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2017年1月12日 (木)

12年の年月を経て再レコーディング

Title:ソルファ(2016)
Musician:ASIAN KUNG-FU GENERATION

メジャーデビューから13年が経過し、今やすっかり中堅バンドとしてある種の「貫録」すら感じられるロックバンドASIAN KUNG-FU GENERATION。そんな彼らを代表するアルバムの1枚が2004年にリリースされた「ソルファ」でしょう。フルアルバムとしては2枚目となるこの作品。オリコンチャートで初となる1位を獲得しており、彼らの人気を確固たるものとした代表作です。

2016年はそんな彼らにとって結成20年目を迎える記念すべき年。その年に彼らの代表作「ソルファ」が再レコーディングされてリリースされました。過去の作品をセルフカバーとして再度録音するというケースは少なくありませんが、アルバムまるごとを再レコーディングというのは他にそれほど例はありません。(マキシマム ザ ホルモンが「耳噛じる」を再レコーディングしたケースくらいでしょうか?)

この「ソルファ」についてですが、2004年にリアルタイムに聴いており、当サイトのレビューでも取り上げております。あらためてその時期のレビューを読み返してみたのですが、今読むと結構的外れなことを書いているのでここでは再掲しません(笑)。ただ、リアルタイムで聴いた印象としては正直、あまり良いものではありませんでした。本作の前の作品「君繋ファイブエム」はそのエッジの効いたバンドサウンドにゾクゾクっと来るような傑作だったため、それに続く「ソルファ」は「悪くないけど前作ほどでは・・・・」というのがリアルタイムで感じた印象でした。

ただ今あらためて本作を聴くと彼らにとって代表作と言うにふさわしい傑作であったことを再認識しました。アジカンらしい分厚いバンドサウンドにポップなメロディーが非常に心地よい。もともと彼らの作品はバンドサウンドがストレートに気持ちよく、「ロックを聴いた」という満足感を覚える作品が多いのですが、本作も間違いなくそんなロックの王道を行くようなサウンドに心地よさを覚えた作品になっていたと思います。

さてそんな彼らの再レコーディング作。2004年のオリジナルと比べると微妙にアレンジを変えている部分が散見されるものの原曲を大幅に変えたような曲はありません。基本的には原曲のアレンジに忠実な再レコーディングとなっています。

とはいえ2004年のオリジナル作と比べると音数がより増えサウンドの分厚さが増したように感じます。またギターサウンドはエッジの効いたサウンドよる丸みを帯びたようなサウンドに感じられました。12年という歳月を得て、より尖っていた2004年当時よりもバンドとして丸くなった、ということでしょうか(??)。ただバンドとしては2004年版よりもよりベテランとしての安定感は感じられました。

一方でオリジナルとひとつ大きく変わったのは曲順。2004年版ではラストに収録されていた「ループ&ループ」が3曲目に変更されました。「ループ&ループ」はアルバムの中でもよりポップさが強い曲で、そのためアルバムの流れの中にはめ込みにくく、オリジナルではあえてラストに持ってきたと思われます。ただ2016年版では3曲目に組み込めたというのは、バックに流れるバンドサウンドがよりインパクトを増したことによりアルバムの流れの中の不自然さが弱まったということなのでしょうか。それだけバンドとしての実力に自信を得てきたということが言えるのかもしれません。

またその結果、アルバムのラストが「海岸通り」となったのですがアルバムの中ではミディアムテンポの本作はアルバムの最後としてピッタリ。アルバムとして非常に締まったエンディングとなっています。アルバム全体の流れとしては間違いなくオリジナルよりも良かったように思います。

ある種の若さを感じるオリジナルにバンドとしての円熟味を感じる2016年版。どちらが好みかはファンによるかもしれませんが、個人的には2016年版の方がより彼らのバンドとしての実力を発揮できたかな、ということを感じました。どちらにしろあらためて聴くとやはり本作は傑作ですね。2016年という今聴いても全く衰えることのない名盤でした。

評価:★★★★★

ASIAN KUNG-FU GENERATION 過去の作品
ワールドワールドワールド
未だ見ぬ明日に
サーフ ブンガク カマクラ
マジックディスク
BEST HIT AKG
ランドマーク
THE RECORDING at NHK CR-509 STUDIO
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Wonder Future

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