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2016年12月

2016年12月31日 (土)

2016年ベストアルバム(暫定版)

今年も早いものであと1時間弱をのこすばかりとなりました。みなさま、年の瀬はどのようにお過ごしでしょうか。今年も恒例、2016年ベストアルバム。まだ今年リリースされたアルバムで聴いていないものもあるためとりあえずの暫定版です。正式版はまたいつも通り1月下旬に。

邦楽編

まず、上期のベスト5を振り返ると

1位 UMA/水曜日のカンパネラ
2位 幸福/岡村靖幸
3位 不良品/氣志團
4位 Valentine/ACO
5位 THE LAST/スガシカオ

これに続く下半期ベスト盤候補は・・・

LAY YOUR HANDS ON ME/BOOM BOOM SATELLITE
できれば愛を/坂本慎太郎
はじめまして。17歳です。ハッピーエンド建設中。/にゃんぞぬデシ
Fantome/宇多田ヒカル
THE STILL LIFE/平井堅
MANUAL/Takaryu
ハンドルを放す前に/OGRE YOU ASSHOLE
虚無病/amazarashi
第六作品集「無題」/downy

不作気味だった昨年に比べると今年は上期も下期もかなりの豊作状態。正直、10枚選ぶのに苦労しそうなラインナップです。まだ聴いていないアルバムの中にも名作はありそうですし、さてさて・・・。

洋楽編

上期のベスト3は・・・

1位 Lemonade/Beyonce
2位 A MOON SHAPED POOL/RADIOHEAD
3位 I like it when you sleep, for you are so beautiful yet so unaware of it/The 1975

これに続く下期のベスト盤候補は・・・

Here/TEENAGE FANCLUB
Blonde/Frank Ocean
24K Magic/Bruno Mars
HERE/Alicia Keys

洋楽も上期に引き続き名盤揃いの豊作状態。どのアルバムも例年ならばベスト5入り間違いなしのラインナップです。今年は邦楽洋楽ともになにげに名盤が多い当たり年といった印象があります。数多い名盤に出会えた1年となりました。

来年も今年と同じように数多くの名盤に出会えますように。それではみなさま、いいお年を!

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2016年12月30日 (金)

2016年ライブまとめ

早いもので今年も今日含めてあと2日。そんな訳で恒例のライブまとめ・・・とはいっても今年も家庭の事情もありわずか3件しか足を運べなかったので、「まとめ」も何もないかもしれませんが・・・。

8/24(水) スキヤキ・ナゴヤ(TOKUZO)
9/16(金) KAN 芸能生活29周年 全国29都道府県ツアー 【弾き語りばったり #29 責任者はテクニシャン】(名古屋市芸術創造センター)
12/3(火) ALABAMA SHAKES JAPAN TOUR 2016(Zepp Nagoya)

そんな訳でわずか3件となった今年のライブ。ただ昨年同様、厳選して足を運んだだけあってどのステージも実に素晴らしい内容だったと思います。スキヤキ・ナゴヤは以前、毎年のように足を運んでいた富山でのワールドミュージックのフェス、スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールドの出張版。同フェスにも出演したSAHRA HALGAN TRIOのステージは素晴らしく、相変わらずスキヤキのスタッフのミュージシャンセレクトのセンスの良さに感服してしまいます。KANちゃんは念願の弾き語りツアー初参戦。ALABAMA SHAKESはCD音源が素晴らしかったのですが、ライブも同様、圧巻の迫力あるライブを聴かせてくれました。

まあライブに足を運んだのが3件でミュージシャン数が4組ということでその中でベストアクトを選ぶ、というのも何なのですが・・・あえて1番を選ぶとすれば・・・。

1位 KAN@弾き語りばったり #29 責任者はテクニシャン

やはりKANちゃんのライブかなぁ。弾き語りツアーということでKANの楽曲の魅力をたっぷり味わうことが出来たライブ。一方、本人1人のみのライブということで「エンタテイメント」という側面は通常のライブツアーに比べて劣るのかな、とも思っていたのですが意外や意外(というわけではないのですが)KANちゃん一人でもたっぷり楽しめるエンタテイメント性あふれるライブになっていました。

そんな訳で来年こそもうちょっとライブに足を運びたいのですが・・・さて、来年はどうなるかなぁ。

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2016年12月29日 (木)

今、最も話題のあのグループ

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今年いっぱいで解散が決定しているアイドルグループSMAP。先日、5人そろっての最後の出演となった「SMAPxSMAP」も大きな話題となりました。今週のアルバムチャートはその彼らのオールタイムベストアルバム「SMAP 25 YEARS」が初動売上66万7千枚という売上で2位以下を圧倒。見事1位獲得し、有終の美を飾りました。

この初動売上はオリジナルアルバムとしての前作「Mr.S」の18万4千枚(1位)を大きく上回る結果に。またベスト盤としても何気に6枚目となるのですが、ベスト盤の前作「SMAP AID」の28万2千枚(1位)を大きく上回る結果になりました。やはりラストということで普段、SMAPのアルバムを買わないような層まで波及した結果でしょう。

続く2位には人気女性声優水樹奈々「NEOGENE CREATION」がランクインしています。初動売上4万6千枚は前作「SMASHING ANTHEMS」の6万1千枚(2位)からダウン。ちょっと落ち幅が大きいところが気になります。

3位初登場は「Oh! スケトラ!!! ユーリ!!! on ICE/オリジナル・スケートソングCOLLECTION」。テレビ朝日系アニメ「ユーリ!!! on ICE」のサントラ盤。男子フィギアをテーマとしたアニメのようで、昨今の男子フィギアスケート人気にあやかったような方向性がちょっと露骨すぎるだと・・・と思ってしまったのですが・・・。初動売上は4万4千枚。

続いて4位以下の初登場です。まず4位5位は女性アイドルグループ。4位にでんぱ組.inc「WWDBEST~電波良好! ~」が、5位にももいろクローバーZ「MCZ WINTER SONG COLLECTION」がそれぞれランクイン。でんぱ組は初となるベスト盤で3枚組の大ボリューム。ただアルバム4枚しかリリースしてなくて3枚組のベストってどうなのよ、と思っちゃうのですが。初動売上3万4千枚は前作「GOGO DEMPA」の3万7千枚(3位)より若干の減少。ももクロの方は彼女たちのウインターソングを集めた企画盤。初動売上2万3千枚で、直近のオリジナルアルバム「白金の夜明け」「AMARANTHUS」の8万1千枚(1位)及び8万枚(2位)から大きくダウン。ただ12月23日の金曜日リリースというチャート上、不利な日のリリースではありましたが。

6位初登場はThe KanLeKeeZ「G.S. meets The KanLeKeeZ」。2015年にTHE ALFEEのコンサートに登場して往年のグループサウンズのカバーを披露した謎の3人組バンド・・・ってまあ、THE ALFEEの変名バンドなわけですが。グループサウンズやTHE ALFEE自身の曲をGS風にカバーした7枚組のミニアルバムが見事ベスト10入り。初動売上1万5千枚はTHE ALFEEとしての直近作「三位一体」の2万9千枚(3位)よりさすがにダウンしていますが、こういうお遊びの企画モノでもきちんとベスト10入りさせてくるあたり、THE ALFEEの根強い人気を感じます。

さて今週、7位以下のアルバムはすべて韓流という結果になっています。まず男性アイドルグループ、7位にEXO「For Life:Winter Special Album 2016」、8位にU-KISS「U-KISS JAPAN BEST COLLECTION 2011-2016」がそれぞれ初登場でランクイン。さらにSEVENTEEN「Going Seventeen」が先週の19位からランクアップし、初登場から2週目にしてベスト10入りしています。

このうちEXOとSEVENTEENは韓国でリリースされたアルバムの輸入盤。EXOは初動売上1万5千枚を記録しており、同じく輸入盤だった前作「Ex'act」(8位)から横バイという結果に。U-KISSは初動1万4千枚でこちらはタイトル通りのベスト盤。直近のオリジナルアルバム「One Shot One Kill」の1万2千枚(6位)から若干のアップとなりました。

そして最後10位には同じく韓国の女性アイドルグループApink「PINK DOLL」がランクインです。日本では2枚目となるオリジナルアルバム。初動売上1万1千枚は前作「PINK SEASON」(5位)から横バイという結果となりました。

そんな訳で今年最後のアルバムチャートは見事SMAPが1位獲得という、今年を象徴するような結果となりました。それでは、また来年!

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2016年12月28日 (水)

今年最後のHot100は有終の美

今週のHot 100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今年最後のHot100は、これで3週連続1位となりました。

今週1位を獲得したのは星野源「恋」。これで3週連続の1位獲得となりました。CD売上・ダウンロード・ストリーミング数(以下「実売数」)で1位を獲得したのをはじめ、PCによるCD読取数、Twitterつぶやき数、You Tube再生回数でも1位を獲得。ラジオオンエア数は2位でしたので惜しくもパーフェクトはなりませんでしたが、文句なしの1位獲得となりました。

初登場最高位は2位。QUARTET NIGHT「God’s S.T.A.R.」が初登場で獲得。アニメ「うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVEレジェンドスター」挿入歌。実売数で2位、PCによるCD読取数、Twitterつぶやき数で4位を獲得していますがラジオオンエアは圏外というのがこの手のアニソンっぽい感じ。ちなみにオリコンチャートはこの曲が初動売上10万7千枚で初登場1位を獲得。前作「エボリューション・イヴ」の2万6千枚(3位)から大幅増となりました。

3位は韓流男性アイドルグループSHINee「Winter Wonderland」が先週の79位からCD発売にあわせて大幅にランクアップして初のベスト10入り。ベタなウィンターバラード。実愛数3位、Twitterつぶやき数6位ながらPCによるCD読取数16位、ラジオオンエア数圏外が足をひっぱる形に。オリコンではこちらは初動8万8千枚で2位獲得。前作「君のせいで」の6万枚(2位)から増加しています。

続いて4位以下の初登場曲です。

まず4位にL'Arc~en~Ciel「Don't be Afraid」がランクイン。映画「バイオハザード:ザ・ファイナル」日本語吹替版主題歌。ラルクらしい疾走感と哀愁感あるナンバー。実売数6位、PCによるCD読取数7位を記録した一方、ラジオオンエア数14位、Twitterつぶやき数25位とちょっと低めに。ちなみにオリコンは4位初登場。初動売上4万枚は前作「Wings Flap」の5万2千枚(2位)からダウン。

6位はBOYS AND MEN 研究生「ドドンコ Don't worry」が初登場でランクイン。名古屋のローカルアイドルグループBOYS AND MENの研究生によるユニット。80年代あたりのジャニーズ系アイドルポップを彷彿させるような王道ナンバー。実売数4位ながらもTwitterつぶやき数44位、ラジオオンエア数、PCによるCD読取数圏外という結果に。4種同時リリースでiTunesチャートでも上位に来ていないことから複数枚買いの影響が大きそう。ちなみにオリコンでは初動5万7千枚で3位初登場。初のランクインとなっています。

7位にはBUMP OF CHICKEN「アンサー」がランクイン。NHKアニメ「3月のライオン」主題歌。配信オンリーでのリリースのため、PCによるCD読取数は圏外でしたが、実売数5位で見事ベスト10入りとなりました。

最後9位にはSUPER☆GiRLS「恋☆煌メケーション!!!」が初登場でランクイン。軽快なディスコチューン。実売数は7位ながらも他はTwitterつぶやき数が78位にランクインしただけ。PCによるCD読取数も圏外となっており複数枚買いの影響も大きい模様。ちなみにオリコンでは初動売上2万4千枚で7位初登場。前作「ラブサマ!!!」の5万5千枚(2位)から大幅ダウンとなりました。

今年最後のシングルチャートは以上。明日は今年最後のアルバムチャート

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2016年12月27日 (火)

ファンによる選曲がユニーク

Title:ACIDMAN 20th Anniversary Fans'Best Selection Album "Your Song"
Musician:ACIDMAN

バンド結成20周年を記念してリリースされたACIDMANのベストアルバム。え?ACIDMANってもう20周年なの?と意外に感じたのですがあくまでも結成から20年。私がはじめて聴いた彼らのデビューアルバム「創」がリリースされたのは2002年ですので、さすがにここからは20年は経っていない・・・・・・・とはいってもメジャーデビューからもう14年も経つのか・・・・・・。

彼らは2012年にベストアルバムをリリースしたばかりでそこから4年しか経過していません。それだけにちょっとベスト盤をリリースする間隔としては早すぎるんじゃない?とも思ったのですが今回のベスト盤はファンからの人気投票の上位20曲をそのまま収録したベストアルバム。そのためシングル曲を中心に収録した先のベスト盤「ACIDMAN THE BEST 2002-2012」とは収録曲が大きく異なっています。

それもなかなか興味深いのがその収録曲がシングル曲や代表的なナンバーだけではなく、かなりマニアックな曲も収録されている点でした。最も顕著なのがDisc1の3曲目というから人気投票で3位だった「風、冴ゆる」でしょう。この曲、2004年にリリースされたシングル「水写」のカップリング曲。まさに知る人ぞ知る的な楽曲になっています。他にもアルバム曲やインディーズ時代のナンバーなどもあり、このような収録曲はファン投票をそのまま反映されたベスト盤ならでは。なにより彼らに多くのコアなファンがついていることを実感させられる収録曲になっています。

