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2016年6月

2016年6月30日 (木)

ジャニーズ系 vs 元ジャニーズ系

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

タイトル通り、ジャニーズ系と元ジャニーズ系が1位2位と並びました。

まず1位にはジャニーズ系。1位にはKis-my-Ft2「I SCREAM」がランクインです。初動売上24万3千枚は前作「KIS-MY-WORLD」の30万枚(1位)から大幅ダウンしてしまいました。本作、完全生産限定の4cups盤なる4枚組、初回限定盤の2cups盤なる2枚組、同じく2枚組の通常盤の3種発売。かつ、それぞれ収録内容が異なるという相変わらずの凶悪な内容になっています。

2位は元KAT-TUNのメンバーでもある赤西仁「Audio Fashion」がランクインです。初動売上3万2千枚は前作「Me」の3万4千枚(3位)から微減。ジャニーズ事務所から退社した後は音楽での活動がメインのようですが、この数字は大健闘といった感じでしょう。ただ前作「Me」の時もHey!Say!JUMPのアルバムと発売日を重ねられ、おそらくジャニーズ事務所による露骨な1位獲得阻止だと思われます。

3位には先週1位の「HiGH & LOW ORIGINAL BEST ALBUM」が2ランクダウンでベスト3をキープしました。

続いて4位以下の初登場盤です。まず5位に布袋寅泰「51 Emotions -the best for the future-」が入ってきました。彼の活動35周年を記念してリリースされたベスト盤。主にソロ活動時代の作品からの選曲となりますが、COMPLEXやBOOWY時代の曲もライブ音源ですが数曲収録されています。初動売上は2万7千枚。直近のオリジナルアルバム「Stranger」の5千枚(12位)から大幅アップ。ベスト盤としては2005年にリリースされた「ALL TIME SUPER BEST」以来ですが、その初動7万枚(5位)より大幅ダウンしています。BOOWY時代の盟友、氷室京介が先日リリースしたオールタイムベスト「L'EPILOGUE」が初動売上8万5千枚で1位を獲得していますが、それに比べるとちょっと寂しい結果となりました。

6位初登場は松野十四松&松野トド松(小野大輔&入野自由)「おそ松さん 6つ子のお仕事体験ドラ松CDシリーズ トド松&十四松『警察官』」がランクインです。大人気アニメ「おそ松さん」から派生したドラマCDシリーズの第5弾。初動売上は2万3千枚。同シリーズの前作松野カラ松&松野一松(中村悠一&福山潤)  「おそ松さん 6つ子のお仕事体験ドラ松CDシリーズ カラ松&一松『弁護士』 」の4万枚(3位)より大幅ダウンとなています。まあ、ここらへんはキャラクター人気や声優人気と比例するのでしょうか。

7位にはレキシ「Vシキ」が入ってきました。元SUPER BUTTER DOGのメンバーで、現在も様々なミュージシャンへの楽曲提供やサポートなどで活躍している池田貴史のソロユニット。ミュージシャン名の通り、収録曲は日本史をテーマとした楽曲で統一されており、そのユーモラスなライブなどで人気を博しています。ベスト10入りは前作「レシキ」に続き2作目。初動売上2万2千枚はその前作の初動1万2千枚(7位)より大幅アップし、まだまだ人気が上昇基調であることを伺わせます。

8位初登場は元AKB48の前田敦子のソロデビューアルバム「Selfish」が入ってきました。初動売上1万7千枚は直近のシングル「セブンスコード」の4万2千枚(4位)から比べるとかなり寂しい結果に。全4種発売で、うち3種についてくるDVDの内容がすべて異なるという、1位のKis-my-Ft2と同様の凶悪使用ながらも売上は伸び悩みました。

最後10位には島爺「冥土ノ土産」がランクイン。人気動画サイト「ニコニコ動画」で人気の「歌い手」だそうで、「永遠の82歳」をキャッチフレーズとしているシンガーだそうです。初動売上は1万3千枚。これが初のアルバムとなります。

今週のアルバムチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に。

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2016年6月29日 (水)

初の1位獲得

今週のHot 100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

オリコンではシリーズ初のシングルチャート1位獲得だそうです。

今週1位を獲得したのは佐々木千枝(今井麻夏),櫻井桃華(照井春佳),市原仁奈(久野美咲),龍崎薫(春瀬なつみ),赤城みりあ(黒沢ともよ) 「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS STARLIGHT MASTER 03 ハイファイ☆デイズ」。ゲーム「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」のキャラクターソング。ビルボードではCD売上・配信・ストリーミング数(以下「実売数」)で1位、PCによるCD読取数で1位を獲得しているものの、他の順位では軒並み圏外というのがアニメファン以外一切波及していない様子が見て取れます。オリコンでも1位獲得となりましたが、同シリーズのシングルでは初の1位獲得だそうです。初動売上8万9千枚は同シリーズの前作速水奏(CV:飯田友子),塩見周子(CV:ルゥティン),城ヶ崎美嘉(CV:佳村はるか),宮本フレデリカ(CV:高野麻美),一ノ瀬志希(CV:藍原ことみ) 「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS STARLIGHT MASTER 02 Tulip」の3万1千枚(3位)より大幅増。これは同シングルにライブ先行抽選券が封入されている影響のよう。

2位は藤原さくら「Soup」が3週連続の2位をキープ。ベスト10入りも6週目となりロングヒットを続けています。

3位初登場はスターダストプロモーション所属の男性アイドルグループDISH//「HIGH-VOLTAGE DANCER」。一応ロック風のアレンジながらもメロディーラインはバリバリの90年代J-POP。初登場での3位獲得となりました。ちなみにオリコンでは初動売上3万8千枚で2位獲得。前作「俺たちルーキーズ」の初動4万4千枚(2位)よりダウン。

続いて4位以下の初登場曲です。4位には平井堅「魔法って言っていいかな・・・」が先週の26位からランクアップし初のベスト10入りです。パナソニック4Kカメラ TVCMソング。実売数で5位、ラジオオンエア数で9位など好調な成績を記録しています。ただしオリコンでは15位止まりなので、ダウンロードなどでも売上が伸びている模様。実際、PCによるCD読取数では52位と下位にとどまっています。暖かいアコースティックな雰囲気で聴かせる曲なのですが、素直な男性の心境を歌ったラブソングが平井堅らしいと感じる一方、ちょっと槇原敬之っぽい雰囲気も・・・。オリコンは初動売上8千枚で前作「Plus One」(15位)から横バイ。

6位にはジャニーズ系アイドルグループA.B.C-Z「Take a "5"Train」が初登場でランクイン。実売数で4位を記録しているほか、PCによるCD読取数で15位を記録。ちなみにオリコンでは初登場3位。初動売上は3万3千枚で前作「Moonlight walker」の8万枚(1位)よりダウン。ジャニーズ系としてはかなり寂しい数値となっています。

7位初登場は女性シンガーソングライターmiwa「Princess」。森永製菓「BAKE」CMソング。アコースティックで軽快なカントリー風のナンバー。実売数8位の他、ラジオオンエア16位、CD読取数11位、Twitterでのつぶやき数16位と万遍なく人気を確保している感じ。オリコンでは5位初登場。初動売上1万5千枚は前作「あなたがここにいて抱きしめることができるなら」の初動1万6千枚(8位)から微減。

9位はRe:vale「SILVER SKY」が初登場でランクイン。ゲーム「アイドリッシュセブン」挿入歌のキャラクターソング。実売数で9位ながらもCD読取数では44位と下位に。オリコンでは初動売上1万4千枚で初登場6位。

最後10位にはマオfrom SIDによる「月」がランクイン。こちらも実売数7位の一方、CD読取数は41位となっています。ヴィジュアル系らしい歌謡バラード。ソロではこれがデビューシングルとなります。オリコンでは初動売上2万1千枚で4位初登場となりました。

今週のシングルチャートは以上。アルバムチャートはまた明日に。

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2016年6月28日 (火)

スピッツのサポートでも話題に

Title:CALL
Musician:スカート

スカートというWebで検索しずらいこのミュージシャンは澤部渡によるソロプロジェクト。なにげに本作は既に5枚目となるアルバムでデビュー作から6年がたっている中堅どころ。以前から名前は知っていたのですが、今回、はじめて音源を聴いてみました。

さて今回、スカートについての感想を書くにあたって澤部渡のことをちょっと調べてみたいのですが、どうも彼、ミュージックステーションに出演したスピッツのサポートとして登場してちょっとした話題になったようですね。彼自身、他にも川本真琴やyes,mama ok?のサポートをつとめているみたいでそういうサポートミュージシャンとしての側面も持っている方のようです。

ただそんな中スピッツというと、スカートの楽曲自体、非常にスピッツに近いものを感じます。例えばタイトルチューンの「CALL」。ミディアムテンポのメロディアスなメロディーライン自体もスピッツが好きなら壺に入りそうなのですが、ギターの使い方もスピッツに近いものを感じますし、歌い方自体、どこか草野マサムネからの影響も感じてしまいます。

基本的にはそんなスピッツが好きなら気に入りそうな、派手さはないものの心にそっと触れてくるようなメロディアスなギターロックが特徴的な彼。ジャンル的にはシティポップとなるのでしょうか。ただ、その「シティポップ」という枠組みの中、「スピッツ風」と一言ではとどまらない音楽性がひとつの魅力に感じました。

例えば「いい夜」で聴かせてくれるちょっとネチッとした歌い方は、ちょっとオリジナルラヴの田島貴男っぽさを感じますし、続く「暗礁」もオリジナルラヴっぽさを感じるソウルテイストのポップチューンに仕上げています。

かと思えば「アンダーカレント」のように、ピアノを入れてきてちょっと爽やかさを感じるシティポップにはキリンジっぽい雰囲気も感じました。「ひびよひばりよ」などもホーン入って爽快さを出しつつ、ちょっとひねったメロディーラインにはスピッツ+キリンジ÷2といった印象も・・・そういえばタイトル自体もどこかスピッツとキリンジを足して2で割ったような感じだな・・・。

そんな感じで、シティポップと一言で言ってもその中に垣間見れる様々な要素が魅力的。良質なポップソングが楽しめるアルバムと言えるでしょう。ただその一方、このアルバムの説明で様々な既存のミュージシャンを出してきたことからもわかるように、目新しさという意味で言えば、スカートならではの個性あふれる尖ったサウンドという要素はちょっと薄いかも。どこかで聴いたような・・・という既聴感がつきまとってしまいます。もっとも、それがまた彼の楽曲を安心して聴ける要素ではあったりもするのですが。

もっとも外連味のない良質なポップソングが楽しめるという意味では幅広い層にもお勧めできそうな1枚。上にも名前をあげたスピッツやオリジナルラヴ、キリンジのファンなら楽しめるアルバムだと思います。派手さはないけどもどこか心に残るメロディーが魅力的な作品でした。

評価:★★★★

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2016年6月27日 (月)

R&B回帰

Title:PROUD
Musician:清水翔太

約2年ぶりとなる清水翔太のニューアルバム。昨年、彼自身初となるベスト盤をリリースし、その活動に一つの区切りをつけた彼の、新たな一歩を踏み出すアルバムと言えるかもしれない新作です。

清水翔太といえば一般的にはR&Bシンガーとして売っているものの楽曲的にはR&Bの枠組みにとらわれない広いジャンルの「ポップス」を歌っていたミュージシャンでした。イメージ的には平井堅に近いイメージと言えるかもしれません。特に前作「ENCORE」では明確にR&Bとは異なる方向性の楽曲が並んでおり、R&Bシンガーというイメージを拒否するようなアルバムになっていました。

しかし今回のアルバムに関してはそんな方向性をシフトチェンジ。明確にR&B路線への回帰を志向するアルバムになっています。それもR&B路線という大きな流れに加えて本作に大きな特徴はふたつ。ひとつはエレクトロサウンド主体の今風の音作りを目指しているという点、もうひとつはR&Bに加えてHIP HOP志向が非常に強いという点でした。

この今風なエレクトロサウンド主体のサウンドというのが、ベタにならず意外と楽曲にピッタリはまっていてなかなかカッコよく耳を惹きます。ただ惜しむらくはこれらの「今風」の楽曲は最新の流行というよりはワンテンポ遅れてしまっているといった感じ。例えば「Damage」などはいわゆるロボ声を取り入れていて、確かに一時期流行ったんだけども、最近はちょっと聴かなくなってきているよなぁ・・・。

HIP HOP志向が強い楽曲としてはタイトルチューンの「PROUD」をはじめ、「Good Conversation」「N.E.E.D」などラップを取り入れた曲が目立つ今回のアルバム。ラップを取り入れているという点のみならずサウンドの作り方にもHIP HOP的な要素が強く、これも意外と彼のボーカルにマッチしておりカッコよくはまっています。

そんな本作の傾向が一番はまっているのが「MONEY」。本作もロボ声を取り入れている点は賛否ありそうですが、ピアノを取り入れつつ美しくもダークに聴かせるトラックがまずは耳を惹きます。さらに本作でフューチャーしているSALUと青山テルマ(久しぶりに名前を聞いたな・・・)のラップがカッコいい。全体的に感じるけだるくくすんだ雰囲気にカッコよさを感じる名曲に仕上がっています。

