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2016年6月25日 (土)

メンバー全員が作曲に参加

Title:Waltz on Life Line
Musician:9mm Parabellum Bullet

途中、ベスト盤のリリースがあったものの、9mm Parabellum Bulletの新譜としては約3年ぶりとなるニューアルバム。今回のアルバムは9mmの楽曲のメインライターである滝善充の楽曲の比率が大きく下がったというのが特徴的。滝善充が作曲を手掛けたのは15曲中わずか6曲のみ。いままでのアルバムでも何曲か滝善充以外のメンバーが手掛けた曲がありましたが、今回は他のメンバーが手掛けた曲がより増えたアルバムになっています。

それだけに今回のアルバムでは、楽曲を誰が作曲したのか考えつつ聴いていくとメンバーそれぞれの特徴が微妙に出ていてなかなかユニーク。まず特徴的なのが中村和彦。いままでのアルバムでも滝善充に続き楽曲を提供していた彼ですが、疾走感あるギターロックで良くも悪くもわかりやすいメロディーラインのJ-POP的という印象の強いナンバー。ギターサウンドもハードロック色が強いあたりに彼の嗜好が見て取れます。

一方かみじょうちひろや菅原卓郎の楽曲に関してはかなり哀愁感の強い作風を感じます。ある意味9mmらしいメロディーラインといった感じでしょうか。その9mmらしさをより強調した感じのメロディーラインといった印象を受けます。作曲慣れしていないだけに、無難に9mmらしさを追及してまとめたといった感じでしょうか。

やはりアルバムを通して聴くと滝善充作曲の楽曲が頭ひとつ出ているかな、といった感じがします。序盤の「生命のワルツ」「Lost!!」と滝作曲の楽曲を並べ、ラストも「スタンドバイミー」「太陽が欲しいだけ」と彼の作曲の楽曲で締めくくるあたりも、やはり9mmのメインライターは滝善充である、ということがわかっているからこその構成のように思います。

アレンジ的にも他メンバー作曲の曲がメロディー主体の楽曲が多かった一方、滝善充作曲の曲はダイナミックな曲が多かったように感じます。ラストの「太陽が欲しいだけ」もメロディーラインはもちろん、歌詞もおもいっきりGS風でインパクト十分。最後はしっかり9mmを聴いたという満足感をおぼえる締めくくりになっていたと思いました。

ただ、アルバム全体としてはやはり滝作曲の比率が落ちたことによって、若干物足りなさも感じたのは事実。特にメロディーが前に出てバンドのダイナミズムが薄れた結果、いままでの9mmの作品でも感じた、良くも悪くも歌謡曲っぽい「ベタさ」がより強調されてしまったように感じます。その結果、アルバム全体としてはもう一歩、物足りなさを感じてしまいました。

個人的にはやはり滝善充楽曲の比率をもっと増やした方がよいように感じたのですが・・・。ただ一方、他のメンバーの曲に関しては未熟さを感じるだけに伸びしろがあるのも事実。そういう意味では長い目で見ると、今後も他のメンバーの曲を聴いてみたい感じもします。難しい選択肢ではあると思うのですが・・・次回作、どんなアルバム構成になるのか、彼らの動向に注目したいところです。

評価:★★★★

9mm Parabellum Bullet 過去の作品
Termination
VAMPIRE
Revolutionary
Movement
Dawning
Greatest Hits

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