またもう1つユニークといえるのが今回のアルバム、人気投票の順位がそのまま曲順となっている点でした。そのため発売日はバラバラ。発売日順に並んだ先のベストアルバムとも対照的と言える内容になっています。

このような曲順になっていて非常に興味深かったのは本作を聴くことによってファンの趣向がとてもよくわかるということでした。ACIDMANというバンドは分厚いバンドサウンドによるダイナミックな演奏と大木伸夫によるエモーショナルなボーカルというイメージが強いのですが、1枚目=人気投票上位に並んでいる曲に関してはまさにそういうACIDMANのイメージそのままのような曲が多く収録されています。正直なところ収録曲に関しては意外性があったもののそこに収録されている曲の「雰囲気」としてはあまり意外性はありませんでした。

逆に2枚目に関しては比較的そういうACIDMANのイメージとは異なるタイプの曲もチラホラ。例えば「赤橙」などは歌い方も抑えめの比較的シンプルなギターロックになっていますし、「リピート」もアコギが入って優しく歌い上げる楽曲になっています。

ただ2枚目に関してもやはり彼ららしいダイナミックなサウンドとエモーショナルなボーカルの曲が多く収録されていました。これは先のベスト盤の感想でも書いたのですが、彼らの楽曲は1曲1曲に関しては非常にインパクトもあり胸をうつような楽曲が多いのですが、一方で少々ワンパターンさも感じてしまいます。正直なところダイナミックなサウンドは少々大味にも感じる部分も多く、最初は楽しめてもアルバム全体を聴くと少々胸やけ気味がしてしまう部分も否めませんでした。

彼らの楽曲をアコースティックアレンジでカバーした曲を集めた「Second line&Acoustic collection II」などは非常に良かっただけに、基本的にメロディーは悪くないし、サウンドセンスも悪くないはずなんですよね。そういう意味ではもうちょっとシンプルな楽曲も聴きたいかも、と思わなくもないのですが・・・ただファンの人気からするとやはりダイナミックな演奏+エモーショナルなボーカルが大きな魅力なんでしょうね。そういう意味ではファンの嗜好と私個人の嗜好の齟齬を感じてしまったベスト盤でもありました。

評価:★★★★

ACIDMAN 過去の作品
LIFE
A beautiful greed
ALMA
Second line&Acoustic collection
ACIDMAN THE BEST 2002-2012
新世界
有と無
Second line&Acoustic collection II

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2016年12月26日 (月)

18年ぶりの新作はラストアルバム

Title:We got it from Here…Thank You 4 Your service
Musician:A Tribe Called Quest

90年代に一世を風靡したアメリカのHIP HOPグループA Tribe Called Quest。1991年にリリースされた「The Low End Theory」や93年にリリースされた「Midnight Marauders」はHIP HOPの名盤として名高く、いまでも様々なディスコガイドで紹介されたりします。

その後98年に解散したものの何度か再結成を繰り返した彼ら。個人的には2010年、サマーソニックに出演した彼らのステージを見ており、非常に印象深く覚えています。ただ非常に残念なことに今年3月、メンバーのファイフ・ドーグが亡くなるという残念なニュースが・・・。そしてその後、なんと彼らにしては18年ぶりとなる新作をリリース。ファイフ・ドーグも参加している今回のアルバムは残念ながらA Tribe Called Questとしては最後のアルバムとなるそうです。

A Tribe Called Questのアルバムというと私は「The Low End Theory」をサマソニのライブに行く直前に聴いています。ジャジーな要素の強いトラックが印象的で非常にスマートな感覚を覚えるトラックが2000年代になっても新鮮に響きました。

今回のアルバムに関しては正直言うとこの「新鮮味」という要素はあまりありません。ジャジーな要素もあまり強くなく、あえて言えば「Solid Wall of Sound」「Lost Somebody」のピアノのトラックなどでしょうか?「The Low End Theory」のイメージで聴いていたため事前の想像とはちょっと異なった作風になっていました。

ただ全体的にメロウな雰囲気が漂っており、スタイリッシュなイメージがあるという点では「The Low End Theory」の時の感触とは大きくは異ならないといえるかもしれません。

またちょっとラウンジ風の女性ボーカルが入ったポップにまとまっている「Melatonin」、後半の哀しげな歌が印象的な「Solid Wall of Sound」など全体的にはポップで聴きやすい作品。ソウルでメロウな楽曲も多く要所要所に「歌心」も強く感じられます。バスタ・ライムズ、カニエ・ウエスト、ケンドリック・ラマーなどゲスト陣も豪華。様々なアイディアがつまった音も多く、聴きどころも多く作品になっています。上にも書いた通り、目新しさみたいなものは薄いのですが、ベテランらしい安定感のある良作に仕上がっていました。

ある意味、この年齢になったからこそ出来るアルバムと言えるかもしれません。それだけにこれが最後というのは仕方ないのかもしれませんが残念。ちなみに本作、18年ぶりのアルバムながら見事アメリカビルボードチャートで1位を獲得。根強い人気を感じさせるだけにこれが最後というのは余計残念なのですが・・・。

評価:★★★★★

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2016年12月25日 (日)

いかにもメタリカらしい

Title:Hardwired…To Self-Destruct
Musician:METALLICA

メタリカ単独名義の純然たる新作としては8年ぶりとなるオリジナルアルバム。ただ8年ぶりといってもその間2011年にはLou Reedとのコラボアルバムをリリースしているのですが・・・これ、ひょっとしたら「なかったこと」にされているの??日本盤のWikipediaでは一切言及がなかったりするのですが・・・(苦笑)。

今回のアルバム、全70分程度の内容ながら2枚組としてリリースされています。おそらくCD1枚で足りるであろうところをあえて2枚組としているのは、レコードみたいにA面B面とわけて聴いてほしいという意図があったからでしょうか?

そう考えると1枚目2枚目で微妙にその色合いが違うアルバムになっていました。1枚目のアルバムはサウンドは比較的軽め。アップテンポな曲がメインで疾走感ある楽曲が多く収録されています。2枚目に関してはミディアムテンポでへヴィーなギターリフを主体とした作品が多かったような印象を受けます。

そんな作風の今回のアルバムなのですが、アルバム全体としてはいかにもメタリカらしいという印象を受けます。ギターの音にしてもいかにも「へヴィーメタル」といった感じの印象を受けますし、ギターの早弾きやハイテンポなドラムなどメタリカの熱心なファンではなく私のようにアルバムが出たらとりあえず聴いてみる、といった程度のリスナーにとってはメタリカを聴いたという満足感を覚えるアルバムだったと思います。

また前作「DEATH MAGNETIC」の時も感じたのですが、彼らの楽曲、例えばゴリゴリにハイレベルなプレイを押しつけてくるわけではなく意外とポップなメロディーラインで普段メタルをあまり聴かないような層でも聴きやすく感じられるのも特徴的。個人的には「Now That We're Dead」のようなギターリフ主導の軽快さも感じられるロックナンバーが非常にカッコよく感じました。

そんな訳でへヴィーメタルというジャンル関係なくロック好きなら楽しめそうなアルバム。上にも書いた通り、メタリカを聴いたなぁ、という満足感を覚えた久々の新作でした。

評価:★★★★

METALLICA 過去の作品
DEATH MAGNETIC
LuLu(LOU REED&METALLICA)

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2016年12月24日 (土)

パンクなジャケット写真だけども

Title:PUNKY
Musician:木村カエラ

約1年10ヶ月ぶりとなる木村カエラのニューアルバムのタイトルは「PUNKY」。彼女の顔に棘のはえたジャケット写真といい、書きなぐられたようなアルバムタイトルといい、いかにも「パンク」っぽさを意識したジャケットになっています。以前「ROCK」というタイトルのカバーアルバムをリリースしていますので、それとの対比を意識したのかもしれません。

ただパンクロックというイメージで聴くとこのアルバム、ちょっと意外な印象を受けるかもしれません。というのもあまりパンク色が強い訳でもロック色が強い訳でもないからです。アルバムタイトルにピッタリ来るパンキッシュな作品は「好き」くらい。「THE SIXTH SENSE」もハードなロック色の強い作品になっていますし、他にもロックな作品は少なくありませんが、アルバム全体としてはロックというイメージよりもむしろポップというイメージを強く受けます。

特に今回のアルバムの特徴としてH ZETT Mことヒイズミマサユ機がバンドメンバーとして加わり全12曲中5曲に参加しているのもアルバムの方向性を大きく決定づけたような印象があります。本人が作曲にも参加した「僕たちのうた」「BOX」などはギターロックサウンドに軽快なピアノがのり、爽やかなポップナンバーに仕上がっているのが特徴的。ギターの音がしっかり鳴っている楽曲ながらも軽快なピアノの音とメロディーラインのためポップという印象を強く受ける楽曲になっています。

また今回のアルバム、ギターロックに留まらずバリエーションある楽曲が収録されています。特にインパクトがあるのは中盤の「オバケなんてないさ」。懐かしさを感じる人もいるでしょう、童謡が収録されています。またラストの「Happyな半被」もタイトルから想像できる通り、楽しいお祭り風の楽曲になっています。このようなバリエーションある楽曲がインパクトとなって、ポップ色が強いという印象を強めているのでしょう。

前作「MIETA」が爽やかなポップス色の強い作品だったのですが本作はその延長線上といったイメージも受けるポップなアルバムになっていました。もちろん「PUNKY」というタイトルからイメージできるような彼女らしい元気いっぱいの明るさも健在。そういう意味では間違いなく木村カエラらしい楽しいポップアルバムだったと思います。ポップソングの楽しさを素直に味わえる作品でした。

評価:★★★★★

木村カエラ 過去の作品
+1
HOCUS POCUS
5years
8EIGHT8
Sync
ROCK
10years
MIETA

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2016年12月23日 (金)

バンドの一体感がさらに深化

Title:麗しのフラスカ
Musician:MANNISH BOYS

前作「Mu? Mu? Mu? MANNISH BOYS!!!」がリリースされた時点でこのユニットが2作目をリリースするというのは意外だったのですが、そこから約2年、まさかの3枚目のアルバムリリースとなりました。ご存じの斉藤和義と中村達也によるユニット。どちらもそれぞれソロとしても大活躍している人気者同士のユニットだけに永続的な活動になりそうなのはちょっと意外でした。

さてそのバンドとして3枚目となる作品。1枚目「Ma!Ma!Ma!MANNISH BOYS!!!」はまだバンドとしてチグハグという印象があり、続く2枚目「Mu? Mu? Mu? MANNISH BOYS!!!」はグッとバンドとしての一体感が増したような作品になっていました。そして3枚目となる本作、MANNISH BOYSが「斉藤和義と中村達也の2人による」という修飾語が不要になるような、バンドとしての個性をしっかり出したアルバムになっていたと思います。

まず序盤「グッグッギャラッグッグ」「Honey」はへヴィーでグルーヴィーなガレージ風のサウンドが非常にカッコよく、バンドらしさが強く前に追い出したナンバー。どこかくすんだ雰囲気は中村達也がかつて所属していたBlankey Jet Cityを彷彿とさせます。特に「Honey」はギターとドラムスを中心としたシンプルなサウンドで、ギターとドラムスがお互いに絡み合い対決するような緊張感あるサウンドはMANNISH BOYSらしさを強く感じます。

ある意味非常にMANNISH BOYSらしさを感じるのが「レモネード」。非常に切ない雰囲気が出ているメロディアスな楽曲はいかにも斉藤和義らしいメロディーライン。一方、ここに中村達也の叩く複雑なリズムのソリッドなドラムスが重なってきています。ある意味、斉藤和義と中村達也の個性がそれぞれ強く出ていた楽曲なのですが、その個性がぶつかり合うことなく楽曲としてしっかりまとまっているあたり、MANNISH BOYSがバンドとして機能していることを感じます。

また今回の作品、楽曲のバラエティーが増えたのも大きな特徴。軽快なスカとロックを融合させた「曲がれない」やハワイアンな雰囲気の「真っ赤なバレリーナ」、スカのリズムにのえてへヴィーでグルーヴィーなロックサウンドを奏でる「Jungle Hurricane」は初期スカパラを彷彿とさせるようなナンバー。中村達也ボーカルの「ダンゴムシ」は昔のアンダーグラウンドなパンクロックといった雰囲気を醸し出しています。ここらへん、様々な作風に挑戦できるのもMANNISH BOYSとしてしっかりと個性を確立してきたという自信があるからのように感じました。

歌詞もユニーク。例えば

「漂流船が沈んでく キャプテン達は逃げ出した
海賊船がやってきて 大砲を撃ち込んでくる
戦争なんてなぜするの? 人殺しは罪なハズよ
子供になんて答えりゃいい? 愛の為って言うのかい?」

(「曲がれない」より 作詞 MANNISH BOYS)

なんていう歌詞は具体的に政治的な楽曲ではないものの、いろいろと深読みも可能なチクリと皮肉った社会派な歌詞に仕上がっていますし、「うんこメーカー」なんていうまるで小学生男子がつけたようなタイトルの曲は、このタイトルと裏腹な中年男性の悲哀を歌った、ある意味ちょっと悲しさすら感じられるパンクナンバーになっています。

いままでのMANNISH BOYSは斉藤和義、中村達也という大物同士のユニットの割には、1+1が2以上にならない物足りなさを感じていました。しかし3枚目にしてはじめて1+1が2以上、もっといえば10にも100にもなったアルバムのように思います。ようやくMANNISH BOYSの本領発揮の傑作といった感じでしょうか。大満足の1枚でした。

評価:★★★★★

MANNISH BOYS 過去の作品
Ma!Ma!Ma!MANNISH BOYS!!!
Mu? Mu? Mu? MANNISH BOYS!!!