またそんな今風の楽曲がある一方で1曲目の「Feel Good」をはじめ「花束のかわりにメロディーを」「キミノセカイへ」はゴスペル的な要素の強いナンバーに。「ANIMAL」はマイケル・ジャクソンからの影響も感じるファンキーなナンバーに仕上げており、ブラックミュージックの要素を幅広く取り入れている傾向もみられます。

そんな訳でR&B、ブラックミュージックの要素を強く取り入れた結果、それが彼の音楽性に見事なまでにはまった傑作アルバム。音的には最新というよりも一歩遅れた感じが若干玉に瑕といった感じなのですが、それを差し引いても非常にカッコいいアルバムに仕上がっていたと思います。もっともR&Bに限らず幅広いポップソングを取り上げる彼のスタイルも魅力的なだけに、次回作はどんな方向性に進むのか気になるところなのですが・・・。とりあえず本作はR&B回帰という試みが大成功な1枚でした。

評価:★★★★★

清水翔太 過去の作品
Umbrella
Journey
COLORS
NATURALLY
MELODY
ENCORE
ALL SINGLES BEST

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2016年6月26日 (日)

EGO-WRAPPIN'を多面的に知るベスト盤

Title:ROUTE 20 HIT THE ROAD
Musician:EGO-WRAPPIN'

今年、結成から20周年を迎えたEGO-WRAPPIN'のベストアルバム。全3枚組からなるオールタイムベスト。ただしベスト盤なのは3枚のうち2枚のみで残り1枚はカバーアルバムという変則的なベストアルバムとなっています。

ここ最近ベスト盤を紹介しているミュージシャンはいずれもはじめてのベスト盤ではなく、以前ベスト盤をリリースしておきながら短いスパンで新たにベスト盤をリリースするというケースが目立ちます。彼女たちにしても2008年にベスト盤「BEST WRAPPIN' 1996-2008」をリリースしており、その後リリースされたオリジナルアルバムは3枚のみ。うーん、まあ前作から8年の月日はたっているものの、その間、積極的な活動が目立っていたといった感じでもなく、正直、ベスト盤のスパンとしては短いものを感じます。

そのためベスト盤の感想としても基本的にはその前作「BEST WRAPPIN' 1996-2008」と同じ。ジャズやソウル、昭和歌謡曲やあるいはスカなどの要素も取り込みつつ、多彩な音楽性を感じるものの、全体としては良くも悪くもスキのない優等生的な印象。良く言えば初期の作品からEGO-WRAPPIN'サウンドを確立している反面、悪く言ってしまうと楽曲に意外性がないといった印象を受けます。

その点、オリジナルアルバムとしての直近作「steal a person's heart」はそのEGO-WRAPPIN'のパブリックイメージを覆すような挑戦的な作風が多く、非常にユニークだったのですが、さすがにオールタイムベストだとその「挑戦心」を反映されるほどには至っていない感じ。ここらへん、今後のEGO-WRAPPIN'の方向性に注目したいところなのですが・・・ひょっとしたら今回の20周年のベスト盤は、いままでのEGO-WRAPPIN'サウンドに一つの区切りをつけた、という意味もあるのでしょうか。次のオリジナルアルバムに注目したいところです。

さて本作でユニークだったのはDisc3にカバーアルバムをつけてきた点。彼らのルーツとも言える曲をカバーすることにより、よりEGO-WRAPPIN'とはどんなミュージシャンなのか浮かび上がらせようとしたのでしょうか。その選曲も、久保田早紀「異邦人」のようないかにもな選曲からDAVID BOWIE「ZIGGY STARDUST」なとというスタンダードナンバーながらも若干意外性のある選曲も目立ち、さらにはラストはたまの「さよなら人類」というこれまた意外性のある選曲で締めくくっています。

ただカバーはどの曲もいかにもEGO-WRAPPIN'という雰囲気のアレンジ。ジャジーな要素を加えた怪しげで昭和歌謡テイストのアレンジ。このカバーに関してもよく言えばEGO-WRAPPIN'らしさをきちんと確立している、と言える反面、悪い言ってしまえば少々カバーとしての意外な解釈というのは感じられませんでした。

そんな訳でEGO-WRAPPIN'というミュージシャンがどんなミュージシャンなのか、彼女たちの代表曲と彼女たちのルーツとなる曲のカバーで多面的に浮かび上がらせたベスト盤。その試みは非常にユニークだったと感じます。ただ、どんなミュージシャンなのかはよくも悪くもわかりやすい、といった印象が。もっとも最新作ではEGO-WRAPPIN'の意外な一面をのぞかせているだけに、結成から20年を経て、新たな一歩へ進みだそうという意欲も感じます。そういう意味ではこのベスト盤を区切りに次にどんな一歩を踏み出していくのか、楽しみです。

評価:★★★★

EGO-WRAPPIN' 過去の作品
ベストラッピン 1996-2008
EGO-WRAPPIN' AND THE GOSSIP OF JAXX
ないものねだりのデットヒート
steal a person's heart

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2016年6月25日 (土)

メンバー全員が作曲に参加

Title:Waltz on Life Line
Musician:9mm Parabellum Bullet

途中、ベスト盤のリリースがあったものの、9mm Parabellum Bulletの新譜としては約3年ぶりとなるニューアルバム。今回のアルバムは9mmの楽曲のメインライターである滝善充の楽曲の比率が大きく下がったというのが特徴的。滝善充が作曲を手掛けたのは15曲中わずか6曲のみ。いままでのアルバムでも何曲か滝善充以外のメンバーが手掛けた曲がありましたが、今回は他のメンバーが手掛けた曲がより増えたアルバムになっています。

それだけに今回のアルバムでは、楽曲を誰が作曲したのか考えつつ聴いていくとメンバーそれぞれの特徴が微妙に出ていてなかなかユニーク。まず特徴的なのが中村和彦。いままでのアルバムでも滝善充に続き楽曲を提供していた彼ですが、疾走感あるギターロックで良くも悪くもわかりやすいメロディーラインのJ-POP的という印象の強いナンバー。ギターサウンドもハードロック色が強いあたりに彼の嗜好が見て取れます。

一方かみじょうちひろや菅原卓郎の楽曲に関してはかなり哀愁感の強い作風を感じます。ある意味9mmらしいメロディーラインといった感じでしょうか。その9mmらしさをより強調した感じのメロディーラインといった印象を受けます。作曲慣れしていないだけに、無難に9mmらしさを追及してまとめたといった感じでしょうか。

やはりアルバムを通して聴くと滝善充作曲の楽曲が頭ひとつ出ているかな、といった感じがします。序盤の「生命のワルツ」「Lost!!」と滝作曲の楽曲を並べ、ラストも「スタンドバイミー」「太陽が欲しいだけ」と彼の作曲の楽曲で締めくくるあたりも、やはり9mmのメインライターは滝善充である、ということがわかっているからこその構成のように思います。

アレンジ的にも他メンバー作曲の曲がメロディー主体の楽曲が多かった一方、滝善充作曲の曲はダイナミックな曲が多かったように感じます。ラストの「太陽が欲しいだけ」もメロディーラインはもちろん、歌詞もおもいっきりGS風でインパクト十分。最後はしっかり9mmを聴いたという満足感をおぼえる締めくくりになっていたと思いました。

ただ、アルバム全体としてはやはり滝作曲の比率が落ちたことによって、若干物足りなさも感じたのは事実。特にメロディーが前に出てバンドのダイナミズムが薄れた結果、いままでの9mmの作品でも感じた、良くも悪くも歌謡曲っぽい「ベタさ」がより強調されてしまったように感じます。その結果、アルバム全体としてはもう一歩、物足りなさを感じてしまいました。

個人的にはやはり滝善充楽曲の比率をもっと増やした方がよいように感じたのですが・・・。ただ一方、他のメンバーの曲に関しては未熟さを感じるだけに伸びしろがあるのも事実。そういう意味では長い目で見ると、今後も他のメンバーの曲を聴いてみたい感じもします。難しい選択肢ではあると思うのですが・・・次回作、どんなアルバム構成になるのか、彼らの動向に注目したいところです。

評価:★★★★

9mm Parabellum Bullet 過去の作品
Termination
VAMPIRE
Revolutionary
Movement
Dawning
Greatest Hits

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2016年6月24日 (金)

実験的な曲から王道ナンバーまで

Title:POPMAN'S ANOTHER WORLD
Musician:スキマスイッチ

なぜか毎回ライブ盤のみ熱心にリリースし続けるスキマスイッチ。オリジナルアルバムは前作から2年の月日がたってしまいましたがそんな中リリースされたこのアルバムも企画盤。シングルのカップリング曲を集めたいわゆるカップリングベスト。一部のライブ音源、トークトラックをのぞく(インストは初回盤のみ)すべてのカップリング曲が収録されたアルバム。まあこの手のカップリング曲集はよくある企画なのですが、シングルのカップリング曲は熱心なファンではない限りなかなか追っていないだけに、ファンにとってもうれしいアルバムと言えるでしょう。

彼らに限らずシングルのカップリング曲といえば、シングル曲ともアルバム収録曲とも異なる、ちょっと実験的だったり、ちょっと目新しい感じの曲が多いのが特徴的。熱心なファン以外はなかなか注目したいからこそ、自由度の高い音楽性を試すことが出来るのでしょう。そしてスキマスイッチのカップリングを集めた本作にも間違いなくその傾向が見て取れました。

例えば「電話キ」などはシンセの音色がちょっとサイケ。ポップユニットという彼らのパブリックイメージからすると挑戦的に感じます。「ためいき」もホーンセッションからソウル的な要素を感じ取れ、こちらもスキマスイッチの音楽的ルーツのひとつを垣間見れる感じ。ルーツといえば「夕凪」は思いっきりビートルズ風に仕上げており、これもスキマスイッチの2人が好き勝手にやった影響でしょうか。

そんな彼らの意外な側面を垣間見ることが出来るような曲が多い反面、いかにもスキマスイッチらしい曲も少なくありません。「石コロDays」「トラベラーズ・ハイ」などはシングル曲としても通用しそうなスキマスイッチらしいポップチューン。まあ、ただしどちらの曲も既にベスト盤にも収録されていたりして、ファンにとってはおなじみなナンバーなのでしょうが。

その通常盤2枚組のアルバムの方も楽しめたのですが、個人的に注目していたのが初回盤にのみついてくるDISC3。こちらはカップリングのうちインスト曲やポエトリーリーディングの曲のみ収録されており、ある意味より「実験度」が強い1枚となっています。

その中でも特に聴きたかったのが「天白川を行く」。天白川は彼らの出身地である東海市から名古屋市南東部を流れる二級河川。ここの川の堤防道路、メンバーの常田真太郎の出身高校の学生が、自転車通学で多く利用しているのですが、そんな河川敷を自転車で行く光景が想像できるような爽やかなギターインストチューン。いや、自分の出身地のすぐ近くを流れる川なので、個人的にもとてもなじみのある川なんです。なにげに私も高校時代、自転車通学でここの河川敷をつかっていたりしたので・・・。それだけになじみのある「天白川」を歌った曲というだけにとてもうれしくなってしまいます。

さらにこのDisc3で耳を惹いたのは「Human Relations」。おさななじみとの思い出を綴ったこの曲は、彼ら唯一のポエトリーリーディングという、まさにカップリング曲ならではのナンバー。ただ歌詞の良さは一級品で、十分広いリスナー層にアピールできるポテンシャルを持った作品だと思います。隠れた名曲とすら言っていいかもしれないナンバーではないでしょうか。

なにげにDisc3はそんないかにもカップリング曲らしい挑戦的な曲が収録されているだけに初回盤のみというのはちょっともったいない気がします。ともすればこういう曲が聴けるということこそが、この種のカップリングベストの醍醐味だと思うのですが・・・。

そんな訳で実験的な曲から王道ナンバーまでバリエーションある曲が揃った、いかにもカップリングベストらしいアルバムだったと思います。スキマスイッチが好きなら間違いなく要注目のアルバム。できれば初回盤を是非。

評価:★★★★★

スキマスイッチ 過去の作品
ARENA TOUR'07 "W-ARENA"
ナユタとフカシギ
TOUR2010 "LAGRANGIAN POINT"
musium
DOUBLES BEST
TOUR 2012 "musium"

POP MAN'S WORLD~All Time Best 2003-2013~
スキマスイッチ TOUR 2012-2013"DOUBLES ALL JAPAN"
スキマスイッチ 10th Anniversary Arena Tour 2013“POPMAN'S WORLD"
スキマスイッチ 10th Anniversary“Symphonic Sound of SukimaSwitch"
スキマスイッチ
TOUR 2015 "SUKIMASWITCH" SPECIAL

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2016年6月23日 (木)

EXILE系全員集合!

