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2016年10月 4日 (火)

「歌」がメインなのは変わらず

Title:Blonde
Musician:Frank Ocean

Frank

前作「Channel Orange」が大ヒットを記録。アルバムの内容も非常に高い評価を受けグラミー賞も受賞し話題となったFrank Ocean。その4年ぶりとなるニューアルバムがリリースされました。8月にはApple Music限定でビデオアルバム「Endless」がリリースされ、その2日後に突然配信でリリースされた本作。突然のリリースも多くの音楽ファンを驚かせています。

前作も基本的にシンプルに「歌」を聴かせるアルバムだったのですが、今回のアルバムもその路線が続きます。アルバムの全編に流れるのはあくまでも「歌」がメイン。エレクトロサウンドによるアレンジが軸となっていますが、中心に据えられているのは歌ということは本作も変わりありません。

アルバム1曲目「Nikes」はいきなりエフェクトのかかったボーカルからスタート。前作の内容から本作でも「歌」を期待していたらちょっと出鼻をくじかれた感もあります。しかし続く「Ivy」はメロディアスなポップ色強いナンバーを聴かせてくれますし、3曲目「Pink+White」はバックに小鳥のさえずりも聴こえてくる爽やかなフィリーソウルナンバー。彼のボーカルが実に心地よく響いてきます。

中盤は「Nights」のような硬度の強いエレクトロナンバーや「Close to You」のような今風の複雑なリズムを強調したナンバーなどが並びつつも、こちらもしっかりと「歌」を聴かせてくれます。

特に彼の歌の美しさに聴き入ってしまうのが終盤。アコギのシンプルなアレンジで静かに聴かせる「White Ferrari」はコーラスラインと共に聴き入ってしまう美しいボーカルを聴かせるソウルナンバー。「Godspeed」はゴスペル風なナンバー。こちらもオルガン風な音をバックに美しいボーカルを聴かせてくれます。

今回、基本的に配信オンリーでのリリースのため情報は少なめ。ケンドリック・ラマーやカニエ・ウエストなども参加しているようなのですが、どのような形での参加なのかは聴いただけだと正直わかりません。さらになんと日本人ラッパーのKOHHも話題・・・なのですが、こちらは同日に配布された無料雑誌「Boys Don't Cry」にのみついてくるCD版でのみの参加だとか。このCD版、入手はかなり困難なようで非常に残念に感じます。

繰り返しになりますがアルバム全体としてはソウルフレーバーの強いストレートなポップナンバー。エレクトロサウンドやHIP HOPなど今風の要素も強い反面、ベースに流れているのはソウルだったりゴスペルだったり昔からのブラックミュージックの要素を強く感じます。サウンドもボーカルもメロディーも実に美しく、終始聴き入ってしまう作品。前作が気に入った方ならば間違いなく気に入る傑作だったと思います。基本、配信オンリーのため、歌詞の内容がいまひとつわからないのが非常に残念なのですが・・・。前作に引き続き、文句なしのポップアルバムです。

評価:★★★★★

FRANK OCEAN 過去の作品
channel ORANGE


ほかに聴いたアルバム

STORIES/Avicii

今年8月のイビザ島でのライブを最後にライブ活動を休止したEDMミュージシャンAviciiの2枚目となるアルバム。EDMというイメージとは異なりアルバムはメロディアスなエレクトロポップがメイン。ロック、R&B、カントリーなど作風も多彩で屋内で聴かせるアルバムになっています。前作「TRUE」では後半、ダンスチューンが並んでいましたが、本作では全編聴かせるポップな楽曲が並んでいます。ライブは休止になってのですが、音源は今後もリリースしていくのでしょうか?それならポップな作風もいいですが、バキバキなダンストラックも聴きたいところですが。

評価:★★★★

AVICII 過去の作品
True
True:Avicii By Avicii

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