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2016年10月29日 (土)

再結成後2枚目のアルバム

Title:HEAD CARRIER
Musician:PIXIES

1980年代後半から90年代にかけて活躍。オルタナ系ギターロックバンドの先駆的存在としてシーンに多大な影響を与えたPIXIES。1993年に解散を発表したものの2004年に再結成。その後、ライブなどを中心に活動を続けてきたのですが2014年に23年ぶりとなるアルバムをリリース。そこからわずか2年、早くも再結成後2作目となるニューアルバムをリリースしてきました。

この2年前の前作に比べて大きく変わった点、それは紅一点女性メンバーパズ・レンチャンティンが大幅に参加している点でしょう。前作「Indy Cindy」ではキム・ディール脱退後に加入したキム・シャタックもすぐ脱退。新メンバーとしてバズが加わりましたがレコーディングにはさほど参加していなかったようで、事実上メンバー3人によるアルバムという感じでした。

しかし今回のアルバムは新メンバーのパズがアルバムの中でも積極的に参加しています。「Bel Esprit」ではブラック・フランシスとのデゥオとなっていましたし、「All Think About Now」ではメインボーカルにもなっていました。ほかにもコーラスでも積極的に参加。やはりキム・ディールの影響を感じさせるボーカルなのですが、アルバムの中でも非常に目立ち、大きなインパクトになっています。

この女性ボーカルの参加によって前作に比べてグッと解散前の作風に近づいたような感じもする今回のアルバム。「Baal's Back」では実にPIXIESらしいシャウトを聴かせてくれたりして実にPIXIESらしいアルバムになっていたと思います。パッと聴いた印象としてあのPIXIESが戻ってきた、とすら感じる方も少なくないかと思います。

それだけに私も一度聴いた時はPIXIESらしいアルバムで満足、と思ったのですが、ただ聴き終わった後、どこか物足りなさを感じました。確かに今回のアルバムもPIXIESらしい心地よくノイジーなギターサウンドにメロディアスなメロディーが特徴的なアルバムになっています。ただ、アルバムを聴き終わった後、メロディーにいまひとつインパクトの不足しているように感じました。

解散前のPIXIESの作品といえば、破壊的なサウンドとは裏腹にキュートという形容詞すら似合いそうなインパクトあるメロディーが特徴的でした。特にサビについては一度聴いたら忘れられないようなフレーズも多様しており、「インディーバンド」という音楽ファン向けな位置づけのバンドとしてはヒットポテンシャルもあるなつっこいメロディーラインが大きな魅力でした。

残念ながら今回のアルバムにはそういった一度聴いたら忘れられないようなキャッチーで耳なつっこいメロディーラインはあまりありません。もちろん今回のアルバムについてもポップなメロディーラインが全編的に展開しているのは間違いありません。前作同様、ポット出のギターロックバンドがこのアルバムを作ってきたら絶賛していたと思います。ただPIXIESというバンドがつくりあげた実績はあまりにも大きすぎました。PIXIESのアルバムと考えるとどうしても物足りなさを感じてしまいます。前作同様、悪いアルバムではないと思うのですが・・・やはり昔の輝きを取り戻すのは難しいのかなぁ、ということを感じてしまうアルバムでした。

評価:★★★★

PIXIES 過去の作品
EP1
EP2

Indy Cindy
Doolittle25

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