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2016年10月 1日 (土)

これぞオブリ

Title:DIRT
Musician:OBLIVION DUST

OBLIVION DUSTは2001年に解散。その後、2008年に一度活動を再開。その後、また活動休止時期を経て2010年に活動再開を宣言していました。・・・が、その後も散発的なツアーなどを実施しつつ、いまひとつ「本格的」というのは物足りない活動が続いています。今回のアルバムも新作としては4年3ヶ月ぶり。それも7曲入りのミニアルバムとそのスローテンポは気にかかるところです。

しかしアルバムの内容としては、これぞOBLIVION DUSTといった印象をまず受けるようなアルバム。おそらく待ちわびたファンにとっては満足度の高い作品になったのではないでしょうか。リスナーがOBLIVION DUSTに対して何を求めているかということをまさに体現化したアルバムになっていました。

OBLIVION DUSTの魅力といえば疾走感あり適度にへヴィーなギターサウンド。メロディアスなメロディーライン。そしてKEN LLOYDの端整なボーカルと流ちょうな英語詞。そのKEN LLOYDの英語詞の楽曲に強い洋楽テイストを感じつつも、一方ポップなメロディーラインは邦楽リスナーにもアピールできるようなポピュラリティーがある・・・OBLIVION DUSTの魅力といえばそんなところでしょうか。まずはストレートにロックを聴いたという醍醐味を味わえるのが彼らの最大の魅力だと思います。

今回のアルバムは終始一貫して疾走感あるバンドサウンドが楽しめる全英語詞による7曲。前作「9 Gates For Bipolar」では若干サウンドの軽さが気になったのですが今回のアルバムに関してはむしろいままでの作品に比べてへヴィネスさが増していたような印象も受けました。

そんな訳でまさに聴いていて満足感たっぷり。OBLIVION DUSTの魅力が詰まった傑作に仕上がっていた・・・・・・・のは間違いないのですが一方ではミニアルバム30分弱の長さなら文句なしだけど逆にフルアルバムだとちょっと厳しいかも、と思ってしまう部分もあったのが正直な感想。

はっきりいってしまうと7曲全部似たような印象の曲が並んでいたというのがその理由。確かに「Nightcrawler」など打ち込みを入れてインダストリアル色の強いナンバーもあり、それなりにバリエーションを加えようとしているのですが、通して聴いた感じとしてはそれほど強い変化は感じません。メロディーもそれなりにインパクトはあるのですが、一度聴いたら忘れられないようなフックの効いたフレーズはあまりなく、勢いだけで聴ききれるような、本作の30分程度の長さならば文句なしなのですが、これがフルアルバム1時間程度の長さになるとちょっと厳しいかなぁという感想も持ってしまいました。

とはいえ、本作に限って言えば文句なしに傑作なのは間違いありません。OBLIVION DUSTというバンドの魅力がしっかりつまった7曲。そのちょうどよい短さといい、オブリを聴いたことない方に彼らの魅力を伝えるにも最適なアルバムだと思います。次はもうちょっとバリエーションが増えると面白いと思うのですが・・・というよりも、次回作はもっと短いスパンで聴きたいなぁ。

評価:★★★★★

Oblivion Dust 過去の作品
OBLIVION DUST
9 Gates For Bipolar

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