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2016年9月18日 (日)

幅広い音楽性で楽しく

Title:Multimodal Sentiment
Musician:カーネーション

約4年ぶりとなるカーネーションの新作。毎回、いわゆる「通受け」しそうな非常にクオリティーの高いポップソングを歌っている彼ら。そんな中、前作「SWEET ROMANCE」は肩の力が抜けたような作風が楽しいアルバムに仕上がっていました。それに対して今回のアルバムは肩の力が抜けたというよりきちんと作り込まれた作品に仕上がっているのですが、その中でも非常に楽しさを感じさせるようなアルバムに仕上がっていました。

軽快なリズムが鳴り響く「まともになりたい」はどこかコミカルさを感じさせる歌詞が楽しいギターロック。「続・無修正ロマンティック ~泥仕合~」は大森靖子とのデゥオによるナンバー。恋愛模様を野球の試合に例えたような歌詞も楽しく、哀愁感あふれるメロディーも含めていかにも歌謡曲的な雰囲気も魅力的なナンバーに。ラストの「メテオ定食」もまずタイトルからして楽しいナンバー。楽曲の中で鳴り響くシンセのリフもスペーシーで楽しいポップになっています。

そんな楽しさがアルバム全編に流れている中、アルバム全体でもうひとつのポイントとなっているのが楽曲のバリエーションの多さ。もともと彼ら自身、多彩な音楽性を持っているバンドなのですが、とても振れ幅の大きいサウンドもまたアルバム全体の楽しさの要因になっていました。

上で紹介した3曲だけでもバラエティー富んだ音楽性を感じるのですが、他にもシティポップ風の「いつかここで会いましょう」やダイナミックなギターロックの「Pendulum Lab」、エレクトロサウンドを取り入れた「アダムスキー」「Autumn's End」、さらに「Blank and Margin」はノイジーなギターサウンドがシューゲイザー風な作品に仕上がっており非常にバリエーション富んだ音楽性が楽しめるアルバムになっています。

メロディーラインに関しては意外とどこか憂いを帯びたような和風というか歌謡曲風なメロになっているのも特徴的。今回、Disc2としてインストバージョンを収録されているのですが、どの曲もあくまでもメロディーと歌詞があって成立する「ポップス」。そのため確かにインストバージョンで彼らのアレンジのおもしろさがより良くわかるものの、全体的には少々マニア向けで、熱心なファンではないとちょっと聴いていて辛いものがありました。

もっともそんな楽しいアルバムだとは思うのですが、楽曲的には良く言えば落ち着いた凝った、悪く言えば地味さも感じるサウンドはやはりどこか音楽マニア向けという印象も否めない部分はあるのも事実。よく、ロッキンオンジャパンに取り上げられているミュージシャンを「ロケノン系」と呼ばれたりするのですが、彼らはいかにもミュージックマガジンが好みそうな「ミューマガ系」。その印象は今回のアルバムでも変わりませんでした。

そんな訳でよくも悪くも卒なさを感じる部分はありつつ、アルバムとして傑作なのは間違いないでしょう。バリエーション富んだ作風で最後まで楽しめた1枚でした。

評価:★★★★★

カーネーション 過去の作品
Velvet Velvet
UTOPIA
SWEET ROMANCE


ほかに聴いたアルバム

Tシャツと私たち/ウカスカジー

ミスチルの桜井和寿と、EAST ENDのGAKU-MCによるユニットの2枚目となるアルバム。さすがにそれぞれの活動が忙しいためか事実上6曲入りうち1曲がインストというミニアルバムになっています。そしてどの曲も前向きで、かつ肩の力の抜けたポップソングが並んでいます。楽曲的にはどちらかというと最近リリースされたGAKU-MCのアルバムに近い部分もあるのですが、桜井らしいメロディーラインも要所要所に。ミスチルとは異なる軽い感じのポップソングが楽しめます。良い意味で2人にとっての課外活動になっているポップソングが楽しめる1枚です。

評価:★★★★

ウカスカジー 過去の作品
AMIGO

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