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週の1位は今回のタイトル通りのオムニバス。

今週1位を獲得したのは「HiGH & LOW ORIGINAL BEST ALBUM」。EXILE及び同グループが所属する事務所の関連グループの総称であるEXILE TRIBEが展開するプロジェクト「HiGH&LOW」のベストアルバムだそうで、日テレ系ドラマ「HiGH&LOW」と映画「HiGH&LOW THE MOVIE」で使用される楽曲を集めた作品だそうです。三代目 J Soul BrothersやDOBERMAN INFINITY 、さらにE-Girlsも参加している本作。初動売上25万7千枚を記録し、今週のアルバムチャートで1位を獲得しました。

2位初登場はコブクロ「TIMELESS WORLD」。約2年6ヵ月ぶりとなるニューアルバム。残念ながらオリジナルアルバムでは2005年の「NAMELESS WORLD」から続けていた連続1位記録が途絶えてしまいました。ただ初動売上11万3千枚は前作「One Song From Two Hearts」の9万9千枚からアップ。ここ最近、一時期に比べると人気の下落傾向が続いていた彼らですが本作でなんとか売上が回復しました。

3位には姫川友紀(CV:杜野まこ)、市原仁奈(CV:久野美咲)、片桐早苗(CV:和氣あず未)、大槻唯(CV:山下七海)、相葉夕美(CV:木村珠莉)「THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER Passion jewelries! 003」がランクインしてきました。ゲーム「アイドルマスター シンデレラガールズ」からのキャラクターソング。初動売上は3万6千枚。「アイドルマスター シンデレラガールズ」からの直近作宮本フレデリカ(CV:髙野麻美)、一ノ瀬志希(CV:藍原ことみ)、櫻井桃華(CV:照井春佳)、中野有香(CV:下地紫野)、五十嵐響子(CV:種﨑敦美)名義の「THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER Cute jewelries! 003 」の3万2千枚(1位)からアップ。同じ「Passion」シリーズでは前作「THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER Passion jewelries! 002」の9千枚(9位)よりもアップしています。

続いて4位以下の初登場ですが、今週は洋楽勢、2組のロックバンドが上位にランクインしています。それが4位初登場、レッチリの愛称でも人気のアメリカのロックバンドRed Hot Chili Peppers「The Getaway」、そして6位初登場、イギリスのロックバンドRADIOHEAD「A MOON SHAPED POOL」の2枚。どちらも世界共通発売日の影響で金曜日のリリースだったのですが見事ベスト10入りしてきています。

レッチリは初動2万6千枚。前作「I'm With You」の7万3千枚(2位)から半減以下という結果に。金曜日発売という点を差し引いてもちょっと厳しい結果か。RADIOHEADは初動1万7千枚で前作「THE KING OF LIMBS」の2万6千枚からダウン。まあこちらは金曜日発売の影響といった感じでしょうか。

8位初登場は韓流の男性アイドルグループEXO「Ex'act」。韓国でリリースされたアルバムの輸入盤がベスト10入りです。初動売上1万5千枚。前作の同じく韓国でリリースされたミニアルバム「Sing For You:Winter Special Album」に続きベスト10入りです。

最後にもう1枚。ベスト10圏外からの返り咲き組が。7位に2PM「GALAXY OF 2PM」がランクイン。以前リリースされた「GALAXY OF 2PM」のパッケージを変え収録曲を増やしたリパッケージアルバムで、そのため再び売上を伸ばしてきたようです。

今週のアルバムチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2016年6月22日 (水)

韓流が目立つチャート

今週のHot 100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

ビルボードチャートにおいて感覚的にK-POPがさほど強くありません。一般的に韓流はCDの売上のみでラジオやYou Tubeの再生回数で上位になかなかこれないため。まあ、ラジオオンエア数やYou Tubeの再生回数をランキングに入れることにより、そういう「CDがイベントの参加券」となっている楽曲をチャート上位から排除しようとするのがビルボードチャートの試みなのでしょうが。

そんな中、今週はちょっと珍しく上位に韓流男性アイドルグループが目立つチャートとなりました。まず1位は男性アイドルグループBTOB「L.U.V.」が獲得。いかにもK-POPらしいハイトーンボイスのバラードナンバー。本作はタワレコ限定リリースという特殊形態ながらもセールス数(CD売上・ダウンロード・ストリーミング数)で1位を獲得したほか、Twitterつぶやき数でも3位を獲得。結果、見事1位獲得となりました。ちなみにオリコンでも1位を獲得。初動売上7万6千枚は前作「Dear Bride」の9万4千枚(2位)からダウン。

他にも4位にBlock B「Toy」、9位にEXO「Monster」と韓流男性アイドルグループの曲が2曲ベスト10入りしてきています。Block Bはメロウなネオソウルテイストも感じられるナンバー。セールス数で3位を記録し、初登場でこの位置。オリコンでも2位初登場となっており、初動売上4万6千枚は前作「Jackpot」の2万5千枚(5位)からアップしています。

EXO「Monster」はシングルリリースされていませんが、今週のアルバムチャートでランクインしているアルバム「EX'act」収録曲。Twitterつぶやき数で1位、You Tube再生回数で3位を記録し、シングル未リリースながらもベスト10入りしてきています。

さて、ベスト3に戻ります。2位は先週2位の藤原さくら「Soup」が2週連続同順位をキープ。セールス数で2位をキープしているほか、ラジオオンエア数で7位、You Tube再生回数で2位と好調な記録を維持しています。

3位にはFlower「やさしさで溢れるように」が先週の4位からランクアップし、2週ぶりにベスト3返り咲き。セールス数で5位をキープしていますがYou Tube再生回数で3週連続1位をキープしており、ヒットの原動力となっています。

続いて4位以下の初登場曲です。6位に三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE「MUGEN ROAD」が先週の42位からランクアップし、初のベスト10入りとなりました。日テレ系ドラマ「HiGH&LOW」挿入歌。シングルリリースはないものの、本作も収録された「HiGH & LOW ORIGINAL BEST ALBUM」が今週のアルバムチャートでランクインしており、その収録曲としての単品ダウンロード数が影響したのでしょうか。セールス数で6位を記録したほか、Twitterつぶやき数でも7位を記録し、初のベスト10入りとなりました。

10位にはDAIGO「KSK」がランクイン。ご存じBREAKERZとしても活動している男性ミュージシャン。ちょっとミスチルテイストのバラードナンバー。オリコンでも6位に初登場しており、初動売上1万2千枚を記録。前作「CHANGE !!」の1万4千枚(10位)から若干ダウン。

今週はもう1曲返り咲き曲が。7位にコブクロ「未来」が先週の21位からランクアップし、1月25日付チャート以来22週ぶりの返り咲き。こちらもアルバム「TIMELESS WORLD」リリースに伴い、単品でのダウンロード数が増えたと思われる点と、同じくアルバムリリースの影響でYou Tube再生回数が4位にランクアップしてきた影響が強いと思われます。

今週のシングルチャートは以上。アルバムチャートはまた明日に!

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2016年6月21日 (火)

8年ぶりのベスト盤

Title:ALL TIME BEST Presence
Musician:徳永英明

デビュー30周年を飾る徳永英明のオールタイムベスト。徳永英明のベスト盤ってまたかよ。こないだリリースしたばかりじゃん!という印象を持ったのですが、前のベスト盤「SINGLE BEST」からもう8年(!)もたったんですね。この年になると月日が経つのが異様に早い・・・。

ただもっとも、先のベスト盤「SINGLES BEST」から本作までにリリースされたオリジナルアルバムはわずか2枚。そういう意味では「もうベスト盤」という感想はあながち年のせいとばかりは言えないような。収録曲もかなりの部分重なっていますし。まあ昨日の氷室京介のベスト盤もそうでしたが、こういうベテランミュージシャンが短い間隔でベスト盤を出すケースは相次いでいますし・・・。

そんな訳で、昨日の氷室京介のベスト盤と同様、基本的な感想は前作「SINGLE BEST」から変わりません。思い出補正もあるのですがやはり聴き手の琴線に触れるようなメロディーライン、ストレートに思いを伝えるラブソングが非常に魅力的。中高生時代に徳永英明にはまったアラフォー世代も「VOCALIST」シリーズではじめて彼を知った方も、是非ともチェックしてほしいベスト盤です・・・ってことは前にも書いたような・・・。

またそれに加えて今回のベスト盤で思ったのですが、彼の曲っていまさらながら非常に歌謡曲だなぁと感じました。ストレートに思いのたけを訴えるラブソングというところから非常に歌謡曲的なのですが、哀愁たっぷりに歌う上げるバラードナンバーなんでまさに歌謡曲そのもの。「BIRDS」あたりはもろにムード歌謡曲ですよね。

ただそれは悪いことではなく、むしろそれ以上に感じたのが彼の歌声がこの歌謡曲風の曲にピッタリマッチしている、ということでした。ちょっとしゃがれた色っぽさも感じるハイトーンボイスはムーディーな曲調にとてもマッチしています。決して声量のある迫力あるボーカルといった感じではないのですが、確実に胸の奥の弱い部分に届く感じ。そういうボーカリストとしての魅力があるからこそ、「VOCALIST」シリーズが大ヒットしたのでしょう。彼のオリジナル作からも、もちろんボーカリストとしての魅力を強く感じることが出来ました。

まあそんな訳で・・・前のオリジナル「SINGLES BEST」を持っている人が再度こちらを購入するインセンティブはちょっと弱いかも。ただ徳永英明の魅力を知るためには最適なベスト盤。3枚組というボリューミーな内容ですが、入門盤として、是非。

評価:★★★★★

徳永英明 過去の作品
SINGLES BEST
SINGLES B-Side BEST

WE ALL
VOCALIST4
VOCALIST&BALLADE BEST
VOCALIST VINTAGE
STATEMENT
VOCALIST 6

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2016年6月20日 (月)

先日のラストギグも大盛況

Title:L'EPILOGUE
Musician:氷室京介

自身の耳の不調などからライブ活動の無期限休止を発表した氷室京介。その「ラストギグ」も先日、盛況のうちに幕を下ろしたようですが、そのラストライブ直前に発売されたのが本作。彼のソロでの楽曲に含めてBOOWY時代の曲も含めたオールキャリアベストだそうです。

もっとも氷室京介のベストとしてはたった3年前に25周年記念としてオールタイムベストをリリースしたばかり。もっといえばその5年前には20周年記念としてシングルベストをリリースしています。

BOOWYの曲はその25周年記念のベストアルバム「GREATEST ANTHOLOGY」には収録されていないものの、収録曲は重なる部分も多く、感想は基本的に「GREATEST ANTHOLOGY」と一緒(苦笑)。まさに90年代J-POPの原点といった印象を受けるアルバムです。

また今回のアルバムで氷室京介楽曲を通して聴いてあらためて感じたのが、歌謡曲テイストが強いなぁ、という点でした。「MONOCHROME RAINBOW」なんかは哀愁たっぷりのギターメロディーを聴かせる歌謡曲テイストの強いナンバー。「FUNNY-BOY」などもギターサウンドを前に出していてロックテイストも強いのですが、メロディーラインはベタベタな歌謡曲。良くも悪くも日本人の琴線に触れるメロというのが氷室京介の特徴でしょうか。

もちろん「WARRIORS」みたいなギターサウンドを前に出したロックテイストが強い曲もあったりしますし、「CRIME OF LOVE」のようにバンドサウンドに打ち込みを入れてダイナミックにまとめあげた楽曲もありました。ただ全体的には「歌謡ロック」という印象が強くなっているのが特徴的。これが氷室京介の大きな魅力のひとつである一方、歌謡曲的なベタベタなリズムとメロディーラインにはちょっと物足りなさを感じてしまう点も事実です。

ちなみに本作は通常は2枚組で初回盤のみ3枚組。初回盤のDisc3はライブ音源になっています。BOOWY時代の音源は氷室京介作曲による楽曲が本編に収録されており、「B・BLUE」「MARIONETTE」「ONLY YOU」などBOOWYの代表曲ながらも布袋寅泰作曲による楽曲はこちらにライブ音源として収録されています。本編2枚組だけだとBOOWYの代表曲が網羅されておらず少々物足りなさを感じる部分もあるので、それを補うためにライブ音源として収録したのでしょう。

個人的には氷室京介のベスト盤は乱発気味ですし、BOOWYのベストも何枚も出ているので、このアルバムはさほど積極的にお勧めできるような内容でもないかも。Disc3のライブ音源はファンにとってはうれしいところなのですが、肝心の「B・BLUE」や「MARIONETTE」でサビの部分を観客に歌わせちゃっているのがライブ音源としてはかなり不満。熱心なファンは初回盤を。それ以外のライトリスナーは・・・いままでのベスト盤で十分なような・・・。

評価:★★★

氷室京介 過去の作品
KYOSUKE HIMURO 25th Anniversary BEST ALBUM GREATEST ANTHOLOGY

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2016年6月19日 (日)

コンゴトロニクスの中心ミュージシャン

Title:KONONO No.1 MEETS BATIDA
Musician:KONONO No.1 MEETS BATIDA

コンゴはキンシャサ出身のミュージシャン、KONONO No.1の6年ぶりとなるニューアルバム。KONONO No.1といえば親指ピアノを電気で増幅させた音を鳴らす人力トランスチューンで一世を風靡したグループ。もともとは結成が1966年という超ベテラングループなのですが、2004年にリリースしたアルバム「Congotronics」が大きな話題に。2007年にはBjorkのアルバム「Volta」に参加したほか、2008年にはグラミー賞にノミネートされるなど大きな話題となりました。

