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2016年12月 9日 (金)

名古屋発、期待のガレージロックバンド

Title:正しい夜明け
Musician:ビレッジマンズストア

名古屋を中心に活動を続ける5人組ガレージロックバンドによる全7曲入りのミニアルバム。一応名前だけは知っていた、という程度のバンド。名古屋のバンドということで気になり、ほとんど前情報なしで聴いてみました。

で、これが大正解!予想していた以上に非常にカッコいいアルバムに仕上がっていました。まずそのガレージロックのサウンドがカッコいい!シンプルながらもとてもタイトなギターサウンド。ファンキーなサウンドをゴリゴリと聴かせる「ビレッジマンズ」やどこかくすんだ雰囲気のへヴィーなサウンドを疾走感もって聴かせる「スパナ」あたりがまずは文句なしのカッコよさを聴かせてくれます。一方で「帰れないふたり」のようにモータウンビートで軽快に聴かせてくれるナンバーもあったりします。

このガレージサウンドのカッコよさもさることながら彼らのもうひとつ大きな魅力がメロディーライン。前述の「ビレッジマンズ」なんかもそうなのですが、どこか哀愁感あって懐かしい歌謡曲的なメロディーラインが大きな特徴になっています。特に「WENDY」「PINK」といったメジャーコード主体のアップテンポな曲に関してはどこか90年代初頭あたりのJ-POP的なメロディーラインを感じます。ここらへん、個人的には学生時代によく聞いていたポップスロックのミュージシャンを彷彿させられて非常に壺。オーバー30からアラフォー世代にとってはとても耳さわりのよい懐かしさを感じさせるメロディーになっているのではないでしょうか。

このエッジの効いたガレージサウンドとポップなメロディーラインのバランスの良さがとても見事。ゴリゴリのガレージバンドでありながらもポップなメロによって聴きやすい楽曲にまとめられています。一方では、ともすればJ-POP的でベタとも捉えられそうなメロにも関わらず、非常にカッコいいバンドサウンドがのってくることによってしっかりと聴かせるロックンロールナンバーに仕上げてきています。

また個人的には名古屋のバンドということで歌詞に地元ならではの地名などが登場してくるのがうれしいところ。具体的に言うと「WENDY」の中に「鶴舞線」という名古屋の地下鉄路線が登場してきます。若干唐突な登場で、なぜ鶴舞線?という感じもしなくはないのですが、やはり地元民としてはちょっとうれしくなってしまいます(笑)。

さほど大きな期待をせずに聴いたアルバムだったのですがこれが非常に素晴らしい傑作アルバムになっており、おもいがけないうれしい出会いとなりました。ビレッジマンズストア、この名前、ロックファンなら覚えておいて損はないと思います。今後、知名度もぐんぐん伸びてくるかも。これからの活躍も楽しみなバンドです。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

white noise/TK from 凛として時雨

凛として時雨のボーカリストTKによるフルアルバムとしては3枚目となるソロアルバム。ダイナミックでドラマチックなバンドサウンドとメロ、歌い方も含めて焦燥感ある楽曲はある種必要以上のインパクトがある作品に仕上がっています。ソロ3作目なのですがTKとしての方法論は完全に確立されて大いなるマンネリ路線を感じさせるアルバム。期待通りの作品であり安心して楽しめるという意味では間違いないのですが、悪く言えば目新しさはありませんでした。

評価:★★★★

TK from 凛として時雨 過去の作品
flowering
contrast
Fantastic Magic
Secret Sensation

KTHEAT/FACT

昨年解散したロックバンドのラストアルバムとなってしまった8thアルバム。タイトルはメンバー全員の名前の頭文字を並べたものであり、そのタイトルからしていかにもラストアルバム的。内容的にもハードコア的な要素がより強く感じられるアルバムになっており、ライブ感もここ最近のアルバムに比べてより強くなっています。タイトルもそうなのですが、やはりラストアルバムということを意識したのでしょう、FACTとしてやれることをやり切った感のある傑作アルバムに仕上がっていました。

評価:★★★★★

FACT 過去の作品
FACT
In the blink of an eye
burundanga
witness
best+ 2009-2015

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