUSE
HOBO'S MUSIC
Concert at SUNTORY HALL
The Road to YAMAZAKI~the BEST for beginners~[STANDARDS]
The Road to YAMAZAKI~the BEST for beginners~[SOLO ACOUSTICS]

FLOWERS
HARVEST ~LIVE SEED FOLKS Special in 葛飾 2014~
ROSE PERIOD ~the BEST 2005-2015~
UNDER THE ROSE ~B-sides & Rarities 2005-2015~
FM802 LIVE CLASSICS

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