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2016年12月11日 (日)

豪華ゲストが参加

Title:Bagatelle
Musician:SUEMITSU&THE SUEMITH

ここ最近、数多くのシンガーへの楽曲提供で活躍。音楽教師としても最近は活動しているそうで積極的な活動が目立つ末光篤。ここ最近は本名での活動が続いていましたが、久々にバンド名義SUEMITSU&THE SUEMITHでのリリースとなりました。SUEMITSU~名義ではなんと8年ぶり!もっとも末光篤名義でも約3年ぶりのアルバムとなり、久々のリリースとなりました。

SUEMITSU&THE SUEMITHの楽曲といえば、非常に重厚なピアノに分厚いサウンドがのり、さらにはフックの効いたメロディアスなメロディーがのるというスタイル。個人的にピアノが入った楽曲は好みであり、彼の曲もはっきりいえば壺。そのためデビュー以来、個人的に応援してきて、彼の楽曲は一通り聴いています。

今回のアルバムに関してもまさにSUEMITSUらしい楽曲が並んでいます。例えば今回のアルバムでいえば「未完成」「Summertime'83」などはまさに彼らしい楽曲と言えるのではないでしょうか。ピアノ主導の分厚いサウンドにキュートともいえるメロディーラインがとても魅力的なナンバー。もちろん個人的にもおもいっきり壺にはまって聴き入ってしまいました。

ただこのサウンド、かなりこってり風味。かついずれもピアノ主導のバンドサウンドということでバリエーションが少々乏しいのがマイナスポイント。そのため1曲1曲はかなりの名曲揃いなものの、アルバムを通じて聴くと、こってり風味のサウンドに少々胸やけ気味になってしまうのが彼のアルバムの大きな短所でした。

おそらく彼もそれをわかっているのでしょう、かなり意識的に楽曲にバリエーションを持たせてきています。今回のアルバムもそれが顕著。そしてその結果として豪華なゲストがズラリと参加しているのが今回のアルバムの大きな特徴となりました。

まず「Invention」では彼と同じくピアノポップの雄、大橋トリオが参加。末光篤と大橋トリオが融合したようなサウンドになっており、いつものSUEMITSUとは一風変わったピアノポップを聴かせてくれます。さらに「Shooting Star We Are」は少女隊というアイドルグループが参加。完全にアイドルポップに仕上がっています。かと思えば続く「幻想ノ即興曲」はチャットモンチーの橋本絵莉子が参加。こちらも女性ボーカルで爽やかな雰囲気が残るバラードナンバーになっています。

さらにアレンジ面でも「Pinocchio」ではあのtofubeatsが参加。基本的にはSUEMITSUらしさが前に出ているもののスペーシーな四つ打ちサウンドはtofubeatsらしい感じも。ちなみにこの曲、作詞に大江千里も参加しています。さらにラストはショッキング・ブルーの「Venus」をKentaro Takizawaによってディスコ調にアレンジしたカバー。こちらはSUEMITSUからすると一風変わったタイプの曲に仕上がっています。

他にも細美武士や柏倉隆史、クラムボンのミトやUNISON SQUARE GARDENの田淵智也という豪華なメンバーがズラリと並んだ今回のアルバム。この多彩なゲストは彼の人脈の広さを物語っていますが、この豪華ゲストにより楽曲の幅を広げるという戦略はそれなりに成功したように思われます。今回のアルバム、楽曲的にはいつものSUEMITSUらしい曲が多かったのですが、この多彩なゲスト参加の結果、楽曲にバリエーションが生まれ、最後までダレずに聴くことが出来ました。

個人的には73分というアルバムの長さはちょっと長すぎる印象はあります。彼のようなこってりサウンドのアルバムはもうちょっとシンプルにまとめた方が良いと思うのですが。そのマイナス点はあったのですが、久々のアルバム、十分に楽しめる満足いく内容になっていました。とても心地よい良質なピアノロックが楽しめる作品です。

評価:★★★★★

末光篤(SUEMITSU&THE SUEMITH) 過去の作品
Shock On The Piano
Best Angel for the Pianist-SUEMITSU&THE SUEMITH 05-08-
Dear Grand Piano
For Your Pianist
色彩協奏曲 Colors Of Concerto


ほかに聴いたアルバム

あねこみあほい/馬喰町バンド

日本の民謡やわらべ唄を楽曲に取り入れた独特の音楽性が話題となっている馬喰町バンドの5枚目となるアルバム。以前、ライブは一度見たことがあったのですが音源を聴くのはこれがはじめて。楽曲はまさにわらべ唄や民謡をそのままバンドサウンドにのせたようなスタイルがユニーク。メロのバリエーションがちょっと少ないような印象を受けるのは残念ですが、一方ではどこかジャズ的な要素も感じられる独特のグルーヴ感がとてもおもしろさを感じます。独自性あるそのスタイルは今後も注目していきたいところでしょう。

評価:★★★★

アシンメトリe.p./ねごと

4曲入りのEP盤。ここ最近の彼女たちはシンセのサウンドをメインにそこにバンドサウンドが重なるというスタイルを確立してきましたが本作は完全にエレクトロサウンドのポップチューンに仕上がっています。ある意味、さらにふっきれた感じ。次のアルバムはこの方向性を突き進むのでしょうか。注目したいところです。

評価:★★★★

ねごと 過去の作品
Hello!"Z"
ex Negoto

"Z"OOM
VISION

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