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2017年3月11日 (土)

約40年ぶり(!)にスタックスからリリース

Title:This Is Where I Live
Musician:William Bell

もう3月になりましたが・・・今回紹介するアルバムも2016年に評判の高かったアルバムでリアルタイムに聴き逃したアルバムをいまさらながら聴いてみた1枚。本作は「Blues&Soul Records」の2016年ベストアルバムの1枚に選ばれたWilliam Bellの新作です。

William Bellは主に70年代から80年代にかけてスタックス・レコードで人気を博したシンガーソングライター。1976年には「Tryin' To Love Two」がアメリカのR&Bチャートで1位を獲得するなど高い人気を誇りました。本作はそんな彼がスタックス・レコードから42年ぶり(!)にリリースしたということで話題となった1枚。もっともスタックス・レコード自体、1975年に倒産しており2006年に復活した、という経緯をたどっているのですが・・・。また彼自体、スタックスから離れて以降もコンスタントにアルバムはリリースしています。もっとも本作は約10年ぶりとなるオリジナルアルバムとなるようですが。

そんな話題の新作は、まさに70年代のソウルミュージックをそのまま解凍したような1枚。しんみりホーンとギターサウンドをバックに哀愁感たっぷりに歌い上げる「The Three Of Me」からスタートし、おなじく哀愁感たっぷりに歌う「The House Always Wins」もホーンやギターの音色が優しく響きます。

楽曲的にはそんなリスナーの琴線に触れるような物悲しさを感じさせるメロディーラインの曲を包容力ある力強い彼のボーカルで聴かせるナンバーが並んでいます。後半も「Walking On A Tightrope」「More Rooms」などそのメロディーや彼の歌に胸がキュッとなるような曲が続きます。タイトルチューン「This Is Where I Live」のようなアップテンポな曲もありますが、こちらもホーンセッションをバックに力強く聴かせる彼のボーカルが印象的。特に「All Your Stories」などはアコギ一本で優しく歌い上げるナンバー。その切ないメロディーラインと共に強い印象を残す楽曲になっています。

一方では「Poison In The Well」やアルバート・キングのカバー「Born Under A Bad Sign」のようなロック色の強いブルースロックナンバーも目立ち、全体的にはロックリスナーにとっても聴きやすいようなアルバムになっていたようにも感じました。

とにかくその哀愁感たっぷりのメロディーラインと、そんな楽曲を優しく歌い上げる彼のボーカルが心に響いてくるアルバム。ちなみに本作、今年のグラミー賞でベスト・アメリカーナ・アルバムを受賞しており、その評判の高さをうかがわせます。ソウルミュージック好きにはおそらくたまらない1枚だと思います。

評価:★★★★★

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