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2016年12月22日 (木)

男性アイドルだらけ

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週の初登場はすべて男性勢。それも男性アイドルが目立つチャートとなりました。

まず1位を獲得したのは名古屋を中心に活動を続けるローカルアイドルグループBOYS AND MEN「威風堂々~B.M.C.A.~」が獲得。初動売上4万3千枚は前作「Cheer Up!」の2万2千枚(2位)より増加。アルバムでは初の1位獲得となりました。

続く2位初登場はJun.K(From 2PM)「NO SHADOW」。こちらは韓流の男性アイドルグループ2PMのメンバーによるソロアルバム。全5曲入り3枚目となるミニアルバムだそうです。初動売上3万枚は前作「Love Letter」の3万4千枚(2位)からダウンしています。

3位もある意味おばさま方のアイドル、氷川きよし「新・演歌名曲コレクション4-きよしの日本全国 歌の渡り鳥-」がランクインです。氷川きよしの新曲にカバー曲を加えた「名曲コレクション」の新シリーズ第4弾となります。初動売上2万5千枚は前作「新・演歌名曲コレクション3 -みれん心-」(5位)から横バイ。

続いて4位以下の初登場です。4位初登場はスターダストプロモーション所属の男性アイドルグループDISH//「召し上がれのガトリング」がランクイン。これが2作目となるアルバム。初動売上2万4千枚は前作「MAIN DISH」の1万8千枚(5位)からアップ。

もういっちょ男性アイドルグループ。アルスマグナ「アルス上々↑↑↑」が8位初登場。ニコニコ動画の「踊ってみた」で人気を博した男性5人組グループ。初動売上8千枚は前作「ARSWORLD」の1万枚(8位)からダウンしています。

そんなアイドル勢だらけの今週のチャートの中でがんばっているのが5位初登場槇原敬之「Believer」。いや、ファンの自分にとっては彼もれっきとした「アイドル」なんですが(笑)。初動売上1万6千枚は前作「Lovable People」の1万9千枚(4位)からダウン。

そしてもう1枚、10位にはTAKURO「Journey without a map」がランクイン。ご存じGLAYのリーダーでありギタリストであるTAKUROによる初のソロアルバム。プロデュースはB'zの松本孝弘が手掛けており、ちょっと意外な組み合わせに感じます。初動売上7千枚でこの位置にランクインしてきました。

今週のアルバムチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2016年12月21日 (水)

逃げ恥人気最高潮

今週のHot 100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

予想通り2週連続1位獲得となりました。

先週最終回を迎えたドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」。最終回は視聴率が20%を超えるなど大きな話題となりました。そして今週、予想通りその主題歌星野源「恋」が2週連続の1位獲得。CD売上・ダウンロード数・スクリーミング数(以下「実売数」)及びPCによるCD読取数は2位でしたがラジオオンエア数、Twitterつぶやき数、You Tube再生回数でいずれも1位獲得。文句なしの1位獲得となりました。

ちなみにオリコンチャートでも今週、1万1千枚を売り上げ、先週の12位からランクアップし9位獲得。見事ベスト10返り咲きとなりました。遅ればせながらオリコンチャートでもようやく追いついてきた感じ。さて来週は最終話放送日が対象となる週。来週のチャートも注目されます。

初登場組最高位は2位。Hey!Say!JUMP「Give Me Love」が初登場でランクイン。フジテレビ系ドラマ「カインとアベル」主題歌。王道アイドル歌謡曲的なバラードナンバー。実売数、PCによるCD読取数は1位でしたが、Twitterつぶやき数7位、ラジオオンエア数62位が足を引っ張る形でこの位置に。前作「Fantastic Time」は今週1位の星野源「恋」を1位から引きずりおろして1位獲得となりましたが、今回の作品は星野源を下回る結果となりました。なおオリコンではこちらが初登場で1位。初動売上24万7千枚は前作の26万6千枚(1位)よりダウン。

3位にはピコ太郎「ペンパイナッポーアッポーペン」が先週5位からランクアップし再びベスト3入りとなりました。実売数21位、ラジオオンエア数98位と奮いませんが、You Tube再生回数2位、Twitterつぶやき数5位が順位を押し上げている形になっています。

続いて4位以下の初登場。今週、初登場曲は2曲でしたが同じミュージシャンの曲が2曲同時にランクインしています。それが7位初登場BIGBANG「FXXK IT」と9位初登場の「LAST DANCE」。いずれも韓国でリリースされたアルバム「MADE」が全世界で「MADE -KR EDITION-」として配信リリースされたことによるランクイン。「FXXK IT」は実売数7位、Twitterつぶやき数3位、「LAST DANCE」は実売数11位、Twitterつぶやき数4位でのベスト10入りとなりました。

ただ相変わらず微妙にTwitterつぶやき数の順位の比重が高すぎるのが気になるところ。今週だとlol「bye bye」が実売数6位、ラジオオンエア数7位ながらTwitterつぶやき数42位という低順位だった影響か11位という結果に。ただどう考えても実売数で上回る上にラジオオンエア数でもベスト10入りしている「bye bye」の方がBIGBANG「LAST DANCE」よりも「ヒットしている」と思うのですが・・・相変わらずTwitterつぶやき数の偏重傾向にモヤモヤしてしまいます。

またベスト10返り咲き組では乃木坂46「サヨナラの意味」が先週の11位からランクアップし2週ぶりにベスト10に返り咲いています。こちらはオリコンでも先週の16位から6位にランクアップしベスト10に再登場しています。

一方今週はベスト10圏内でロングヒットを続ける注目曲もご紹介。それが今週4位back number「ハッピーエンド」。映画「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」主題歌に起用された本作は今週で5週連続のベスト10入りで先週の9位からランクアップしています。実売数で3位を記録しており主にダウンロードでの販売が好調なのが要因。一方PCによるCD読取数でも4位を記録しており、CD売上も(レンタルも含むのでしょうが)それなりに好調な結果となっています。

ちなみにロングヒットといえばRADWIMPS「前前前世」が先週8位から今週は5位にランクアップ。22週連続通算23週目のベスト10ヒットとなっています。こちらのロングヒットもまだまだ続きそうです。

今週のHot100は以上。アルバムチャートはまた明日!

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2016年12月20日 (火)

初のフルアルバムがいきなりのヒット

Title:フレデリズム
Musician:フレデリック

これが初のフルアルバムとなる神戸出身の3ピースロックバンド、フレデリック。このアルバム、オリコンチャートで初登場7位を記録。これにはちょっとビックリ。フレデリックというバンド、名前は知っていたのですが、遅ればせながらはじめて彼らのアルバムを聴いてみました。

楽曲はテンポのよいリズミカルなものが多いのが目立ちます。「KITAKU BEATS」「オドループ」「オワラセナイト」といったダンスチューンが多く、基本的にはシンセを入れた軽快な四つ打ちチューンなのですが、「CYNICALTURE」のようなファンキーなディスコチューンもあり、耳をひきます。

またこのダンサナブルな楽曲にピッタリマッチするような形で、例えば「オンリーワンダー」「ほっとけほっとけ」「レプリカパプリカ」「ガタンゴトン」というリフレインする歌詞が妙に耳に残ります。こういった歌詞とリズムの結び付け方にはおもしろさも感じました。

メロディーラインについては哀愁感あり妙に歌謡曲色を強く感じます。特にこの歌謡曲風の楽曲は後半に多く「ナイトステップ」「ふしだらフラミンゴ」などが特に歌謡曲の色合いを強く感じました。一方で単純にベタな歌謡曲風というより「レプリカパプリカ」などのようにどこかメロディーラインにはひねくれた要素を感じます。そんなひねくれポップはどこかモノブライトに近いものも感じたのですが・・・この歌謡曲テイストの強いひねくれポップをダンスビートにのって聴かせるスタイルに彼らならではの独自性を感じました。

もうひとつ、このアルバムで耳を惹いたのが意外と豊富な楽曲のバリエーション。最初、ダンスチューンばかりか・・・と思って聴きすすめていくと、「スピカの住み処」はフォークソング、「バジルの宴」はロックンロール風とちょっと意外性ある楽曲も並んでいます。ダンスチューン主導の楽曲の中、ちょうどよいインパクトとなっていました。

そんないろいろとおもしろさを感じる一方でちょっと残念だったのが全68分というアルバムの長さ。メロディーにしろ歌詞にしろユニークなのですが、基本的に四つ打ちのダンスチューンが多いためさすがに後半の方は若干飽きてきたかも。もうちょっと曲数を絞って50分程度のアルバムだったらなおよかったのに、と思ってしまいました。

メロディーラインやサウンドに関してももう一歩、インパクトが欲しいかも、とも思いました。ダンスチューンにしてもひねくれポップにしてもユニークなのですが、もうちょっと振り切れたような曲が1、2曲あった方がおもしろかったかも?アルバムの長さでちょっとだれてしまった理由のひとつがそこだったように思います。

もっとも全体的にはおもしろいアルバムで、これからが楽しみな新人バンドだな、と思いました。これからの活躍が楽しみです。

評価:★★★★

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2016年12月19日 (月)

今後のBON JOVIの方向性を示唆

Title:This House Is Not For Sale
Musician:BON JOVI

BON JOVIというと個人的には高校時代を思い出します。当時、まだ日本のヒット曲ばかりを聴いていた高校時代の私。ちょっと背伸びして洋楽を聴いてみよう・・・と思った時にちょうど高校生の間でもヒットしていたのがBON JOVIでした。ハードロックのスタイルはいかにもロック然として洋楽を聴いた満足感を覚える一方、わかりやすいサビを持ったJ-POP的楽曲構造は邦楽しか聴いていない高校生にも非常に聴きやすいポップソングとして機能していました。

それから20年。いまだに第一線で活躍を続けるBON JOVI。2014年に残念ながらギターのリッチー・サンボラが脱退してしまいましたが、このアルバムでもビルボードチャートで1位を獲得。変わらぬ人気を続けています。このアルバムはリッチー・サンボラ不在でリリースされた前作「Burning Bridges」に続く新作。前作は彼らにしては比較的ハードロック色が薄めのおとなしいイメージの作品だっただけに、次の展開が注目されました。

さてそんな新作なのですが、基本的に前作よりはハードロック色が強くなったように感じます。いきなりタイトルチューン「This House Is Not For Sale」からスタートするのですが、こちらは彼ららしいメロディアスでかつダイナミックなハードロックチューン。この曲をアルバムタイトルにするあたり、ハードロック路線で突き進むという彼らの意思を感じることが出来ます。

ただし全体的には前作と同様、泥臭さと渋みの増した内容。またかつての彼らのようなハードロックバンドとしてのスケール感はあまり感じません。30年以上活動を続ける彼らに言う言葉ではないかもしれませんが、大人になったように感じる作品。フックの効いたわかりやすいサビはない代わりに、落ち着いたサウンドを聴かせてくれます。

楽曲的にもゴリゴリの昔ながらもハードロックというよりは「The Devil's In The Temple」「God Bless This Mess」あたり、ギターサウンドにむしろオルタナ系ギターロックバンドっぽい爽やかさすら感じられる楽曲になっており、へヴィー志向のハードロックというよりもポップス志向のメロディアスなギターロックという印象を受ける楽曲もチラホラ見受けられました。

もちろん一方では上でも書いた通りBON JOVIらしさは本作でも健在。そういう意味では基本的にいままでのBON JOVIらしさを維持しつつも、ポップス志向の楽曲を取り入れつつ、落ち着いた大人のロックを指向する、それが彼らのこれからの方向性なのでしょうか。まだリッチー脱退後2作目ということでこれからも徐々にそのスタイルを変えていく可能性もあるかと思うのですが・・・これからのBON JOVIの活動も注目していきたいところです。

評価:★★★★

BON JOVI 過去の作品
Lost Highway
THE CIRCLE
GREATEST HITS-THE ULTIMATE COLLECTION
What About Now
Burning Bridges

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2016年12月18日 (日)

