初期ZEPPET STOREを彷彿
Title:REVERB
Musician:ZEPPET STORE
今年、メジャーデビュー20周年を迎えたZEPPET STORE。2011年の再結成後は積極的な活動とコンスタントなアルバムリリースが続いていますが、その20周年の記念すべき年に2年8ヶ月ぶりとなるニューアルバムがリリースされました。
再結成後は昔の勢いがよみがえったかのごとく傑作をリリースし続ける彼ら。特に前作「SPICE」は全盛期を彷彿とさせる充実作に仕上がっていましたが、それに続く本作もデビュー20周年にして今なお・・・というよりも今だからこその勢いを感じる作品に仕上がっていました。
楽曲は比較的シンプルなオルタナ系ギターロック。1曲目を飾る「Flower」も、続くタイトルチューン「Reverb」もギターのノイズが心地よいロックチューンなのですがサウンドの方は比較的シンプル。そのメロディアスなメロディーラインを聴かせる構成になっています。続く「J.A.S.S.」はよりギターのノイズが前面に、「Dig Up」ではバンドサウンドがダイナミックに構成されているものの、楽曲にしっかりと「歌」が流れているという事実は変わりません。
アルバムは基本的に全編、メロディアスなギターロックナンバー。「Raindrops Of Tear」のような打ち込みからスタートし、サイケにアレンジされたナンバーや、「In The Slumber」のような全編ホワイトノイズで埋め尽くされたシューゲイザー趣味全開の曲もありますが、比較的軽いギターサウンドの曲が多く、イメージ的には初期の彼らを彷彿とさせるものがありました。
この初期の彼らの彷彿させられるのはギターサウンドだけではありません。今回のアルバムの歌詞は全英語詞となっておりこれぞまさに最初期のZEPPET STOREのスタイル。アルバム全体の洋楽テイストも強め。デビュー20周年ということもあり、原点回帰をはかったアルバムと言えるかもしれません。
また2005年の解散直前は一度ブレイクした後、伸び悩んだ売上を意識してか、どこかアルバム毎に迷いを感じたのですが、再結成後の作品についてはどれものびのびとして、本当に彼らがやりたいことをやっているという印象を受けます。再結成後のアルバムがいずれも再び勢いを取り戻してきているのはそんな彼らがやりたいことをやっている、というところから来るのかもしれません。まだまだこれからも傑作が続きそう・・・これからの活躍もますます楽しみになってくるアルバムでした。
評価:★★★★★
ほかに聴いたアルバム
MUSIC/Polaris
ミニアルバムのリリースはあったものの、フルアルバムとしては実に9年ぶりとなるニューアルバム。久しぶりのアルバムなのですが、基本的には以前のPolarisと変わらない雰囲気。ほどよく幻想的なサウンドにポップなメロディーライン。このサウンドとメロディーラインのバランスが絶妙で非常に心地よいアルバムに仕上がっていました。
評価:★★★★★
ALL TIME BEST VOCALIST/徳永英明
大ヒットを記録した徳永英明の「VOCALIST」シリーズ。本作はその全シリーズから代表的なカバーを収録した「VOCALIST」のベストアルバム。基本的にはピアノやストリングスを用いたシンプルなアレンジの曲が多いのですが、それだけに楽曲そのものが持つ魅力と徳永英明のボーカルが映えるカバーになっています。あらためて聴くと、彼自身歌いなれてきたというのもあるかもしれませんが、彼の中性的でありながらもかすれた声色が独特の渋みを感じさせるボーカルが女性ボーカル曲にピッタリマッチしています。あらためて同シリーズが好企画だったなということを感じさせると共に、あれだけの大ヒットとなったのも納得できるベスト盤でした。
評価:★★★★★
徳永英明 過去の作品
SINGLES BEST
SINGLES B-Side BEST
WE ALL
VOCALIST4
VOCALIST&BALLADE BEST
VOCALIST VINTAGE
STATEMENT
VOCALIST 6
ALL TIME BEST Presence
Concert Tour 2015 VOCALIST&SONGS 3 FINAL at ORIX THEATER
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