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2016年9月17日 (土)

よりわかりやすく

Title:ダブル
Musician:空気公団

ジャケット写真を見ると、いきなり6人組の大所帯バンドとなった空気公団。いつぞやのくるりやKIRINJIのようにいきなり3人メンバーを加えて6人組になったのか・・・??とビックリしたのですが、よくよく見ると、3人のメンバーがそれぞれ2人ずつ写っています。なるほど、「ダブル」だからか・・・(^^;;

さて、前作から1年5ヶ月ぶりとなる彼女たちの新作ですが、相変わらず空気公団らしい、決して派手ではないもののどこか心に染み入ってくるポップなメロディーラインが魅力的な作品になっています。ただその上で今回のアルバム、わかりやすくポップな作品が目立っていたような印象を受けます。

例えば典型的なのが「つながっている」。ゲストボーカルとして中村一義が参加しているのですが、まず彼の独特の声がシンプルな空気公団の世界観の中で異色に感じられます。楽曲もエレクトロのアレンジでメロディーもフックの効いたメロディーラインを聴かせるポップ。歌詞も前向きな歌詞とよくも悪くもわかりやすい曲になっています。

さらに「マスターの珈琲」もストリングスを入れたアレンジといい哀愁たっぷりのメロといい歌詞の内容といいかなりベタな歌謡曲路線。「僕にとって君は」もサビにあわせてストリングスを入れてスケール感を出したアレンジに、ちょっとJ-POPっぽさを感じました。

さらに今回のアルバムでもうひとつ感じた特徴。それはシティポップっぽい楽曲が多いという点でした。

まあもともと空気公団自体も広い括りで「シティポップ」と称されることもあるバンドですが、今回のアルバムは「あなたのあさ」の出だしなんか、ちょっと山下達郎っぽさを感じたり、「失ってしまった何ものか」なんかもちょっとブラックミュージックの要素を感じたり、さらに「ペン」などはピアノにジャジーな雰囲気を感じたりと要所要所にブラックミュージック的な要素を感じます。

こちらに関しては明確にシティポップというよりはいつもの空気公団に隠し味的に入れている感じなのですが、微妙に異なった雰囲気を感じることが出来ます。

前作「こんにちは、はじまり。」もフックの効いたメロディーラインの目立ったアルバムだったのですが今回もそれ以上にインパクトのあるメロが目立った「ポップ」なアルバムになっていたと思います。ただ、安定感あって安心して楽しめるポップスのアルバムなのは間違いないのですが、メロディーにインパクトを加えた結果、ちょっと大味になってしまったというか、昔の空気公団にような繊細さがちょっと薄れた感じもします。その点はマイナスなのですが・・・ただその点を差し引いても彼女らしさはしっかりつまった傑作アルバムになっていました。

評価:★★★★★

空気公団 過去の作品
空気公団作品集
メロディ
ぼくらの空気公団
春愁秋思
LIVE春愁秋思
夜はそのまなざしの先に流れる
くうきにみつる(くうきにみつる)
音街巡旅I
こんにちは、はじまり。

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