圧巻のステージング

ALABAMA SHAKES JAPAN TOUR 2016

会場 Zepp Nagoya 日時 2016年12月13日(火)20:00~

Alabama_2今年のライブ納めに足を運んできました。といっても今年は結局、3本しかライブに足を運べなかったため、「ライブ納め」といってもそんな感覚はあまりないのですが・・・。あのALABAMA SHAKESが傑作アルバム「Sound&Color」をひっさげてのJAPAN TOURを実施。それも名古屋公演もあり、ということで足を運んできました。

会場はZepp Tokyo。椅子席+2階席後ろに立見席があるというスタイル。ただそれでもソールドアウトしたそうで、期待の高さがうかがえます。私の席は2階席の前の方。ステージ全体を見渡せる良席。20時ちょっと前に会場につき、ビールを飲みながら開演を待ちます。

そして20時10分頃にライブはスタート。ステージはメンバー4人+キーボード2人+コーラス3人というスタイル。比較的シンプルというイメージのあった原曲のイメージからすると意外とサポートメンバーが多いような印象も。ライブはまず「Future People」からスタート。いきなりソウルフルでかつパワフルなブリトニー・ハワードのボーカルがさく裂。さらには力強いバックのコーラスにバンドサウンドが加わり、1曲目からサポートメンバーまでフルに活躍する楽曲からスタートします。

続く「Dunes」はミディアムテンポで聴かせる曲ながらもこちらもブリトニーの力強いボーカルが印象に残ります。そして何より感じたのは、ライブの前に予想していたよりも音が分厚いということ。とにかくギターの音もベースラインも力強さを感じますし、何よりブリトニーの激しいギターがインパクト。ステージではバンドとしての実力も強く感じます。

今回は「Sound&Color」リリース後のツアーですが楽曲は前作「Boys&Girls」の曲も取り混ぜての構成。MCは比較的短めで次々と楽曲が繰り広げられていくようなステージに。中盤「Miss You」や「Shoegaze」など最新アルバムからの曲を聴かせつつ、印象に残ったのが「Joe」。この曲でブリトニーはギターを置き、ハンドボーカルで歌い上げたのですが、パワフルだったボーカルから一転、表現力たっぷりにやさしく語り掛けるように歌うナンバー。その優しいボーカルに思わず涙が出てくるような素晴らしい歌声を聴かせてくれました。

さらにこのライブでのハイライトに感じたのは終盤。「Gimme All Your Love」ではボーカルはおさえめながらもその底に感じる抑えきれないような熱量の高さに圧巻されるステージを見せてくれたかと思うと、続く「This Feeling」では静かに聴かせるナンバーなのですが、ここでもブリトニーの緩急つけたボーカルの表現力に圧倒されます。さらに「Don't Wanna Fight」では原曲以上にファンキーにまとめた演奏が魅力的。バンドとしての一体感も強く感じます。そして本編ラスト「Gemini」ではこちらも「Gimme All Your Love」同様、抑え気味の演奏、ボーカルながらもそこに秘められたバンドの熱量に圧巻されながらライブ本編は終了となりました。

その後はアンコールへ。こちらは比較的あっさりメンバーは再登場。この時、会場からブリトニーに「Merry Me!」という歓声があがり、そんな声に照れていたのがかわいらしくて(笑)とても印象に残りました。アンコールではまず最新アルバムのタイトルナンバー「Sound&Color」からスタート。その後、「You Ain't Alone」「Over My Head」と続き終了となりました。

ライブはアンコール含めて約1時間半のステージ。ちょっと短めのステージでしたが、その内容は非常に濃かったように感じます。なにより終始、ブリトニーのボーカルに圧巻されるステージ。時には非常にパワフルに、時には優しくしんみり聴かせるボーカルのすごさはCD音源でも感じましたがこのライブではよりはっきりとしたインパクトとして感じることが出来ました。

さらにそのボーカルを支えるバンドサウンドの一体感、迫力もまた大きな魅力に感じます。上にも書いた通りサポートメンバーを入れて予想よりも分厚いサウンドを披露。ライブバンドとしての実力も感じるステージでした。

彼女たちのライブの評判の高さは聞いていたのですが、その噂も伊達ではない圧巻のステージだったと思います。今年1年の最後に実に素晴らしいライブに出会うことが出来ました。彼女たちのステージ、必見。また機会があったら見てみたいなぁ。

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2016年12月17日 (土)

10年の区切りのセルフカバー

Title:VerSus
Musician:モノブライト

2007年でデビュー10周年を迎えるギターロックバンドモノブライト。今回、10年の区切りとしてリリースされたのがセルフカバーアルバム。この10年のライブ活動の中で育ててきた曲をあらためて音源として収録した6曲が収録されているミニアルバムとなっています。

思えばモノブライトというバンド、10年の間にいろいろありました。バンド名もmonobrightからMONOBRIGHT、さらにはカタカナのモノブライトに変更していきましたし、途中、まさかのヒダカトオルが正式加入。その後、(予想通り)ヒダカトオルが脱退。オリジナルメンバーによるバンドに戻ったかと思えば2015年にドラムスの瀧谷翼が脱退。3人組バンドとなり今に至っています。

今回10周年の区切りとしてセルフカバーアルバムをリリースしたのはメンバー3人にサポートメンバーを迎えて6人体制となった今、バンドの状況が非常によかったからだそうで、今の状態を音源として残しておきたかった、ということだそうです。メンバー脱退からわずか1年でバンドの状態がいいというのは・・・それって・・・と思ってしまうのですが・・・(^^;;

さてそんな彼らのセルフカバーアルバムですが、まずライブ活動を通じて変化してきた楽曲ということもあり全体的にライブ向けにダイナミックなアレンジとなっています。基本的に原曲から大きく変わったという曲はありません。ただやはりサポートメンバー含めて6人での演奏となった影響でしょうか、全体的には音数が追加され分厚いアレンジになっていました。

そのため原曲と比べるとどちらがいいか、といわれるとそこは好みの問題、といった感じ。分厚いサウンドになったため耳障りはいいですし、ライブではよく盛り上がりそうだな、と感じる反面、足し算ばかりのアレンジにちょっと食傷気味に感じる方もいるかもしれません。

具体的には「踊る脳」などは分厚いアレンジがマッチ。今回のセルフカバーでよりパワーアップしているように感じます。この曲以外にも基本的に原曲からしてダイナミックなサウンドを聴かせるタイプの曲に関しては概ね今回のセルフカバーの方がよく出来ていたように感じます。

一方で「DANCING BABE」のように比較的シンプルに抑えめのアレンジとなっている原曲に関しては今回のプラス方向のアレンジによって、原曲が持っていた引き算の良さが損なわれてしまったように感じました。今回のセルフカバーでももちろんライブでは盛り上がりそうですしこれはこれで魅力的なのですが、どちらかというと原曲の方がより魅力的に感じました。

ただ原曲との比較では良し悪しがあったのですが、アルバム全体としては非常に楽しめる作品になっていました。ライブ志向のアレンジによりアルバム全体として統一感があったという点も大きいのですが、モノブライトの代表曲をカバーしているためベスト盤的に楽しめる内容になっていました。

なにより収録曲がわずか6曲という点も気軽に聴けるためモノブライトの入門盤的に最適。どの曲もモノブライトらしいひねくれたメロディーラインがインパクトになっている楽しいポップチューンばかりでモノブライトの魅力を再認識できる内容になっていました。

昔からのファンにとって今のモノブライトを知れるという意味でも魅力的な作品ですがベスト盤的にもとても楽しめた作品。この10年の区切りを機にあらたな一歩を進める彼ら。これからの活動も楽しみです。

評価:★★★★★

モノブライト 過去の作品
monobright one
monobright two
adventure
淫ビテーションe.p.
ACME
新造ライヴレーションズ
MONOBRIGHT BEST ALBUM~Remain in MONOBRIGHT~
MONOBRIGHT three
Bright Ground Music

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2016年12月16日 (金)

アコギ1本のみで

Title:マホロボシヤ
Musician:青葉市子

青葉市子の作品で何が一番驚かされるかと言われれば、間違いなくそのアレンジでしょう。彼女の楽曲の特徴は、ほぼアコースティックギター一本というそのサウンド。それもストローク奏法などはあまり用いず、アルペジオで一音一音を静かにならすという方法。その奏法も自己流ということで、どこか不安定感があるのですがその不安定感が楽曲の揺らぎとなり独特な雰囲気を作り出しています。

アコギをメインというミュージシャンは他にもいます。ただアコースティックなサウンドがメインでもそこにピアノやストリングス、あるいはドラムなどを音を重ねてそれなりに分厚いサウンドを作り上げるというのが一般的な手法。しかし彼女の場合は徹底的にアコギ1本のみ。それも音数の少ないシンプルな音を作り上げています。本作でもアコギ以外は基本的に「コウノトリ」でピアノが登場するのみ。ただこちらもピアノのみで静かに聴かせるインストチューンとなっています。

そんな彼女の3年ぶりとなるニューアルバム。メジャーから2作目となるアルバムなのですが、メジャーになってもアコギ一本のみで歌い上げるという彼女のスタンスは全く変わりません。今回のアルバム「マホロボシヤ」というタイトルはどこか不思議な雰囲気がありますが、「幻を売る人」と「滅ぼしを売る人」が同居しているという意味を込められている造語だそうです。

そのタイトル通り、どこか幻想的な雰囲気を感じさせる歌詞が本作の特徴。また今回のアルバム、いろいろな生き物たちがよく登場している印象を受けます。タイトルチューンの「マホロボシヤ」「幻の鳥」「ゆめしぐれ」では「とりはうみへ さかなはそらへ」と歌われますし、「うみてんぐ」でも「チョウチョ」が登場してきます。

そんな生き物たちの登場によって歌詞の風景が浮かび上がってくる印象を受ける一方、その生き物たちは物語の中に生きているように登場します。そのため、どこか現実味がなく、幻想的な雰囲気を醸し出している大きな要素になっているように感じました。

また、同時に歌詞全体に寓話性を強く感じさせます。特に最後の「神様のたくらみ」「鬼ヶ島」はその寓話性を強く感じる歌詞が特徴的。この寓話性ゆえに歌詞の幻想的な雰囲気を強く感じます。ただ今回のアルバム、「マホロボシヤ」というタイトルに込められた「幻を売る人」と「滅ぼしを売る人」という側面、幻想的な雰囲気は「幻を売る人」につながり、また「神様のたくらみ」などでは「滅ぼし」という側面も感じるのですが、ただ滅びて終わりという歌詞ではなく、その向こうに再生の物語りも感じさせてくれます。

メロディーラインは決して売れ線といった感じのインパクトはありませんが、そのシンプルなサウンド、メロディー、そして独特な雰囲気の歌詞が非常に強く心に残るアルバム。まさに彼女しか生み出し得ない世界観を作り上げた傑作でした。

評価:★★★★★

青葉市子 過去の作品
うたびこ
ラヂヲ(青葉市子と妖精たち)
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ほかに聴いたアルバム

せせらぎ/遊佐未森

途中、ベスト盤のリリースを挟んでいますがオリジナルアルバムとしては4年ぶりとなる遊佐未森の新作。アコースティックなサウンドが主体の透明感あるどこか幻想的なポップスはいつもの遊佐未森路線。目新しさはありませんが、いまだにどこか新鮮味を感じさせるのは楽曲の透明性ゆえんでしょうか。

評価:★★★★

遊佐未森 過去の作品
銀河手帖
Do-Re-Mimo~the singles collection~
淡雪
VIOLETTA THE BEST OF 25 YEARS

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2016年12月15日 (木)

韓流が目立つ中・・・

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週は韓流男性アイドルグループのアルバムが目立ちました。

まず1位を獲得したのは韓流7人組アイドルグループBTOB「24/7(TWENTY FOUR/SEVEN)」。これが日本でのデビューアルバムだそうです。初動売上は2万6千枚。いままでシングルは何度かランクインしており、直近のシングル「L.U.V.」は初動売上7万6千枚(1位)を記録。こちらの売上からは大きくダウンしています。

さらに2位も韓流男性アイドルグループ。MYNAME「ALIVE~Always In Your Heart~」が獲得。初動売上は2万4千枚。直近作はベスト盤「MYBESTNAME!」でこちらの初動3万5千枚(2位)よりダウン。またオリジナルアルバムとしては前作「I.M.G.~without you~」の4万5千枚(2位)よりも大きくダウンという厳しい結果になりました。

韓流男性アイドルグループはもう1枚。4位にSEVENTEEN「Going Seventeen」が初動売上1万7千枚でランクイン。こちらは韓国で発売されたアルバムの輸入盤がランクイン。彼らのアルバムは前作「LOVE&LETTER」がランクインしていますが、こちらはサイン会実施時とリパッケージアルバムリリース時にランクアップしてきた結果で初登場でのベスト10入りはこれがはじめてとなります。

そして3位には、入ってきました!今話題のピコ太郎「PPAP」がランクインです。「ペンパイナッポーアッポーペン」のYou Tube動画が日本のみならず海外でも話題となった彼。その人気に便乗するような形でアルバムリリースとなりました。それが初動売上2万枚で見事ベスト3入り。お笑いタレントのアルバムとしては1999年の野猿「STAFF ROLL」以来の17年ぶりのベスト3入りだそうです・・・っていうか、野猿からもう17年もたつのか・・・・・・。

