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2016年11月 4日 (金)

思い入れもある3rd

Title:BE HERE NOW(Deluxe)
Musician:oasis

2014年にデビュー20周年を記念してデビュー作「オアシス」のデラックス・エディションが、同じ年に「(What's The Story)Morning Glory」の同じくデラックス・エディションがリリースされて話題となりました。本作はそれに続くアルバム。oasisが世界的な現象となる1993年から97年を振り返る「チェイシング・ザ・サン」プロジェクトの一環としてリリースされた作品で、これがその最後となる第3弾アルバムだそうです。

ファンならご存じかと思いますがこのアルバム、いろいろといわくつきの作品。世界的大ヒットを記録した「(What' The Story)Morning Glory」の次に発売されたアルバムということで注目を集めたアルバム。リリースから3日間で70万枚を売り上げ、当時のイギリス史上最速の売上を記録しました。しかしその後売上を伸ばすことが出来ず、結果として全世界で800万枚の売り上げにとどまりました。

800万枚なら十分じゃないかと思うのですが、前作「(What's The Story)Morning Glory」が2,000万枚を超える売上を記録しただけに、そこと比べられてしまい「失敗作」という烙印が押されてしまった本作。特にノエル・ギャラガーがこのアルバムを酷評しており、2006年にリリースされたベストアルバム「Stop the Clocks」ではこの曲から1曲も選ばれず、今でも決して評価の高いアルバムではありません。

ただ私にとってはこのアルバムも思い入れのあるアルバムで、本作は新作のアルバムを発売当初に買いに行った洋楽でははじめてのアルバム。前作「(What's The Story)Morning Glory」でoasisを一気に好きになった私が(ちなみに同作は最初レンタルで聴いた上で後日CDを買いました)、発売当初にはじめて買ったoasisのアルバム。最初聴いた時はその内容を素直に楽しめただけに、後日、このアルバムが不評だということを聴いてそんなに悪いアルバムかなぁ・・・と思った記憶があります。

今回、本作のリリースを聴いて久しぶりに本作を聴いてみました。で、思ったのはこのアルバム、例えていうならばこの世のものとは思えないとてもおいしいお茶を入れた後の出がらしだなということでした。楽曲のタイプとしてはデビューアルバム「Definitely Maybe」、2ndアルバム「(What's The Story)Morning Glory」の延長線上にある作品。ほどよくノイジーでパンキッシュでメロディアス。癖のないストレートなギターロックの作品に仕上がっています。

ただインパクトという点では前2作に大きく届きませんし、捨て曲なしどの曲も神がかったようなメロディーラインが特徴的だった1st、2ndに比べると今ひとつな捨て曲も中にはあり、確かに「Definitely Maybe」「(What's The Story)Morning Glory」に比べると評価が1枚2枚落ちてしまうのは仕方ないかなとも思います。またアルバムの長さとして長すぎるというのもマイナスポイント。70分超えの本作、正直いまひとつな曲もあるだけにそれを削ればもうちょっと良くなったのに・・・とも思ってしまいました。

とはいえども比較対象がともすればロック史に残るだけの名盤であるだけに分が悪くなってしまっているのも事実。今聴いても決して悪いアルバムではありません。本作に収録されている「Stand By Me」「All Around The World」は間違いなくoasisを代表しうる名曲だと思いますし、かつての栄光を目指し若干迷走気味だった4thアルバム以降の作品に比べると十分、傑作と言える出来だったと思います。

ちなみに今回のデラックスエディションではDisc2にはこの時期のシングルのカップリング曲を中心に収録。Disc3には1996年はじめにカリブ海のマスティク島で録音したデモ音源が収録。Disc2のカップリング曲集に関してもやはり「Definitely Maybe」「(What's The Story)Morning Glory」期の頃の曲に比べると若干見劣りがしてしまう点は否めません。またDisc3のデモ音源は完成版に比べるとかなり音が軽い感じに。ただその分、肩の力の抜けた演奏を楽しめるデモ音源になっていました。

そんな訳で、いろいろと思うところの多い作品ではあるものの出来としては十分「傑作」といっていい出来だったのではないでしょうか。1枚目2枚目に比べると・・・という部分は確かにあるのですが、1枚目2枚目を気に入って、もし本作をスルーしていたとしたらちょっともったいないかな、そう感じるアルバムです。

評価:★★★★★

oasis 過去の作品
DIG OUT YOUR SOUL
Time Flies 1994-2009
Original 1993 Demos
Definitely Maybe (Remastered) (Deluxe)
(WHAT'S THE STORY)MORNING GLORY?(Remasterd)(Deluxe)


ほかに聴いたアルバム

The Story of Sonny Boy Slim(邦題:サニー・ボーイ・スリムの物語)/Gary Clark Jr.

前作「Black&Blue」が話題となった新進気鋭のブルースギタリストによる2枚目。今時のネオソウルの要素が強くなり、前作の持ち味であったギターサウンドがかなり薄味になってしまっているのが残念。そうやって取り入れたいまどきの要素も目新しさはなくおもしろみはない感じ。そんな訳でレビューサイトなどでも前作と変わって酷評の多いアルバムになってしまい、そのため最初聴くのに躊躇したのですが、ただ聴いてみると、確かに上記の通り、厳しいなぁと思うよな要素は多い反面、全体的にはポップに聴きやすいアルバムに仕上がっており、ロックンロールやファンクの要素を入れつつギターも聴かせる部分ではきちんと聴かせており、思ったよりは悪くはないかな、といった印象。とりあえず勝負は次の3作目か?

評価:★★★★

Gary Clark Jr. 過去の作品
Black&Blue

HITnRUN Phase One/Prince

今年4月、惜しまれつつこの世を去ったPrince。本作は、そのラストから2作目となるオリジナルアルバム。女性ボーカルも取り入れたファンキーなエレクトロビートが陽気に鳴り響く作品で、勢いと若々しさすら感じさせる作品。キャリア37年。本作が実に43作目となるオリジナルアルバムなのですが、いい意味でベテランとしてのキャリアを感じさせない現役感があります。それだけに、今年4月の急逝はあまりにもショックだったのですが・・・。最後の最後まで彼は第一線のミュージシャンだったんだな、と感じさせてくれるアルバムです。

評価:★★★★★

PRINCE 過去の作品
PLANET EARTH

ART OFFICIAL AGE
PLECTRUMELECTRUM

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