そんな彼らの久しぶりとなる新作はBATIDAとのコラボ作。BATIDAはアンゴラ系ポルトガル人DJ Mpulaによるプロジェクトだそうで、自身の作品ではアンゴラ発祥のダンスミュージック、クドゥロを奏でているそうです。

KONONO No.1といえば話題となったアルバムタイトルでもある「コンゴトロニクス」という人力トランスのムーブメントの中心にいた人物。コンゴトロニクスに関しては以前、KASAI ALLSTARSのアルバムを聴き、すっかりはまってしまったように個人的には「壺」なジャンル。ただ、いままで機会がなく、KONONO No.1については今回きちんとアルバムを聴いたのははじめてとなります。

そんな彼らの音楽は個人的にはまさに期待通りの音楽。例えば「Yambadi Mama」は心地よいパーカッションのリズムが延々と続き軽くトラップできるナンバー。微妙にチープな打ち込みの音色もまた楽しかったりします。「Bom Dia」では最初、男女の掛け合いと手拍子のみというシンプルなスタート。その後は打ち込みのリズムが入りますが、基本的にシンプルなトラックが特徴的。アフリカの現場の音楽がそのまま伝わってくるような内容になっています。

また「Nzonzing Familia」は彼らの持ち味である親指ピアノの音色が心地よいナンバー。11分にもわたりミニマルに展開していく構成が実に心地よいナンバーになっています。

全体的にはいかにもコンゴの音楽をそのまま伝えつつ、所々にエレクトロサウンドの要素もうまく取り入れているサウンドが実に心地よい感じ。そんな中、今回、BATIDAとのコラボということになるんどえすが、彼はDJとしてブラジルのサンバの原型と言われるアンゴラの伝統音楽センバを良く取り入れているとか。今回のアルバム「Nlele Kalusimbiko」「Tokolanda」ではラテンな要素も感じられるのですが、ここらへんがBATIDAとのコラボだからこそ生まれたサウンドといった感じなのでしょうか。

ある種のベタさも感じる部分もあるのですが、ケレン味のないサウンドが心地よく素直に楽しめるアルバムだったと思います。アフリカ音楽が好きな方、あるいは日本でいえばROVOあたりが好きなら文句なしに要チェックのアルバムです。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Title/Meghan Trainor

今年のグラミー賞で新人賞を受賞し日本でも話題となった女性シンガーソングライター。個人的には本作にも収録されている60年代のガールズポップを彷彿とさせる「All About That Bass」にはまってしまいました。他にもドゥーワップ、ソウル、60年代ポップスなどちょっとレトロな雰囲気も漂う楽しいポップチューンが揃っていて、素直にワクワクさせられるアルバム。ポップソングの楽しさがつまっているような、実に楽しいアルバムに仕上がっていました。

評価:★★★★★

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2016年6月18日 (土)

20周年のベスト

Title:20th Anniversary BEST ALBUM 非脱力派宣言
Musician:PUFFY

PUFFY結成20周年のベストアルバム。「非脱力派宣言」というタイトルがまずはユニーク。あきらかに1989年にリリースされた森高千里のアルバム「非実力派宣言」からのパロディー。本人にもタイトル使用に関しては許諾を得ているそうです。

森高千里とPUFFYは曲の感じは似ていないのですがその立ち位置的には似ているものを感じます。いわばアイドルとミュージシャンの中間のような存在。森高千里はアイドルのパロディー的なところもあるのですが、アイドル的な部分とミュージシャン的な部分の良いとこどりの存在といった感じでしょうか。この系譜はその後の木村カエラに引き継がれていきます。

昨今ではすっかり女性アイドルが増えてしまった影響でこの手のミュージシャンが少なくなってしまいましたし、いままでPUFFYや木村カエラが歌っていたような「実力派ミュージシャン」の曲をそういったアイドル勢が歌うことが増えてきてしまいました。ただ彼女たちと今の女性アイドルには大きな違いがあるように思います。それは彼女たちが男性に媚びていないこと。いかにも男性が好みそうな「かわいい」ボーカルと「かわいい」ルックスでかわいらしく歌う女性アイドル勢と異なり、PUFFYは間違いなく男性に媚びない一本の芯を感じます。まさに「非脱力派宣言」というアルバムタイトルの通り、「脱力系」と呼ばれながら一本の芯が取っていたからこそ、20年という長きにわたり活動を続けてこれたのでしょう。

さて今回のPUFFYのベスト盤はいわばシングルベスト。大ヒットしたデビュー作「アジアの純真」から最新シングル「パフィピポ山」までのシングルが発売順に並んでいます。20周年ベストにふさわりいPUFFYの歩みを知ることが出来るベスト盤になっています。

もっとも2枚組にわけられた今回のベスト盤なのですが、内容的に良かったのはやはり1枚目。大ヒットしていた頃の楽曲なだけに勢いがありますし、なによりも初期の奥田民生の作品群が非常にユニーク。奥田民生の脱力感あるギターポップと彼女たちの相性がピッタリだった、ということが実感できます。

2枚目に関しても決して悪くはないのですが、基本的には普通のギターロックといった感じ。切ないメロが耳を惹く「ハッピーバースディ」やユーモラスなエレクトロポップ「トモダチのわぉ!」などいい曲もあるのですが、やはり初期の作品群に比べるとインパクトは薄いですし、ある種PUFFYのキャラクター的な側面ばかりが上滑りしている感もある楽曲も。楽曲提供は椎名林檎や吉井和哉など豪華な面子も顔をそろえているのですが、残念ながら参加ミュージシャンの名前の大きさほどには名曲にはなっていませんでした。

とはいうもののアルバム全体としてはやはり難しいこと抜きに楽しめるポップソングが揃った内容に。これぞポピュラーミュージックの楽しさを感じられるアルバムだったと思います。まだまだPUFFYとしての積極的な活動は続きそう。これからもたくさんの楽しいポップチューンが聴けそうです。

評価:★★★★★

PUFFY 過去の作品
honeycreeper
PUFFY AMIYUMI×PUFFY
Bring it!
15

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2016年6月17日 (金)

積極的なソロ活動が続くが・・・

Title:enigma
Musician:TAK MATSUMOTO

B'zのギタリスト、松本孝弘による2年ぶりのソロアルバム。ここ数年、隔年でのアルバムリリースが続いており、積極的なソロ活動が目立ちます。特に今回のアルバムでは「ミュージックステーション」のテーマ曲としても知られる「#1090」の再レコーディング作品がおさめられていることでも話題となりました。

アルバム全体としてはかなりフュージョン色の強い作品。序盤のタイトルチューン「enigma」「Step to Heaven」はかなりの哀愁感が漂うギターフレーズが印象に残る作品。この哀愁感あるギターフレーズはアルバム全体を貫かれています。また後半にかけて「Hopes」「Under The Sun」などはAORの色合いの強いナンバーとなっています。

一方中盤はロック色の強いナンバー。「Ups and Downs」はダイナミックなハードロック色強いギターサウンドが印象的。「Rock The Rock」もまあタイトル通りなのですが、へヴィーなギターリフを入れたロックなナンバーになっており、ここらへん、松本孝弘のロックな側面を強く感じます。

まあそんな感じで「ロック」な色合いの強い曲も見え隠れしつつも全体的には落ち着いた雰囲気の曲が多いアルバムに仕上がっています・・・・・が、正直言ってつまらない(苦笑)。おとなしいギターフレーズに終始していて、特におもしろいアイディアや挑戦などは皆無。そのフレーズ自体も特にこれといって惹かれるようなフレーズは少なく、はっきりいってしまえば単なるBGMと化してしまっています。

また今回ラストに、前述の通り「#1090」の再レコーディング作「#1090 ~Million Dreams~」が入っているからこそ、逆に他の曲のインパクトが非常に薄れてしまった感があります。ご存じ「ミュージックステーション」のテーマ曲として耳なじみある曲なのですが、それを差し引いてもやはりメロディーラインのインパクトという意味では他の曲からずば抜けています。それだけに他の曲の「つまらなさ」が目立ってしまったように思います。

ここ最近、ソロ作はどうもつまらない作品が続いてしまっている感じもします。なんか全体的に無難にまとめちゃっている感じがするんだよなぁ。ソロ作だけにもっと自由につくればいいと思うのですが・・・。

評価:★★★

TAK MATSUMOTO 過去の作品
TAKE YOUR PICK(Larry Carlton&Tak Matsumoto)
Strings Of My Soul
New Horizon


ほかに聴いたアルバム

“CHOICE" BY 堀込泰行/堀込泰行

以前、NONA REEVESも参加したビルボードレコードの洋楽カバーアルバムシリーズ「CHOICE」。新作は「馬の骨」としても活動している元キリンジの堀込泰行のソロアルバム。The Doorsの「Light My Fire」やロイ・オービソンの「Oh Pretty Woman」などをカバーしています。アレンジは全体的にシンプル・・・なのですが、シンプル以上にチープといった印象。アレンジもいまひとつなのですがそれ以上にボーカルがいまひとつ曲にあっていないヘナヘナなボーカル。堀込泰行ってボーカリストとしてこんなにいまひとつだったっけ??正直、ちょっと厳しいカバーアルバムでした。

評価:★★★

馬の骨(堀込泰行) 過去の作品
River

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2016年6月16日 (木)

70代のロック

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

ロックというジャンルがヒットチャートでもおなじみになって久しい中、最近は50代、60代のミュージシャンも珍しくなくなってきました。そんな中、今週のヒットチャートでは史上最年長のアルバムTOP10記録が生まれています。

それが4位初登場のPaul McCartney「pure McCartney」。ご存じ元THE BEATLESのポール・マッカートニーのオールタイムベストがベスト10入りしていますが御年74歳だそうで、いままで彼自身が持っていた71歳11ヵ月(2014年にアルバム「NEW」で達成)を上回り、アルバムベスト10入り最年長記録を更新しています。

参考サイト ポール、ソロ45周年ベストで最年長TOP10記録更新

ちなみに先日、小田和正のベスト盤「あの日 あの時」が最年長の1位を記録していますが(今週も8位にランクイン)、ベスト10入りの年長記録はベスト3とも洋楽勢(2位キース・リチャーズ、3位エリック・クラプトン)だそうで、ここはさすがに邦楽に比べてロックの歴史の長さも感じます。また、上位の3人とも、いまだに精力的な活動を続けており、まだまだこの記録は伸びていきそうです。

ちなみにポールのベスト盤は初動売上1万4千枚。直近のオリジナルアルバム「NEW」の2万2千枚からダウンしていますが、これは世界同時発売の影響で金曜日発売となった影響でしょう。ただベスト盤としては少々低水準。まあ2001年に同じくオールタイムベスト「夢の翼~ヒッツ&ヒストリー~」を発売済ですので、その影響でしょうか。とはいえ、もう15年も前の話なのですが・・・。

さて1位に戻ります。今週1位を獲得したのはジャニーズ系。Kinki Kidsの堂本剛のソロミニアルバム「Grateful Rebirth」が獲得しています。初動売上3万9千枚は前作「TU」の5万8千枚(1位)よりダウン。まあ、フルアルバムだった前作と比べて本作はミニアルバムだった影響でしょう。

2位も男性アイドル勢。Lead「THE SHOWCASE」が獲得。2位はシングルアルバム通じて自己最高位。初動売上2万3千枚は前作「NOW OR NEVER」の2万枚(6位)からアップ。

3位初登場は人気声優鈴木達央主導のロックユニットOLDCODEXのベスト盤「OLDCODEX Single Collection『Fixed Engine』」。タイトル通り、彼らのいままで発売した12枚のシングルを網羅したアルバム。初動売上2万1千枚は前作のミニアルバム「pledge」の1万3千枚(5位)よりアップ。ただし、フルアルバムとしての直近作「A Silent, within The Roar」(5位)からは横バイとなっています。

続いて4位以下の初登場盤です。まずは5位初登場。松田聖子「Shining Star」。なんと彼女50枚目となるオリジナルアルバムだそうです。黄金期が去ってからすっかり久しい彼女ですが、それでも根強い人気を感じさせます。初動売上は1万2千枚。直近作はベスト盤「We Love SEIKO -35th Anniversary 松田聖子究極オールタイムベスト50Songs-」の5万枚(3位)からはさすがにダウン。オリジナルアルバムとしては前作の「Bibbidi-Bobbidi-Boo」の1万3千枚(6位)からも若干ダウンしています。

8位には韓国の男性アイドルグループSEVENTEEN「Love&Letter」が入ってきています。もともと4月にリリースされたアルバムでしたが、このたびベスト10圏外からランクアップしてベスト10入り。これは8月に実施予定のサイン会に参加するために、6月9日以降にアルバムを購入する必要があったため、売上が急増したものと思われます。

そして10位にはindigo la End「藍色ミュージック」がランクイン。ご存じの通り、いまだにワイドショーネタ的に話題となっているゲスの極み乙女。の川谷絵音の別バンド(ただ、結成時期からはむしろこちらの方が「本命」と言えるかもしれませんが)。初動売上7千枚は前作「幸せが溢れたら」の8千枚(7位)から微減。例の不倫騒動がマイナスに働いたかどうかはかなり微妙な感じ。

今週のアルバムチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に。

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2016年6月15日 (水)