今週の初登場はもう1枚。8位に「THE IDOLM@STER LIVE THE@TER FORWARD 01 Sunshine Rhythm」がランクインです。ゲーム「アイドルマスター ミリオンライブ!」のキャラクターソングシリーズ。新シリーズの第1弾だそうです。初動売上は8千枚。「アイドルマスター」のキャラクターソングシリーズとしては前作「THE IDOLM@STER LIVE THE@TER DREAMERS 06」の1万枚(8位)から若干の減少しています。

他に今週はベスト10圏外からの返り咲き組も。まず9位にはRADWIMPS「君の名は。」が先週の14位からランクアップ。売上枚数もなんと6千枚から8千枚へとアップ。11月21日付チャート以来、4週ぶりのベスト10返り咲きとなりました。今週はRADWIMPSのニューアルバム「人間開花」も5位にランクインしており、見事ベスト10に2枚同時ランクインとなりました。

さらにもBruno Mars「24K Magic」も先週の12位から10位へアップし2週ぶりにベスト10返り咲き。こちらは売上的には9千枚から8千枚へダウンしていますが、根強い人気を感じさせます。

今週のアルバムチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2016年12月14日 (水)

逃げ恥人気続く

今週のHot 100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

またもや1位獲得です。

今週1位を獲得したのは星野源「恋」。先週の2位からワンランクアップで2週ぶりの1位獲得となりました。CD販売・ダウンロード・スクリーミング数(以下「実売数」)は3位にとどまりましたが、ラジオオンエア数、Twitterつぶやき数、You Tube再生回数で1位、PCによるCD読取数でも1位を獲得して見事1位に。この現象、おそらくドラマが終わるまで続きそう。

初登場組の最高位は2位の関ジャニ∞「NOROSHI」。先週の37位からCD発売にあわせてベスト10入りです。映画「土竜の唄 香港狂騒曲」主題歌。実売数、PCによるCD読取数で1位を獲得した一方、ラジオオンエア数7位、Twitterつぶやき数9位がマイナス要因となりました。なお前作「パノラマ」もビルボードでは最高位2位。最高位2位を獲得した時の1位も星野源「恋」でした。うーん、星野源、強い!オリコンではこちらが1位獲得。初動売上23万2千枚で前作の16万2千枚(1位)からアップしています。

3位も初登場組。韓国の男性アイドルグループEXO「Coming Over」が先週の64位からCD発売にあわせてこの位置。実売数、Twitterつぶやき数が2位ですが、PCによるCD読取数11位と、10種同時発売の複数枚買いの影響が出ています。またラジオオンエア数圏外というのも韓流らしいところ。ちなみにオリコンでは初動売上14万枚で2位初登場。前作「Love Me Right ~romantic universe~」の14万6千枚(1位)からダウンしています。

続いて4位以下の初登場です。7位にHi-STANDARD「You Can't Hurry Love」が初登場でランクイン。ご存じスプリームスのヒット曲「恋はあせらず」をパンク風にカバーした曲。実売数で4位、PCによるCD読取数で3位を記録。ただラジオオンエア数では37位と奮わず、この位置となりました。ちなみにオリコンではこの曲も収録された「Vintage & New,Gift Shits」が初動5万5千枚で3位に入ってきています。前作は事前広告一切なし突然のCD販売で話題となった「Another Starting Line」でこちらの13万5千枚(1位)よりはさすがに大きくダウンしてしまいました。

今週の初登場組は以上。一方今週はベスト10返り咲き組も。先週19位だったRADWIMPS「なんでもないや」が10位にランクアップ。10月24日付チャート以来8週ぶりのベスト10ヒットとなりました。この曲、言うまでもなく大ヒット映画「君の名は。」のテーマ曲。同じくテーマ曲RADWIMPS「前前前世」も今週8位にランクインしています。

まだ話題作としては先週9位にランクインしたSMAP「世界に一つだけの花」が今週は6位にランクアップしています。ちなみにオリコンでは今週も4位にランクイン。今回の売上で累計売上が300万枚に達したそうです。

今週のHot100は以上。明日はアルバムチャート。

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2016年12月13日 (火)

中性的なフレンチテクノ

Title:Woman
Musician:JUSTICE

フランスのエレクトロデゥオによる5年ぶりの新作。2007年にリリースされたデビューアルバム「CROSS」が日本でも大きな話題に。フジロックやサマソニでもライブを披露してこちらも話題となりました。

フランス出身の彼らのサウンドは「フレンチテクノ」と称され、特にデビュー作「CROSS」ではその頃話題となったダフトパンクともよく比較されました。ダフトパンク同様、ビートの強くロック色が強いサウンドとポップなメロディーが特徴的。強いビートに反してそのサウンドはどこか丸みと暖かみがあるのが印象的で、ちょっとラウンジミュージックに通じそうなそのサウンドがフレンチポップ的と言えなくもありません。

個人的には前作「AUDIO,VIDEO,DISCO」が未聴のため彼らの作品を聴くのは話題となった「CROSS」以来。そのため比較としては「CROSS」との比較となってしまいますが、話題となったその作品と比べて大きく異なるのは「CROSS」がノイジーなサウンドで構成されておりソリッドな雰囲気を醸し出していたのに対して、今回の作品はノイジーさは薄れ、全体的にはもっと柔らかく、かつ洗練された雰囲気を感じます。

ただロッキンな強いビートのテクノポップといういわゆる「フレンチテクノ」の雰囲気は本作も健在。テンポのよいビートが特徴的な「Fire」「Heavy Metal」もそのタイトル通り、硬質なサウンドで強いリズムを刻むエレクトロポップに仕上がっています。また、「CROSS」では女性ボーカルや子供の声を取り入れてチャイルディッシュな雰囲気を作り上げていましたが今回のアルバムに関してもハイトーンボイスのボーカルが耳に残ります。そんなハイトーンボイスのボーカルによるポップスのため、どこか中性的な雰囲気を感じさせます。「Woman」という今回のタイトルの通り、より女性的な雰囲気を作り出そうとしていたのでしょうか。

また今回のアルバムはボーカルメインのメロディアスな曲が多く、「CROSS」以上にポップで聴きやすい作品になっています。「Safe and Sound」みたいにどこか80年代風を感じさせるサウンドも心地よく、どこか懐かしさも感じさせます。「実験的」という印象も強かった「CROSS」に比べるとポップスさが大きく増した作品。広い層がポップとして楽しめるアルバムでした。

評価:★★★★★

JUSTICE 過去の作品
CROSS

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2016年12月12日 (月)

ロックバンドらしいロックバンド

Title:BEST!BEST!BEST!
Musician:The Mirraz

結成から10周年を記念してリリースされた2枚組のベストアルバム。全40曲の彼らの代表曲が発売順に収録されています。

今回のアルバムであらためて彼らの代表曲をまとめて聴いてみたのですが、彼らは実にロックバンドらしいロックバンドだな、ということをあらためて感じます。彼らのスタイルは基本的にシンプルなギターロック。「TOP OF THE FUCK'N WORLD」で話題になったころは盛んにArctic Monkeysのパクリバンドと言われ、ROCKIN'ON JAPANなどでもそのことをエクスキューズとして記載していたほどでした。ただ、Arctic Monkeys同様、非常にシンプルで、そしてハイテンポな性急感あるギターロックが印象的。このどこか焦燥感あるサウンドがいかにも現状に不満を抱えているロックミュージシャンらしいスタイルを感じさせました。

またロックバンドらしさといったら歌詞もまた非常にロックバンドらしさを感じます。彼らの歌詞の特徴は妙に固有名詞が多いこと。「スタバ」やら「ガスト」やら「ロッキンオン」やらあまり歌詞に登場しないような歌詞が登場することがひとつのインパクトになっています。それ以上にユニークなのはこの歌詞が、どこか世間に対して反発しており妙に粋がったものを感じる点でしょう。ここ最近、どこか世間に対して醒めているというか、世間のありのままを受け入れているようなミュージシャンが多い中、彼らのようなスタイルは昔ながらのものも感じられるのですが、アラフォー世代の私にとってはいかにもロックバンドらしくうれしくなってきます。

でも彼らって今時の「若手バンド」だと思っていたのですが、でも作詞作曲を手掛けるボーカルの畠山承平ってもう35歳なんですね・・・ちょっと意外に感じる一方、確かにもう30代半ばの彼だからこそ、アラフォー世代がちょっと懐かしく思ってしまうような、ロックバンドらしいロックバンドの音、歌詞を奏でているんだろうなぁ・・・とも思ってしまいます。

そんなThe Mirrazですが、ただちょっと残念なのは全40曲、ほぼ全てハイテンポなギターロックばかりという点。リズムパターンはほとんど一緒でさすがに飽きてきます。さすがにこのワンパターンさは彼らも認識しているのか、ここ最近、「マジか。そう来たか、やっぱそう来ますよね。はいはい、ですよね、知ってます。」からEDM風のナンバーに仕上げているのですが、ちょっと付け焼刃的というか、打ち込みを取り入れたほかは相変わらずのハイテンポナンバー。楽曲的にはインパクト満点の曲が多いのですが、似たような曲が多いのはかなり大きな弱点だよなぁ。

評価:★★★★

で、そんな彼らがここ最近のリリースしたEP盤。

Title:そして、愛してるE.P.
Musician:The Mirraz

前作「しるぶぷれっ!!!」からEDM路線にシフトした彼らですが今回ではその方向性がかなりクリアに。バンド色が薄くなり、完全にエレクトロポップにシフト。かなりエレクトロのリズムトラックを前面に押し出した構成になっており、ロックバンドというよりも「クラブ系」の様相すら強くなってきています。

ただ基本的にハイテンポなリズムに畠山承平の言葉を詰め込んだような歌詞を歌うボーカルというスタイルは大きくは変わらず。良くも悪くもThe Mirrazらしさは相変わらずです。ただそんな中でも例えば「そんでそんでさぁ」などは歌詞も情報量を詰め込むというよりも同じ言葉を繰り返すことによりトランス感を増そうとしているスタイルに。そういう意味ではThe MirrazのスタイルをそのままEDMサウンドにのっけようとして無理が生じた前作に比べると、よりエレクトロサウンドという特質を生かそうとした作品になっていたと思います。

このスタイルがどのように次回作に生かされてくるのかわかりませんが・・・The Mirrazの次の一歩に注目したいところでしょう。

評価:★★★★

The Mirraz 過去の作品
We are the fuck'n World
言いたいことはなくなった
選ばれてここに来たんじゃなく、選んでここに来たんだ
夏を好きになるための6の法則
OPPOTUNITY
しるぶぷれっ!!!


ほかに聴いたアルバム

BEST OF CHAMP YEARS 2007~2016/SCOOBIE DO

Scoobiedo

2007年に彼らが設立した自主レーベルCHAMP RECORDSからリリースされた曲を収録した配信限定のベスト盤。かなり黒さを押し出したようなファンキーなナンバーからポップ色の強い曲、ジャズっぽい曲、モータウンビートを入れた軽快なナンバーなど、全体的にファンクで統一しつつも幅広い音楽性が魅力的。そのリズムに気持ちよさを感じつつ、ただ一方楽曲にはもうちょっとインパクトが欲しいかな、とおもってしまう点も。

評価:★★★★

SCOOBIE DO 過去の作品
ROAD TO FUNK-A-LISMO!

