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2016年12月17日 (土)

10年の区切りのセルフカバー

Title:VerSus
Musician:モノブライト

2007年でデビュー10周年を迎えるギターロックバンドモノブライト。今回、10年の区切りとしてリリースされたのがセルフカバーアルバム。この10年のライブ活動の中で育ててきた曲をあらためて音源として収録した6曲が収録されているミニアルバムとなっています。

思えばモノブライトというバンド、10年の間にいろいろありました。バンド名もmonobrightからMONOBRIGHT、さらにはカタカナのモノブライトに変更していきましたし、途中、まさかのヒダカトオルが正式加入。その後、(予想通り)ヒダカトオルが脱退。オリジナルメンバーによるバンドに戻ったかと思えば2015年にドラムスの瀧谷翼が脱退。3人組バンドとなり今に至っています。

今回10周年の区切りとしてセルフカバーアルバムをリリースしたのはメンバー3人にサポートメンバーを迎えて6人体制となった今、バンドの状況が非常によかったからだそうで、今の状態を音源として残しておきたかった、ということだそうです。メンバー脱退からわずか1年でバンドの状態がいいというのは・・・それって・・・と思ってしまうのですが・・・(^^;;

さてそんな彼らのセルフカバーアルバムですが、まずライブ活動を通じて変化してきた楽曲ということもあり全体的にライブ向けにダイナミックなアレンジとなっています。基本的に原曲から大きく変わったという曲はありません。ただやはりサポートメンバー含めて6人での演奏となった影響でしょうか、全体的には音数が追加され分厚いアレンジになっていました。

そのため原曲と比べるとどちらがいいか、といわれるとそこは好みの問題、といった感じ。分厚いサウンドになったため耳障りはいいですし、ライブではよく盛り上がりそうだな、と感じる反面、足し算ばかりのアレンジにちょっと食傷気味に感じる方もいるかもしれません。

具体的には「踊る脳」などは分厚いアレンジがマッチ。今回のセルフカバーでよりパワーアップしているように感じます。この曲以外にも基本的に原曲からしてダイナミックなサウンドを聴かせるタイプの曲に関しては概ね今回のセルフカバーの方がよく出来ていたように感じます。

一方で「DANCING BABE」のように比較的シンプルに抑えめのアレンジとなっている原曲に関しては今回のプラス方向のアレンジによって、原曲が持っていた引き算の良さが損なわれてしまったように感じました。今回のセルフカバーでももちろんライブでは盛り上がりそうですしこれはこれで魅力的なのですが、どちらかというと原曲の方がより魅力的に感じました。

ただ原曲との比較では良し悪しがあったのですが、アルバム全体としては非常に楽しめる作品になっていました。ライブ志向のアレンジによりアルバム全体として統一感があったという点も大きいのですが、モノブライトの代表曲をカバーしているためベスト盤的に楽しめる内容になっていました。

なにより収録曲がわずか6曲という点も気軽に聴けるためモノブライトの入門盤的に最適。どの曲もモノブライトらしいひねくれたメロディーラインがインパクトになっている楽しいポップチューンばかりでモノブライトの魅力を再認識できる内容になっていました。

昔からのファンにとって今のモノブライトを知れるという意味でも魅力的な作品ですがベスト盤的にもとても楽しめた作品。この10年の区切りを機にあらたな一歩を進める彼ら。これからの活動も楽しみです。

評価:★★★★★

モノブライト 過去の作品
monobright one
monobright two
adventure
淫ビテーションe.p.
ACME
新造ライヴレーションズ
MONOBRIGHT BEST ALBUM~Remain in MONOBRIGHT~
MONOBRIGHT three
Bright Ground Music

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