ドラマで話題のあの曲がランクアップ

今週のHot 100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週のHot100はまず2位の紹介から。藤原さくら「Soup」が先週の8位からランクアップ。チャートイン5週目にして自己最高位を更新しています。フジテレビ系ドラマ「ラヴソング」のヒロイン役に抜擢。主演の福山雅治作詞作曲によるドラマ主題歌の本作がヒットを記録。いままで配信先行でのランクインでしたが今週はCDもリリースされ、見事2位にランクアップしています。なお、オリコンチャートでも初動売上3万1千枚で4位にランクインしています。

なお本作のカップリング曲「好きよ 好きよ 好きよ」も先週の11位から10位にランクアップし2週ぶりにベスト10返り咲き。藤原さくらは今週ベスト10圏内に2曲をランクインさせています。

さて今週1位を獲得したのはV6「Beautiful World」。毎度おなじみのテレビ朝日系ドラマ「警視庁捜査一課9係」主題歌。秦基博が作詞作曲を手掛けた爽やかなポップチューン。ちなみにオリコンでも初登場で1位獲得。初動売上11万5千枚は前作「Timeless」の9万3千枚(1位)からアップ。

3位にはavexの男女混合グループAAA「NEW」が先週の9位からランクアップ。チャートイン6週目にして自己最高位を更新しています。こちらも藤原さくらと同様、配信先行リリースだった作品のCDが発売された影響。オリコンでも3位に初登場しており初動3万5千枚は前作「愛してるのに、愛せない」の初動2万8千枚(4位)からアップしています。

続いて4位以下の初登場組ですが、今週初登場は1曲のみ。7位にGuilty Kiss「Strawberry Trapper」がランクイン。アニメキャラによるアイドルプロジェクト「ラブライブ!サンシャイン!!」登場キャラクターによるユニット。ハードロック風のナンバー。初登場でこの位置にランクインしてきました。ちなみにオリコンでも5位(初動売上3万枚)にランクインしています。

今週、もう1曲、ベスト10圏外からの返り咲きがありました。それがSMAP「世界に一つだけの花」。先週の18位からランクアップし、今週6位にランクインしています。ベスト10入りは今年5月16日付ランキングの10位以来5週ぶり。Twitterのつぶやき数で1位を獲得したほか、CD・ダウンロード・スクリーミング数で先週のランク圏外から37位にランクアップした要素が大きい模様。なんでも1月のSMAP解散騒動以来のファンによる購買運動が続いている影響のようで、今週はオリコンでも7千枚を売り上げて10位にランクインしてきています。

今週のシングルチャートは以上。アルバムチャートはまた明日に!

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2016年6月14日 (火)

原子力の両面性も表現

Title:ATOMIC
Musician:MOGWAI

昨年、結成20周年を迎えベスト盤をリリースしたMOGWAIの新作。ただし、今回のアルバムは純然たるオリジナルアルバムではなく、昨年8月にイギリスBBCで放送されたドキュメンタリー番組「Atomic: Living In Dread and Promise」をもとにした作品。以前から彼らはサントラアルバムも何作かリリースしてきましたが、それに準ずる作品といった感じでしょう。

そのため楽曲はMOGWAIらしいという印象よりもまず「サントラらしい」という印象を受けます。MOGWAIといえば最近ではエレクトロサウンドを取り入れた楽曲にも取り組んでいますが、基本的にノイジーなギターサウンドでダイナミックに構成する楽曲がメイン。ただ今回のアルバムではサウンドはダイナミズムを感じるもののノイジーなギターがグイグイと攻めてくるというよりはポップなメロディーとシンセを多用したスケール感あるサウンドでまずは雰囲気を作り出すような楽曲に仕上げているように感じました。

そのため、「実験性」という意味ではちょっと薄味な感じもあり、通常のMOGWAIのオリジナルアルバムを聴く感覚だと若干の物足りなさもある点も事実。もっとも「Tzar」はダイナミックなバンドサウンドを聴かせてくれる、一般的なイメージで実にMOGWAIらしさを感じる作品になっていますし、ラストを飾る「Fat Man」も最後のノイジーなサウンドに重なるピアノの音色が実に美しく、全体的には十分満足感のあるアルバムになっていたと思います。

さて今回のアルバム、上にも書いた通り、「Atomic」というドキュメンタリー番組のサントラを元にしています。「Atomic」=原子力といえばやはり日本人としては広島や長崎への原爆や福島第一原発の事故を思い出します。実際、過去に彼らが広島を訪問した際の経験も今回の作品には反映されているそうです。

しかしその上でアルバムを聴くと、全体的にはむしろ明るさも感じさせる点が非常に意外に感じました。「Little boy」や「Fat Man」などはかなり悲しみを帯びた楽曲になっていますし(またこれらはタイトルからして明らかに広島・長崎の原爆をモチーフにした楽曲でしょうし)、不気味な雰囲気を感じる楽曲は少なくありません。ただ一方で「Ether」のような明るい楽曲も多く収録されています。

これはドキュメンタリー自体が核兵器や原爆、原子力発電所の事故のような原子力の負の側面のみにクローズアップするのではなく、例えばレントゲンやMRIスキャンなど、私たちの役に立つプラスの側面もクローズアップしているからだそうです。このアルバムの収録曲でも「SCRAM」などは明るさと不気味さが同居したような作風が印象的で、まさに原子力というエネルギーの両面性を象徴したような作品になっていました。

そういう意味ではバランスの取れた作風とも言えるのかもしれません。ともすれ「Atomic」というタイトルから想像できるような原子力反対/賛成のような単純な主張は感じられませんでした。

さてそんな本作をまとめると・・・サントラらしい部分は多々あるものの、MOGWAIの魅力もきちんと感じられるアルバムといった感じでしょうか。ファンならとりあえずは要チェックの1枚だと思います。

評価:★★★★

MOGWAI 過去の作品
The Hawk Is Howling
HARDCORE WILL NEVER DIE,BUT YOU WILL
Live at All Tomorrow's Parties,9th April 2000
Earth Division EP
Rave Tapes
Les Revenants
CENTRAL BELTERS


ほかに聴いたアルバム

Wilder Mind/Mumford&Sons

デビューアルバム「Sigh No More」、2ndアルバム「Babel」共に世界的なヒットを記録した上、グラミー賞も連続して受賞し大きな話題となったイギリスのフォークロックバンドの新作。ただフォークロックだった1st、2ndと比べて今回は「普通の」スタジアムロックになっていました。確かに前作あたりからある種の貫録は感じていたのですが・・・。悪いアルバムではないのですが、Mumford&Sonsらしさはあまり出ていなかったような印象が。

評価:★★★

Mumford&Sons 過去の作品
Sigh No More
Babel

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2016年6月13日 (月)

ストーンズの原点回帰

年内のニューアルバムリリースにむけて楽曲制作中というニュースが大きな話題となったTHE ROLLING STONES。主だったメンバーが既に70歳を超えていながらも積極的な活動が目立つ彼らですが、今回、新たに映像作品がリリースされて話題となっています。

それが本作、「TOTALLY STRIPPED」。「Stripped」とは、94年から95年にかけて日本のスタジオでのセッションやパリやアムステルダム、ロンドン、リスボンで行われたアコースティックセットでのライブの模様をおさめたライブアルバム。もともとこのプロジェクトの試みを追ったテレビのドキュメンタリー番組が制作されたのですが、本作はそのドキュメンタリー番組に映像を追加、再編集した作品だそうです。

この「Stripped」というアルバム、決してストーンズを代表するようなライブアルバム、という訳ではなく実は私も今回の作品がリリースされるまで聴いたことありませんでした。それなので今回、本作を見るにあたって「Stripped」を購入し、聴いてみました。

映像作品の方は、その「Stripped」収録作品も含めたライブ映像とメンバーのインタビューがほぼ交互に収録されています。「Stripped」のプロジェクトで行われたライブは、いずれも非常に小さいライブ会場でのライブだったようで、そのチケット獲得を巡る競争の模様もチラッとドキュメンタリーの中では触れられています。また「Stripped」のライブについては多くのメンバーがストーンズにとっても原点回帰と語っていて、キースも「俺たちはクラブバンドだ」と語っていたのが印象的。スタジアムバンドとなって久しい彼らにとって、狭い会場でのライブは昔を思い起こさせるものだったのかもしれません。

実際、間に挟まれるライブ音源は狭い会場でも全くものともしないイキイキとしたメンバーの姿が収録されています。インタビューでミックは「狭い会場は動けないことが難点だ」と言っていましたが、キースは「狭い会場でもミックにかなうやつはいない」と語っており、確かにライブ映像を見る限り、狭い会場でもミックのパフォーマンスは人を確実に惹きつけるものを感じます。

今回聴いたアルバム「Stripped」は聴きなれたストーンズのアルバムのアコースティックバージョンが収録されています。最初聴く前に、ストーンズといえばミックのボーカルと共に、あの独特のグルーヴ感あるキースのギターが大きな特徴なだけにアコースティックアレンジになるとどうなるんだろう、と思っていたのですが、アルバムを聴いてみるとアコースティックアレンジでもしっかりストーンズの曲になっていました。

この映像作品には初回限定盤としてライブCDがついてきています。こちらに収録されている曲は「Stripped」と重複を避けた選曲がなされていました。そのため、アコースティックな作品はあまり収録されておらず、このライブCDだけだとアコースティックセットというイメージはありません。ただ狭い会場でのライブなだけにスタジアムライブの音源とはまた異なる迫力が感じられます。全体的に引き締まったようなタイトな演奏といった感じでしょうか。スケール感とか派手さとかはありませんが、ストーンズの魅力が凝縮されたようなライブパフォーマンスを楽しむことが出来ました。

正直、「全盛期のパフォーマンス」ではありませんし、アコースティックセットなだけに派手さはありませんが、一方で円熟されたストーンズのパフォーマンスが実に魅力的な作品。「Stripped」が未聴でも十分楽しめる作品でした。

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2016年6月12日 (日)

32年ぶりのニューアルバム・・・・・・・??

Title:DEBUT AGAIN
Musician:大滝詠一

大きな話題となった大滝詠一の「ニューアルバム」。今回の作品は彼が他のミュージシャンへ提供した楽曲を自らのボーカルで歌ったバージョンをまとめたもの。多くは彼の逝去後の遺品整理の段階で見つかった作品だそうです。いわば企画盤的なセルフカバーアルバムなのですが、公式には「EACH TIME」以来32年ぶりのオリジナルアルバムという取り扱い。まあ、そういう取り扱いの方が広告的に威力を発揮するということなのでしょう。ここらへん、大人な事情も見え隠れしてしまうのですが。

ここらへんの音源が残されていた理由は不明ということですが一説には楽曲提供相手へのガイドボーカルだったのではないかと言われているそうです。実際、今回本作で収録されている曲に関しては基本的に原曲に忠実なアレンジ。ボーカルも比較的に淡々とした感じで大滝詠一としての提供曲とは違う解釈、というのはあまりありません。

それだけに逆に、奇をてらわないカバーを素直に楽しめる内容、という印象。また、そんな「ガイドボーカル」的な内容ながらも聴いているとちゃんと大滝詠一の楽曲になっていると感じました。それはアレンジやメロディーラインを含めて誰への提供曲でも、大滝詠一らしさ、というものが大きな理由のように感じます。

楽曲的には言うまでもありませんがナイアガラサウンド全開のポップチューンから「星空のサーカス」のようなドゥー・ワップチューン、「探偵物語」のような歌謡曲風な曲まで様々なタイプがありつつ、どの曲もポップソングの楽しさを体現化するかのようなキュートなポップチューンが並んでいます。他の人への提供曲のセルフカバーとはいえ、間違いなく大滝詠一の魅力がつまったアルバムだったと思います。

ただ、死後、本人の承諾をもちろん得ることなくリリースされたアルバム。楽曲のよってはデモ音源色も強く、生前にはとても発表の許可が出たとは思えません。加えて生前、彼自身、セルフカバーというスタイルには否定的だったようで、そういう意味ではミュージシャンが死んだあとによくリリースされがちな、本人の意思に沿った作品であるのか、かなり疑問に残るような内容ではあります。

実際、Amazonのレビューでもファンの複雑な心境を垣間見れるようなレビューもちらほら。ただ一方では「彼本人も理解してくれるはずだ」的な、若干勝手な(苦笑)論調も多く、まあファンなんてものは勝手なものだなぁ・・・なんてことも感じてしまいました。もっとも、全体的には肯定的な評価が多いみたいです。この手の死後にリリースされる企画盤は内容によってはファンにもそっぽを向かれるケースも少なくないだけに、そういう意味ではこのアルバムはリリースされた意義のあった作品、と言えるのかもしれません。

そんな訳で、大滝詠一の良質なポップソングが終始楽しめる傑作。熱心なファンではなくてももちろん楽しめる素敵なポップアルバムでした。

評価:★★★★★

大滝詠一 過去の作品
EACH TIME 30th Anniversary Edition
Best Always
NIAGARA MOON -40th Anniversary Edition-

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2016年6月11日 (土)