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2016年12月11日 (日)

豪華ゲストが参加

Title:Bagatelle
Musician:SUEMITSU&THE SUEMITH

ここ最近、数多くのシンガーへの楽曲提供で活躍。音楽教師としても最近は活動しているそうで積極的な活動が目立つ末光篤。ここ最近は本名での活動が続いていましたが、久々にバンド名義SUEMITSU&THE SUEMITHでのリリースとなりました。SUEMITSU~名義ではなんと8年ぶり!もっとも末光篤名義でも約3年ぶりのアルバムとなり、久々のリリースとなりました。

SUEMITSU&THE SUEMITHの楽曲といえば、非常に重厚なピアノに分厚いサウンドがのり、さらにはフックの効いたメロディアスなメロディーがのるというスタイル。個人的にピアノが入った楽曲は好みであり、彼の曲もはっきりいえば壺。そのためデビュー以来、個人的に応援してきて、彼の楽曲は一通り聴いています。

今回のアルバムに関してもまさにSUEMITSUらしい楽曲が並んでいます。例えば今回のアルバムでいえば「未完成」「Summertime'83」などはまさに彼らしい楽曲と言えるのではないでしょうか。ピアノ主導の分厚いサウンドにキュートともいえるメロディーラインがとても魅力的なナンバー。もちろん個人的にもおもいっきり壺にはまって聴き入ってしまいました。

ただこのサウンド、かなりこってり風味。かついずれもピアノ主導のバンドサウンドということでバリエーションが少々乏しいのがマイナスポイント。そのため1曲1曲はかなりの名曲揃いなものの、アルバムを通じて聴くと、こってり風味のサウンドに少々胸やけ気味になってしまうのが彼のアルバムの大きな短所でした。

おそらく彼もそれをわかっているのでしょう、かなり意識的に楽曲にバリエーションを持たせてきています。今回のアルバムもそれが顕著。そしてその結果として豪華なゲストがズラリと参加しているのが今回のアルバムの大きな特徴となりました。

まず「Invention」では彼と同じくピアノポップの雄、大橋トリオが参加。末光篤と大橋トリオが融合したようなサウンドになっており、いつものSUEMITSUとは一風変わったピアノポップを聴かせてくれます。さらに「Shooting Star We Are」は少女隊というアイドルグループが参加。完全にアイドルポップに仕上がっています。かと思えば続く「幻想ノ即興曲」はチャットモンチーの橋本絵莉子が参加。こちらも女性ボーカルで爽やかな雰囲気が残るバラードナンバーになっています。

さらにアレンジ面でも「Pinocchio」ではあのtofubeatsが参加。基本的にはSUEMITSUらしさが前に出ているもののスペーシーな四つ打ちサウンドはtofubeatsらしい感じも。ちなみにこの曲、作詞に大江千里も参加しています。さらにラストはショッキング・ブルーの「Venus」をKentaro Takizawaによってディスコ調にアレンジしたカバー。こちらはSUEMITSUからすると一風変わったタイプの曲に仕上がっています。

他にも細美武士や柏倉隆史、クラムボンのミトやUNISON SQUARE GARDENの田淵智也という豪華なメンバーがズラリと並んだ今回のアルバム。この多彩なゲストは彼の人脈の広さを物語っていますが、この豪華ゲストにより楽曲の幅を広げるという戦略はそれなりに成功したように思われます。今回のアルバム、楽曲的にはいつものSUEMITSUらしい曲が多かったのですが、この多彩なゲスト参加の結果、楽曲にバリエーションが生まれ、最後までダレずに聴くことが出来ました。

個人的には73分というアルバムの長さはちょっと長すぎる印象はあります。彼のようなこってりサウンドのアルバムはもうちょっとシンプルにまとめた方が良いと思うのですが。そのマイナス点はあったのですが、久々のアルバム、十分に楽しめる満足いく内容になっていました。とても心地よい良質なピアノロックが楽しめる作品です。

評価:★★★★★

末光篤(SUEMITSU&THE SUEMITH) 過去の作品
Shock On The Piano
Best Angel for the Pianist-SUEMITSU&THE SUEMITH 05-08-
Dear Grand Piano
For Your Pianist
色彩協奏曲 Colors Of Concerto


ほかに聴いたアルバム

あねこみあほい/馬喰町バンド

日本の民謡やわらべ唄を楽曲に取り入れた独特の音楽性が話題となっている馬喰町バンドの5枚目となるアルバム。以前、ライブは一度見たことがあったのですが音源を聴くのはこれがはじめて。楽曲はまさにわらべ唄や民謡をそのままバンドサウンドにのせたようなスタイルがユニーク。メロのバリエーションがちょっと少ないような印象を受けるのは残念ですが、一方ではどこかジャズ的な要素も感じられる独特のグルーヴ感がとてもおもしろさを感じます。独自性あるそのスタイルは今後も注目していきたいところでしょう。

評価:★★★★

アシンメトリe.p./ねごと

4曲入りのEP盤。ここ最近の彼女たちはシンセのサウンドをメインにそこにバンドサウンドが重なるというスタイルを確立してきましたが本作は完全にエレクトロサウンドのポップチューンに仕上がっています。ある意味、さらにふっきれた感じ。次のアルバムはこの方向性を突き進むのでしょうか。注目したいところです。

評価:★★★★

ねごと 過去の作品
Hello!"Z"
ex Negoto

"Z"OOM
VISION

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2016年12月10日 (土)

「映画」のようなアルバム

Title:24K Magic
Musician:Bruno Mars

日本でも大ヒットした前作「Unorthodox Jukebox」から4年、アメリカのシンガーソングライターBruno Marsの待望となるニューアルバムがリリースされました。Bruno Marsといえばデビューアルバム「Doo-Wops & Hooligans」が大ヒットを記録、一躍注目を集めましたが個人的にはこのアルバムに関して、平凡であまりおもしろくない、という印象を受けていました。しかしそれに続く前作「Unorthodox Jukebox」は一転、非常に良質なソウルアルバムへと成長を遂げており、一気に気になるシンガーとなりました。

そしてリリースされた待望のニューアルバム。うーん、まずこのジャケット写真が微妙(苦笑)。正直、ちょっとダサジャケって感じも。さらにタイトルが「24K Magic」・・・なんとなく微妙なものを感じます。

が、しかし肝心の内容については今回のアルバムも前作に続き、非常に良質なポップソングが並んでいました。今回のアルバムに関しては比較的ファンキーな楽曲が多かったように感じます。例えばいきなり1曲目に配置されたタイトルチューン「24K Magic」に続く「Chunky」とファンキーなナンバーが続きます。ここらへんは彼が影響を受けたPrinceやマイケル・ジャクソンあたりからの影響が強く感じます。さらにそれに続く「Perm」はまさにJBばりの踊りだしたくなるようなファンクナンバーに突入。ホーンセッションも入ってご機嫌なこのナンバーに断然テンションもあがっていきます。

その後の中盤以降はメロウで聴かせるナンバーが続きます。特に「Versace On The Floor」「Straight Up&Down」はメロウで美しいメロディーラインが強いインパクトを持つナンバー。ここらへんは80年代あたりのブラックコンテンポラリーあたりを彷彿とさせる楽曲に仕上がっていました。

ラストを締めくくる「Too Good To Say Goodbye」はあのベイビーフェイスと共作した90年代R&B風ナンバー。こちらもメロディーが心に響く楽曲で、非常に美しいポップソングで締めくくっています。

今回のアルバム、ファンキーな楽曲がメインながらも全体的にはポップでメロディアス、ちょっと懐かしさを感じる80年代から90年代のR&B風の楽曲でまとまっているアルバムに仕上がっていました。本人も今回のアルバムに関しては「『映画』を作りたいと思った」と語っていますが、一本の映画のようにアルバム全体に流れを感じさせる統一感ある作品に仕上がっていたと思います。

Bruno Marsのポップシンガーとしてのセンスがフルに発揮された傑作。ちょっと懐かしさのあるメロデイーラインはアラサー、アラフォー世代まで壺にはまりそう。今回も日本でもアルバムがロングヒットを記録していますが、確かに爆発的なヒットというよりは徐々に広まっていきそうなそんな訴求力ある内容に仕上がっていたと思います。幅広い層にお勧めできる非常に良質なポップアルバムの傑作です。

評価:★★★★★

Bruno Mars 過去の作品
Doo-Wops & Hooligans
Unorthodox Jukebox

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2016年12月 9日 (金)

名古屋発、期待のガレージロックバンド

Title:正しい夜明け
Musician:ビレッジマンズストア

名古屋を中心に活動を続ける5人組ガレージロックバンドによる全7曲入りのミニアルバム。一応名前だけは知っていた、という程度のバンド。名古屋のバンドということで気になり、ほとんど前情報なしで聴いてみました。

で、これが大正解!予想していた以上に非常にカッコいいアルバムに仕上がっていました。まずそのガレージロックのサウンドがカッコいい!シンプルながらもとてもタイトなギターサウンド。ファンキーなサウンドをゴリゴリと聴かせる「ビレッジマンズ」やどこかくすんだ雰囲気のへヴィーなサウンドを疾走感もって聴かせる「スパナ」あたりがまずは文句なしのカッコよさを聴かせてくれます。一方で「帰れないふたり」のようにモータウンビートで軽快に聴かせてくれるナンバーもあったりします。

このガレージサウンドのカッコよさもさることながら彼らのもうひとつ大きな魅力がメロディーライン。前述の「ビレッジマンズ」なんかもそうなのですが、どこか哀愁感あって懐かしい歌謡曲的なメロディーラインが大きな特徴になっています。特に「WENDY」「PINK」といったメジャーコード主体のアップテンポな曲に関してはどこか90年代初頭あたりのJ-POP的なメロディーラインを感じます。ここらへん、個人的には学生時代によく聞いていたポップスロックのミュージシャンを彷彿させられて非常に壺。オーバー30からアラフォー世代にとってはとても耳さわりのよい懐かしさを感じさせるメロディーになっているのではないでしょうか。

このエッジの効いたガレージサウンドとポップなメロディーラインのバランスの良さがとても見事。ゴリゴリのガレージバンドでありながらもポップなメロによって聴きやすい楽曲にまとめられています。一方では、ともすればJ-POP的でベタとも捉えられそうなメロにも関わらず、非常にカッコいいバンドサウンドがのってくることによってしっかりと聴かせるロックンロールナンバーに仕上げてきています。

また個人的には名古屋のバンドということで歌詞に地元ならではの地名などが登場してくるのがうれしいところ。具体的に言うと「WENDY」の中に「鶴舞線」という名古屋の地下鉄路線が登場してきます。若干唐突な登場で、なぜ鶴舞線?という感じもしなくはないのですが、やはり地元民としてはちょっとうれしくなってしまいます(笑)。

さほど大きな期待をせずに聴いたアルバムだったのですがこれが非常に素晴らしい傑作アルバムになっており、おもいがけないうれしい出会いとなりました。ビレッジマンズストア、この名前、ロックファンなら覚えておいて損はないと思います。今後、知名度もぐんぐん伸びてくるかも。これからの活躍も楽しみなバンドです。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

white noise/TK from 凛として時雨

凛として時雨のボーカリストTKによるフルアルバムとしては3枚目となるソロアルバム。ダイナミックでドラマチックなバンドサウンドとメロ、歌い方も含めて焦燥感ある楽曲はある種必要以上のインパクトがある作品に仕上がっています。ソロ3作目なのですがTKとしての方法論は完全に確立されて大いなるマンネリ路線を感じさせるアルバム。期待通りの作品であり安心して楽しめるという意味では間違いないのですが、悪く言えば目新しさはありませんでした。

評価:★★★★

TK from 凛として時雨 過去の作品
flowering
contrast
Fantastic Magic
Secret Sensation

KTHEAT/FACT

昨年解散したロックバンドのラストアルバムとなってしまった8thアルバム。タイトルはメンバー全員の名前の頭文字を並べたものであり、そのタイトルからしていかにもラストアルバム的。内容的にもハードコア的な要素がより強く感じられるアルバムになっており、ライブ感もここ最近のアルバムに比べてより強くなっています。タイトルもそうなのですが、やはりラストアルバムということを意識したのでしょう、FACTとしてやれることをやり切った感のある傑作アルバムに仕上がっていました。

評価:★★★★★

FACT 過去の作品
FACT
In the blink of an eye
burundanga
witness
best+ 2009-2015

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2016年12月 8日 (木)

22年ぶりのベスト10入り

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

まず今週は3位から。The Rolling Stones「BLUE&LONESOME」がランクインです。オリジナルアルバムとしては2005年の「A Bigger Bang」より11年ぶりとなるオリジナルアルバム。ただ純然たるオリジナルではなく彼らが大きな影響を受けたブルースのカバーアルバムになっています。

初動売上は2万2千枚。残念ながらオリジナルアルバムとして前作の「A Bigger Bang」の4万枚(5位)から大きくランクダウンしていますが、これはCDの販売環境の違いが大きいでしょう。今回、見事ベスト3ヒットとなったのですが、これは2004年にリリースされた「Voodoo Lounge」以来22年ぶりという快挙となりました。まあ、比較的、強力盤が少ない週にリリースされた影響も大きいのですが・・・。

で、今週1位を獲得したのはジャニーズ系。ジャニーズWEST「なうぇすと」が1位を獲得。初動売上8万5千枚は前作「ラッキィィィィィィィ7」(2位)から横バイ。また、2位は先週1位RADWIMPS「人間開花」がワンランクダウンでベスト3をキープしています。

続いて4位以下の初登場盤です。まず4位、ASIAN KUNG-FU GENERATION「ソルファ」がランクインです。こちら2004年にリリースしチャート1位を獲得するなど大ヒットを記録した彼らの2ndアルバムを再レコーディングしたアルバム。そんな企画盤にも関わらず4位という好セールスを記録しています。初動売上は2万2千枚。前作「Wonder Future」の2万8千枚(4位)よりダウンしているものの、セルフカバーでありながらもオリジナルアルバムとほぼ同水準での売上というのはちょっと驚きです。

5位は韓国の女性アイドルグループAOAの日本では2枚目となるアルバム「RUNWAY」がランクインです。初動売上1万4千枚は前作「Ace of Angels」の2万1千枚(2位)からダウン。

6位初登場は加藤達也「TVアニメ『ラブライブ!サンシャイン!!』オリジナルサウンドトラック Sailing to the Sunshine」。タイトル通り、アニメキャラによるアイドルプロジェクト「ラブライブ!サンシャイン!!」のテレビアニメのサントラ盤。初動売上1万1千枚でこの位置。

7位にはへヴィーメタルバンド陰陽座「迦陵頻伽」がランクイン。前作は「風神界逅」「雷神創世」の2枚同時リリースで、その前作から2年2ヶ月ぶりとなる新作。初動売上は9千枚で、前作の「風神界逅」の1万枚(10位)、「雷神創世」の9千枚(11位)からほぼ同水準という結果になりました。

