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2016年6月18日 (土)

20周年のベスト

Title:20th Anniversary BEST ALBUM 非脱力派宣言
Musician:PUFFY

PUFFY結成20周年のベストアルバム。「非脱力派宣言」というタイトルがまずはユニーク。あきらかに1989年にリリースされた森高千里のアルバム「非実力派宣言」からのパロディー。本人にもタイトル使用に関しては許諾を得ているそうです。

森高千里とPUFFYは曲の感じは似ていないのですがその立ち位置的には似ているものを感じます。いわばアイドルとミュージシャンの中間のような存在。森高千里はアイドルのパロディー的なところもあるのですが、アイドル的な部分とミュージシャン的な部分の良いとこどりの存在といった感じでしょうか。この系譜はその後の木村カエラに引き継がれていきます。

昨今ではすっかり女性アイドルが増えてしまった影響でこの手のミュージシャンが少なくなってしまいましたし、いままでPUFFYや木村カエラが歌っていたような「実力派ミュージシャン」の曲をそういったアイドル勢が歌うことが増えてきてしまいました。ただ彼女たちと今の女性アイドルには大きな違いがあるように思います。それは彼女たちが男性に媚びていないこと。いかにも男性が好みそうな「かわいい」ボーカルと「かわいい」ルックスでかわいらしく歌う女性アイドル勢と異なり、PUFFYは間違いなく男性に媚びない一本の芯を感じます。まさに「非脱力派宣言」というアルバムタイトルの通り、「脱力系」と呼ばれながら一本の芯が取っていたからこそ、20年という長きにわたり活動を続けてこれたのでしょう。

さて今回のPUFFYのベスト盤はいわばシングルベスト。大ヒットしたデビュー作「アジアの純真」から最新シングル「パフィピポ山」までのシングルが発売順に並んでいます。20周年ベストにふさわりいPUFFYの歩みを知ることが出来るベスト盤になっています。

もっとも2枚組にわけられた今回のベスト盤なのですが、内容的に良かったのはやはり1枚目。大ヒットしていた頃の楽曲なだけに勢いがありますし、なによりも初期の奥田民生の作品群が非常にユニーク。奥田民生の脱力感あるギターポップと彼女たちの相性がピッタリだった、ということが実感できます。

2枚目に関しても決して悪くはないのですが、基本的には普通のギターロックといった感じ。切ないメロが耳を惹く「ハッピーバースディ」やユーモラスなエレクトロポップ「トモダチのわぉ!」などいい曲もあるのですが、やはり初期の作品群に比べるとインパクトは薄いですし、ある種PUFFYのキャラクター的な側面ばかりが上滑りしている感もある楽曲も。楽曲提供は椎名林檎や吉井和哉など豪華な面子も顔をそろえているのですが、残念ながら参加ミュージシャンの名前の大きさほどには名曲にはなっていませんでした。

とはいうもののアルバム全体としてはやはり難しいこと抜きに楽しめるポップソングが揃った内容に。これぞポピュラーミュージックの楽しさを感じられるアルバムだったと思います。まだまだPUFFYとしての積極的な活動は続きそう。これからもたくさんの楽しいポップチューンが聴けそうです。

評価:★★★★★

PUFFY 過去の作品
honeycreeper
PUFFY AMIYUMI×PUFFY
Bring it!
15

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