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2016年4月15日 (金)

忘れらんねえよの魅力が最大限に伝わる

Title:忘れらんねえよのこれまでと、これから。
Musician:忘れらんねえよ

もてない男性の妄想をそのまま歌詞にした曲が話題のバンド忘れらんねえよ。早くも・・・と言っていいかもしれませんが、ベストアルバムがリリースされました。昨年11月にドラムスの酒田耕慈が脱退し2人組となりましたが、そのため活動も一区切り、という意味でのベスト盤リリースといったところでしょうか。

彼らに関してはデビュー当初から気になっており、セルフタイトルとなったデビュー作以来アルバムはすべてチェックしています。ただ過去のレビューを見ていただければわかるようにそれなりに魅力的に感じつつも、大絶賛するにはひっかかる部分があり、いままでの作品では残念ながら「傑作」と言えるアルバムはありませんでした。

ただこの作品はそんな彼らの「ベスト」な内容をピックアップして収録しているだけに忘れらんねえよというバンドの魅力が、マイナスポイントを大きく上回る内容になっていたと思います。

彼らの魅力といえばまずは間違いなくその歌詞の世界観。もてない男性の妄想をそのまま歌詞にしている内容なのですが、その反面、良くも悪くも純粋なその内面にときおりグッとしてしまう部分があるのが魅力的。今回のアルバムは最新作から過去の楽曲へと遡る形で収録されているのですが、その傾向は最近の作品に顕著。結婚していく片想いの女の子に対して「君のペットにしてほしい」と歌う「犬にしてくれ」や「いま吸った空気は2年前に堀北真希が吐き出した空気かもしれない」と歌う「絶対ないとは言い切れない」など、正直男から見てもかなりキモイテーマ性を醸し出しつつ、その中でほろりと来るような歌詞も入ってきていて、ここらへんのバランス感覚がおもしろいな、と思います。

ここらへんの路線はデビュー当初の作品から一貫していますが、ここ最近の作品の方が、よりこの「キモさ」と「ほろり」のバランスがおもしろくなっているように感じます。今回のベスト盤では冒頭3曲が新曲になっているのですが、この3曲がなかなかの名曲。どれもシンプルなギターロックなのですが、最初の「別れの歌」は別れていく友人に対するエール。これはやはり脱退した酒田耕慈に対して歌った曲かなぁ・・・なんてことも考えてしまいます。

また「世界であんたはいちばん綺麗だ」は力強い柴田隆浩のボーカルが胸に突き刺さるのですが、歌詞の方もかなり情熱的でかつストレートなメッセージソング。

「だから
もう生きてる意味なんかないだとか
そんなつまんねえことは言うなよ
あんたが生きてるそれだけ それだけでいいから
世界であんたはいちばん綺麗だ」

(「世界であんたはいちばん綺麗だ」より 作詞 柴田隆浩)

と歌われる歌詞はその心境がどこか切なさも感じられます。そのまま受け取ればラブソングなのですが、日々の生活にくじけそうになっている人たちに対するメッセージソングともとれる内容になっています。

良くも悪くもストレートなパンクロックがメイン。4つ打ちダンスチューンの「愛の無能」やシューゲイザーサウンドからの影響が顕著な「この街には君がいない」などもありますが、そんなにバリエーションは多くはありません。ただ今回のベストで代表曲を聴くと思ったよりも彼らのサウンドって思ったより迫力ありますね。これに関しては昔の曲の方がよりへヴィーなサウンドを聴かせてくれていたのですが・・・。バンドとしての魅力も再認識しました。

メロディーラインに関しては良くも悪くもベタといった感じ。新曲の「バレーコードは握れない」なども売れ線J-POPばりのサビ先の構成ですし、こちらに関してはもうちょっとひとひねり欲しいかな、とも思ったりもします。ただ彼らの持ち味である歌詞を聴かせるという意味では、ある程度ひねりのないメロディーラインの方が良いのかもしれませんが。

そんな訳で、タイトル通り、忘れらんねえよというバンドのいままでと、新曲3曲によってこれからがよくわかるアルバムだったと思います。この「これから」の3曲に関しては彼らの持ち味である「キモさ」がちょっと薄れたような反面、メッセージ性に関してはより力強さを増しており、今後の彼らの方向性を占える作品になっていたように感じました。忘れらんねえよというバンドの魅力を再認識させられたベスト盤。いや、思っていた以上に彼らって素晴らしいバンドですね。独特の歌詞はひいちゃう方もいるかもしれませんが・・・是非とも聴いてほしい1枚です。

評価:★★★★★

忘れらんねえよ 過去の作品
忘れらんねえよ
空を見上げても空しかねえよ
あの娘のメルアド予想する
犬にしてくれ


ほかに聴いたアルバム

Origin/KANA-BOON

メジャー3枚目、約1年ぶりとなるKANA-BOONの新作。いままでの2作は良くも悪くも若さを感じさせる押し一辺倒のアレンジが多かったのですが、本作はちょっと引いた感じのアレンジも。アルバム全体としてはポップス志向が強く、軽くなったアレンジを含め、いままでの2作に比べてもポップな側面がより強調されたように感じます。個人的にはいままで3作の中で一番好きかも。

評価:★★★★

KANA-BOON 過去の作品
DOPPEL
TIME

What's This???/POLYSICS

途中、2枚のミニアルバムを挟んだものの、フルアルバムとしては約2年ぶりとなる新譜。その2年前の前作「ACTION!!!」はパンキッシュな要素が薄くなり、ポップな側面が強くなった作品でしたが今回のアルバムは逆。ポップな側面が薄くなり、パンキッシュな側面が強くなったアルバム。タイトル通り、「なんだこれは?」というようなハチャメチャなサウンドが展開。途中リリースされた2枚のミニアルバムもハチャメチャな雰囲気でしたが新作はその要素を引き継いだイメージの曲でした。さすがに聴いていて最後は疲れてきたのですが・・・ただ非常にPOLYSICSらしい、ともいえるアルバムでした。

評価:★★★★

POLYSICS 過去の作品
We ate the machine
We ate the show!!
Absolute POLYSICS
BESTOISU!!!
eee-P!!!
Oh!No!It's Heavy Polysick!!!
15th P
Weeeeeeeeee!!!
MEGA OVER DRIVE
ACTION!!!
HEN 愛 LET'S GO!
HEN 愛 LET'S GO! 2~ウルトラ怪獣総進撃~

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