« 21分の短さにNINの魅力が凝縮 | トップページ | 戦前のエンタテイメント »

2017年2月25日 (土)

70年代ソウルをそのまま解凍

Title:Special Night
Musician:LEE FIELDS&THE EXPRESSIONS

30年以上のキャリアを持ち、今のファンクバンドからもリスペクトを集め、そのスタイルから「リトル・ジェイムス・ブラウン」という異名を持つアメリカのファンクミュージシャン、LEE FIELDS。今回紹介するのはそんな彼のニューアルバムです。

ジャケット写真からしていかにも昔ながらもレコードジャケットを彷彿とさせるのですが、楽曲自体もまさに70年代をそのままパッケージしたような古き良きファンクがつまったようなアルバム。まず1曲目、いきなりタイトルナンバーの「Special Night」からスタートするのですが、ムードたっぷりのホーンの音色に彼の力強い歌声が重なるバラードナンバー。そのスタイルからまるっきり古き良き時代のソウルそのものです。

基本的にその後もそのボーカルで歌い上げるスタイルのバラードナンバーがメイン。「Lover Man」みたいにちょっとセクシーさを感じさせるボーカル曲もあったり、「Let Him In」のようなギターサウンドを絡ませつつ、ソウルフルに歌い上げるナンバーもあったり、昔ならのソウルナンバーの中で微妙にそのボーカルスタイルを変えてくるのも魅力的ですし、彼の実力を感じさせます。

そんなミディアムチューンの中に挟まれているアップテンポでファンキーな楽曲も魅力的で大きなインパクトに。「Make The World」はぶっといホーンやバンドサウンドで非常に黒さを感じるファンクナンバー。「How I Like It」もへヴィーなギターリフが印象的なリズミカルなファンクチューンに。アップテンポなナンバーについても、これでもかというほど黒く、分厚いサウンドがとても魅力的に仕上がっています。

言ってみれば冷凍パッケージされた70年代ソウルをそのまま解凍されたようなアルバム。それだけに黒さを感じさせるそのサウンドは素直に気持ちよかったのですが、その反面、あまりにも70年代そのまま過ぎないか?というのを感じたのも事実。もちろん、70年代ソウルをそのまま再現しているという点で、その時代のソウルが大好きなら間違いなくはまる1枚だと思います。ぶっといサウンドがとにかく気持ちよいアルバムでした。

評価:★★★★

|

« 21分の短さにNINの魅力が凝縮 | トップページ | 戦前のエンタテイメント »

アルバムレビュー(洋楽)2017年」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 70年代ソウルをそのまま解凍:

« 21分の短さにNINの魅力が凝縮 | トップページ | 戦前のエンタテイメント »