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2017年3月27日 (月)

今、最も注目のバンド

Title:THE KIDS
Musician:Suchmos

おそらく今、彼らはもっとも注目を集めているミュージシャンの一組でしょう。神奈川県出身の6人組ロックバンドSuchmos。そのバンド名はジャズミュージシャンのルイ・アームストロングの愛称から取られているそうで、その由来からもわかるようにジャズや、あるいはソウル、ファンク、HIP HOPなどブラックミュージックの影響を色濃く受けたロックバンドです。

そんなわかりやすいJ-POPから距離を置いている彼らにも関わらず大きな注目を集めている彼ら。2枚目となる本作はなんとオリコンチャートで2位を記録。大ブレイクを果たしています。

冒頭でも書いた通り、様々なブラックミュージックの要素を取り入れのが特徴的な彼らの楽曲。「A.G.I.T.」はハイトーン気味のボイスで軽快なソウル風のナンバー。ところどころスクラッチ音が入りHIP HOPの要素も感じます。非常に熱量も少なくクールにまとめあげている作風は、いわゆるネオソウル的な要素も。続く「STAY TUNE」はホンダのCMソングにも起用され彼らのブレイクポイントともなった曲。ファンキーなリズムでメロディアスなナンバー。シティーポップという形容詞がピッタリと似合いそうな楽曲になっています。

今回彼らのアルバムを聴いて、大きな2つの特徴を感じました。まず1つ目がブラックミュージックの要素をふんだんに取り入れながらも、実はロック的な要素も強いバンドであるという点。例えば先行配信されビルボードのHot100で最高位6位を獲得するなど大ヒットを記録した「MINT」は黒いベースラインとファンキーなリズムが特徴的である一方、終始、ハードロックなギターサウンドが流れていますし、「ARE WE ALONE」では途中、ハードロックテイストなギターリフが登場してきます。ブラックミュージックのグルーヴ感を取り入れつつも、一方ではロック的なダイナミズムも楽曲の中で上手く取り込んでおり、ロックリスナー層にとっても受け入れられやすい楽曲になっています。

もうひとつはそんな様々な音楽的要素を取り入れつつも、実はポップで非常に耳なじみやすいという点でした。どの曲に関しても基本的にメロディーラインを前に押し出していますし、わかりやすいサビを入れてくる楽曲構成になっています。上に「わかりやすいJ-POPから距離を置いている」とは書いたのですが、実はJ-POP的な部分も楽曲から感じられます。ブラックミュージック的な要素も入れ方もわかりやすく、いい意味での聴きやすさ、ベタさも持っているバンドだと思います。またそれが彼らが大ブレイクした大きな要因でしょう。

ここ最近、シティーポップのミュージシャンが注目を集めることが多く、ひとつの流れになっていますが彼らはそんな流れの中で登場した決定的なバンドと言えるかもしれません。ブラックミュージックとロックのバランス、わかりやすさとマニアックなバランスが実にほどよく取られており、天性の才も感じられます。まだまだこれから人気が伸びていきそう。間違いなくここ最近のバンドでは頭ひとつもふたつも出ているバンドだと思います。これからの活躍にも大いに期待したいところです。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

SUPERFINE/冨田ラボ

毎回、豪華なゲスト陣が目をひく冨田ラボのニューアルバム。本作も水曜日のカンパネラのコムアイや(作詞は同じく水カンのケンモチヒデフミ!)、坂本真綾、今話題のSuchmosのYONCEなどが参加。今話題の新進気鋭のミュージシャンが多く参加しており、そのアンテナの感度の良さに驚かされます。

楽曲はシンプルなシティポップといったイメージ。参加ミュージシャン個々のボーカルの個性が際立っている一方、楽曲自体はシンプルで目新しさはあまりありません。良質なポップソングを楽しめる1枚といった感じでしょうか。大人が安心して楽しめるポップスアルバムです。

評価:★★★★

冨田ラボ 過去の作品
Shipahead
Joyus

きれいなひとりぼっちたち

2003年の活動開始以来、散発的な活動でファンをやきもきさせながらも熱狂的な支持を得ており、現在では事実上、峯田和伸のソロプロジェクトとなっている銀杏BOYZ。本作はその銀杏BOYZの曲を数々のミュージシャンがカバーしたトリビュートアルバム。YUKIや曽我部恵一、THE COLLECORSなどといったベテラン勢からクリープハイプ、ミツメといった若手勢まで豪華なミュージシャンたちが参加しています。

銀杏BOYZといえば峯田和伸の癖が非常に強く出ており、それがひとつの魅力となっています。今回のカバーに関してはそんな「癖」の部分を取っ払った、歌詞とメロディーラインの良さに主眼を置いたような比較的シンプルなカバーがメイン。そのため、銀杏BOYZの歌詞やメロディーラインの良さがあらためて認識できるアルバムになっていました。良くも悪くも斬新だったりカバーしたミュージシャンの個性がバリバリと出てしまったようなカバーはないものの、どのミュージシャンも素直に銀杏BOYZへの愛情が感じられるトリビュートアルバムになっていました。

評価:★★★★

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