初登場最後は8位に中森明菜「Belie」がランクイン。主にJ-POPのナンバーをカバーしたカバーアルバム。ポルノグラフィティ「サウダージ」や斉藤和義「やさしくなりたい」などをカバーしていますが、かなり意外性あるところでエヴァンゲリオンのテーマ曲「残酷な天使のテーゼ」をカバーしたりしています。初動売上は9千枚。直近作はオリジナルアルバム「FIXER」でこちらの8千枚(7位)よりは若干のアップ。カバーアルバムとしての前作「歌姫4 -My Eggs Benedict-」の1万5千枚(5位)に比べるとダウンしてしまいました。

今週のアルバムチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2016年12月 7日 (水)

今年を代表するヒット曲が並ぶ

今週のHot 100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週は新譜が比較的少ないチャートとなっていました。そんな中、今年を代表するヒット曲が2位から4位にズラリと並び目を惹きました。まず2位に星野源「恋」。先週1位を獲得しましたが今週は残念ながらワンランクダウン。ただCD販売・ダウンロード・ストリーミング数(以下「実売数」)、PCによるCD読取数で2位、Twitterつぶやき数、You Tube再生回数で1位を獲得しており、まだまだロングヒットは続きそう。そして3位にピコ太郎「ペンパイナッポーアッポーペン」が先週の4位からランクアップしてベスト10返り咲き。You Tube再生回数1位は星野源に譲りましたが、いまだに2位をキープ。Twitterつぶやき数でも4位を記録しており、こちらもまだまだ人気が続いています。さらに4位はRADWIMPS「前前前世」が先週の6位からランクアップ。これでランクインは23週目。19週連続トータル20週目のベスト10ヒットとなりました。

一方、今週1位を獲得したのはAKB系。欅坂46「二人セゾン」が先週の26位からCD発売にあわせてランクアップ。清純派志向のアイドル歌謡曲。実売数、PCによるCD読取数で1位、Twitterつぶやき数で2位、ラジオオンエア回数で7位を記録しています。オリコンでも初動売上44万2千枚で1位獲得。前作「世界には愛しかない」の32万3千枚(1位)よりアップ。

ある意味このグループとは対照的なE-Girls「Go!GO!Let's Go!」が5位に初登場。実売数4位、PCによるCD読取数9位、Twitterつぶやき数7位と上位に入ってきたもののラジオオンエア数16位がマイナス要因となりました。オリコンでは初動2万4千枚で2位初登場。前作「Pink Champagne」の6万6千枚(2位)から大きくダウンしてしまっています。

実は今週初登場はこれだけ。一方、ベスト10返り咲き組も2曲ランクインしています。三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE「Welcome to TOKYO」が先週の13位からランクアップしベスト10入り。2週ぶりにベスト10に返り咲いています。実売数は13位にとどまりましたがPCによるCD読取数6位、You Tube再生回数5位がプラス要因として働いたようです。

もう1曲、SMAP「世界に一つだけの花」が先週の19位からランクアップし9位にランクイン。11月21日付チャート以来3週ぶりのベスト10返り咲きとなりました。これは12月8日の稲垣吾郎の誕生日に向けて購買運動が加速している影響とか。実売数7位、Twitterつぶやき数3位以外は圏外となっていてまさに「CDを買っているだけ」の状態となっています。確かにSMAP人気を示す結果なのですが、これを「今ヒットしている曲」といえるのはかなり疑問。ちなみにオリコンでも今週2万枚を売り上げて3位にランクインしています。

今週のHot100は以上。アルバムチャートはまた明日。

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2016年12月 6日 (火)

がんばりすぎ その2

Title:P.L.Y
Musician:illion

今年を代表する大ヒット映画となった「君の名は。」。映画と共に大きな話題となったのはRADWIMPSの歌う映画主題歌でした。この映画主題歌により一気にRADWIMPSの知名度もアップ。今年の紅白歌合戦にも初出場を果たし、その名前はお茶の間レベルまで浸透しようとしています。

RADWIMPSとしても「君の名は。」のサントラ盤をリリースしたり、さらには待望のニューアルバムをリリースしたりと積極的な活動を見せていますが、そんな中、なんとボーカル野田洋次郎のソロプロジェクトillionが再始動しました。2013年にアルバム「UBU」をリリース。それもイギリスで先行リリースされた他、海外でもリリースするなど大きな話題となったのは記憶に新しいところでしょう。その後、illionとしての目立った活動はありませんでしたが、RADWIMPSとしての活動が活発になってきた最中、illionとしてもニューアルバムのリリースとなりました。

その前作「UBU」は実験的で個人的な要素の強いアルバムになっており、ある意味ソロアルバムらしいソロアルバムになっていました。そして2枚目となる本作、実験的で個人的な要素が強いという点では基本的に前作から引き継いだアルバムと言えるでしょう。そういう意味で前作に引き続き、ソロアルバムらしいソロアルバムだったと思います。

1曲目「Miracle」はピアノとストリングスの美しい音色に透き通ったボーカルの美しいメロディーラインがのる幻想的で美しいポップチューン。続く「Told U So」「Hilight」はエレクトロビートの実験的なナンバー。「Hilight」ではラッパーS.L.A.C.K.が5lack名義で参加しています。

アルバム全体としてはエレクトロサウンドを大胆に取り入れた楽曲が多い作風。前作より方向性としては統一されている印象がある一方、やはりエッジの効いたサウンドが多く収録されていました。

ただ前作「UBU」では「がんばりすぎ」ということを強く感じました。意欲的な作品である一方、肩肘貼ったような印象を受けたのが前作でした。で、今回のアルバムに関しても同様、「がんばりすぎ」という印象を強く受けてしまいました。

おそらく「がんばりすぎ」と感じた大きな理由としてアルバム全体としていろいろとやりたいことを詰め込んだアルバムになっているということもあるのですが、その結果として「じゃあ、illionとして本当にやりたいことは何か」ということがいまひとつ見えてこないアルバムになっていたことが大きな要因のように感じました。

エレクトロサウンドにしても決して目新しい訳ではありませんし、かといって「こういう音がやりたい」という意思も薄く、ただなんとなく実験的っぽい音をやりたかったというチグハグなものを感じます。今回のアルバム、ポップなメロディーラインを聴かせる曲も多く収録されていましたが、かといってRADWIMPSみたいなインパクトあるポップスに仕上がっていた訳でもありません。

結果として「ただ実験的な雰囲気の曲が並んだアルバム」になっていたような印象を受けてしまいました。ポップのアルバムとして決して悪い訳ではありませんし、ポップなメロディーラインが中心に流れていただけに十分楽しめたアルバムだったと思います。しかし前作同様、がんばりすぎかつ頭でっかちという印象を強く感じてしまうアルバムになっていました。もうちょっと肩の力を抜いたポップスでいいんじゃないかなぁ。

評価:★★★★

illion 過去の作品
UBU


ほかに聴いたアルバム

NANIMONO EP/何者(オリジナル・サウンドトラック)/中田ヤスタカ

Perfumeやきゃりーぱみゅぱみゅのプロデュース、あるいはcapsuleとしての活動で知られる中田ヤスタカ。そんな彼が自身の名前でリリースしたアルバムがリリースされました。2枚組となる本作は、どちらも映画「何者」で使われた曲をあつめたもの。「NANIMONO EP」は主題歌「NANIMONO」とそのリミックスを収録した5曲入りEP。そしてもう1枚は同映画のサントラとなっています。

この「NANIMONO」、あの米津玄師をフューチャーして話題となりました。楽曲自体は良質なポップソングなのですが・・・あまり中田ヤスタカらしさが出ておらず、若干聴いていて消化不良に陥るような内容。米津玄師もあまり生かされていません。サントラ盤の方もいまひとつ。まあ映画のサントラなので必要以上に自己主張は要求されないのですが、それにしても平凡なBGM的な内容で中田ヤスタカらしさはこちらもあまり感じられません。全体的に中田ヤスタカのイメージで聴くとガッカリするような内容かも。ちょっと残念でした。

評価:★★★

daydream/Aimer

ソロ女性シンガーAimerの4枚目となるソロアルバム。「機動戦士ガンダムUC」の主題歌を歌ったためイメージ的には「アニソン歌手」というイメージも強いのですが今回のアルバムではONE OK ROCKのTakaや凛として時雨のTK、RADWIMPSの野田洋次郎といった作家陣を起用し、むしろサブカル(というかロケノン系)寄りの方向性を感じさせるアルバムに。私もその「意図」にのっかかってはじめて彼女のアルバムを聴いてみました。

楽曲はバンドサウンドによるギターロックのダイナミックな演奏に感情込めて歌い上げるボーカルというスタイル。感情たっぷりの彼女のボーカルは魅力的ではありますが、サウンド的にはよくありがちなギターロックといった感じですし、全体的に感情過多な感じもします。Aimerだけが持っているような「これ」といった要素もあまり感じされず、作家陣の知名度にのっかかっている印象も。悪いシンガーではないと思うけど、もうちょっとプラスアルファが欲しいかな、と思うような作品でした。

評価:★★★

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2016年12月 5日 (月)

黒さが目立つ

Title:HERE
Musician:Alicia Keys

間違いなくアメリカを代表する歌姫の一人、Alicia Keys。結婚、出産を経験して初となるアルバムである前作「Girl On Fire」から約4年、待望となるニューアルバムをリリースしました。その後、2015年には2度目となる出産を経験。しばらく家庭と両立した活動を続けてきたようですが今年5月に本格的にシーンに復帰。続けてアルバムのリリースとなりました。

まず今回のアルバム、まず強く感じたのが黒い!ということ。イントロからスタートして2曲目はアルバムタイトルそのまま「The Gospel」。静かなピアノのアレンジをバックにゴスペル調のボーカルで力強く歌い上げ、歌姫健在をアピール。続く「Pawn It All」もドスの効いた歌声で静かに力強く歌い上げています。非常にソウル的な要素を感じさせる曲で、この曲もとても黒さを感じさせるナンバーになっています。

今回のアルバムは「原点回帰/故郷ニューヨークへのトリビュート」をテーマにしたとか。前作や前々作「The Element Of Freedom」はR&Bというよりもポップな色合いが濃いアルバムになっていましたが今回のアルバムは一転、R&B、さらにはソウルの色合いが濃いアルバムになっています。「原点回帰」ということもありデビュー当初の彼女のスタイルに近くなったよう。またジャケット写真も印象的で、アフロヘアの自然体な彼女を映した写真は彼女のブラックとしてのパーソナリティーを強調した印象を与えます。非常にスタイリッシュな写真を用いた前作「Girl On Fire」とは対照的なジャケットとなっています。

また黒さを前面に押し出した楽曲はその後も続きます。「Illusion Of Bliss」は70年代あたりのサザンソウルの要素も強く感じるソウルナンバー。いかにもなエレピのリズムに力強いボーカルがのったナンバーになっており、今回のアルバムの中でも特に黒さを感じさせる楽曲になっています。

その後も基本的にソウルフルに歌い上げるタイプの曲が多く、彼女の力強いボーカルが印象的な曲が並びます。アルバム全体としては比較的彼女の歌とメロディーを聴かせるようなシンプルな曲が多く、それだけに彼女のボーカルが強い印象に残るアルバムに仕上がっていました。

個人的にはここ数作のポップス路線のアルバムに関してはあまり満足していなかっただけに今回の方向性はとてもうれしく感じました。特にソウルフルで力強い彼女のボーカルには何度もゾクゾクっとさせられます。間違いなく彼女の才能がこれでもかというほど発揮された傑作。とても黒い彼女の楽曲に魅了される1枚でした。

評価:★★★★★

Alicia Keys 過去の作品
As I Am
The Element Of Freedom
Girl On Fire

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2016年12月 4日 (日)

小室哲哉フォロワーというイメージが強いのですが

Title:THE BEST WORKS OF DAISUKE ASAKURA quarter point
Musician:浅倉大介

今の若い世代にとってはT.M.Revolutionのプロデューサー、というイメージが強いのでしょうか、今年デビュー25周年を迎えた浅倉大介によるオールタイムベスト。彼がミュージシャンとして参加したaccessやIceman、あるいは浅倉大介ソロ名義の楽曲から、藤井隆や木村由姫、さらには中森明菜など彼がプロデュースを手掛けた楽曲まで発表順に並んでおり浅倉大介の25周年の活動の軌跡をたどれるアルバムとなっています。

正直言ってしまうとTM NETWORKリスナー世代からすると浅倉大介のイメージは「なんちゃって小室哲哉」「劣化版小室哲哉」(苦笑)。特に初期の作品に関しては小室哲哉からの影響がかなり露骨。打ち込みの音の使い方はもちろんなのですが、メロディーの展開や符割りまで小室哲哉のフォロワー的に徹しています。本作に収録されている宇都宮隆「KiSS Will Kill me」など下手なTM NETWORKの曲以上にTM NETWORKらしい楽曲になっています。

