AA=の魅力を卒なく収録
Title:#5
Musician:AA=
最近はBABYMETALをはじめとするアイドル勢への楽曲提供でも話題となっている、現在活動休止中の上田剛士によるソロプロジェクトAA=。その約2年半ぶりとなる新作がリリースされました。
基本的にTHE MAD CAPSULE MARKETSのメインライターとして活躍していた彼のソロ作なだけに、以前からマドカプの路線をそのまま承継するようなデジタルハードコアな作品がメイン。このアルバムでも不気味なノイズがアルバムへの期待を否応なく高めるイントロ的作品の「?erusrofyzarcuoyera」からスタートし、前半は「INEQUALITY」「DOWN」と強烈に強いデジタルビートがこれでもかというほど押し寄せるハードなナンバーが続きます。特に「FREE THE MONSTER」はデス声が前面に出ているナンバーでハードな前半のナンバーの中でも特にヘビネスさが目立つナンバーとなっています。
その雰囲気が一変するのが中盤の「Such a beautiful plastic world!!!」。これはマドカプのナンバーでもよく見受けられたのですが、デジタルハードコアなへヴィーなサウンドはそのままにメロディーラインは抜けるようなポップソングになっており、その対比がおもしろいナンバーとなっています。
へヴィーさを前面に押し出した前半と比べてバリエーションが多かったのが後半。複雑で破壊的なビートが特徴的のインストナンバー「BATTLEFIELD T vs NK」からスタートし、Dragon Ashの降谷建志とコラボした「M SPECIES」に、0.8秒と衝撃。のJ.M.とコラボした「→MIRAI→(ポストミライ)」はポピュラリティーがあってインパクトある楽曲。J.M.のコーラスがポピュラリティーを作り出すのにちょうどよいインパクトとなっています。
そんな訳でアルバム全体としてはデジタルハードコアのへヴィーなサウンドと強いビートを主軸としながらも、所々に挑戦的な作品があったり、あるいはポップな作品があったりとAA=の魅力をほどよく収録しているアルバムになっています。ただ、AA=、あるいはTHE MAD CAPSULE MARKETS時代の曲から含めて目新しさは少な目ですし、マドカプのような高揚感は低め。ファンならそれなりに満足度の高い作品で期待通りの作品といった感じなのですが、期待以上はなかったかな、という点がちょっと残念。ただ、上田剛士作品が好きなら間違いなく要チェックのアルバムです。
評価:★★★★
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