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2016年12月12日 (月)

ロックバンドらしいロックバンド

Title:BEST!BEST!BEST!
Musician:The Mirraz

結成から10周年を記念してリリースされた2枚組のベストアルバム。全40曲の彼らの代表曲が発売順に収録されています。

今回のアルバムであらためて彼らの代表曲をまとめて聴いてみたのですが、彼らは実にロックバンドらしいロックバンドだな、ということをあらためて感じます。彼らのスタイルは基本的にシンプルなギターロック。「TOP OF THE FUCK'N WORLD」で話題になったころは盛んにArctic Monkeysのパクリバンドと言われ、ROCKIN'ON JAPANなどでもそのことをエクスキューズとして記載していたほどでした。ただ、Arctic Monkeys同様、非常にシンプルで、そしてハイテンポな性急感あるギターロックが印象的。このどこか焦燥感あるサウンドがいかにも現状に不満を抱えているロックミュージシャンらしいスタイルを感じさせました。

またロックバンドらしさといったら歌詞もまた非常にロックバンドらしさを感じます。彼らの歌詞の特徴は妙に固有名詞が多いこと。「スタバ」やら「ガスト」やら「ロッキンオン」やらあまり歌詞に登場しないような歌詞が登場することがひとつのインパクトになっています。それ以上にユニークなのはこの歌詞が、どこか世間に対して反発しており妙に粋がったものを感じる点でしょう。ここ最近、どこか世間に対して醒めているというか、世間のありのままを受け入れているようなミュージシャンが多い中、彼らのようなスタイルは昔ながらのものも感じられるのですが、アラフォー世代の私にとってはいかにもロックバンドらしくうれしくなってきます。

でも彼らって今時の「若手バンド」だと思っていたのですが、でも作詞作曲を手掛けるボーカルの畠山承平ってもう35歳なんですね・・・ちょっと意外に感じる一方、確かにもう30代半ばの彼だからこそ、アラフォー世代がちょっと懐かしく思ってしまうような、ロックバンドらしいロックバンドの音、歌詞を奏でているんだろうなぁ・・・とも思ってしまいます。

そんなThe Mirrazですが、ただちょっと残念なのは全40曲、ほぼ全てハイテンポなギターロックばかりという点。リズムパターンはほとんど一緒でさすがに飽きてきます。さすがにこのワンパターンさは彼らも認識しているのか、ここ最近、「マジか。そう来たか、やっぱそう来ますよね。はいはい、ですよね、知ってます。」からEDM風のナンバーに仕上げているのですが、ちょっと付け焼刃的というか、打ち込みを取り入れたほかは相変わらずのハイテンポナンバー。楽曲的にはインパクト満点の曲が多いのですが、似たような曲が多いのはかなり大きな弱点だよなぁ。

評価:★★★★

で、そんな彼らがここ最近のリリースしたEP盤。

Title:そして、愛してるE.P.
Musician:The Mirraz

前作「しるぶぷれっ!!!」からEDM路線にシフトした彼らですが今回ではその方向性がかなりクリアに。バンド色が薄くなり、完全にエレクトロポップにシフト。かなりエレクトロのリズムトラックを前面に押し出した構成になっており、ロックバンドというよりも「クラブ系」の様相すら強くなってきています。

ただ基本的にハイテンポなリズムに畠山承平の言葉を詰め込んだような歌詞を歌うボーカルというスタイルは大きくは変わらず。良くも悪くもThe Mirrazらしさは相変わらずです。ただそんな中でも例えば「そんでそんでさぁ」などは歌詞も情報量を詰め込むというよりも同じ言葉を繰り返すことによりトランス感を増そうとしているスタイルに。そういう意味ではThe MirrazのスタイルをそのままEDMサウンドにのっけようとして無理が生じた前作に比べると、よりエレクトロサウンドという特質を生かそうとした作品になっていたと思います。

このスタイルがどのように次回作に生かされてくるのかわかりませんが・・・The Mirrazの次の一歩に注目したいところでしょう。

評価:★★★★

The Mirraz 過去の作品
We are the fuck'n World
言いたいことはなくなった
選ばれてここに来たんじゃなく、選んでここに来たんだ
夏を好きになるための6の法則
OPPOTUNITY
しるぶぷれっ!!!


ほかに聴いたアルバム

BEST OF CHAMP YEARS 2007~2016/SCOOBIE DO

Scoobiedo

2007年に彼らが設立した自主レーベルCHAMP RECORDSからリリースされた曲を収録した配信限定のベスト盤。かなり黒さを押し出したようなファンキーなナンバーからポップ色の強い曲、ジャズっぽい曲、モータウンビートを入れた軽快なナンバーなど、全体的にファンクで統一しつつも幅広い音楽性が魅力的。そのリズムに気持ちよさを感じつつ、ただ一方楽曲にはもうちょっとインパクトが欲しいかな、とおもってしまう点も。

評価:★★★★

SCOOBIE DO 過去の作品
ROAD TO FUNK-A-LISMO!

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