いまだに若々しさも
Title:Give a Glimpse of What Yer Not
Musician:Dinosaur Jr.
2005年の再結成後、比較的マイペースながらも着実に活動を続けているギターロックバンド、Dinasour Jr.。これが約4年ぶりとなるニューアルバム。作品としてもここ11年で4枚目という比較的スローペースながらも、Dinosaur Jr.らしい安定したクオリティーを保ち続けています。
まず1曲目「Goin Down」から、ギターをアンプに差し込んだ時のノイズからスタート。否応なしに期待がたかまりつつはじまった楽曲は、疾走感ある心地よいギターサウンドにポップなメロディーがのる、いかにもDinosaur Jr.らしい心地よいナンバー。続く「Tiny」も心地よいノイジーなギターリフが主導になりつつ、ポップでキュートともいえるメロディーラインが心地よい感じ。最初のデビューから30年以上たつというのが信じられないくらいの若々しさすら感じるポップなギターロックナンバーになっています。
その後も切ないメロディーラインが魅力的な「Be A Part」や「Love Is...」といったナンバー、ちょっとハードロックテイストのへヴィーなギターサウンドが耳を惹く「I Walk For Miles」、ファルセット気味のボーカルでしんみり聴かせる「Knocked Around」などといったナンバーが続きます。
ただ基本的にノイジーなギターサウンドにポップなメロディーラインを聴かせるといったいかにもDinasour Jr.らしい楽曲がならんでおり、楽曲の構成も比較的シンプル。良い意味で安心して聴いていられるアルバムになっています。ただ、ポップなメロディーにしてもみずみずしさがあり、ノイジーなギターサウンドに関しても勢いがあります。上にも書いたとおり、既に最初のデビューから30年、一度解散して再結成をしたバンドなのですが、マンネリ、あるいは惰性で活動を続けているといった感覚は皆無。いつまでもインディーギターロックバンドらしい、いい意味での荒っぽさも感じます。
そういう意味でギターロック好きなら間違いなく要チェックの1枚。マイペースな活動はこれからも続きそうですが、彼らの活躍にはまだまだ期待できそうです。
評価:★★★★★
ほかに聴いたアルバム
1 Hopeful Rd./Vintage Trouble
このジャケット写真のたたずまいからしてもいかにも、なにですが・・・黒人ソウルシンガー、タイ・テイラーを中心にアメリカで結成されたソウルロックバンド。2012年にはサマソニでも来日し話題となりました。個人的にはブルースやソウルをゴリゴリに聴かせるブラック色の強いバンドを想像していて、そして思った通り、確かにブラックミュージックの色合いは強いのですが・・・ただ、基本的にはよくありがちなブルースロック。ソウルの色合いが濃い曲もチラホラあるのですが、思ったよりも薄味だったかも。もう一癖、個性が欲しい感じがするのですが。
評価:★★★★
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