ジャジーに大人な雰囲気で

Title:Toko Furuuchi with 10 legends
Musician:古内東子

結婚・出産のため長らく事実上の活動休止状態だった古内東子。久しぶりとなる新作はカバーアルバムとなりました。このカバーアルバム、いわゆるJ-POPの名曲をかっばーしたアルバムなのですが、ユニークなのが「with 10 legends」と名付けられたタイトルの通り、カバーの原曲を歌うミュージシャンたちとのドゥオというスタイルになっていること。そういう意味では純粋なカバーアルバムとはちょっと異なった企画盤になっています。

選曲されているのは基本的に80年代以降のJ-POPがメイン。奥田民生の「愛のために」や斉藤和義「Don’t cry baby」などのロック系が目立つほか、鈴木聖美 with Rats&Starの「ロンリー・チャップリン」を鈴木雅之とのデゥオで歌ったり、ちょっと異色なところでは前川清の「花の時・愛の時」のカバーなんかも。また、以前ベスト盤に収録されていた平井堅とのデゥオ「さよならレストラン」や槇原敬之とのデゥオ「誰より好きなのに」も収録されています。

アレンジはジャジーで落ち着いた大人な雰囲気に仕上げています。全面的にホーンセッションやピアノ、ストリングスなどといったアンプラグドな音色を奏でつつ、その歌声を聴かせるスタイル。「ロンリー・チャップリン」などは原曲との違いを出すためか、ラテン風なアレンジになっていたのも印象的。ただその中で一番印象的だったのが奥田民生とのデゥオ「愛のために」。原曲のイメージとは大きく異なるジャジーなアレンジに、しんみりと落ち着いた歌声を聴かせる古内東子に対して、どこかとぼけた雰囲気を醸し出す奥田民生のボーカルとの対比がユニーク。ある種のアンマッチさがユニークなカバーに仕上げいています。

ただ、このカバーアルバム全体でちょっと気になったのは、奥田民生にしろ斉藤和義にしろ鈴木雅之にしろ、非常に濃いボーカルに対して古内東子のボーカルが比較的淡白だということ。確かに彼女のオリジナル曲では彼女のボーカルもひとつの魅力になっているのですが、今回のカバーアルバムのように濃いボーカリストたちとの対比となると、若干パンチ不足を感じてしまいました。ジャジーなアレンジに彼女のボーカルもマッチするのですが・・・インパクトある他の参加ミュージシャンの影になっていた部分も否めませんでした。

あと・・・これはアルバムの内容とは直接関係ないのですが気になったのがアルバムタイトル。今回参加したミュージシャンたちを「レジェンド」と称しているのですが、正直、レジェンドと呼べるほどの大物か??というのが率直な感想。いや、個人的に奥田民生も斉藤和義も平井堅も槇原敬之も大好きなミュージシャンですが、レジェンドと呼べるほどかは疑問。TEEに至っては?が10個くらいついてしまいます。

というか、この「レジェンド」という言葉に限らず、最近、言葉が軽くなりすぎていません?個人的に大キライなのは、大絶賛する時によく使われる「神」という言葉。AKB48近辺で乱用されていますが、軽々しく使っていい言葉じゃないと思うんですけど。なんか最近、社会全般的に「言葉」が軽くなってしまっているような気がするんだよなぁ。今回のアルバムタイトルに関してもかな~り違和感があります。

ま、アルバムタイトルについては内容とは直接関係のないお話。アルバムの内容としては上に書いた通り気になる部分はあるのですが、ここに参加しているミュージシャンのファンならとりあえずは聴いて損のない内容かと思います。なによりジャジーな雰囲気の良質なポップスが最近のJ-POPに物足りなさを感じるようなアラフォー世代以上にとっても惹かれる内容になっていた1枚でした。

評価:★★★★

古内東子 過去の作品
IN LOVE AGAIN
The Singles Sony Music Years 1993~2002
Purple

透明
夢の続き
and then...~20th anniversary BEST~

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2016年6月10日 (金)

レミオロメンの藤巻亮太ではなく

Title:日日是好日
Musician:藤巻亮太

現在活動休止中のレミオロメンのフロントマンでメインライターである藤巻亮太によるソロアルバム。フルアルバムとしては「オオカミ青年」に続く約3年半ぶり2作目。ただその間にミニアルバム「旅立ちの日」がリリースされておりその前作からはわずか10ヶ月というインターバルでのリリースとなりました。「オオカミ青年」から「旅立ちの日」は2年半ものスパンをあけてかつミニアルバムというリリースペースが気になっていたのですが、今回は比較的短いスパンでのリリースで、かつフルアルバムでのリリース。ミュージシャンとしての勢いが戻って来た、といった感じでしょうか。

さてそんな彼のソロアルバムですが、楽曲的には前作「旅立ちの日」と同じような方向性を感じます。比較的シンプルでメロディーラインをしっかりと聴かせるような曲がメイン。シンプルなメロディーラインという意味ではレミオロメンの方向性を引き継いでいるような感じですが、一方でバンドサウンドにピアノやストリングスの音を積極的に取り入れており、音を分厚くする傾向にあり、素朴な雰囲気だった初期レミオロメンとは方向性を異なる音楽性になっています。

歌詞にしてもシンプルで前向きな歌詞がメイン。

「My Revolution 光の方へ 何度だって歩き出せる
七転び八起き信じてるのさ」

(「My Revolution」より 作詞 藤巻亮太)

なんて歌う「My Revolution」など典型例ですが、そもそもタイトルチューンの「日日是好日」にしても思いっきり明るさと前向きさを感じることが出来ます。彼自身、前作から1年弱で新作を発表できる状況といい、この明るく前向きな言葉をアルバムタイトルにつけるところといい、かなり状況が良いことには間違いないでしょう。

ただ今回のアルバムでひとつ大きく感じたことがあります。それは既に彼自身、ソロでの活動をメインの活動と位置付けているんだな、ということです。前作「旅立ちの日」に収録されていた「名もなき道」ではソロとしての決意を感じさせる曲でしたが、今回のアルバムはいわば「レミオロメンの藤巻亮太のソロアルバム」ではなくレミオロメンという名前を背負わない「ミュージシャン藤巻亮太のアルバム」になっているように感じました。

そう感じる理由としてはスケール感を感じる楽曲や、十分ヒットポテンシャルのあるインパクトある楽曲が並んでおり、ソロアルバムでよくありがちな自由度の高い実験的な部分もある作品というよりは、あくまでもミュージシャンとして活躍することを見据えた作品になっているという点。また、楽曲的にレミオロメンのイメージと被る部分もあり、レミオロメンからのソロであることをあまり意識していないように感じる作品が多い点もその理由でした。

それだけにインパクトある内容なのですが、その反面、レミオロメンとしての活動はおそらく今後当分は復活しないんだな・・・と感じてしまうような作品。もっとも、レミオロメンの活動は最後行き詰っているようにも感じただけに仕方ないのかもしれませんが・・・ちょっと残念にも感じました。

全体的には藤巻亮太のメロディーセンスを発揮した良質なポップスアルバムといった印象。ただ下手にスケール感を入れたり、音を分厚くしたりした結果、良くも悪くもJ-POPなアルバムといった感じがします。レミオロメンが好きなら十分楽しめる反面、初期レミオロメンの雰囲気を追い求めると物足りなさを感じてしまうかも。ただ今後はやはりこの方向性を続けていくのかなぁ。

評価:★★★★

藤巻亮太 過去の作品
オオカミ青年
旅立ちの日


ほかに聴いたアルバム

DANCEABLE/夜の本気ダンス

最近、話題の若手バンドの新作ということで聴いてみたのですが・・・ごめん、全然面白くないや。確かに名前の通り、踊れる4つ打ちのロックナンバーがメインなのですが、リズムパターンはどれも似通っており、かつ、ダンスミュージックとして突き抜けたトランシーなサウンドを聴かせるわけでもなし、TRICERATOPSのような昔ながらのロックンロールのような空気を出しているわけでもなし、非常に中途半端。よくありがちなオルタナ系ギターロックの音で、なんとなく4つ打ちにしてみました、的な感じで個性はほとんど感じません。正直なところ完全に期待はずれでした。

評価:★★★

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2016年6月 9日 (木)

シリーズ初の1位獲得

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

チャートでは最近おなじみのシリーズですが、アルバム1位獲得は初となります。

今週1位は宮本フレデリカ(CV:髙野麻美)、一ノ瀬志希(CV:藍原ことみ)、櫻井桃華(CV:照井春佳)、中野有香(CV:下地紫野)、五十嵐響子(CV:種﨑敦美)名義の「THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER Cute jewelries! 003 」がランクイン。ゲーム「アイドルマスター シンデレラガールズ」からのキャラクターソング。同シリーズはご存じの通り、チャートではおなじみのキャラソンなのですが、アルバム1位獲得はこれが初。キャラクターのタイプ別に収録したアルバムだそうで、初動売上3万2千枚は同じ「Cute」シリーズの第2弾「THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER Cute jewelries! 002」の9千枚(5位)から大幅アップとなっています。

2位初登場は名古屋の男性ローカルアイドルグループBOYS AND MEN「Cheer Up!」がこの位置。アルバムはこれで3枚目になりますが、ランクインは初。初動売上は2万2千枚で、シングルでの直近作「Wanna be!」の6万2千枚(1位)に比べると大幅減となりますが、シングルが強い傾向にあるアイドル勢としては妥当な結果でしょうか。

3位は乃木坂46「それぞれの椅子」が先週の1位から2ランクダウンでこの位置。

続いて4位以下の初登場盤です。5位初登場はUP10TION「SPOTLIGHT」。韓国の男性アイドルグループ。韓国での3枚目となるミニアルバムが輸入盤でランクイン。初動売上9千枚を記録しましたが、本作が初のランクイン作となります。

7位にはもう1枚韓流。XIA(ジュンス)「XIGNATURE」がランクイン。元東方神起で現在はJYJのメンバーとしても活躍している彼の、韓国では4枚目となるアルバムの、こちらも輸入盤がランクイン。初動売上7千枚は前作「FLOWER」の1万枚(9位)からダウン。

9位初登場はkokua「Progress」。このあまり聴きなれない名前はハワイの言葉で「協力する、協調する」という意味を持つそうですが、スガ シカオ、武部聡志、小倉博和、根岸孝旨 、屋敷豪太という超豪華メンバーからなるスーパーグループ。もともとはNHKの番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」の主題歌のために結成されたスペシャルバンドで、シングル1枚のみのリリースと、数回のライブ出演という活動のみだったのですが、スガシカオデビュー20周年の企画の一環として復活。さらにはアルバムまでリリースしてしまいました。初動売上は6千枚。ちなみにスガシカオの直近作「THE LAST」は初動1万9千枚(3位)でしたので、そちらよりはダウンしています。

最後10位には4人組ロックバンドSUPER BEAVER「27」がランクインです。結成11年目、メジャーデビューからこれが8枚目のアルバムとなる中堅バンドですが、ベスト10入りはシングルアルバム含めて初となります。初動売上は6千枚。前作「愛する」の3千枚(24位)から大幅増により、見事ベスト10ヒットを記録しました。

今週のアルバムチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2016年6月 8日 (水)

また例の企画の・・・

今週のHot 100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

ビルボードでも今週は例の企画のシングルが1位を獲得しています。

今週1位はAKB48「翼はいらない」が先週の55位よりCD発売にあわせてランクアップ。ご存じ「AKB48 45thシングル 選抜総選挙」の投票券付CD。フォークソング風の曲調でタイトルは完全に「翼をください」のもじりなんだろうなぁ。Hot100ではCD売上・ダウンロード・ストリーミング数で1位。ただPCによるCD読み取り数では2位となっており、ここらへん複数枚買いの影響が出ているんでしょうね。なおオリコンでは初動売上144万枚を記録し、もちろん初登場1位で前作「君はメロディー」の初動123万7千枚(1位)よりアップ。ただ昨年の投票券付CD「僕たちは戦わない」の167万3千枚(1位)よりはダウンしています。

2位は先週5位にランクインしたFlower「やさしさで溢れるように」がCD発売にあわせてランクアップ。CD売上・ダウンロード・ストリーミング数で2位となったほか、Twitterのつぶやき数、You Tubeの再生回数で1位を記録しています。オリコンでも今週初登場で2位にランクイン。ただし初動売上4万9千枚は前作「瞳の奥の銀河」の7万9千枚(2位)から大幅にダウンしています。

3位には韓流。韓国の男性アイドルグループBOYFRIEND「GLIDER」が入ってきました。爽やかなエレクトロダンスポップチューン。ただし、CD売上・ダウンロード・ストリーミング数で3位、Twitterつぶやき数で6位となった他はラジオオンエアでもCD読み取り数でもランクインしておらず、偏りが見られます。オリコンでも初登場3位にランクイン。初動売上3万9千枚は前作「スタートアップ!」の1万9千枚(9位)よりアップ。

続いて4位以下の初登場曲です。まず4位に女優としても活躍している大原櫻子「大好き」がCD発売とあわせて先週の90位からランクアップしベスト10入り。ゲーム「白猫プロジェクト」CMソング。特にラジオオンエア数で2位と高成績となっています。前作「キミを忘れないよ」は最高位7位でしたので、そちらよりもランクアップしています。なおオリコンでは初動売上1万5千枚で5位にランクイン。前作(6位)から横バイの結果となっています。

今週のHot100ベスト10初登場組は以上。一方で今週はベスト10以下からの返り咲きが1枚ランクインしています。

それがケツメイシ「友よ~ この先もずっと…」。先週の13位からランクアップし、5月16日付の5位から5週ぶりのベスト10返り咲きとなりました。映画「クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃」主題歌。実はこの曲、オリコンでは最高位12位とベスト10入りをのがしているものの、Hot100ではロングヒットを記録。4月25日付チャートから4週連続のベスト10入り(最高位5位)を記録しています。ダウンロードが好調だったほか、You Tubeの再生回数が今週も4位を記録するなど好調。おそらくクレヨンしんちゃんによる振付レクチャー付きの動画やダチョウ倶楽部出演のMVが話題になったためと思われます。もっともPCによる読み取り数も10位に入っており、ちゃんと動画以外でも人気を確保している模様です。

今週のシングルチャートは以上。アルバムチャートはまた明日に!

