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2016年10月17日 (月)

若干16歳のトラックメイカー

Title:MANUAL
Musician:Takaryu

昨年行われたアマチュアミュージシャンのコンテスト「RO69JACK 2015 for COUNTDOWN JAPAN」で優勝し、デビューが決定したトラックメイカー、TakaryuのデビューEP。同コンテストでトラックメイカーが優勝したのは初という快挙だそうですし、また、若干16歳というその若さも話題となりました。

本作は全7曲入りのEP盤なのですが、うち2曲はイントロとインターリュードなので実質的に5曲入りという作品となります。

で、これが聴いていて非常に心地の良い傑作に仕上がっていました。基本的には心地よくリズミカルなエレクトロトラックがメイン。透明感あふれる音色が特徴的で、非常に熱量の低いサウンドが大きな魅力となっています。ジャケットはあきらかにドナルド・フェイゲンの名盤「ナイトフライ」を意識しているのですが、音色から感じるイメージとしてはその「ナイトフライ」に通じるものも感じさせます。

またうち3曲は歌モノ。「Layer」は綿めぐみというシンガーに、そして「Save」「Software」の2曲はボーカロイド初音ミクを起用しての作品となっています。正直、どちらも若干癖のある「シンガー」なのですが、熱量の低いサウンドであるにも関わらず楽曲の中にうまく溶け込ませています。楽曲もちょっとメロウでAORの雰囲気も感じさせるメロディアスなポップチューン。メロディーメイカーとしての実力も垣間見ることが出来ます。歌とサウンド、メロディーのバランスが非常によくとれており、このバランス感覚の良さにも天性の才能を感じさせます。

この熱量も低いサウンドもそうなのですが、いい意味で老成している感じすらする大人な音を聴かせてくれており、若干16歳という若さが信じられないほど。逆に参加シンガーの選択として綿めぐみや初音ミクを起用するあたりは16歳という若さならでは、といった感じもします。

ロッキン・オン主催のコンテストで優勝したということもあって聴く前はいわゆるロケノン系みたいなイメージもあったのですが楽曲のタイプとしてはむしろミュージックマガジン近辺が好みそうなタイプの音かも。そういう意味でもし「ロケノン系」みたいなイメージで忌避していたとしたら非常にもったいない感じもします。天才という呼び声も高い彼ですが、その評価は間違いないと思います。次にリリースされるであろうフルアルバムも非常に楽しみ。今後の活躍が要注目な新人ミュージシャンです。

評価:★★★★★

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