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2017年3月 7日 (火)

歌の上手さを売りに

Title:Joyful Monster
Musician:Little Glee Monster

ここにも以前書いたことがあるかもしれませんが・・・私は以前から邦楽シーンに対して非常に不満かつ疑問に思っていることがあります。それはボーカルに対する異常なまでの軽視。特にアイドルシーンなどにおいては「顔が良くて歌まで上手いとリスナーに嫉妬されるからわざと歌が下手な人を選んでいるのか?」と思うほど、素人レベルの歌唱力と平坦な表現力をユニゾンで歌うアイドルばかり。にも関わらず有名ミュージシャンが楽曲を提供して楽曲自体がいいと音楽メディアは大絶賛。個人的にはボーカルも曲を構成する重要な要素だと思っているので、ボーカルがいまふたつのような曲を無条件で絶賛するメディアのスタンスに強い疑問を持っています。個人的には「ボーカルグループ」といって通用するような「歌が上手い」ということが売りのアイドルグループが出てきてもいいと思うのですが・・・。

そんな中、10代の女の子6人で構成されたボーカルグループLittle Glee Monsterに関しては「歌が上手い」ということを売りにしており、今のJ-POPシーンの中では珍しい売り方に興味を持ちました。もっとも「歌が上手い」といってもとかく日本では例えばバラエティー番組で「歌の上手さ」を競う場合、単なるカラオケで音程があっている、ということだけを競っていたり、声量が大きい人を「歌が上手い」と持ち上げたりするので、本来ボーカリストとして表現力があることが歌が上手い必須条件であるべきなので、「歌が上手い」と売り文句を額面通りに受け取るこは出来ないのですが。

彼女たちに関しても確かに歌は上手いと思います。ただやはり彼女たちの上手さの要素はその声量や音程の安定感といった部分。一定以上の安定感と声量があるだけに安心して聴いていられるのですが表現力という部分ではまだまだといった印象受けました。そういう意味では彼女たちに関してもテクニック的には「上手い」のかもしれませんが、本当にボーカリストとして実力があるのか、といわれるとまだまだ発展途上だな、と思います。

楽曲自体に関しては先行シングルについてはいかにもJ-POP的。場合によってはアイドル的な売り方を意図しているのか?と感じるような楽曲もあり、歌の上手さを強調するためのわざとらしいコーラスラインやアカペラなどを用いているような曲が多く、ちょっとわざとらしさも気にかかりました。

ただアルバム収録曲に関しては「Hot Step Jump!」のようなソウル風のボーカルを入れてくるような曲があったり、「Catch me if you can」みたいな英語詞でファンキーな洋楽テイストの強い楽曲を聴かせてくれたり、シングル曲の印象よりもブラックミュージック色が強いのも印象的。よくありがちな売れ線J-POPよりも、よりボーカルの上手さが楽曲に反映させられるような意欲的な作品が目立ったようにも感じました。

ボーカルグループを売っていくというレコード会社や事務所側の意欲はおもしろいですし、またアルバム曲に関してもそういった意欲を感じます。表現力に関してはかなり不足しているようにも感じるのですが、これはまだ10代の彼女たち。これから人生経験を踏めば、より表現力あるボーカルを聴かせてくれるようになるのではないでしょうか。そういう意味ではこれから次第でもっともっと大化けしそうなグループと言えるかもしれません。これからの彼女たちの成長に期待したいところです。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

鉛空のスターゲイザー/グッドモーニングアメリカ

セルフタイトルだった前作「グッドモーニングアメリカ」ではバンドとしての勢いを感じさせるポップでインパクトあるメロディーを聴かせてくれた彼ら。それだけに続く新作にも期待したのですが・・・正直言えば完全な期待はずれ。ハイトーンボイスにアップテンポなリズム、ほどほどハードなギターロックという典型的な「フェス向け」なバンド。ライブで盛り上がることだけを主眼においたような薄っぺらさを感じてしまいます。同じようなテンポの曲が並んでおりメロディーのインパクトもいまひとつ。ここ最近、一時期に比べて人気に勢いがないようですが、その理由もわかる作品でした。

評価:★★★

グッドモーニングアメリカ 過去の作品
inトーキョーシティ
グッドモーニングアメリカ

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コメント

ボーカル軽視に対する不満。全く同感です。
名前はだしませんが、超人気歌手やバンドでも「曲はいいのに歌がなあ」とがっかりすることが結構あります。90年代あたりと比べると歌が下手な歌手やバンドが本当に多いなと思います。

投稿: いつも読んでます | 2017年3月 8日 (水) 06時39分

グッドモーニングアメリカ、確かに新機軸が欲しいかも。歌詞にも音にも。

投稿: ひかりびっと | 2017年3月 9日 (木) 18時22分

>いつも読んでますさん
書き込みありがとうございます。同意していただいてありがとうございます。どうも日本ではいろんな意味で「ボーカル」が軽視されていると思うんですよね・・・。

>ひかりぴっとさん
グドモはもうひとふんばりがんばらないと、そろそろ厳しいかもしれませんね。

投稿: ゆういち | 2017年3月10日 (金) 00時08分

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