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2016年7月22日 (金)

バラエティー富んだ作風

Title:レインボー
Musician:在日ファンク

朝ドラへの出演の話題となり昨今ではすっかり俳優としての活躍が目立つハマケンこと浜野謙太。でももちろんミュージシャンとしての活動も忘れていません!彼率いる在日ファンクの約1年8ヶ月ぶりとなる作品が本作。もちろんミュージシャンとしての勢いは本作でも止まっていません。

在日ファンクといえばジェイムス・ブラウン直系のファンクミュージックに日本語の歌詞をのせているスタイルなのですが、その日本語の歌詞は歌詞の意味よりも言葉の響きを重視した言葉選びをしており、その結果、非常にユーモラスな歌詞になっている曲が大きな特徴です。

今回のアルバムに関しても「むくみ」なんかが完全にそのパターンでしょう。ファンキーなリズムにハマケンのシャウトがのるカッコいいファンクナンバーなのですが、歌詞の内容よりも「むくみ」という言葉をファンクに歌い上げることを主眼としたようなナンバー。在日ファンクらしいユーモラスを感じるナンバーです。

ただ一方でファンクなリズムにのせるというよりもきちんと歌詞に意味を持たせた曲も目立つ本作。例えば「ぼくきみ電気」などもユニークな歌詞ながらも恋人との別れを描いたその内容が心に響く歌詞になっています。

というのは基本的にメジャーデビュー作となった「笑うな」でも見られた方向性。メジャー2作目となる本作はJB直系ファンク一本調子だったいままでの作品から一歩進んで、楽曲自体にバラエティーが増えた作品となっています。

例えば「きみのいいところ」「それぞれのうた」はファンクのリズムは入っているのですが、JBバリにゴリゴリとリズム主導で押してくるような作風ではなくメロディーラインを聴かせるポップな内容に仕上がっています。また「ぬるまゆファンク」などもタイトル通り、脱力感のある楽曲になっており、こちらもある意味「押し」の強かった在日ファンクからするとちょっと意外性あるナンバーになっています。

メジャーデビュー作「笑うな」では歌詞に意味を持たせることによって音楽の幅をグッと広げバンドとしての可能性を持たせた作品になっていました。そして続く本作では今度は楽曲のバリエーションを広げ、さらにバンドとしての可能性を広げたアルバムになっています。前作「笑うな」同様、楽曲のインパクトという意味ではインディーズ期の彼らの作品よりも若干薄れてしまったという面は否めないかもしれません。しかし一方で、今後のバンド活動を考えると非常に重要な作品という点は間違いないでしょう。前作「笑うな」同様、彼らの今後の可能性を広げる作品になっていました。

俳優としての活動が目立つハマケンですがミュージシャンとしてもまだまだ積極的な活動が続きそう。これからの在日ファンクとしての作品にも期待できそうな傑作でした。

評価:★★★★★

在日ファンク 過去の作品
在日ファンク
爆弾こわい
ベスト・オブ・在日ファンク~覗いてごらん見てごらん~

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笑うな

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