ただ彼がデビューした直後、小室哲哉のファンから彼の評判はあまり芳しいものではなかったように思います。まあそうでしょうね、あまりに小室哲哉そのまんまのサウンド、でもやはり本家本元と比べると物足りなさを感じてしまいます。ストレートなエレクトロサウンドが個人的には壺をついていたため私個人は彼の曲を聴いていたものの、私自身も小室哲哉と比べると・・・という印象を強く持っていました。

しかしそんな評価を得つつも、25年経った今も彼は第一線で活躍し続けています。その理由は彼のサウンドがあまりにも愚直にわかりやすさを貫き続けていることのように感じます。この点は小室哲哉に比べると顕著でしょう。小室哲哉は当初のテクノポップ路線からR&B、ジャングル、あるいはトランスといった感じで最先端の音を追及しようとしていきました。その結果、一時期は「小室系」と呼ばれる一大ムーブメントをつくりあげましたが徐々に失速。最終的にはご存じの通り詐欺容疑でつかまるという転落劇が待ち受けていました。

一方彼に関しては確かにサウンドに関しては徐々に変化しています。特にこのアルバムの2枚目になるとトランスの要素が強くなり、初期の小室哲哉そのまんまという要素はさすがに消えていきます。ただ基本的にはわかりやすいエレクトロポップ路線という意味ではデビュー当初からほとんど変わっていません。耳なじみある四つ打ちのサウンドオンリーで、良くも悪くもベタな楽曲。まずは聴きやすい誰もが楽しめるポップというのが第一に来ており、アーティスト性というのは二の次になっています。おそらく初期の作品が好きな方なら最近の作品も難なく受け入れられるでしょうし、最近の作品が好きな方でも初期の作品は難なく受け入れられるでしょう。こういう「変わらなさ」が25年間、第一線で活躍できる理由のように感じました。

ただ今回のベスト盤で非常に残念だったのは、おそらく「大人の事情」がからむのでしょうが、彼の仕事のうちもっとも重要であると思われるT.M.Revolutionの曲が1曲も収録されていない点。T.M.Revolution結成前夜にリリースされた浅倉大介 expd. 西川貴教名義の「BLACK OR WHITE?」は収録されていますが、T.M.R結成後の曲は収録されていません。これは非常に残念。せめて1曲くらいは収録してほしかったのですが・・・。

楽曲的には目新しさもないスクエアな四つ打ちトランスナンバーなので受け入れられない方も少なくないかもしれませんが、T.M.Revolutionのようなベタなエレクトロナンバーが実は好き、という方はなにげに楽しめるアルバムだと思います。あとやはり藤井隆の「ナンダカンダ」は無条件で名曲ですね、これは。

評価:★★★★

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2016年12月 3日 (土)

とても濃い6曲

Title:blue
Musician:androp

前作のアルバムタイトルがセルフタイトルの「androp」。その後初となるベストアルバムをリリース。さらにはいままで在籍した事務所を離れ自身の事務所「image world」を設立。いわばいままでの活動に一区切りつけ新たな一歩を踏み出したといっていいでしょう。そんな彼らの約1年2ヶ月ぶりとなるニューアルバムが本作となります。

そんな新たな一歩となった本作はわずか6曲22分という長さの事実上のミニアルバム。しかしこの6曲がそれぞれ六様のスタイルを持った楽曲になっていました。1曲目「Kaonashi」はノイジーなギターのダイナミックなサウンドに複雑なリズムパターンが印象的。悲しみがあふれるメロも印象に残るナンバーになっています。続く「Irony」は比較的シンプルなギターロック。ただこちらも切なさを感じるメロディーラインが印象的な曲となっています。

続く「Digi Piece」は一転、ファンキーなリズムのエレクトロディスコチューン。「Sunny day」はファンキーなベースがインパクトのファンクロックナンバー。続く「Kienai」は比較的シンプルなギターロックナンバーになっていますが、ラストの「Lost」はピアノで静かにスタート。途中からノイジーなギターが加わりつつ、エフェクトかかったボーカルで悲しくも美しく歌い上げるナンバーに仕上げています。

そんな6曲それぞれ違うスタイルで聴かせてくれる今回のアルバム。メロディーはどれも物悲しく、歌詞も世の中をどこか悲しい視点から見つめた内容が印象的。そういう意味では一本の筋は通った作品になっていますが、アレンジの方向性はかなりバラバラな作品になっており、かついままでのandropの作風からも異なる、いわば挑戦的な作品になっていました。

それだけにファンの間でもかなり賛否がわかれるアルバムになっているようです。ただ私の感想としては今回のアルバム、かなり満足の行くアルバムでした。あえていえば同じく挑戦的に感じた「one and zero」に近いタイプと言えるかもしれませんが、彼らのいままでの作品、特にここ数作に関してはよくありがちなギターロックといった印象が強く、無難なギターロックに終わっており、いまひとつインパクト不足という印象が否めませんでした。

そのため今回のアルバムはそんなここ最近の彼らの状況を打破しようとする姿勢が強く感じられる作品で、新たな一歩を踏み出した彼らにふさわしいアルバムになっていたと思います。わずか6曲入りのアルバムながらも内容も非常に濃い内容にこれからの活躍も楽しみになってくる傑作でした。

評価:★★★★★

androp 過去の作品
door
relight
one and zero
period
androp
best [and/drop]

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2016年12月 2日 (金)

これはこれで・・・

Title:愛のゆくえ
Musician:きのこ帝国

メジャーデビュー作となる前作「猫とアレルギー」は正直言ってしまって非常にガッカリしたアルバムでした。きのこ帝国といえばインディーズ時代、シューゲイザー直系のギターノイズで埋め尽くした幻想的ながらポップな作風が非常に魅力的なバンドでした。しかしメジャーデビュー作となった前作、その幻想的なギターノイズはほとんど消滅。平凡なメロディーラインのJ-POP風のギターバンドに成り下がってしまいました。

それなので今回のアルバムに関しても正直言ってほとんど期待はしていませんでした。冒頭を飾る「愛のゆくえ」はシューゲイザー直系のギターノイズに幻想的なメロディーラインが非常に魅力的な曲で、お、これは!と思ったのですが、続く「LAST DANCE」はシューゲイザー色が皆無な、どちらかというとシティポップとカテゴライズされそうなポップチューン。やはり平凡なポップスロックバンドになってしまったか・・・最初聴いた時はそう感じました。

ただその後聴き進めていくうちに、「これはこれかな」といった印象に徐々に変わっていきました。インディーズ時代の彼女たちのようなギターノイズが埋め尽くされるシューゲイザー直系バンドではありません。しかしどこかけだるさのある横ノリテイストの楽曲はインディーズ時代のきのこ帝国のイメージをしっかり引き継いでいるものはあり、これはこれできのこ帝国としての個性をしっかりと出しているように感じます。

例えばレゲエのリズムを入れ横ノリのリズムをけだるく聴かせる「夏の影」などはまさにこのパターン。「畦道で」も幻想的なギターサウンドと佐藤千亜妃の透き通るようなボーカルが非常に心地よいナンバーに仕上げています。さらにラストの「クライベイビー」はまたノイジーなギターが登場。シューゲイザー系としての側面を求める方にも楽しめそうなポップなナンバーになっています。

前作同様、J-POPテイストのポップスさが強く出たような曲もあり、(タイトルはJ-POPっぽくないのですが)「死がふたりをわかつまで」などはそんなポップス色が強く出た作品となっています。そういう意味では良くも悪くも「売り」も狙ったメジャーのアルバムだな、という印象は本作でも抱きました。

ただ上でも書いた通りアルバム全体としてはきのこ帝国としての個性も出ており、これからの彼女たちの方向性はこれなんだな、と納得感のあるアルバムになっていたと思います。シューゲイザー好きとしてはこの方向転換は若干残念なのですが・・・もっともけだるく幻想的な楽曲はシューゲイザーフォロワーとしてきのこ帝国を支持していたリスナーも十分楽しめる方向性ではないでしょうか。

とりあえずメジャー2作目できのこ帝国としての新たな方向性が示せたのではないでしょうか。これはこれでもちろん賛否はわかれそうなところなのですが・・・・とりあえずこれからの彼女たちの活躍に期待したいところでしょう。

評価:★★★★

きのこ帝国 過去の作品
渦になる
eureka
ロンググッドバイ
フェイクワールドワンダーランド
猫とアレルギー

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2016年12月 1日 (木)

「君の名は。」効果は?

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週は大ヒット映画「君の名は。」で一躍注目を集めたバンドの新作が1位を獲得しています。

1位初登場はRADWIMPSのニューアルバム「人間開花」。映画「君の名は。」の音楽を担当し一躍注目を集め、今年の紅白歌合戦の初登場も決まっています。その「君の名は。」の主題歌のうち「前前前世」と「スパークル」はOriginal Ver.として収録。ただ「夢灯籠」と「なんでもないや」は収録されていません。

あれだけ大ヒットした「君の名は。」の後のオリジナルアルバム。それだけに「君の名は。」でRADWIMPSの曲を知った人がRADWIMPSのオリジナルアルバムにまで手にとるのか、その売上に注目が集まりました。結果は初動売上20万3千枚。オリジナルアルバムとしての前作「×と○と罪と」の7万6千枚(2位)から大きくアップ。先日リリースした「君の名は。」のサントラ盤での1位獲得はありましたが、オリジナルアルバムとしての初の1位獲得。間違いなく「君の名は。」効果が出た結果となりました。なお、その「君の名は。」サントラ盤は初動5万7千枚(1位)でしたのでこちらからも大きくアップしています。

ただし2009年にリリースした「アルトコロニーの定理」の初動21万3千枚よりは下回っており、そういう意味では残念ながら全盛期の勢いを取り戻すまでにはいかなかった模様。ちなみに「君の名は。」の方もまだロングヒットを続けており今週も7千枚を売り上げ14位にランクんしています。

2位3位には今後、ロングヒットの予感がしそうなアルバムが並びました。2位は中島みゆきのベスト盤「中島みゆき・21世紀ベストセレクション『前途』」が先週から変わらずランクインです。売上枚数こそ4万5千枚から1万6千枚と大きく落としたものの、それでも根強い人気を感じます。おそらく熱心なファン以外でも気になって手に取る人が多いからこそ、2週目にも関わらず多い売上をキープできるんでしょうね。

で3位はBruno Mars「24K Magic」が先週の6位からランクアップし2週目にしてベスト3入り。こちらは先週の2万枚から1万5千枚と落ち込みも最小限に抑えています。前作「Unorthodox Jukebox」の記録した最高位5位を上回る結果に。ちなみにアメリカビルボードチャートでも見事2位を記録しています。

続いて4位以下の初登場盤です。まず4位には大黒摩季「Greatest Hits 1991-2016 ~All Singles +~」がランクイン。2010年に子宮疾患の治療のため活動休止していた彼女が6年ぶりに活動を再開。その彼女のオールタイムベストがリリースされました。

1990年代に一世を風靡したビーイング系の代表的なミュージシャンの一人として数多くのヒット曲をリリースしてきた彼女。その後2001年にビーイングを脱退し、新たな事務所での活動を続けてきましたが、その後はかつてのような大きなヒットには恵まれませんでした。それが活動再開後、なんとビーイングに復帰。ビーイングとの間には歌詞の表記問題(詳しくはこちらを参照)みたいな軋轢を感じさせるような出来事もあり、またビーイングはどうもミュージシャンを一方的画一的に管理するような方向性があるため多くのミュージシャンがビーイングを離れてしまう傾向にある中、彼女がビーイングに復帰というのはかなり意外に感じました。そんな復帰があったからこそオールタイムベストのリリースが可能となったのでしょう。初動売上は1万3千枚。直近のオリジナルアルバム「すっぴん」は初動3千枚(29位)でしたので、そちらよりは大きくアップしています。

5位初登場は久保田利伸「THE BADDEST ~Collaboration~」がランクイン。今年6月デビュー30周年を迎えた久保田利伸。彼が他のミュージシャンたちとコラボを組んだ楽曲を集めたコラボベストが本作です。初動売上1万2千枚。残念ながら直近のオリジナルアルバム「L.O.K.」の2万1千枚(3位)よりダウン。ベスト盤としての前作「THE BADDEST~Hit Parade~」の9万8千枚(2位)よりもダウンしています。

6位には鈴華ゆう子「CRADLE OF ETERNITY」が入ってきました。和楽器バンドのボーカリストによるソロデビュー作。初動売上は1万1千枚。和楽器バンドとしての直近作「八奏絵巻」の3万6千枚(1位)よりは大きくダウンしていますが、ソロとしてのデビュー作としてはそこそこ健闘という結果ではなかったでしょうか。

初登場最後8位には名古屋を拠点に活動を続けるラッパーAK-69「DAWN」が入ってきました。初動売上9千枚。直近作はライブ盤「HALL TOUR 2015 FOR THE THRONE FINAL-COMPLETE EDITION-」でこちらの5千枚(10位)よりはアップ。直近のオリジナルアルバム「THE THRONE」の初動1万枚(8位)よりは若干のダウンとなりました。

今週のアルバムチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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