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2016年6月 7日 (火)

ホタテ型ジャケットも話題に

Title:HOT ATE
Musician:SAKANAMON

これがメジャー4枚目となるSAKANAMONのニューアルバム。「HOT ATE」とカッコよい英語タイトルになっていますが・・・ローマ字読みすると「ホタテ」。初回限定盤ではホタテをかたどったユニークなジャケットになっており、それが実にSAKANAMONらしさを感じさせます。

基本的にSAKANAMONの最大の魅力は歌詞。毎回、インパクトがあり個性的な歌詞を書いてくる彼ら。今回のアルバムでも日常の中でイラッとする出来事を描いた「ばかたれ」やタイトル通りの未確認生命体をテーマに歌った「UMA」などユーモラスな歌詞が展開されています。

ただ歌詞については前作「あくたもくた」の方がよかったかな、と思います。独自の視点はユニークながらも今回の作品についてはちょっとネタに走ってしまった部分もあり、共感度合という点では前作ほどではなかったように感じました。

とはいえそんな中でも「PLAYER PRAYER」などは前作でも多くの曲に感じられた社会から疎外されたような人たちの視点で描いた歌詞が魅力的。

「何でも和を以たず尊しを成す君は
絶対 絶対に失敗作だと思う」

(「PLAYER PRAYER」より 作詞 藤森元生)

と歌われるように社会の中でうまく迎合できないような人たちに対しての応援歌になっており、どこか心に響いてくるような内容になっていました。

一方でサウンドやメロディーの方は良くも悪くもよくありがちなギターロックという点は以前と変わらず。残念ながら前作同様、SAKANAMONらしい個性的な音というのは聴くことが出来ません。

ただ、「UMA」ではファンキーでダンサナブルなギターサウンドが聴けたり、「ラストボス」ではハードロック風にへヴィーに仕上げてきたりとバリエーションは前作よりも増えた印象。前作ではどっか取って付けたように感じた打ち込みの作品なのですが、今回でも「アイデアル」など打ち込みのサウンドを取り入れているのですがきちんとアルバムの中に溶け込んでいます。

そんな訳で歌詞については前作より若干後退、サウンドについては前作より進歩といった印象を受けた本作。それなので全体としては前作から変わらずといった感じでしょうか。個人的には彼らの売りはやはり歌詞だと思うので歌詞についてはもっと期待してしまうのですが・・・次回作は前作と今作のいいどこどりの傑作を期待したいところです。

評価:★★★★

で今回、本作リリース前にレンタルオンリーでベスト盤がリリースされました。

Title:OTSUMAMIX
Musician:SAKANAMON

Otsumami

もともとSAKANAMONの「SAKANA」とは「魚」ではなく酒の「肴」だそうで、そこからベスト盤のタイトルは「おつまみ」ということでしょう。インディーズ時代の作品から前作「あくたもくた」収録曲までがバランス良くおさめられている全12曲入りのベスト盤。ボリューム的にもちょうどよく、はじめて彼らの音楽に触れる方にとっては最適な入門盤だと思います。

ただ楽曲的にはインディーズ時代の曲から最新ナンバーまで基本的にはよくありがちなメロディアスなギターロック。この傾向は最新作でも同様で、そういう意味では良くも悪くも昔から変わっていないバンドなんだな、という印象を受けました。それだけデビュー前から完成された音を奏でていた一方で、ブレイクのためにはもう1枚、皮を破る必要があるんでしょうね。そんなことを感じてしまったベスト盤でした。

評価:★★★★

SAKANAMON 過去の作品
ARIKANASHIKA
あくたもくた

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2016年6月 6日 (月)

80年代ポップスの魅力あふれる傑作

Title:BLACKBERRY JAM
Musician:NONA REEVES

最近、音楽活動以上に執筆での活動が目立つ西寺郷太率いるNONA REEVE。ただ、西寺郷太のみならずギターの奥田健介もドラムの小松シゲルも様々なミュージシャンのサポートメンバーとしてしょっちゅうその名前を見かけます。それだけにメンバー各々のソロでの活動も目立つ彼らですが、NONA REEVESとしては約2年ぶりとなるオリジナルアルバムがリリースされました。

ただ私、ここ数作、彼らのオリジナルアルバムを聴き逃していてオリジナルをきちんと聴くのは3作前の「GO」以来となります。その間にリリースされたカバーアルバムなどは聴いていたりしたのですが。そんな私にとっては久しぶりに聴いた彼らのオリジナルアルバムですが、まず、NONA REEVESってこんないい音楽をつくっているバンドだったんだ、という驚きを覚えました。

NONA REEVESのメインライターである西寺郷太はマイケルジャクソンやプリンスに関する著作が話題となりました。それだけにNONA REEVESの作品も基本的には80年代のソウルからの大きな影響を感じます。本作でいえば「今夜はレッツ・ダンス!」のようなダンスナンバーや、ファンキーなギターにファルセットボイスが印象的な「スパイシー」あたりはまさにストレートに80年代を感じるポップチューンとなっています。

他にも「HARMONY」やタイトルチューンの「ブラックベリー・ジャム」などのシティポップな作品やバラードチューンの「Crybaby」なども80年代の空気感を強く感じます。「Survive Your Life」のようにギターサウンドを取り入れてほどよくロックな雰囲気を醸し出しているのも80年代テイストといった感じでしょうか。

かせきさいだぁをゲストに迎えた「今夜はレッツ・ダンス!」やサイプレス上野をゲストに迎えた「MAGIC EYES」ではラップを取り入れていたり、「アルマゲドン」では4つ打ちのテクノポップになっていたりとソウルに留まらないバリエーションも見せたりするのですが、基本的にはNONA REEVESらしい作品が集まった今回のアルバム。ただ、奇をてらわず彼らのやりたいことをやり、かつ西寺郷太のメロディーメイカーとしての才を思う存分出すことの出来たアルバムだっただけに、実に魅力的なポップアルバムに仕上がっていました。

他にも魅力的だったのが「You're a big boy now~お兄ちゃんになるまえに~」の歌詞。弟(妹)が産まれることになってお兄ちゃんになる子供に対して父親が語り掛ける歌詞なのですが、とても暖かい内容に思わず胸があつくなります。非常にリアルを感じるのですが、これは実体験でしょうか?非常に素敵な曲でした。

そんな訳で、NONA REEVESの魅力がぎっしりつまったポップスの魔法にかけられたような素敵なアルバムに仕上がっていました。各種著作だけで西寺郷太と人物を知っている人や好きなミュージシャンのサポートメンバーとして奥田健介や小松シゲルを知っている方は、是非ともチェックしてほしい傑作。もちろんポップス好きなら必聴の1枚だと思います。NONA REEVESの実力を再確認した作品でした。

評価:★★★★★

NONA REEVES 過去の作品
GO
Choice
ChoiceII


ほかに聴いたアルバム

LEGEND オブ 特選MIX/LEGENDオブ伝説 a.k.a.サイプレス上野

HIP HOPユニット、サイプレス上野とロベルト吉野でも活動しているサイプレス上野のDJ名義「LEGENDオブ伝説」によるオフィシャルMIX CD。HIP HOPはもちろん、ベタベタなJ-POPからアイドルソングまで並んでいる選曲がユニーク。ちょっとビックリなのはTRF「survival dance~no no cry more~」なんていう選曲があったりする点。序盤、クレイジーケンバンドの「音楽力」や七尾旅人×やけのはら「Rollin' Rollin'」のようなめちゃくちゃカッコイイメロウなナンバーからどうつなげていくんだろう?と思いながら聴いていたのですが、ちゃんと徐々にベタなJ-POP路線につなげていっている構成が見事。たださすがにSeiho「I Feel Rave」からTRFへのつなぎはちょっと強引に感じられたのですが・・・(苦笑)。全体的にはメロウなソウルテイストの作品が多く、その中にJ-POPチューンなどが混ざりつつ、最後まで楽しめたMIX CDでした。

評価:★★★★

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2016年6月 5日 (日)

御年69歳のパンクロッカー

Title:POST POP DEPRESSION
Musician:IGGY POP

ご存じパンクロックのゴッドファーザーの異名を持ち、THE STOOGESとしての活動でも知られるIGGY POPの、ソロとしては7年ぶりとなる作品。御年69歳となる彼ですが、本作ではQUEENS OF THE STONE AGEなどで活動するJOSHUA HOMME、Arctic MonkeysのMATT HELDERS、The Dead Weatherなどで活動するDEAN FERTITAという現役感あふれるメンバーを迎えての新作となりました。

そんな彼の創作への意欲を感じる久々の新作。「POST POP DEPRESSION」というタイトルさながら、全体的にはひねくれたポップソングがメイン。サウンドの方は比較的スカスカで、序盤の「Break Into Your Heart」にしろ「Gardenia」にしろメロディーが前に出ている構成になっていました。また「DEPRESSION」=うつ病というタイトルさながら、全体的にどこかくらい影の漂う雰囲気になっているアルバムでもありました。特に終盤の「Chocolate Drops」「Paraguay」あたりはかなり哀愁感が漂うメロディーになっていました。ただ、この雰囲気もまたアルバムの魅力でもあったのですが。

サウンドの方は上にも書いた通りスカスカ。ピアノやストリングス、シンセの音など入れつつの自由な音作りが目立ちました。今回のジャケット写真は参加したメンバー4人が並んだジャケットになっているのですが、いかにもな「バンドサウンド」といった感じではありません。ただ、音作りとしてはIGGY単独ではなく、4人台頭で作り上げたという主張でしょうか?一方では中盤の「In The Lobby」「Sunday」ではギターサウンドを前に押し出したガレージ風な音作りも目立ちます。特にノイジーなギターでけだるい雰囲気の「Sunday」あたりは個人的にはかなりの壺。ここらへんはロックという視点からかなりカッコよさを感じさせる展開になっていました。

そんな意欲作である本作ですが、現役ミュージシャンとしての勢いと若々しさを感じるアルバムか・・・と言われるとそんな雰囲気はなく、むしろ良くも悪くもベテランらしい貫録を感じるアルバムになっていたと思います。自由度の高いスカスカなサウンドも、ある種の「余裕」を感じましたし、哀愁感あるメロディーラインもある種の年相応な雰囲気も感じます。なによりも彼のボーカル。しわがれた渋さを感じるボーカルは、重ねられた経験を感じるもの。もちろん、非常にカッコいいものを感じるのですが、それと同時にベテランとしての貫禄も感じました。

そんな訳で、アラセブン(?)を迎えた彼からの、70歳手前のパンクシンガーのひとつの在り方を提示したようにも感じたアルバム。一言で言ってしまえば「渋い」という感じなのですが。ただまだまだその意欲的な創作活動は続きそう。70代となるイギーの活躍も楽しみです。

評価:★★★★

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2016年6月 4日 (土)

45年目でなお旺盛な創作意欲

Title:Records and Memories
Musician:鈴木慶一

先日、キャリア45周年を記念してオールタイムベストをリリースした鈴木慶一ですが、続いてニューアルバムがリリースされました。ここ最近、ソロアルバムでは曽我部恵一プロデュースによる「ヘイト船長」シリーズが続いていましたが今回は「SUZUKI白書」以来24年ぶりとなるセルフプロデュースのアルバムだそうです。

45年目の大ベテランの彼ですが、いまだに積極的な音楽活動を続けている彼。そんな彼の最新アルバムは現役感ある楽しいポップアルバムに仕上がっていました。

1曲目の「男は黙って・・・」は行進曲風。タイトルからしてビールのCMソングを意識したような感じの曲からスタート。続く「愛される事減ってきたんじゃない?ない」はタイトルからしてコミカルなのですが、楽曲もアコーディオンを入れつつコミカルに仕上げたポップソングになっています。「Sir Memoria Phonautograph邸」などはタイトルも奇妙ながらもちょっと不気味な雰囲気を醸し出すサイケなアレンジが耳を惹きます。ただそれでもどこかコミカルな明るさが感じられる楽しいポップスに仕上がっていますし、「バルク丸とリテール号」「LivingとはLoving」はどちらもメロディアスなポップソングなのですが、シンセのサウンドがキテレツなひねくれた音を奏でています。

