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2016年8月26日 (金)

キャリア35年のオールタイムベスト

Title:51 Emotions -the best for the future-
Musician:布袋寅泰

布袋寅泰のキャリア35周年を記念してリリースされたオールタイムベストアルバム。全3枚組となるベストアルバムで、Disc1は比較的ロックテイストの強い作品が、Disc2はメロディーを聴かせるようなポップテイストの強い代表曲が並んでおり、Disc3ではギターインストのナンバー、カバー曲、Iggy PopやBRIAN SETZERとのコラボ曲などちょっと異質なナンバーが並んでおり、さらにセルフカバーとなりますがBOOWYやCOMPLEXの曲なども収録されています。

つい先日、BOOWY時代の盟友、氷室京介のオールキャリアベストも発売されました。氷室と布袋というとその音楽性の相違がBOOWYの解散理由となった話を聞くのですが、布袋と氷室のオールキャリアベストを聞くと確かにその音楽性に大きな違いを感じます。

氷室京介はあくまでもその音楽の中心にいるのは彼自身。音楽的には正直平凡なJ-POPという印象が強く、氷室本人のキャラクター性から楽曲自体にも惹かれる部分はあるのですが、氷室京介というキャラクターを差し引いたら音楽的には決しておもしろいことをやっている感じはしません。

一方、布袋寅泰に関してはシングル単位ではもちろん以前から知っていたのですが、ベスト盤であらためて彼の曲をまとめて聴いてみました。そこで感じたのは楽曲的にバラエティー富んで非常におもしろいという点。基本的にはBOOWYにつながるようなビートロックの路線を主軸となっているのですが、様々な音楽へ貪欲に挑戦しておりミュージシャンとしてアーティスティックな側面を強く感じます。

特にロックにデジタルサウンドを取り入れた曲が多く、「サイバーシティーは眠らない」などタイトルからしてデジタル志向を感じるのですが四つ打ちの打ちこみサウンドが軽快なデジロックに仕上がっています。また、ご存じレッド・ツェッペリンのカバー「IMMIGRANT SONG」などもデジタルサウンドを取り込んだダイナミックなカバーに仕上げています。

かと思えば一方では「CAPTAIN ROCK」などはローリングストーンズからの影響を感じますし、ハードロック路線の曲から一方でグラムロックの影響を感じる軽快なロックの楽曲も目立ちます。またDisc3に入っているインストナンバーではフュージョンからの影響を感じる曲もあります。

またあらためて彼の代表曲を聴いてみるとそのメロディーセンスの良さも感じます。J-POP的なわかりやすさを持ちつつ、一方ではフックの効いたメロディーラインは洋楽的な要素も入れつつ、よくありがちな平凡さに陥らずポップなメロディーを楽しめます。

そしてなにより彼の楽曲は純粋に聴いていて楽しくなってくるようなエンタテイメント性を感じます。彼のロックは決してルーツ志向の「本格派」ではないもののほどよくロックなギターサウンドを入れつつ、打ちこみやホーンセッション、ピアノなどを入れて分厚く仕上げたサウンドは純粋にワクワクするものがあります。タイトル通り、全51曲入り。3枚フルボリュームの内容でしたが、最後まで飽きることなく楽しむことができました。

氷室京介の楽曲には「ヒムロック」という呼称がありますが一方、布袋寅泰の楽曲にそのような呼び名はありません。ただそれはある意味、彼の楽曲が単純にひとつの言葉におさめられないような幅広い音楽性を持っているからのように感じます。布袋の魅力を強く感じることができるベスト盤でした。

評価:★★★★★

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