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2016年4月26日 (火)

中毒性の強いチープなサウンド

Title:TROTRO
Musician:DJ KATAPILA

アフリカ現地でカセットでしかリリースされないような音源を発掘し、世に紹介し続けているレーベル「Awesome Tapes From Africa」。公式サイトではアフリカでのみ手に入れられるような、濃ゆい音源を無料で聴くことが出来るとあって、アフリカ音楽ファンの間ではよく知られているサイト/レーベルなのですが、今回、そのレーベルから新作がリリースされたということで聴いてみました。

このDJ KATAPILAというミュージシャンは西アフリカはガーナで、DJやプロデューサーとして活躍しているミュージシャン。本作はもともと2009年に地元で自主制作盤としてリリースされていたものの再発盤だそうです。

で、個人的には以前からアフリカ音楽が好きなだけにこのアルバムももちろんチェックしてみたのですが・・・いきなりアルバムは非常にチープなリズムがハイテンポで鳴り響き、そこにガーナ語のチャットが乗るような展開。私自身、「Awesome Tapes From Africa」で紹介されている曲をよく聴いているのですが、そこでよく聴けるような、アフリカ現地の空気感がそのままパッケージされた魅力を感じます。また、ローランドのリズムマシンTR-808をそのまま鳴らしたサウンドには、垢抜けないチープさを感じる一方で、強烈な中毒性も感じさせます。

特に前半は、このチープなトラックが延々と繰り返し続ける展開に。サウンド的にはシカゴ・ハウスの影響を強く受けたサウンドといった感じで、ガーナ語のチャットなどはアフリカ的要素も強く感じさせる一方、アフリカ音楽を聴きなれていない方にもなじみやすさもあったのではないでしょうか。

ただ、序盤のチープな、良くも悪くも似たような雰囲気のサウンドが続いていくのかと思いきや、中盤「Lalokat」ではエレクトロ色の強いビートにハンドクラップのリズムで若干音に厚みが加わった内容に。続く「Ice-Inc」も近未来的な雰囲気のあるメタリックなビートに仕上げており、一本調子ではないサウンドをきちんと聴かせてくれます。

全体的にはやはりアフリカの現地の匂いが強くついた癖の強さは否定できない反面、非常に中毒性の高いサウンドに一度はまればズブズブとはまっていってしまいそうなアルバムだったと思います。アフリカ音楽が好きなら要チェックな1枚。知らず知らずのうちにどんどんとはまってしまいそうです。

評価:★★★★

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