そして終盤、「Untitle songs」は全10分にも及ぶ大作。ゆっくりとノイジーなギターサウンドからスタートしたかと思えば、途中からストリングスが入りスケール感を出しつつ、後半はミュージカル風にまとめあげるという、10分間で様々な顔をのぞかせるユニークな構成の楽曲になっています。そんな「実験的」な曲が入ったかと思えば最後の「My Ways」はメロウな作風でブルージーな色合いも感じるシンプルなポップソング。最後は比較的シンプルな楽曲で締めくくっています。

シンセ、ピアノ、ギター、ストリングス、ホーンセッションなどを用いてユニークなサウンドをつくりあげている本作。セルフプロデュースということもあって彼自身、好き勝手に自由に作ったアルバムという印象も受けます。ある意味、癖が強いアルバムではある反面、どの曲もしっかりポップなメロディーラインが流れているだけに、決してマニアックに陥ることなく幅広い層にアピールできるポップアルバムになっています。

サイケな作風に実験的なポップスということもあって、個人的にはちょっとThe Beatlesの「Sgt Pepper's Lonely Hearts Club Band」を思い起こさせるような部分もあったアルバム。いまなお衰えない鈴木慶一の創作意欲を感じさせます。ただ一方で最先端の音を積極的に取り入れているか、と言われると若干微妙で、正直、彼の年齢なりのものを感じる部分も否定できません。それはベテランだからマンネリに陥っている、という意味ではなく、音の使い方、楽曲に対するセンスなどに64歳という年齢を感じる部分があるということ。どんな部分が、と言われると具体的には説明しずらいのですが・・・曽我部恵一プロデュースの前作に感じられた若さが今回のアルバムには感じられませんでした。

まあ、そういう意味では「時代の先端」といった感じではなく、マイペースといった感じの作品なのですが、それでもユニークなアレンジがとても楽しい聴き応えあるポップアルバムに仕上がっていました。これからもまだまだ次々と作品を世に送り出してくれそうな予感もする、彼の旺盛な創作意欲を感じられるアルバムでした。

評価:★★★★★

鈴木慶一 過去の作品
シーシック・セイラーズ登場!
ヘイト船長回顧録
謀らずも朝夕45年


ほかに聴いたアルバム

あにしんぼう/スチャダラパー

全6曲入りのミニアルバム。軽快でファンキーなトラックに、リズミカルだけどしっかりと言葉を刻んでいるラップがのるいつものスチャダラパーのスタイル。最後の「再見Adios」などは昭和歌謡曲が織り込まれている歌詞がユニーク。前作「1212」もそうでしたが、こういう「昭和」な色をあえて入れてくるのがここ最近の彼らの傾向か?

評価:★★★★

スチャダラパー 過去の作品
THE BEST OF スチャダラパー 1990~2010
11
CAN YOU COLLABORATE?~best collaboration songs&music clips~
1212

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2016年6月 3日 (金)

美しいメロディーとボーカルが耳を惹く

Title:The Colour In Anything
Musician:JAMES BLAKE

5月6日に突如配信でリリースされ話題となったJAMES BLAKEの3枚目となるアルバム。その後、CDでもリリースされたようですが・・・RADIOHEADやBeyonceも同様の形態で突如アルバムをリリースしており、こういうタイプのリリース、最近多いですよね・・・。

デビューアルバムとなった前々作「JAMES BLAKE」ではダブステップを全面的に取り入れた曲調が特徴的だった一方、2作目「OVERGROWN」はメロディーを前面に押し出した「歌モノ」なアルバムに仕上がっていました。で、今回のアルバムに関してはどちらかというと「OVERGROWN」に続くアルバムといった感じでしょうか。ファルセットを積極的に取り入れた美しい歌声を全面的に聴かせるアルバムになっています。前作では「Bon Iverに似ているなぁ」なんて書いたのですが、今回の作品、「I Need A Forest Fire」ではそのBon Iverが参加していたりして話題となっています。

アルバムは全編、シンプルで静かなサウンドを主体としつつ、美しいメロウなメロディーラインを聴かせるような楽曲がメイン。特に「F.O.R.E.V.E.R」やタイトル曲「The Colour in Anything」などピアノのみをバックに彼がその美しい歌声で歌いあげる楽曲は聴き入るものがあります。基本的には正直、シンプルなサウンドで同じようなタイプの曲調が多いのですが、エレクトロ主体のサウンドの中に、上で書いたようなピアノを取り入れたアコースティックな雰囲気の曲を入れてきたり、「Waves Know Shores」のような静かなホーンセッションを入れてきたりとサウンド的にはそれなりのバリエーションを入れてきています。

また今回のアルバムでは「Timeless」「Put That Away and Talk to Me」のようなデビューアルバムを彷彿とさせるようなダブテイストのサウンドも要所要所にのぞかせており、それも含めて前作の路線を踏襲しているとはいえサウンドのバリエーションはグッと増えた印象を受けます。前作ではちょっとおとなしくまとまってしまったかなといった感があるのですが、今回のアルバムでは静かなサウンドでメロディーを聴かせるというスタイルはそのままながらに、デビュー作を思わせる刺激的な要素も増えたようにも感じました。

個人的にはデビュー作には及ばなかったものの、ちょっと物足りなさを感じた前作を十分上回る傑作だったと思います。ただ全17曲76分はちと長い・・・。その美しいメロディーラインに聴き入ってしまうとはいえ、やはり似たタイプの曲が多いだけに若干だれてしまう部分もなきにしもあらず。この点はマイナス要素だったと思います。もうちょっと曲目を絞ってほしかったな。それだけはちょっと残念でした。

評価:★★★★★

JAMES BLAKE 過去の作品
JAMES BLAKE
ENOUGH THUNDER
OVERGROWN

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2016年6月 2日 (木)

今年話題の「ネタ」がランクイン

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

まず今週のチャートで目を引くのが4位初登場RADIO FISH「PERFECT HUMAN」でしょう。RADIO FISHはお笑いコンビのオリエンタルラジオがボーカルをつとめるダンスユニット。「PERFECT HUMAN」がオリラジの「ネタ」として今年大きな話題となりました。配信やYou Tubeの再生回数などで大ヒットを記録していましたが、遅ればせながらCDという形態ではようやくアルバムを発売。正直、ちょっとリリース時期は遅すぎない?とも思ったのですが、初動売上1万7千枚で見事4位にランクインしています。

さて今週1位を獲得したのはAKB系の女性アイドルグループ、乃木坂46「それぞれの椅子」でした。初動売上27万3千枚は前作「透明な色」の22万2千枚(1位)からアップ。ただし今回のアルバム、Type-AからType-Dまで収録曲が異なるうえ、付属のDVDも内容が異なるという凶悪な使用。アルバムで複数枚買いを前提としたやり方はいくらなんでもひどすぎるんじゃないかと思うのですが・・・。で、初動売上が27万枚程度というのは正直、彼女たち、本当に人気があるの?といぶかしく感じてしまいます。

2位はきゃりーぱみゅぱみゅ「KPP BEST」がランクイン。タイトル通り、彼女初となるベストアルバム。初動売上5万2千枚は前作「ピカピカふぁんたじん」の4万7千枚(1位)からアップ。最近、正直なところ「過去の人」になりつつある彼女ですが、ベスト盤ではオリジナルより売上を伸ばし、固定ファン層以外の取り込みにある程度成功。面目躍如な結果となっています。

3位初登場は松野カラ松&松野一松(中村悠一&福山潤)  「おそ松さん 6つ子のお仕事体験ドラ松CDシリーズ カラ松&一松『弁護士』 」。人気アニメ「おそ松さん」のドラマCDシリーズ第4弾。初動売上4万枚は同シリーズの前作松野おそ松&松野チョロ松(櫻井孝宏&神谷浩史)「おそ松さん 6つ子のお仕事体験ドラ松CDシリーズ おそ松&チョロ松『TVプロデューサー』」の2万6千枚(3位)からアップしています。

続いて4位以下の初登場盤ですが5位6位は声優系。5位に女性声優3人組によるユニットTrySail「Sail Canvas」が、5位に人気女性声優早見沙織「Live Love Laugh」が並んでいます。

どちらもこの作品がデビュー作。TrySailは初動売上1万5千枚を記録。直近のシングル「High Free Spirits」は初動1万9千枚(10位)でしたので若干ダウンながらも、そこそこの健闘といった感じでしょうか。早見沙織は初動売上1万3千枚。直近のシングル「Installation」の8千枚(10位)よりアップしており、好調な出だしといった感じでしょうか。

最後、10位には男性4人組アイドルグループX4「Funk,Dunk,Punk」がランクイン。舞台などでも活動し、過去にシングルチャートで何作かベスト10ヒットも記録している松下優也が所属するグループ。本作が2枚目にしてメジャーデビューアルバムで、初動売上8千枚を記録。なおインディーズとしてリリースした前作「XVISION」はオリコンにチャートインしていません。

今週のアルバムチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2016年6月 1日 (水)

今週からHot100

今週のHot 100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

昨日お伝えした通り、今週からビルボードジャパンのHot 100を使用してチャート評をお届けします。以前と同様、ベスト3+4位以下の新譜を紹介する予定です。

さて、Hot100で見事1位を獲得したのはロックバンドback number「僕の名前を」。映画「オオカミ少女と黒王子」主題歌。彼ららしい暖かい雰囲気で聴かせるミディアムチューン。Hot100では先週の40位からアップしてチャートイン4週目にして初の1位。CD・配信・ストリーミングで1位を獲得したほか、PCによるCD読み取り数で2位、ラジオオンエアで3位と高順位を記録しています。前作「クリスマスソング」では3周1位を獲得していますが、これに続くロングヒットとなるのでしょうか。比較的タイアップに恵まれてきた彼らですが今回のタイアップは比較的地味なもの。それでも1位を獲得できるところに彼らの高い人気をうかがわせます。オリコンは6位初登場。初動売上2万5千枚は前作「クリスマスソング」の4万3千枚(2位)からダウン。

2位は嵐「I seek」。先週の1位からワンランクダウン。CD・配信・ストリーミングで2位、PCによるCD読み取り数で1位を記録していますが、ラジオオンエアでは圏外などファン層以外の広がりを欠いた結果、2週連続の1位を逃しています。なお、オリコンでは今週も2週連続で1位を記録しています。

3位にはポルノグラフィティ「THE DAY」が先週の15位からランクアップし、チャートイン3週目にしてベスト10入りです。TBSテレビ系アニメ「僕のヒーローアカデミア」オープニング・テーマ。ダイナミックなロック風のアレンジに哀愁感ある歌謡曲風のメロディーラインが彼ららしさを感じます。前作「オー!リバル」は最高位3位を獲得しており、前作の順位と並んだ結果に。CD・配信・ストリーミングで4位を記録したほか、Twitterのツイート数で3位を記録しています。オリコンでは今週4位初登場。初動売上2万7千枚は前作「オー!リバル」の2万4千枚(5位)からアップ。

続いて4位以下の初登場曲です。まず4位にsupercellのryoがプロデュースを手掛ける音楽ユニットEGOIST「KABANERI OF THE IRON FORTRESS」が先週の14位からランクアップしてチャートイン2週目にしてベスト10入り。フジテレビ系アニメ「甲鉄城のカバネリ」オープニング・テーマ。前作「リローデット」は最高位6位でしたのでそれを上回る結果となっています。オリコンでは初登場2位。初動売上3万枚で、前作「リローデッド」の1万9千枚(6位)からアップ。

5位にはE-Girlsとしても活動しているアイドルグループFlower「やさしさが溢れるように」が初登場でランクイン。6月1日リリース予定のシングルからの先行配信。CD・配信・ストリーミングで14位だったほか、Twitterのつぶやき数で1位を獲得しており、ベスト10入りの原動力となっています。映画「植物図鑑 運命の恋、ひろいました」主題歌。ちなみにJUJUの曲のカバーです。前作「瞳の奥の銀河」は最高位2位を記録しており、CDリリース後の順位の伸びが気にかかります。

8位初登場はアニメキャラによるアイドルプロジェクト「ラブライブ!サンシャイン!!」のアイドルユニットAZALEA「トリコリコPLEASE!!」が初登場でランクイン。EDM調の安いアレンジで、いかにもアニソン風のアイドルポップといった感じ。オリコンでは7位初登場で初動売上2万4千枚を記録しています。

9位にはTHE ALFEE「今日のつづきが未来になる」が初登場でランクインしています。CD・配信・ストリーミングが10位なのに対してTwitterのつぶやき数が92位と今週のベスト10の中でダントツ最下位なのが彼らのファン層を物語っています。なおオリコンでは3位初登場なのですが、これでシングル50作連続ベスト10記録となりました。ちなみに初動売上2万7千枚は前作「英雄の詩」の3万2千枚(4位)からダウン。

参考サイト THE ALFEE、シングル50作連続TOP10 33年で達成「正直ホッ」

最後10位には藤原さくら「好きよ 好きよ 好きよ」が初登場でランクイン。フジテレビ系ドラマ「ラヴソング」でヒロイン役をつとめる彼女が劇中で歌う曲が配信によりリリースされ、初登場で見事ベスト10入りです。彼女は「Soup」が今週も7位にランクインしており、2作品同時ランクインとなっています。

今週のシングルチャートは以上。明日はアルバムチャート!

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