パンクなジャケット写真だけども
Title:PUNKY
Musician:木村カエラ
約1年10ヶ月ぶりとなる木村カエラのニューアルバムのタイトルは「PUNKY」。彼女の顔に棘のはえたジャケット写真といい、書きなぐられたようなアルバムタイトルといい、いかにも「パンク」っぽさを意識したジャケットになっています。以前「ROCK」というタイトルのカバーアルバムをリリースしていますので、それとの対比を意識したのかもしれません。
ただパンクロックというイメージで聴くとこのアルバム、ちょっと意外な印象を受けるかもしれません。というのもあまりパンク色が強い訳でもロック色が強い訳でもないからです。アルバムタイトルにピッタリ来るパンキッシュな作品は「好き」くらい。「THE SIXTH SENSE」もハードなロック色の強い作品になっていますし、他にもロックな作品は少なくありませんが、アルバム全体としてはロックというイメージよりもむしろポップというイメージを強く受けます。
特に今回のアルバムの特徴としてH ZETT Mことヒイズミマサユ機がバンドメンバーとして加わり全12曲中5曲に参加しているのもアルバムの方向性を大きく決定づけたような印象があります。本人が作曲にも参加した「僕たちのうた」や「BOX」などはギターロックサウンドに軽快なピアノがのり、爽やかなポップナンバーに仕上がっているのが特徴的。ギターの音がしっかり鳴っている楽曲ながらも軽快なピアノの音とメロディーラインのためポップという印象を強く受ける楽曲になっています。
また今回のアルバム、ギターロックに留まらずバリエーションある楽曲が収録されています。特にインパクトがあるのは中盤の「オバケなんてないさ」。懐かしさを感じる人もいるでしょう、童謡が収録されています。またラストの「Happyな半被」もタイトルから想像できる通り、楽しいお祭り風の楽曲になっています。このようなバリエーションある楽曲がインパクトとなって、ポップ色が強いという印象を強めているのでしょう。
前作「MIETA」が爽やかなポップス色の強い作品だったのですが本作はその延長線上といったイメージも受けるポップなアルバムになっていました。もちろん「PUNKY」というタイトルからイメージできるような彼女らしい元気いっぱいの明るさも健在。そういう意味では間違いなく木村カエラらしい楽しいポップアルバムだったと思います。ポップソングの楽しさを素直に味わえる作品でした。
評価:★★★★★
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