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2016年11月22日 (火)

意味深なアルバムタイトルですが・・・。

Title:アトム 未来派 No.9
Musician:BUCK-TICK

約2年3ヶ月ぶりとなるBUCK-TICKのニューアルバム。20枚目となる本作はかつて所属していた古巣ビクターへの復帰第1弾となるアルバムだそうです。まずなかなか気になるのが「アトム 未来派 No.9」というタイトル。飛行機を見上げるスタイルのモノクロのジャケットも印象的ですし、このアルバムタイトルも昨今の情勢から考えると、原発や憲法第9条を彷彿させるようなタイトルとも取れます。

もっともインタビュー記事ではそのような深読みは否定。むしろちょっと不思議なタイトルの楽曲群を含めて「隙のあるアルバム」を意図したらしく、そのような「深読み」はまさに彼らの「罠」にはまってしまった感じもします。もっとも、そういう隙をあえてつくってくる彼らの遊び心にベテランらしい余裕を感じさせます。

ベテランらしいといえば彼らの前作「或るいはアナーキー」はベテランらしい安定感のある良作に仕上がっていました。結成から30年以上経つ、まさに大ベテランバンドの彼ら。良くも悪くもベテランらしい安定感のあるアルバムが続く、そんなイメージが彼らにはありました。

しかし今回のアルバム、そんなベテランらしい安定感がありつつも一方ではここに来てバンドとしての勢いを再び感じるようなアルバムになっていました。特に前半で展開されるエレクトロサウンドを積極的に取り入れた楽曲にそんな勢いを感じます。打ち込みにバンドサウンドをかさねてダイナミックで疾走感あふれる「PINOA ICCHI-躍るアトム-」にエレクトロなダンスチューン「美 NEO Universe」など、あまり流行を追いすぎない程度にほどよく今風のサウンドに仕上げており、ちょっと耽美的なメロディーラインとあわせてBUCK-TICKらしいエレクトロロックを展開しています。

後半はもうちょっと彼ららしい耽美的なメロディーが前に出てくるナンバーが続きます。「THE SEASIDE STORY」などはメロディーや歌詞はベタな歌謡曲路線なのにアレンジがエレクトロサウンドという微妙なバランス感覚がユニーク。「Cuba Libre」はラテンのリズムを取り入れて哀愁たっぷりなメロディーラインを聴かせます。後半はよりメロディーを前に押し出したような楽曲は続きますが、前半とは異なるBUCK-TICKの魅力を感じる展開になっていました。

アルバム全体、バラエティーに富みつつBUCK-TICKらしさはもちろん健在。ベテランバンドらしい安定感はもちろん本作でも感じます。ただ一方で再びバンドとしての勢いを感じさせるアルバム。BUCK-TICKのオリジナルアルバムは基本的に追っかけているのですが、個人的にはここ数年のアルバムではベストの内容だったと思います。BUCK-TICKの底力を再認識させられた傑作でした。

評価:★★★★★

BUCK-TICK 過去の作品
memento mori
RAZZLE DAZZLE
夢見る宇宙
或るいはアナーキー


ほかに聴いたアルバム

俺よ届け/忘れらんねえよ

昨年11月にドラムの酒田耕慈が脱退し2人組となった忘れらんねえよ。その後、ベスト盤がリリースされその活動に一区切りをつけた彼らがリリースした新作。2人組となってはじめてのアルバムなだけにその内容は・・・・・・全く変わりませんでした(^^;;相変わらず徹底的にもてない男の独善的な恋愛論が語られる内容は引いてしまう方も多いかもしれませんが、同じようにもてない男(例えば私のような(笑))にとってはどこか共感できてしまう部分も。良くも悪くもストレートなパンクロックは相変わらずですが、2人組となっても全く変わらない彼らにはちょっとほっとしました(笑)。

評価:★★★★

忘れらんねえよ 過去の作品
忘れらんねえよ
空を見上げても空しかねえよ
あの娘のメルアド予想する
犬にしてくれ
忘れらんねえよのこれまでと、これから。

ひろコーダー☆栗コーダー/谷山浩子と栗コーダーカルテット

今年(なんと)還暦を迎える女性シンガーソングライター谷山浩子が栗コーダーカルテットと組んで谷山浩子の曲をセルフカバーしたアルバム。このアルバムではじめて知ったのですが、私が子供の頃聴いて耳なじみあった「恋するニワトリ」って谷山浩子の曲だったんですね・・・。やさしくほんわかした雰囲気の楽曲は栗コーダーカルテットの演奏に見事なまでに一致しており、これ1枚とはいわず今後もこの組み合わせで聴いてみたくなるほど。「ピヨの恩返し」のようなちょっとファンタジックで心暖まる歌詞も大きな魅力。なにげに谷山浩子ってアルバム単位でははじめて聴いたのですが、独特な谷山ワールドの魅力に魅了された1枚でした。

評価:★★★★★

栗コーダーカルテット 過去の作品
15周年ベスト
夏から秋へ渡る橋
渋栗(川口義之with栗コーダーカルテット&渋さ知らズオーケストラ)

遠くの友達
生渋栗(川口義之with栗コーダーカルテット&渋さ知らズオーケストラ)
羊どろぼう
ウクレレ栗コーダー2~UNIVERSAL 100th Anniversary~
あの歌 この歌
20周年ベスト

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