4年ぶりの新作で原点回帰
Title:DAY BREAKS
Musician:NORAH JONES
ちょっと久しぶりとなるNorah Jones単独名義では4年ぶりのニューアルバム。日本でも積極的にテレビなどへの出演でプロモーションを行っていたようですが、正直久々のアルバムなので売上的にはちょっと厳しいかな、とも思ったのですが、チャート的には初動売上で前作「Little Broken Hearts」を上回るという好セールスを記録。海外でもビルボードチャートでは見事2位を記録するなど、根強い人気を感じさせる結果になっています。
今回の好調な売上のおそらく大きな要素となっているのが新作の作風。前作「LITTLE BROKEN HEARTS」がプロデューサーにDANGER MOUSEを起用し、今風なサウンドを取り入れた内容が話題となりましたが、一方ではNorahらしからぬサウンドメイキングに賛否両論が生じた作品でした。
それに対して本作は原点回帰といった作品。彼女のデビュー時の作風であるピアノで叙情感たっぷりに聴かせるジャジーな楽曲が復活しています。まず1曲目の「Burn」。ジャジーなピアノで静かにはじまりつつ、ウッドベースが静かに重なるインスト。そこにNorahのムーディーな歌がはじまる展開・・・うーん、そうそう、Norah Jonesってこうだよな!とうれしくなります。
続く「Tragedy」もまさにNorah Jonesらしい作品。ジャジーなピアノにメロディアスなメロディーラインと彼女の歌声はちょっとソウル風。なによりも歌をしっかり聴かてくれるボーカルでシンプルながらも心に染み入るナンバーに仕上がっています。
他にもピアノでしんみり聴かせてくれる「And Then There Was You」は優しいピアノの音色と彼女の歌声に心がやすらぐ名バラードに仕上がっていますし、「Peace」も途中にサックスの音色が響くジャジーなサウンドが耳を惹かれます。なによりもアルバム最後を締めくくる先行シングルにもなった「Carry On」が名曲。ピアノとエレピが印象的なソウルバラード。そのサウンドも彼女の歌声も私たちを優しく包んでくれるようで、とても心に染みいってくる作品に仕上がっています。
基本的にどの楽曲もジャズやソウル風の非常にシンプルなアレンジで、あくまでも歌とメロディーを聴かせることに主眼を置かれた作品になっています。そのため目新しさといったものは感じませんが、Norah Jonesというミュージシャンの魅力を再認識できる傑作に仕上がっていました。Norah Jonesのコアな部分をあらためて提示したアルバムともいえるかもしれません。歌というもののすばらしさを率直に感じられる傑作でした。
評価:★★★★★
NORAH JONES 過去の作品
THE FALL
...FEATURING NORAH JONES(ノラ・ジョーンズの自由時間)
LITTLE BROKEN HEARTS
COVERS(カヴァーズ~私のお気に入り)
foreverly(BILLIE JOE+NORAH)
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