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2017年1月23日 (月)

邦洋問わず幅広くコラボ

Title:THE FEAT.BEST
Musician:AI

2015年にベスト盤をリリースしたばかりのAIですが、その第2弾がリリースされました。今度のアルバムは「THE FEAT.BEST」。彼女が他のミュージシャンとコラボした作品、彼女が他のミュージシャンの作品にゲストとして参加した作品を集めたベストアルバムとなります。

思えばAIというボーカリスト、その歌唱力については文句なしである一方、声質はしゃがれ声で失礼ながら「美声」といったイメージはありません。それにも関わらず数多くのミュージシャンたちの作品にゲストとして参加しているのはやはりその歌唱力があるからなのでしょう。また彼女の独特のしゃがれ声を曲の中で大きなインパクトとして使用しているから、という点もあげられるでしょう。

AIがコラボしているミュージシャンは日本のみならず海外のミュージシャンとのコラボも少なくありません。本作に収録している曲ではThe Jacksonsをフィーチャリングした「Letter In The Sky」は秀逸。それに続きBoyz II Menとのコラボ作「Incomplete」へと続くのですが、このメロウなボーカリストとのコラボの連続にはうっとり。それに続くのがEXILE ATSUSHIと組んだ「No more」となるのですが、申し訳ないのですがボーカリストとしての実力の落差にガクッときてしまいました。

彼女のボーカルにマッチしているというとインパクトが多かったのがK'naanの作品にゲストで参加した「Wavin'Flag」。彼女の声質的にはトライバルな作風や力強い作風の曲によりマッチしているように思います。他にも加藤ミリヤとVERBALと組んだ「RUN FREE」やCharの作品にゲストボーカルとして参加したロックナンバー「No Generation Gap」など、ダイナミックなナンバーの方がより彼女のボーカルが際立つように思いました。

そういう意味でも印象が強かったのが同じくパワフルな女性シンガーとしてその歌唱力に定評がある福原美穂とのコラボ「O2」。ある意味、似たようなベクトルを向いたシンガー同士のコラボなのですがパワフルなツインボーカルが実に迫力あり魅力的なナンバーになっていました。また同様、安室奈美恵との相性もいいですね。本作でも彼女とのコラボでは「Wonder Woman」「FAKE」が収録していますが、同じくパワフルなボーカリスト同士ながらも声質のベクトルが微妙に違うだけに、安室奈美恵とAI、両者のボーカリストとしての色がきちんと生きたコラボになっています。

また本作の1曲目に収録されている宇多田ヒカルとのデゥオ「FINAL DISTANCE」も印象に残ります。ボーカリストのタイプとしては両者、ちょっと異なる方向性を向いているので若干、「異種格闘技」的なチグハグさも感じなくはないのですが、このチグハグさもまた味として印象に残るデゥオに仕上がっていました。

R&B、ソウルを中心にロックからHIP HOP、ポップにレゲエと幅広い作品でのコラボが楽しめる作品。統一感は少ないのですが、この統一感のない曲を卒なくこなすAIに、そのボーカリストとしての実力を感じたベストアルバムでした。

評価:★★★★★

AI 過去の作品
DON'T STOP A.I.
VIVA A.I.
BEST A.I.
The Last A.I.
INDEPENDENT
MORIAGARO
THE BEST

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