メロディーもはっきりと流れるものの
Title:Oczy Mlody
Title:The Flaming Lips
ここ最近、ビートルズのカバーアルバム「With a Little Help From My Fwends」をリリースしたり、ピンクフロイドのカバーアルバムをリリースしたりと積極的な活動が目立ったためちょっと意外な感じもするのですがオリジナルアルバムとしては4年ぶりとなるThe Flaming Lipsのニューアルバム。「Oczy Mldoy」(=オクシィ・ムロディ)というタイトルは非常に奇妙な印象を与え、インパクトあるタイトルとなっているのですがこれはポーランド語で「eyes of the young」という意味だそうです。なんか語感から受ける印象とかなり異なる感じがしますね。
事前にこのアルバムのレビューなどを見ると、メロディーが際立ったアルバム、といった評価が多かったため、個人的には最初、かなりポップな作風を想像していました。そういうイメージを持ったうえでこのアルバムを聴くと、最初はかなり戸惑うかもしれません。イントロ的な役割を果たすタイトル曲「Oczy Mlody」は確かに美しいメロディーラインは流れているものの、かなりサイケなノイズが前に出たような作品。続く「How??」もとてもスペーシーなサウンドが前に出ている作品になっています。
確かにそのメロディーラインが比較的はっきりあらわれており、ポップなメロが確実に流れているアルバムだとは思います。特に終盤、「The Castle」から「Almost Home(Blisko Domu)」「We a Famly」と続く3曲は憂いを帯びたようなメロディーラインが印象に残る作品。そのメロディーセンスがはっきりとあらわれた作風になっています。
ただそれらの曲を含めてアルバム全体としてかなりへヴィーなノイズが流れたサイケデリックで、かつスペーシーな作品に仕上がっています。重厚感あるサウンドが特徴的な「Sunrise(Eyes of the Young)」やダークなエレクトロサウンドが楽曲の根底で流れつづける「One Night While Hunting for Faeries and Witches and Wizards to Kill」、哀愁感を帯びたダークでドリーミーなサウンドが流れる「Listening to the Frogs with Demon Eyes」など、楽曲毎にパターンを変えながらもノイジーなサウンドが流れ続ける作品が続きます。
アルバムとして「歌」としての美しさは楽しめるものの、やはり全体のバランスとしてはサイケ、ノイズの部分が強く出たアルバムのように思います。もちろんThe Flaming Lipsらしいキュートなポップが楽しめるアルバムではあるのですが・・・個人的にはそのサイケデリックな音の洪水に最後の方はちょっと疲れてしまったというのが正直な感想。良作だとは思うのですが、好き嫌いはわかれそうな作品といった感じでしょうか。
評価:★★★★
THE FLAMING LIPS 過去の作品
EMBRYONIC
The Dark Side Of The Moon
THE FLAMING LIPS AND HEADY FWENDS(ザ・フレーミング・リップスと愉快な仲間たち)
THE TERROR
With a Little Help From My Fwends
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