「映画」のようなアルバム
Title:24K Magic
Musician:Bruno Mars
日本でも大ヒットした前作「Unorthodox Jukebox」から4年、アメリカのシンガーソングライターBruno Marsの待望となるニューアルバムがリリースされました。Bruno Marsといえばデビューアルバム「Doo-Wops & Hooligans」が大ヒットを記録、一躍注目を集めましたが個人的にはこのアルバムに関して、平凡であまりおもしろくない、という印象を受けていました。しかしそれに続く前作「Unorthodox Jukebox」は一転、非常に良質なソウルアルバムへと成長を遂げており、一気に気になるシンガーとなりました。
そしてリリースされた待望のニューアルバム。うーん、まずこのジャケット写真が微妙(苦笑)。正直、ちょっとダサジャケって感じも。さらにタイトルが「24K Magic」・・・なんとなく微妙なものを感じます。
が、しかし肝心の内容については今回のアルバムも前作に続き、非常に良質なポップソングが並んでいました。今回のアルバムに関しては比較的ファンキーな楽曲が多かったように感じます。例えばいきなり1曲目に配置されたタイトルチューン「24K Magic」に続く「Chunky」とファンキーなナンバーが続きます。ここらへんは彼が影響を受けたPrinceやマイケル・ジャクソンあたりからの影響が強く感じます。さらにそれに続く「Perm」はまさにJBばりの踊りだしたくなるようなファンクナンバーに突入。ホーンセッションも入ってご機嫌なこのナンバーに断然テンションもあがっていきます。
その後の中盤以降はメロウで聴かせるナンバーが続きます。特に「Versace On The Floor」や「Straight Up&Down」はメロウで美しいメロディーラインが強いインパクトを持つナンバー。ここらへんは80年代あたりのブラックコンテンポラリーあたりを彷彿とさせる楽曲に仕上がっていました。
ラストを締めくくる「Too Good To Say Goodbye」はあのベイビーフェイスと共作した90年代R&B風ナンバー。こちらもメロディーが心に響く楽曲で、非常に美しいポップソングで締めくくっています。
今回のアルバム、ファンキーな楽曲がメインながらも全体的にはポップでメロディアス、ちょっと懐かしさを感じる80年代から90年代のR&B風の楽曲でまとまっているアルバムに仕上がっていました。本人も今回のアルバムに関しては「『映画』を作りたいと思った」と語っていますが、一本の映画のようにアルバム全体に流れを感じさせる統一感ある作品に仕上がっていたと思います。
Bruno Marsのポップシンガーとしてのセンスがフルに発揮された傑作。ちょっと懐かしさのあるメロデイーラインはアラサー、アラフォー世代まで壺にはまりそう。今回も日本でもアルバムがロングヒットを記録していますが、確かに爆発的なヒットというよりは徐々に広まっていきそうなそんな訴求力ある内容に仕上がっていたと思います。幅広い層にお勧めできる非常に良質なポップアルバムの傑作です。
評価:★★★★★
Bruno Mars 過去の作品
Doo-Wops & Hooligans
Unorthodox Jukebox
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