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2016年8月23日 (火)

10年目の初アルバム

Title:Progress
Musician:kokua

今回紹介するアルバムのkokuaというバンド。あまり聞き慣れない名前と感じる方も多いのではないでしょうか。ただ、このアルバムにも収録されているタイトルチューン「Progress」に関してはおそらく聴いたことあるという方が多いでしょう。NHKドキュメンタリー「プロフェッショナル 仕事の流儀」の主題歌であるこの曲は紅白歌合戦でも歌われています。え?この曲って、スガシカオの曲じゃないの??と思った方は私も含めて多いはず。実際、紅白ではスガシカオのナンバーとして歌われています。

実はこのkokuaというバンド、この「Progress」のために結成されたバンドで、楽曲の作詞作曲及びボーカルを手掛けるスガシカオを中心に、武部聡志、小倉博和、根岸孝旨、屋敷豪太という錚々たるメンバーが顔をそろえています。2006年にこの「Progress」をリリースした後、活動を休止。その後、何度かライブ出演はあったようですが、結成から10年目を迎えて再結成。なんと結成後10年にして初のアルバムリリースとなりました。

今回のアルバム、Simply Redの「Stars」の和訳カバーや、岡林信康の「私たちが望むものは」のカバー、その他スガシカオ以外のメンバーによる楽曲も収録されていますが、「Progress」を含め12曲中6曲はスガシカオの手によるナンバー。ボーカルも基本的には彼がつとめているためスガシカオのアルバムのように楽しむことが出来ます。

このスガシカオの書いた楽曲が名曲揃い。基本的にkokuaはバンドということもあるためか、またメンバーの好みであるためか、比較的分厚い音をアレンジしたダイナミックな曲調のナンバーが多いのですが、スガシカオの書くメロディーが非常に心に残るインパクトあるものに仕上がっています。

スガシカオといえば直近作「THE LAST」が傑作に仕上がっていたのですが、こちらはどちらかというと癖のあるサウンドが主軸となった作品。一方、こちらはストレートでポップなギターロックに仕上がっています。ソロと違って彼のやりたいことを自由にやっているというスタイルとは異なるかもしれません。ただ、彼の「変態性」が前に出てきた「THE LAST」と異なりこちらは彼のポピュラリティーがより前に出てきた感じ。「THE LAST」で見せたスガシカオの魅力とはまた異なるスガシカオの魅力が発揮されていたように感じます。

また、歌詞にしても前向きな人生の応援歌的な歌詞がメイン。もともと「プロフェッショナル 仕事の流儀」という番組自体、プロフェッショナルの仕事ぶりから私たちの生き方、働き方の参考になるような教訓を得ようという意図の番組なだけに主題歌である「Progress」の歌詞もそんな番組テーマに沿ったような歌詞なのですが、その「Progress」のために結成されたバンドなだけに、例えば同じ番組の挿入歌となった「夢のゴール」もそうなのですが、他の曲に関しても前向きな歌詞がメイン。そういう意味でも非常にわかりやすさを感じさせる内容になっていました。

アルバム後半はバンドの他のメンバーによる楽曲がメイン。こちらもまたスガシカオの趣味とは異なる作風の曲が並んでいるのがユニーク。骨太なブルースロックの「道程」では作詞作曲を担当した小倉博和がボーカルをとっていますし、武部聡志作曲の「kokua's talk 2」はAOR風のナンバー。スガシカオの方向性とはまた異なる雰囲気の曲が多く、バンドならではのスガシカオソロとは異なるバリエーションを聴かせてくれます。

そんな訳でアルバム自体、ちょっとJ-POP的とも言える分厚いアレンジも含めて、非常にストレートなポップに仕上げてあり聴きやすい傑作に仕上がっていました。特にスガシカオの楽曲に関しては「THE LAST」と同様、勢いを感じさせる名曲が並んでおり、彼自身、今、もっとも脂ののった時期に来ているんだな、とも感じさせてくれます。スガシカオが好きなら文句なしに要チェックのアルバムですが、それ以外の方にも聴いてほしい傑作アルバム。聴きやすい内容なだけに幅広い層が楽しめる内容だと思います。

評価:★★★★★

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