早くも新作!
Title:STARBOY
Musician:The Weeknd
前作「Beauty Behind the Madness」が大ヒットを記録。グラミー賞でも最優秀R&Bパフォーマンスと最優秀アーバン・コンテンポラリー・アルバムの2部門を受賞して一躍注目のミュージシャンとなったThe Weeknd。そんな話題の作品からわずか1年3ヶ月、早くもニューアルバムがリリースされました。
The Weekndといえば先日、某雑誌でMOBYのインタビュー記事を読んでいた時にMOBYがThe Weekndのことを「あの売れ線ね」みたいな感じで軽くディスってる記事を読みました。確かにこの「売れ線」というイメージは決して間違いではないように思います。彼の楽曲は今時のエレクトロサウンドを積極的に用いている反面、良くも悪くも広い層にアピールできるようなポップなメロディーを奏でている、それが前作「Beauty Behind the Madness」を聴いた時に強く感じた印象でした。
今回のアルバムに関してもその方向性は強く感じます。タイトルチューン「Starboy」にしてもダフトパンクをゲストに迎えたサウンドはピアノを効果的に用いたエレクトロチューンが耳を惹く反面、メロディーラインについては哀愁感たっぷりでポップでインパクトあるものに仕上げています。
ファンキーなリズムが印象的な「Rockin'」も、ちょっとチープな80年代風を感じるエレクトロサウンドはここ最近の流行と思われる反面、軽快でポップなメロディーはインパクト十分。広い層にアピールできるようなポップチューンに仕上がっています。
メロディーラインで秀逸なのは「True Colors」でしょうか。しんみりと聴かせるバラードでゆっくり歌い上げるボーカルが印象的。メロディーラインはどこか和風な雰囲気も感じられる郷愁感あるもの。私たち日本人にとっても壺に入りそうなメロディーラインとなっています。
あのKendrick Lamarをゲストに迎えた「Sidewalks」も秀逸。こちらも物悲し気なメロディーラインとトラックが耳をひくナンバー。ボーカルにエフェクトをかけているのもここ最近の流行といった感じでしょうか。
そんな訳で前作に引き続き、インパクトあるメロディアスなポップチューンと今時のサウンドを上手く取り入れているアレンジのバランスが秀逸なポップスアルバムになった本作。本作も全米チャート1位を獲得していますが、そんな大ヒットも納得感があります。
ただ一方、最初は非常に心地よく聴いていたものの後半に関してはちょっとダレてしまった感もありました。というのはミディアムテンポのナンバーが多く、特に後半は似たようなタイプの曲が並んでいたため、ちょっと飽きが来てしまったかも。そういう意味では前作の方がよかったかなぁ。前半に関しては文句なしの内容だっただけに惜しさを感じるアルバムでした。
評価:★★★★
The Weeknd 過去の作品
Kiss Land
Beauty Behind The Madness
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