3年の活動のラストアルバム
Title:夢見心地
Musician:サ上と中江
以前、ミニアルバムもリリースしたサイプレス上野とロベルト吉野でMCとして活躍しているサイプレス上野と、アイドルグループ東京女子流の中江友梨によるユニット、サ上と中江。もともとMTV JAPANの番組「サイプレス上野と中江友梨の青春日記」から産まれた企画モノのユニットだったのですが、活動開始から3年を迎え活動を一区切り。ラストアルバムとして初のフルアルバムのリリースとなりました。
現在35歳のサイプレス上野と、18歳の中江友梨。親子ほど・・・というほどではないものの、おじさんとティーンエイジャーという明確な年の差のある2人。以前リリースしたミニアルバム「ビールとジュース」ではその年の差を逆に楽曲の中で活用させ、ジェネレーションギャップをテーマとするというユニークな構成の作品を作り上げていました。
今回のアルバムに関してもジェネレーションギャップをメインに据えた作品に仕上がっています。それに加えて「さいごの宿題」では卒業をテーマとした作品になっており、こちらは18歳の中江友梨らしい作品に。またラストアルバムにもふさわしいテーマともいえるでしょう。また「マイホームタウン 大阪~熊本~横浜」では元LinQの深瀬智聖を迎え、それぞれの故郷について歌ったラップ。ある意味非常にHIP HOPらしいテーマ設定の作品となっています。
今回の作品もサイプレス上野と中江友梨の年齢差、キャラクターを上手く用いたアルバムになっているのですが、ただ非常に残念だったのがミニアルバム「ビールとジュース」に収録された作品がすべて本作にも再録されていた点でした。結果、同作でも全12曲入りなのですがうち7曲は「ビールとジュース」に収録された曲で構成。残りのうち1曲はリミックスでしたので事実上新曲は4曲のみという内容でした。
うーん、さすがにこれはちょっと辛いなぁ。「ビールとジュース」を買った人にとっては、わざわざ4曲のためにフルアルバムの値段で買わなきゃいけないですし、また買ったところでほとんど以前聴いた曲ばかりが並んでいる構成に。さすがに企画モノのユニットとはいえ、こういうアルバムの作りは「なし」なんじゃないかなぁ。
純粋にこのアルバムがサ上と中江を聴いたはじめての作品というのなら、ジェネレーションギャップをネタとした楽しいリリックとポップなサウンドを十分楽しめる作品になっていたと思います。そういう意味では、これがはじめてという方にとっては★★★★★な内容だったと思います。ただ、前作の作品がすべて再録されているという点が大きなマイナス。そういう意味で有終の美を飾るはずの作品だったのですが、ちょっと残念なアルバムでした。
評価:★★★
サ上と中江 過去の作品
ビールとジュース
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