コンゴトロニクスの中心ミュージシャン
Title:KONONO No.1 MEETS BATIDA
Musician:KONONO No.1 MEETS BATIDA
コンゴはキンシャサ出身のミュージシャン、KONONO No.1の6年ぶりとなるニューアルバム。KONONO No.1といえば親指ピアノを電気で増幅させた音を鳴らす人力トランスチューンで一世を風靡したグループ。もともとは結成が1966年という超ベテラングループなのですが、2004年にリリースしたアルバム「Congotronics」が大きな話題に。2007年にはBjorkのアルバム「Volta」に参加したほか、2008年にはグラミー賞にノミネートされるなど大きな話題となりました。
そんな彼らの久しぶりとなる新作はBATIDAとのコラボ作。BATIDAはアンゴラ系ポルトガル人DJ Mpulaによるプロジェクトだそうで、自身の作品ではアンゴラ発祥のダンスミュージック、クドゥロを奏でているそうです。
KONONO No.1といえば話題となったアルバムタイトルでもある「コンゴトロニクス」という人力トランスのムーブメントの中心にいた人物。コンゴトロニクスに関しては以前、KASAI ALLSTARSのアルバムを聴き、すっかりはまってしまったように個人的には「壺」なジャンル。ただ、いままで機会がなく、KONONO No.1については今回きちんとアルバムを聴いたのははじめてとなります。
そんな彼らの音楽は個人的にはまさに期待通りの音楽。例えば「Yambadi Mama」は心地よいパーカッションのリズムが延々と続き軽くトラップできるナンバー。微妙にチープな打ち込みの音色もまた楽しかったりします。「Bom Dia」では最初、男女の掛け合いと手拍子のみというシンプルなスタート。その後は打ち込みのリズムが入りますが、基本的にシンプルなトラックが特徴的。アフリカの現場の音楽がそのまま伝わってくるような内容になっています。
また「Nzonzing Familia」は彼らの持ち味である親指ピアノの音色が心地よいナンバー。11分にもわたりミニマルに展開していく構成が実に心地よいナンバーになっています。
全体的にはいかにもコンゴの音楽をそのまま伝えつつ、所々にエレクトロサウンドの要素もうまく取り入れているサウンドが実に心地よい感じ。そんな中、今回、BATIDAとのコラボということになるんどえすが、彼はDJとしてブラジルのサンバの原型と言われるアンゴラの伝統音楽センバを良く取り入れているとか。今回のアルバム「Nlele Kalusimbiko」や「Tokolanda」ではラテンな要素も感じられるのですが、ここらへんがBATIDAとのコラボだからこそ生まれたサウンドといった感じなのでしょうか。
ある種のベタさも感じる部分もあるのですが、ケレン味のないサウンドが心地よく素直に楽しめるアルバムだったと思います。アフリカ音楽が好きな方、あるいは日本でいえばROVOあたりが好きなら文句なしに要チェックのアルバムです。
評価:★★★★★
ほかに聴いたアルバム
Title/Meghan Trainor
今年のグラミー賞で新人賞を受賞し日本でも話題となった女性シンガーソングライター。個人的には本作にも収録されている60年代のガールズポップを彷彿とさせる「All About That Bass」にはまってしまいました。他にもドゥーワップ、ソウル、60年代ポップスなどちょっとレトロな雰囲気も漂う楽しいポップチューンが揃っていて、素直にワクワクさせられるアルバム。ポップソングの楽しさがつまっているような、実に楽しいアルバムに仕上がっていました。
評価:★★★★★
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