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2016年9月 6日 (火)

伝説のバンドの全盛期のステージ

Title:LONG SEASON '96~7 96.12.26 赤坂BLITZ
Musician:Fishmans

レゲエやダブをベースとした独特なサウンドで90年代に音楽ファンを中心に高い評価と絶大な支持を得ていたミュージシャン、Fishmans。1999年にボーカルでほぼ全ての曲の作詞作曲を手掛けていた佐藤伸司が急逝し多くの音楽ファンに大きなショックを与えました。

その後、活動休止状態になるものの、残ったメンバーである茂木欣一を中心にゲストボーカルをまじえて活動を再開。現在はライブを中心にコンスタントな活動を続けています。そんなFishmansも今年はメジャーデビュー25周年。本作はそのデビュー25周年を記念してリリースされたライブ盤です。

Fishmansといえばもともとライブには高い定評がありました。ライブアルバムとしても佐藤伸司存命時のラストライブとなってしまったライブの模様を収録した「98.12.28 男達の別れ」は名盤として評価されています。そして今回リリースされたアルバムは1996年にリリースされた「LONG SEASON」リリース後に行われたライブの模様を収めた作品。この「LONG SEASON」はワントラック35分という異色の作品。このような挑戦的な作品をリリースしてくるあたり、まさに脂ののりまくっていた時期と言えるでしょう。そしてそんな彼らの最盛期とも言えるべき時期を捉えた貴重なライブアルバムとなっています。

そんな彼らのライブアルバムですが、原曲に比べてかなり大胆にライブ向けにアレンジがほどこされています。なにより全体的にロック志向、バンド色が強くなっているような印象を受けます。例えば「Go Go Round This World!」は最初、ギターとドラムのジャムセッションからスタート。終始、バンド色の強いアレンジになっていますし、「Sunny Blue」にしてもギターがかなりへヴィーでノイジーな音になっており、原曲に比べてよりロックテイストの強いダイナミックなアレンジに仕上げてきています。

またなによりこのアルバムの聴きどころは「LONG SEASON」でしょう。原曲よりさらに長い40分にも及ぶライブ音源をまるまる収録。ただ楽曲は40分の中で様々に展開。特に途中からはパーカッションの演奏を中心にかなりスリリングな演奏を聴かせてくれ、最後まで全くダレルことのない手に汗にぎるような演奏を聴かせてくれています。

もちろん、バンド色が強くなっているのですがFishmans独特の横ノリのサウンド、浮遊感は健在。なによりも20年前の音源ながらもこの彼ららしいリズム感を含めてサウンドに全く古さを感じないという点が驚くべき事実。それだけ彼らのサウンドに時代を超過した圧倒的な個性があったということを再認識しました。

いまさらながらFishmansというバンドの偉大さを再認識できるライブアルバム。なによりも原曲とも大きく異なるアレンジなだけに熱心なファンも要チェックのライブ盤だと思います。また彼らの音をいままで聴いたことない若いリスナーもこれを機に、是非。

評価:★★★★★

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