基本的にはいつも通り
Title:Dancers In The Dark
Musician:HAWAIIAN6
約2年ぶりとなるメロコアバンドHAWAIIAN6のニューアルバム。ハイスタ直系のメロコアバンドとして根強い人気を誇る彼ら。今回のアルバムは6曲入りのミニアルバムとなっています。
HAWAIIAN6の魅力としては歌謡曲っぽさも感じられる哀愁感の強いメロディーラインと孤独や絶望感を描写した歌詞の世界。基本的にそのスタンスは以前から変化ありません。良くも悪くも大いなるマンネリ的な部分も感じられるのですが、今回のアルバムに関してもそのスタイルに大きな変化はありませんでした。
ただ前作「Where The Light Remains」にもその傾向は感じられたのですが、全体的にメロディーラインには明るさが増したように感じられます。1曲目を飾る「My Name Is Loneliness」はタイトルからしてそのまま、彼ららしい哀愁感あるメロディーラインがさく裂しているのですが、続く「Wonder」はメジャーコード主体の明るくポップなメロディーラインが特徴的。「Us」も非常にポップな出来に仕上がっており、アルバム全体的にポップという印象を強く受けました。
もっとも、明るいメロディーラインの曲にしても全体的にインパクトがある、ちょっと「ベタ」とも言えるメロディーラインであることには変わりありません。歌詞の方は相変わらずの全英語詞。メッセージ性の強い歌詞なだけに日本語で歌えば・・・と思う部分もあるのですがただ一方、英語詞の歌詞のメッセージは非常にわかりやすさもあり、ベタさもあるメロディーに日本語で載せてしまうと、楽曲全体が悪い意味でベタさが強くなってしまうのかな、とも思ってしまいます。
例えば「Prepare To Die」にしても
「Get back your freedom
Get back your future
We don't need a fake peace
This is not a battle field
This is not a dead end
Listen,we are not going to prepare to die」
(「Prepare To Die」より 作詞 安野勇太)
と、英語詞ながらも和訳も容易なわかりやすいメッセージ性。もちろんこれが彼らの大きな魅力だと思うのですが、おそらくこれを日本語で歌えば、伝わりすぎてちょっとウザったく感じてしまうかもしれないなぁ・・・とも思ってしまいます。
そんな訳で、基本路線としてはいつも通りの彼ら。もちろん、その変わらないスタンスが根強い人気の理由なのでしょう。ただ明るさの増したメロディーラインにこれからの彼らの新たな方向性も感じられるアルバムでした。
評価:★★★★
HAWAIIAN6 過去の作品
BONDS
The Grails
Where The Light Remains
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