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2016年8月29日 (月)

頭をからっぽにして楽しめる

Title:KPP BEST
Musician:きゃりーぱみゅぱみゅ

日本の「かわいい」文化の代表的アイコンとして世界規模でも話題となり中田ヤスタカプロデュースにより大々的にデビューしたきゃりーぱみゅぱみゅ。そんな彼女のデビュー5周年を記念して初のベストアルバムがリリースされました。デビュー5年でベスト盤は早いかな、と思う反面、デビューからもう5年もたつのか・・・と時間の早さに驚かされもしました。

このベスト盤で彼女の代表曲を一通り聴くことが出来たのですが彼女の曲に関してあらためて思うのは彼女の曲はとにかく徹底的に楽しいポップチューンばかりということでした。まずはインパクト重視。「つけまつける」「ゆめのはじまりんりん」「にんじゃりばんばん」など、タイトルだけでなんのことかわからないのに非常に強いインパクト。中田ヤスタカの書くエレクトロポップもサビのインパクトに焦点をあてており、一度聴いたら忘れられないフレーズが連続しています。

そのためこのベスト盤、正直言ってエレクトロポップという方向性はすべての曲に共通しており楽曲のバリエーションはあまりありません。しかしこのインパクト重視のポップソングのため、最初から最後までワクワクしながらまったくダレずに聴きとおすことが出来ました。難しいこと抜きに、というよりも日々の嫌な事も忘れるような楽しい彼女の楽曲は、ある意味理想的なポップソングと言えるのかもしれません。

ただその上であえて言わせてもらうと、今回のベスト盤、今後の彼女の活動を考えると非常に気になる部分がありました。まず1点目はサビのインパクトを重視するあまり、サビ以外が若干やっつけ気味になっているという点。(これは以前も書いたのですが)例えばGAOの「サヨナラ」のパクリではないかと一部で話題となった「ゆめのはじまりんりん」のAメロ部分ですが、単なる音階を上下するだけの工夫もなにもないフレーズ。はっきりいってパクりたいと思うほどのフレーズか?とも思ってしまいます。この曲に限らずサビのインパクトを重視する一方、それ以外の部分については平凡なフレーズも目立ちました。

また2点目は一発アイディア重視のインパクトであるため若干ネタ切れ気味になっている点。初期の作品は歌詞とフレーズがしっかりと一体となって強いインパクトを作り出していました。ただ一方最近の作品に関してははっきりいってネタ切れ気味。初期のようなインパクトあるフレーズや歌詞も少なくなってしまいました。

結果としてアルバムを聴きとおした時、このベスト盤については文句なしに楽しめた反面、今後については強い不安を感じてしまうアルバムになっていました。事実、シングルではベスト10の常連だった彼女ですが、ここ数作はベスト10入りを逃してしまっています。残念ながらかなり飽きられ気味という印象は否めません。そしてこのベスト盤を聴いてみると、確かに即効性の強い楽曲であるがゆえに、飽きられるのも早いかもしれないな、ということも感じてしまいました。

今回、私は初回盤で聴いたため中田ヤスタカのセルフリミックスのDisc3とDVDも収録。Disc3については・・・正直、何も目新しさのないリミックス・・・これ、中田ヤスタカ以外の人がリミックスした方が意外性があっておもしろかったのでは?DVDは彼女のインタビューとPVをベースにきゃりーぱみゅぱみゅの歩みを振り返る内容。まあオーソドックスな内容だったのですが、きゃりーぱみゅぱみゅって、もっと自分の楽曲に関して自分の意思を関与させてると思ったのですが・・・思ったよりも「操り人形」だったんですね・・・悪い意味でアイドルらしいインタビューでちょっと残念に感じました。

そんな感じでレビューはかなりマイナス要素を強く押し出してしまいましたが、このベスト盤の内容については上にも書いた通り、頭をからっぽにして最後まで楽しめた、ある意味理想的なポピュラーミュージックのアルバムだったと思います。逆に言えば彼女みたいなタイプのミュージシャンはこういうベスト盤で十分、と思わないこともないのですが。彼女の曲をシングルでは知っているもののアルバム単位ではちょっと手を出しずらいと思っていた方は是非ともチェックしてほしい、非常に楽しいアルバムでした。

評価:★★★★★

きゃりーぱみゅぱみゅ 過去の作品
なんだこれくしょん
ピカピカふぁんたじん

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