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2016年4月30日 (土)

話題の女性3人組

Title:We Are King
Musician:KING

かなり大胆不敵なミュージシャン名がまずインパクトの女性3人組コーラスグループ(というか、この名前だとネット上、すっごく検索しにくい・・・)。プリンス(R.I.P.......)が前座に抜擢したという話があったり、かのエリカ・バドゥが絶賛したというニュースがあったりと、なにかと話題の3人組です。

そんな彼女たちはロサンジェルスの女性3人組。パリス・ストローザーとアンバー・ストローザーの双子姉妹と、コンプトン出身の女性シンガー、アニータ・バイアスからなる3人組ユニットです。

なによりもまず耳を惹くのは、この3人のボーカル。シルキーという表現がピッタリ来るのでしょうか、非常にやわらかい雰囲気のボーカルが耳を惹きます。曲によっては楽曲の中に溶けてしまいそうな雰囲気すらあるボーカルなのですが、そのやわらかさのあるボーカルが幻想的な空気を作り出しています。なによりも、そのシルキーなボーカルが2重3重に重なるコーラスラインの実に美しいこと・・・。まずなによりもこの3人の美しいコーラスワークに聴きほれるアルバムでした。

そんな彼女たちのボーカルがのるサウンドは、今時のR&Bらしい熱量の低いメロウなサウンド。70年代のフィリーソウル、あるいは80年代的なヒュージョン的な雰囲気も取り入れたサウンドは、新しさと同時にどこか懐かしさも感じさせるほど。このメロウなサウンドはボーカルにも非常にマッチしており、ボーカルとサウンドが楽曲の中で溶け合って混じるあっているようにすら感じてしまいます。このサウンドとボーカルが一体となった幻想的ですらある楽曲が、このアルバムの中の大きな魅力に感じました。

エリカ・バドゥの絶賛が「聞いたことのない音楽」という絶賛の仕方をしているため、いったいどんな音楽が繰り広げられるんだろう・・・と期待して聴き始める方も多いかもしれません。しかしサウンド自体は決して奇抜なものではなく、むしろ70年代80年代から地続きになサウンドに今の新しい空気感を取り入れたといったといった感じもしました。なので聴き方によってはむしろある種の懐かしさすら感じさせるサウンドかもしれません。ただ、この新しさの懐かしさの二面性もまた、彼女たちの音楽の大きな魅力に感じました。

その美しいコーラスラインとサウンドに酔いしれる傑作アルバム。大絶賛のアルバムということで身構えるのではなく、素直にそのサウンドとボーカルの美しさを楽しみたい傑作でした。

評価:★★★★★

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